ブラジルに初の女性大統領誕生。
政府与党の労働党ジルマ・ルセフ女史、
前官房長官の62歳。
軍政時代には、
左翼ゲリラの闘士だった現中道左派の人。
「惨めさを根絶し、
すべての人に
平等な機会を与えたい」
今、絶頂期の人の言葉には、
理想主義が満ち溢れている。
一方、アメリカ合衆国では、今日11月2日、
連邦議会の上下院中間選挙が投開票される。
最終盤の世論調査では、
下院で与野党が逆転する可能性が極めて大きい。
前回の大統領選でバラク・オバマ支持だった無党派層でも、
「オバマ離れ」が進んでいる。
無党派層とは、商売にたとえると、
流動顧客。
あれだけ熱い支持を寄せたオバマ大統領からも、
流動顧客たちはすぐに離れていく。
さらに固定客層のはずだった民主党員に対しても、
オバマ大統領は語っている。
「我々にとっての大きな課題は、
民主党員と共和党員との間にある『熱意のギャップ』を
いかに縮めるかだ」
固定客層は、
完全に離れていくわけではないが、
「熱意」を失う。
店と客にたとえると、
常連顧客は「熱意」を喪失し、
結果として、来店頻度が下がる。
そこでどうするかよりも、
いかにここまでもってこないか。
政治も商売も、
マイナス・トレンドに陥ると、
ひどく難しくなる。
プラスのトレンドをつかんだら、
「理想」を掲げていればいい。
すなわち、易しい。
私の著書『メッセージ』から「一番の人気」 。
あなたの店が繁盛しているとする。
売上高の半分は実力なのだろう。
しかし、あとの半分は、人気によるものだ。
人気とは、一番の者に与えられる特権である。
あなたの店が不振だとしよう。
不振の半分は、店の実力による。
しかしあとの半分は、人気がないからだ。
二番手、三番手、四番手だからである。
では一番の人気は、
なぜ獲得できたのか。
そして一番の人気は、
どんなときに逆転するものなのか。
何も競争がない時代。
すばやく時流をとらえた者が、まず人気を博する。
人気は実力に決定的な影響を与え、実力はどんどん向上する。
追いかける者がいくら努力しても、この実力差は詰まらない。
どんなに消費が冷え込んだときにも
どんなに営業不振のときにも
一番人気の店は密かに客の支持を伸ばしている。
二番手以下は急激に落ち込む。
ただし、追う者の強みというものもある。
紙一重の差までは、努力しだいで到達することができる。
しかし、この紙一重の差が大きい。
だから、そこから先は運にめぐまれるしかないのかもしれない。
たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、ころがり込んでくるものなのだ。
<第4章・戦略と政策より>
さて、昨日は、午後から横浜の商人舎オフィス。
午前中は、痛風の痛みに耐えつつ、自宅療養。
午後2時、中山政男先生来社。
㈱POP研究所代表取締役社長。
日本のPOP広告コンサルタント第一人者。
この商人舎ホームページで、人気連載中。
「中山政男が叱る! 間違いだらけのPOP」
中山先生は40年以上、日本の小売業界に対して、
POP広告の技術を開発し、革新し、指導し続けてこられた。
現在も現役として、大活躍。
昨日行われたのは、その中山政男と結城義晴の対談。
「POP広告の現状にモノ申す」
その中山先生の第一声。
「あまりにひどいレベルのPOPが氾濫している」
1990年代の私の『食品商業』編集長時代の企画。
「特集・POPが危ない!チラシがやばい!」
その時の状況から、さらにさらに危険水域に達している。
それでも、年商2000億円以上クラスの企業には、
会社としてのPOP マニュアルや仕組みがある。
だから、比較的、整然としているし、
コスト過多にもなっていない。
しかし1000億円企業、500億円企業を始めとして、
300億円・200億円企業、
それ以下の年商の企業群には、
なぜか、そういった仕組みがないことが多い。
あるいは、昔あったが、
現在は喪失してしまっている。
そこで、 現在のような、
「商品を売っているのか、POPを売っているのか、
わからないような売場が頻出する」
中山先生の言葉は、あくまで辛口。
辛口といっても、この道40年で、
日本のPOP文化を自らつくってきた中山先生だけに、
愛情のこもった辛口である。
私もまったくの同感。
流行の「コトPOP」。
それ自体の趣旨は悪くはないが、
内容と表現が稚拙なコトPOP、
時には完全な「不正表示」のコトPOPまでが、
売場に氾濫している。
これは古い常識も新しい常識も、
非常識すら超えたレベル。
しかも、POPマシーンが一般的に活用されてきたために、
印刷のためのトナー経費が膨大にかかっている。
それが無管理状態で野放しになっている。
私は、思う。
「売上高至上主義に陥っている。
それが最大の原因」
2時間以上の対談は、
いつ終わるともなく続きそうな気配すら漂わせた。
しかし、中山先生、次に岐阜羽島への出張を控えていて、
後ろ髪ひかれつつ退場。
詳細は、「中山政男が叱る! 間違いだらけのPOP」にて、
近日公開予定。
その後、夜、8時過ぎに横浜中華街。
當仲寛哲さん・鹿野恵子さんのカップルとお祝いの晩餐。
二人はこのたび、目出度くも、愛宕山神社にて結婚した。
當仲さんは、㈱USP研究所代表取締役所長。
USPはユニバーサル・シェル・プログラミングの略。
LINUX[リナックス]を使った情報システム開発の第一人者。
小売業・流通業の情報システム分野におけるイノベーターとして、
私が最も信頼し、期待する逸材。
鹿野恵子さんは、㈱商業界に入社し、
『商業界』『食品商業』編集部に所属した才媛。
入社面接のとき、私がファーストインプレッションで、
採用しようと思った人財。
當仲さんはコーネル大学RMPジャパンの講師を務めてくれていて、
恵子さんはそのアシスタントとして、講義に参画している。
以前から、そのおしどりぶりに、目を細めて見ていた私だが、
結婚の運びとなって、実の親のようにうれしい。
そのうえ、ニューヨークやロンドン、パリよりもおいしい横浜の中華料理。
久しぶりに満喫して、痛風のこともすっかり忘却の彼方へ。
幸せなってほしい。
幸せになるために、
努力してほしい。
そう、思った。
その心は、今月の商人舎標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
<結城義晴>