昨日、帰国して、久しぶりによく眠った。
ほんとうによく眠った。
10月5日に日本を発ってから、
私が1日1万歩以上歩いた日。
10月7日 11869歩、
10月9日 12876歩
10月10日 13037歩、
10月11日 17118歩、
10月14日 12229歩、
10月16日 12509歩、
10月17日 13854歩、
10月18日 12513歩。
ずいぶん歩いた。
睡眠時間も3時間から5時間の間。
この疲れがたまっていたのだろう。
昨日はとにかく、眠った。
枕が違うと眠れない、などというが、
私にはそれはない。
しかし、自分の家で寝るというのは、
やはり心から安心するのだろう。
とにかく、深く眠った。
しかし今日からもう、次のスケジュールがびっしり。
朝から起き出して、出かけた。
さて、今日の毎日更新宣言ブログでは、
2010パリ国際食品見本市の全貌を明らかにしよう。
SIALは、グローバル・フード・マーケットプレースと銘打たれているが、
Salon International de l’Agroalimentaireの頭文字をとったもの。
主催は、COMEXPOSIUM社。
「パリ国際食品見本市」として、毎偶数年に
パリノール見本市会場で開催される。
パリノール・ヴィルパント会場は、
従来の1号館から6号館までに加えて、
7号館、8号館が新設増床され、総面積10万6123㎡。
それぞれの号館が、
日本のビッグサイト東館や幕張メッセくらいの大きさを持っていて、
それが9ホール分もあると想像してもらえばいいだろう。
最大面積の5号館は、さらに5aホールと5bホールに分かれるからだ。
来場者は14万8000人。
入口には、各国語で「ようこそ」と幕が掲げられている。
出展社数は、約5500。
104の国と地域からの参加で、
まさに国際色豊かな食品フェアとなっている。
来場者の42.0%がフランスから、
37.6%がフランス以外のEU諸国から、
そして20.4%がその他の国から。
出展社も、78%はフランス以外の国から。
開催は10月17日から21日までの5日間で、
初日の17日には続々と入場手続きをしている光景がみられる。
今回も、SIALと国際食品機械見本市(IPA)、
およびインフード展の同時開催。
毎奇数年にはドイツ・ケルンメッセでアヌーガが開催されている。
シアルは、このアヌーガと並び称される世界2大食品フェア。
1号館から4号館までは、国別展示会場。
これがすごい。
1号館入り口にはUK(イギリス)のブースがデンと構えている。
1号館も広大なスぺース。
イタリアのパビリオンは、いつも華やかだ。
この中の2号館に日本パビリオンもある。
270㎡に19企業・団体の参加を見た。
香川県パビリオンだけ独立していて、
試食を中心に集客している。
3号館のフロント部分。
5号館のaとbのホール、および6号館の広大なホールは、
主にフランス国内企業のカテゴリー別の展示。
中心にSOPEXAのブースがある。
5bは乳製品と卵のカテゴリーが一堂に集められている。
5bの端にインフード展。
原料・半加工品専門のフェアで、
ここには世界中のプロが集まる。
欧米では、日配品というくくりはない。
デアリ―(dairy)は乳製品。
それがこの5bホール。
5aには、グロサリー、飲料、酒、菓子などの展示があり、
6号館は精肉や加工肉、野菜・果物の展示。
回転寿司のRice Wichのブース。
8号館が注目のホール。
ここにはグルメ・フード、オーガニック・フード、
ヘルス・フード、サプリメント、そしてティー・パビリオン。
オーガニック・フードのコーナーの中央には、
コンセプトブースが設けられている。
オーガニック・ワイン。
チーズでもオーガニック商品が展示されている。
グルメ・フードのブースの真ん中には、
こちらでもコンセプト・コーナーがある。
そしてグルメ体験の詳細なマトリックス分析が、
展示されている。
その中の「エクセレンス&ノウハウ」の商品展示。
コンセプト・コーナーの周辺には、
各社のブースがちりばめられていて、
盛んにサンプル提供がなされている。
もちろんフランスのフォションのブースには、
大きな人だまり。
最後に広大な7号館はIPAの展示場。
IPAは食品機械見本市。
かつてはパリ市街のベルシーで同時期開催されていたIPAは、
現在、パリノール会場に移り、大変便利になった。
一つひとつのブースは広くて、専門的。
例えばCEPIのブースには、機械がずらりと並ぶ。
SIALの特徴は展示場以外の企画が充実していること。
そのひとつは「ワールド・カンファレンス」。
セミナーの内容に関する解説ボード。
ちょうどサプライチェーン・マネジメントの講座が開かれていたが、
初日の午前中ということもあって、
講師は熱心にレクチャーしていたが、
ご覧のように参加者は少なかった。
6号館入り口からエスカレーターを降りると、
SIAL定評のイノベーション&トレンドコーナーがある。
イノベーションとトレンドは5つの軸(axes)と、
そこから枝分かれした15のトレンドが図示されている。
5つの軸とは、
①プレジャー
②ヘルス
③フィジカル
④コンビニエンス
⑤エスニック
2010年のトレンド指標も明示されている。
イノベーションを果たした350品目が展示されている。
イノベーション&トレンドコーナーとともに、
シアルを象徴するのが「シアル・ドール」。
世界ヒット商品コンクール。
1986年から開催されているシアル・ドールには、
今回、30カ国が参加している。
私も、1992年から2004年まで、
シアル・ドール日本代表選考委員を務めた。
この段階では、カテゴリー別のナンバー1アイテムが、
選考され、展示されている。
アルコール飲料カテゴリーでは、
左端が金賞のアイテム。
過去2年間のヒット商品が30カ国から集められ、
それぞれのカテゴリー別に第1位が決められる。
それがカテゴリー金賞。
このカテゴリー賞の中から、
さらにたった一つの商品を選ぶ。
それがグローバル・シアル・ドール。
2004年には、ロッテ・クーリッシュで、
私はこのグローバル・シアル・ドールを獲得した。
私の人生でもハイライトのひとつだった。
2010年のグローバル・シアル・ドールはいったい何か。
この大きな「?」の中にその商品が展示されている。
シアルは、その展示会としてのスケールによって、
世界に冠たる食品フェアであることを証明しているが、
同時に世界の食品のイノベーションのトレンドを分析し、
さらにそれを誘導することによって、
その存在価値を高めているのである。
ただし、イノベーション・コーナーに展示された350品目を見るにつけて、
大きなトレンドの中だけで革新が起こるのではないことがよくわかる。
コモディティ化が進む食品マーケットの中で、
350の小さなイノベーションの塊こそが、
世界の食品の明日を切り拓いていることを感じずにはいられない。
小さな継続的なイノベーションにこそ、
いま、私たちは力を振り向けねばならないのだ。 (まだまだ、つづきます)
<結城義晴>