Everybody! Good Monday!
[vol 41]
しかし今日は「体育の日」。
日本は、いい天気だろうか。
昨日の10日は朝8時に、
商人舎スペシャルコースの「結(ゆい)まーる」チームを、
ホテル「マリオット・マーキーズ」で見送って、一人になった。
今回のホテルも、
商人舎ツアー・チーフ・コーディネーター鈴木敏さんの執念で、
ニューヨーク・マンハッタンのタイムズスクェアのまん前がとれた。
「マリオット・マーキース」。
もともと私は、ひとり旅が好きで、
40歳代にヨーロッパを訪れるときは、
たいてい一人だった。
「結まーる」とは、沖縄語。
うれしいこと、つらいこと、かなしいこと。
すべてを分かち合い、お互いを思いやり、
助け合う心といったことか。
倉本長治先生のお墓に刻んである「恕」のようなニュアンスを持ったことば。
最後の晩の部屋での交流会の最後に、
沖縄の㈱リウボウストア社長の茂木正徳さんが言い出して、
即、みんなが賛成。
「結」が私の苗字「結城」の「結」だということもあって、
2010年秋の商人舎USAチームは「結まーる」となった。
その結まーると分かれて、午前中はホテルの部屋で仕事。
昼ごろ、地下鉄で、
マンハッタン4thアベニューとイースト10ストリートへ。
博多ラーメン「一風堂」がある。
福岡ラーメンのナンバー1ブランドが、
3年前にニューヨークに進出して、大盛況。
壁面には、日本の有名ラーメン店の丼が飾られている。
日曜日の昼時で、20分の待ち時間。
待っている間にバーで恵比寿ビール。
席に着いたら、
赤丸ラーメン・煮卵付きを堪能。
その後、再び地下鉄で、セントラルパークへ。
広大な公園の片隅を散策。
替え玉まで食べた腹ごなし。
もちろん今月は、ラーメンも、
「良く噛んで食べる」
5番街の大通りから、セントラルパークの西の端まで、
連綿とパレードが繰り広げられていた。
南アメリカ各国のデモンストレーション。
とにかく陽気。
それがいい。
ニューヨークでは年間に、
270回もこういったパレードが行われるとか。
久しぶりにのんびりしてから、
夕方、4時半にはタクシーでジョンFケネディ空港へ。
ロンドンやパリと比べて、ニューヨークは地下鉄や鉄道の便が悪い。
だからどうしてもタクシーとなる。
チェックインは意外なほどスムーズに終わって、
アメリカン航空のラウンジで3時間、仕事。
私はこのアメリカンのゴールド会員。
これだけ海外渡航していれば、それも当り前か。
しかしこの3時間は、なかなかインターネットがつながらず、
あっという間に過ぎてしまった。
夜8時20分発ロンドン行き。
約7時間で、大西洋を飛び越える。
ニューヨーク時間午前3時半、
ロンドン時間午前8時半、
ヒースロー空港に到着。
機内でディナーを採って、
ビールとワインを飲んで、
ラッセル・クロウの「ロビンフッド」の映画を見ながら、
熟睡。
ここでも、あっという間にロンドンに着いた。
ロンドンからは地下鉄。
ピカデリ―ラインに乗って30分、
グロースター・ロード駅で降りて、
ホテルは「ミレニアム・グロースター」。
地下鉄一本で、ホテルの駅まで来ることができる。
ほんとうに便利だ。
ロンドンはニューヨークと違って、
大人の街。
地下鉄でも、日本のように携帯電話を見ている者はいない。
皆、新聞を読んでいる。
私はパソコンをとりだして、
このブログを書いている。
グロースター・ロード駅に着いて、
目的のミレニアム・グロースターはすぐに分かった。
歩いて、3分。
いよいよ、ヨーロッパでの1週間が始まる。
ロンドンに5日間、
パリに3日間。
何事も、「良く噛んで食べる」。
そして「無茶をせず、無理をする」
さて、まだまだアメリカ報告をしなければならない。
今日のテーマは、
「商品に語らせる」
スーパーマーケットは、
人々の普段の暮らしにお役立ちする商売だ。
だから、売っているもののほとんどは、
「普段の生活に必要な商品ばかり」。
もちろん生活が個性化し、多様化し、高度化してくると、
普段のくらしの幅が広がる。
ちょっと珍しいもの、人々が知らないもの、知らない食べ方などが、
品揃えの中に入ってくる。
その時には、言葉や表現で説明しなければならない。
当然のことだ。
しかし、普段の商品には、くどくどとした説明はいらない。
だから、ほとんどの場合、
「商品に語らせる」ことになる。
その典型的な店を紹介しよう。
フェアウェイマーケット。
もともとは八百屋。
1940年にNathan Glickbergが、
マンハッタンに小さな青果店をオープン。
