Everybody! Good Monday!
[vol 40]
2010年第40週が始まる。
10月の第2週。
めっきり秋らしくなって、
あっという間に夕暮れがやってくる。
「秋の日はつるべ落とし」
気持ちは年の暮れに向かう。
アメリカでは、10月には、
末日の31日「ハロウィン」に向けて、
一色のプロモーションが展開される。
秋に入ると、ハロウィンを目指す。
ハロウィンがおわると、
11月第4木曜日「サンクスギビングデー」に向かう。
そしてこれが終わると、
12月25日のクリスマスに向けた商戦のピークに入る。
ハロウィンから1カ月後がサンクスギビング。
その1カ月後が、クリスマス。
これら全体がクリスマスに向かっているが、
ここには、三本立てのオムニバス映画のような趣がある。
コンセプトの異なる三つのストーリー。
しかしそれらに一貫性がある。
アメリカの小売業・サービス業は、
10月⇒11月⇒12月と、
三つの階段を上るように、
自らの顧客を盛り上げる。
道筋がはっきりしているから、
現場も顧客も、気分をのせやすい。
現場を訪れると、なんというか、
「乗りやすい店」になっている。
さて、今月10月の山を確認しておこう。
第1が、11日の「体育の日」までの3連休。
まさに快適な秋の象徴。
第2が、23日(土曜)、24日(日曜)、
そして25日(給料日)の3連弾。
第3が、月末31日のハロウィンへ向けての盛り上がり。
このように10月は、商売をやるには、
実にわかりやすいシーズンだ。
顧客も、待ち構えている。
成果が上がらないはずはない。
今週は、第1の山「体育の日」に向けて、
全力を挙げる7日間、
いや、来週月曜日までの8日間と、
認識しておいた方がいい。
さて、イトーヨーカ堂が小型店を積極展開する。
店名は「イトーヨーカ堂食品館」
小型店といっても店舗面積900㎡サイズ。
しかも都心型。
1号店は東急ストアの跡地への居ぬき出店。
東京・中央線の阿佐ヶ谷駅北側。
余談だが、阿佐ヶ谷と言えば、
必ず友部正人の歌を思い出す。
「ボクは今、
阿佐ヶ谷の駅に立ち、
電車を待っているところ
・・・・・・・・・・
ああ、中央線よ、
空を飛んで
あの娘の胸に
突き刺され」
「流通ニュース」が、
イトーヨーカ堂の都心型小型店を、
詳しくレポートしてくれている。
この店は年商予定約20億円。
グロサリー4200品目、生鮮食品1800~2000品目で、
食品合計約6000品目、それに日用雑貨に軽衣料だから、
基礎的な商品とPBが満載された便利な店となっている。
初年度は東京23区内に約10店舗、
将来構想は大都市圏に100店舗体制構築という。
戸井和久イトーヨーカ堂取締役執行役員販売本部長。
「松竹梅の品揃えを見直した。
上質商品はアイテム構成比で25%、売上高で20%、
通常商品はアイテムで50%、売上げで60%を見込む」
亀井淳イトーヨーカ堂社長。
「価格ではなく価値を訴求をする業態」
「今度の業態はお客さまの生活ニーズを捉えて、
お客さまに入り込んでいく店舗としたい」
「300坪で1km商圏という設定」
「首都圏を分析した結果、
非常に大きなチャンスがある」
ただし、小型スーパーマーケットは難しい。
大型化するより、断然、難しい。
イオンの「まいばすけっと」は150店、
マルエツは「ポロロッカ」「フ―デックスプレス」「サンデーマート」を、
「マルエツプチ」に転換し始めているし、
ダイエーの「ビッグエー」はもう170店。
私の考え方。
「小型化とは
まったく新しいマーケティングによって、
新しいフォーマット、
新しいビジネスモデルを、
創造すること」
その落とし穴は、
「小型店は、一応、形は作りやすい点」。
既存のフォーマットからの縮小版で可能だからだ。
従って易きに流れがち。
コーネル大学名誉教授ジン・ジャーマン先生の見解。
「小型店は客数が少ない。
その少ない客数が、
生鮮食品の商品回転率を下げて、
鮮度を落とすリスクが生じる。
小型店には、この壁が、
常に大きく立ちはだかっている」
イトーヨーカ堂食品館にも、
壁が立ちはだかっていることは変わらない。
最後に今週の私のスケジュール。
今日はグランドプリンスホテル赤坂で、
『ペガサスクラブ政策セミナー』受講。
渥美俊一先生がお亡くなりになった直後の看板セミナー。
夕方、成田エクセルホテル東急に入って、
明日、米国テキサス州に向けて出発。
オースティン・ダラスからニューヨークにわたって、
今週が終わる。
今月の商人舎標語は、
「良く噛んで食べる」
渡米中も私は徹底する。
「良く噛んで食べる」
「目がさめている限り、なんでも」
食べるものを食べる時だけではない。
考えるときも、話すときも。
では、今週も。
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>