昨日のニューヨーク外国為替市場、
1995年4月下旬以来の円高・ドル安。
1ドル81円台に突入。
今、そのニューヨークにいる。
原因は、アメリカ側にある。
労働省が9月の雇用統計を発表。
非農業部門の就業者数が、
4カ月連続で減り、
9月は前月よりも9万5000人減った。
つまり雇用不安。
それが合衆国の景気不安感につながった。
国際通貨基金(IMF)の見通しでも、
成長率は大幅下方修正。
この景気後退は、
店頭に顕著に表れている。
テキサスでもニューヨーク周辺でも。
ウォルマート・スーパーセンターの一部の店舗からは、
明らかに客足が減った。
スーパーターゲットもがらんとした売場と店。
クローガーのハイパーマーケット型マーケットプレイスも。
セーフウェイ(トムサム)のニューライフスタイル・タイプもガラガラ。
HEBには生鮮とデリの売り場だけに客が付き、
ローカルスーパーマーケットのマーケットストリートも。
スプラウツファーマーズマーケットも。
ニューヨークのフェアウェイマーケットも、
見事な売り場に客がいない。
芋が通路に、ゴロリン。
ヨンカースのスチューレオナードも、
グンとさびしくなった。
比較的良さそうなのが、
ホールフーズ、トレーダージョー、コストコ。
私の名づけたWTC。
それにアルディ。
新しいWTCAか。
アルディは、もともと、
客数はそれほど多くなくとも利益が出る。
コストコでさえ、
客数が減り、客単価が下がっているように感じられる。
ホールフーズはフードサービス部門に、
集中的に客が集まる。
従って、すべての例外は、
トレーダージョーか。
しかしそのトレーダージョーですら、
ちょっと客数は減っているし、
客単価は落ちている。
恐ろしいことが、起こりつつあるように思う。
ただし、大いに救われることがある。
それは第1にすべてといってよいほどの店の売場の状態が、
水準を保たれていること。
第2は、そこに働く人々の士気が落ちていないこと。
ホスピタリティとスマイルが顧客を待っている。
このことは、ほんとうに勉強になる。
売場がどうの、陳列がどうの、
そんなことよりも、
いつでも、お客様を
おもてなしする準備ができている。
態勢が整っている。
それこそ、小売業・フードサービス業が、
国内総生産の7割を占めるアメリカ合衆国の「良さ・強さ」だと思う。
「元気を出そうよ、
それがあなたの仕事です。
たとえ売るものがなくなっても、
あなたには元気を売ることができる。
元気を売ろうよ、
それがあなたの仕事です」
一方、商人舎USA研修スペシャルコース・チーム。
元気いっぱい。
自由の女神を背景に。
大型ショッピングセンターのダラス・ギャラリアで。
メリッサ・フレミングさんを囲んで。
ダラスの空港で。
ホールフーズのクッキングスクールの前で。
若さに満ちたアルディの地区マネジャーとともに。
そしてホスピタリティあふれるマ-ケットストリートの店長を囲んで。
アメリカの知識商人たちが元気だから、
日本の知識商人も元気です。
ありがとう、知識商売。
ありがとう、知識商人。
<結城義晴>
[追伸]
昨日触れた「誰がウォルマートを殺すのか?」
この報告のプロローグは、
来週、アップする予定です。