1995年には、最大のハーレム店オープン。
ここで自信をつけて、
2001年、ロングアイランドに郊外型プレインビュー店を開店、
そして2006年に、このブルックリンの倉庫街にレッドフック店オープン。
企業売上高は推定3億ドル(約360億円)。
このレッドフック店は、
店舗面積5万2000スクエアフィート(約4830㎡)、
駐車台数300台。
開店費用は2800万ドル(約33億60000万円)、
週販目標は80万ドル(約9600万円)
この4階建の建物の1階部分に、
迷路のようなレイアウトのスーパーマーケットが配置され、
上階は45個の住居とアーティスト向けオフィススペースとして提供。
さて店に入ってゆこう。
駐車場と店舗の間にテントが張られている。
そのテント内に常温の青果中心にボリューム陳列。
これ、フェアウェイの特徴。
外からでも見えるような売場。
商品が語っている。
このあたりを歩いていると、もう、
わくわくしてくる。
陳列台は店内店外ともに、やや高い。
さて、スウィングドアを押して、店内に入ると、
まず青果部門。
他を圧するモモの売場。
この入口の一角を抜けると、
青果部門の圧倒的な品揃えの売場に入る。
葉物野菜も、商品が語る。
POPは少ない。
店舗右奥のコーナー。
レタスなど、茎を見せての陳列。
葉物は縦陳列が基本。
多段陳列も活用する。
そのあたりは臨機応変。
全米・世界各地の農地から直接仕入れることで、
高品質低価格の商品を品揃え。
見てください。
「商品が語る」売場。
「商品に語らせる売場」。
言葉はいらない。
いや、最小限でいい。
名優は、沈黙のときの表情で語る。
しぐさで語る。
だからぽつりとつぶやく言葉が生きる。
根菜類も、果物のように美しく見える。
リンゴは、敷物を敷いてボリューム陳列。
レモン、オレンジも、ボリューム陳列。
ここにも言葉はいらない。
値段だけでいい。
一つひとつ丁寧に並べられている。
キノコの売場は青く見える。
正面から見ると一段と迫力がある。
オリーブやピクルス売場は、一品ずつボトルに入れてある。
土曜日、日曜日には、
これを積極的に試食させる。
チーズの品揃えは、350種類。
青果から生パスタ売場へ。
トップボードに商品やカテゴリーの説明があり、
商品周りには無駄な装飾や説明がない。
だから「商品が語る」ことになる。
青果、日配から、鮮魚売場へ。
鮮魚売場はRケースで対面販売方式。
ホールフーズやウェグマンズよりも、
広い売場のシーフード部門。
精肉は対面売場と多段ケースでのセルフ売場の併用。
Meat Marketと名付けられている。
対面は加工肉から入る。
そして、最後が牛肉。
その中でも、ポ-タ-ハウスステーキは重要アイテム。
ミートから惣菜へ。
大皿盛りのデリカテッセン。
ちなみに「デリカテッセン」はドイツ語。
英語では「デリ」。
「デリカ」は日本人の造語。
売れ筋はすぐになくなる。
菓子や加工食品も、
生鮮と変わらない。
商品自身に語らせる。
このカテゴリーなど、
「Fairway Market」の名の入ったプライベートブランドばかり。
ナショナルブランドが弱い分野には、積極的にPBを投入する。
壁のような前進立体陳列。
その中にアクセントを設ける。
それだけで商品が語ってしまう。
袋菓子もプライベートブランド。
ユダヤ人向けの商品を集めた売場。
クッキーの売場。
両サイドから商品が迫ってくる。
通路中央に島陳列を設ける。
これも基本中の基本。
ドレッシング売場。
ワインや酒のコーナー。
クッキー売場。
加工食品売場の最後のところ。
陳列棚3本に1カ所くらいの割合で、
通路内関連販促の島陳列を設ける。
顧客の方向に商品の「顔」を向けるのがセオリー。
通路内にソフトドリンクの関連販売を仕掛けると、
エンドではドリンクの大量陳列。
理にかなったスーパーマーケットの基本が守られている。
最後にコーヒー売場。
注文に応じて、コーヒーを挽いてくれるし、
量は顧客の望むままに分けてくれる。
サービスデリのサンドイッチやサラダのコーナーを抜けると、
出口があって、ここから自由の女神を臨む。
迷路のような売場。
すべての商品が顧客に語りかけてくれる。
その店を抜けると、
眼前には広大な水と川と自由の女神。
多民族国家のアメリカ合衆国では、
文盲の客は多い。
だから余計に、商品で語らせる。
しかし、ショートタイムショッピングを考えると、
日本でも言葉は最小限でいい。
商品が語るのが一番だ。
いかがだろうフェアウェイと商品が語る売場。
(つづきます)
<結城義晴>