日本を旅立ってから、
何日経つのだろう。
「思えば遠くへ来たもんだ」。
70日ぶりに地上に戻った33番目のチリ鉱山作業員、
現場監督のルイス・ウルスアさんに比べれば、
日本を発ってから、わずかな日数でしかない。
それでも、「思えば遠くへ来たもんだ」。
日本では新生ザック・ジャパンがアルゼンチンを1-0で下し、
好敵手の韓国とは、親善試合とは思えない死闘をみせたらしい。
今日14日からは、プロ野球パリーグでは、
クライマックスシリーズのファイナルステージ。
プロゴルフは、
日本オープンゴルフ選手権が始まった。
初日の結果は今頃出ているだろうし、
今週末にはチャンピオンが決まる。
残念なことに、リアルで見ることができない。
本当に、思えば、遠くへ来たもんだ。さて、昨日は、朝から、
テスコの店舗を視察。
バックヤードからテスコ・ドットコムの実態まで見せてもらって、
なおかつ熱心に解説してもらって、満足至極。
スーパーマーケットのアクションを、
私は「スーパーマーケティング」と呼んでいる。
スーパーなマーケティングと、
スーパーマーケットのマーケティングを引っかけて、
「スーパーマーケティング」。
この面で、最も進んだ企業が、
テスコであることに異論をはさむ者はいないだろう。
世界の小売業売上順位でも、
第1位がウォルマート。
2010年度の売上高4082億ドル、純利益143億ドル、8613店。
第2位がフランスのカルフール。
同じく売上高1214億ドル、純利益4.5億ドル、1万5661店。
どちらも国際的にいえば、
ハイパーマーケットという業態を中心にチェーン展開している。
第3位がドイツのメトロ。
売上高911億ドル、純利益5.3億ドル。
メトロの中核フォーマットはキャッシュ&キャリーと呼ばれるが、
これはアメリカでいうメンバーシップホールセールクラブに似たもの。
アメリカの呼び方のほうがむしろ特殊で、
キャッシュ&キャリーの業態名が一般的だろう。
そして第4位がスーパーマーケット企業のテスコ。
売上高902億ドル、純利益37億ドル、世界で4331店を展開する。
これはアメリカ第1位のクローガーの売上高767億ドル、純利益7000万ドルを、
売上規模でも経営の質でも、
進取性においても、
はるかにしのぐ。
だから世界最大、最高のスーパーマーケット企業といってよい。
もちろん、最高となるとその尺度をどうするかという議論が出てくるから、
テスコは世界最大にして、
世界最高のレベルの企業というほうが正しい。
そのテスコの最新戦略、おいおいご報告の予定。
さてその後、テスコのサービス・ベンダー企業を訪問。
ハーバート・リテイル。
入口にウェルカムボード。
この会社は250年の歴史を持つ。
会社概要とテスコをはじめとするイギリス小売業のレクチャーを受ける。
そしてみんなで写真。
ロンドンで二日ほど空いた時間に、
テスコの取材ができて満足。
疲れが吹っ飛んだ。
遠くへ来るのも悪くはない。
いよいよ今日からツアー第二弾のスタート。
心は燃やせ、頭は冷やせ。
ヨーロッパでも。
<結城義晴>