一昨日、ドル安円高で、
1ドル80円台がついた。
3年前の2007年にはドルは120円だった。
いまや120円は1.5倍をひっくり返した分ほど、
円安に感じられる。
朝日新聞のコラム「経済気象台」
コラムニストの遠雷氏が言いにくいことを書いている。
「過剰利得への沈黙」
2007年の時点でも、輸出関連業界は、「円安の効果について沈黙」。
「そしていま、やはり輸入業界は円高の効果に沈黙している」。
「マスコミは、空洞化論をはじめとして、
円高のマイナス効果探しに懸命である」
「自国の通貨価値の下落を望む気持ちはわからないではない。
だが努力をせずに利益が転がり込むことを願うのは、
そろそろやめにしたらどうか」
私もまったく同感。
「円高恐怖症という『持病』と同様にネガティブに過ぎる」
さて、昨日は、東京・青山の国際連合大学本部。
中に入ったとたん治外法権となるこの大学。
2010年コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン。
その第三期開校記念セミナーが開催された。
㈱アーマ・ジャパン代表の故西村哲さんが、
その一生を掛けて切り開いたコーネル大学と日本の食品産業との架け橋。
それが産業内大学コーネル・ジャパンに引き継がれ、
従って西村時代のタイトルを踏襲して、
「第7回食品産業経営戦略セミナー」とも銘打たれている。
会場は、3階の「ウ・タント・ホール」
毎年、開校セミナーを開催させてもらうが、
素晴らしい会場。
正午の開始に向けて、
次々に受講者が集まってくる。
第3期生31人はもちろん、第2期生、講師陣、
その他のセミナー参加者。
私の隣から、第2期生の夏原陽平さん、
山本義昭講師、第2期生・柄谷康夫さん。
テーマは「スーパーマーケットの原点回帰とイノベーション」
最初に開講の挨拶。
増井徳太郎新日本スーパーマーケット協会副会長。
このセミナーの主催は、社団法人新日本スーパーマーケット協会。
後援が、オール日本スーパーマーケット協会、
そして日本スーパーマーケット協会。
三つの協会が挙げて賛同してくれるプロジェクトが、
コーネル・ジャパン。
講演1は、エドワード・マクラフリン博士。
コーネル大学RMPジャパン学長で、
もちろん本国のコーネル大学食品産業学部長。
テーマは、「グローバル・リテイリングの趨勢」
最新の世界小売業情勢がふんだんな資料をもとに語られた。
コーネル大学は、この面での世界最高峰のアカデミズム。
学者といっても、ビジネススクールを主催するマクラフリン先生、
体系的に総括的に、グローバル・リテイリングの趨勢を解説してくれた。
90分の講義の後、15分の休憩時間。
コーネル大学RMPジャパン初代事務局長の大高愛一郎さんも、
駆けつけてくれた。
現在、三井物産に所属して、商品開発を担当している。
コーネル・ジャパン講師の田中実先生。
来年5月の「ホスピタリティ講座」で講義をお願いしている。
講演2は、ロッド・ホークス博士。
テーマは、「米国発・革新的なスーパーマーケットのアイデア」
この講義、ものすごく面白かった。
アイデアといっても、ホークス先生の講義で言及されたのは、
店頭でのアイデアだけではない。
テクノロジーのアイデア、
出店と店舗拡大のアイデア、
商品に関するアイデア、
マーチャンダイジングのアイデア、
健康とウェルネスのアイデア、
ストア・フォーマットのアイデア。
さらにサステナビリティと企業文化に関するアイデア。
8つのイノベーション分野からの考え方を、
アメリカの事例をもとに語りつくしてくれた。
講義が終わって、㈱菱食特別顧問の廣田正さんと懇談。
廣田さんはさらに、次の講演者とも懇談。
その講演3は、日本を代表して㈱阪食社長の千野和利さん。
テーマは、「進化する高質食品専門館」。
関西地区でのポジショニングと新業態開発。
そのために不可欠の「働きたい企業づくり」。
いい話だった。
千野さんの決意がこもっていた。
締めは、セミナーの総括。
荒井伸也コーネル大学RMPジャパン首席講師。
ご存知、オール日本スーパーマーケット協会会長。
そして最後は結城義晴。
コーネル大学RMPジャパンの趣旨と意義、
さらに「ポジショニング競争」時代を迎えていること、
原点回帰といっても。
その原点は元の位置にどどまっている原点ではなく、
イノベーションの果てに確認される新しい原点であること。
そんなことを総括した。
西村哲さんの残してくれたコーネルらしいセミナーであることが、
ことのほかうれしかった。
最後までのご清聴、心から感謝したい。
公開セミナーが終了した後は、懇親会。
ここでも新日本スーパーマーケット協会副会長の増井徳太郎さんが、
乾杯のご挨拶とご発声。
増井さんのご挨拶は、いつも、心がなごむ。
しばらく懇談した後は、先生がたのスピーチ。
まず、ロッド・ホークス先生。
ホークス先生は菜食主義者。
それもベジタリアンなどという生易しい菜食主義者ではない。
ベーガンという徹底した菜食主義者で、
卵、牛乳、魚も食べない。
奥さんのジャネットさんは、
肉もウナギもおいしそうに食べる。
不思議なご夫婦だが、仲は良い。
ホークス先生に続いて、
コーネル・ジャパン学長のマクラフリン先生。
第2期生の安友健雄さんがコーネル大学のネクタイを締めてきたが、
マクラフリン先生はそれがとても嬉しかったようで、
「来年7月の卒業旅行を楽しみにしています」と挨拶した。
その後の懇親会。
コーネル講師陣の三人の人々。
昨年、ゴルフでホールインワンをした荒井先生と廣田先生、
それに今年10月10日の体育の日にホールインワンした玉生弘昌先生。
㈱プラネット社長。
「コーネル・ジャパン・ホールインワン・トリオ」と呼ぼう。
皆さん、この話題になるとまんざらでもないご様子。
さて最後は、副学長の出番。
まず講師陣(ファカルティと呼ぶ)の紹介。
そして、第3期生の紹介。
もう恒例となったが、第3期生のキャッチフレーズ発表。
私の独断で、期の初めに言い放ってしまう。
受講生はそれを背負って1年、励むことになる。
初年度が「伝説の第1期生」で、
二年目は「奇跡の第2期生」だった。
そして三年目は「実行の第3期生」とした。
伝説をつくった1期生、
奇跡を起こした2期生に対して、
3期生は実務肌が多い。
実践実行によって、
コーネル・ジャパンの盤石の礎を築いてくれるに違いない。
期待します。
そして第3期生とこの日のセミナー講師陣の記念写真。
いかがです?
パワーを感じませんか?
かくて懇親会も閉幕。
皆さんお疲れ様でした。
最後の最後に、増井さんとツーショット。
ありがとうございました。
心から感謝。
<結城義晴>