このブログとホームページに対するアクセス数が、
この1カ月くらい、急に増え続けています。
有難いことです。
すべてのみなさんに、感謝したいと思います。
もっともっと努力して、毎日毎日、
緊張感のあるブログを書く所存ですし、
私だけでなく、様々な方がたのブログも、
増やしていきたいと考えています。
商人舎ホームページは、
ショッピングセンターの店揃えと同じです。
新しいテナント店舗を増やし続ける。
様々な考え方、異なる意見の集積ができる。
それが商人舎ホームページの軌道です。
立冬が過ぎてから、
急に秋めいてきました。
さて、大相撲横綱・白鵬の連勝ストップ。
昭和の名横綱・双葉山の69連勝に届かず、
63連勝で止まる。
スポーツ新聞は当然ながら、全紙が一面トップ。
限りなくスポーツ新聞化している朝日新聞も、
一面左サイドに持ってきた。
双葉山は、連勝ストップのときに電報を打った。
「イマダモッケイタリエズ」
(未だ木鶏足り得ず)
双葉山の連勝を阻止したのが前頭・安芸ノ海。
1939年1月15日。
白鵬も前頭・稀勢の里に敗れた。
2010年11月15日。
こういうことは、起こりやすい。
教訓を超えた、ものの真理を見た気がした。
その前頭が徹底して前向きな相撲で横綱を倒した。
これも、落ちつづけていた大相撲の真価を示した。
白鵬は、その稀勢の里の正攻法に、
ちょっと慌てた。
心が慌てると、悪循環に陥る。
あの泰然自若の63連勝中の横綱も、
慌てると我を忘れる。
この姿は、私たちも、
頭に焼き付けておくべきだろう。
自分のこととして。
朝日新聞の一面トップは、
「海上保安官 逮捕見送り」
警視庁、東京地検のあり方が問われる。
警視庁は地方公務、
検察庁は国家公務。
公務が世論や世評を気にし過ぎる国家は、
間違っている。
どうも、変な方向に行っている。
朝日新聞ばかりで恐縮だが、
一面にもう一つの記事がある。
「内閣支持急落 27%」
大衆から拍手を受けやすいような記事ばかり。
この一面構成を見ると、
世論や世評を形づくり、
場合によっては扇動する大新聞に、
衆愚的大衆紙の臭いを感じる。
いずれこの責任は、
自覚してもらわねばならないだろう。
戦前の翼賛体制への迎合の歴史を忘れてはいけない。
今、衆愚的世論への迎合になってはいないか。
さて、昨日は午後から、
東京・東銀座。
第1回パチンコ懇談会。
ゲストスピーカーは堺屋太一さん。
作家にして元経済企画庁長官。
パチンコトラスティボード(PTB)有識者懇談会メンバーも、
全員がこの新しいパチンコ懇談会に参加する。
元経団連事務総長の三好正也先生を座長とするボード。
PTBには堺屋太一さんの旧通産省時代の先輩で、
ともに大阪万博を企画した和田裕さんも参加されている。
堺屋さんの30分ほどの講演の後で、80分ほど質疑応答。
予定の午後4時を過ぎても、終わらなかった。
その堺屋さんの講義と質疑。
とても良かった。
PTBはもう5年も、この業界の産業化を議論している。
その5年分の議論を超えるものが、
堺屋さんのレクチャーにはあった。
堺屋太一さん、本名は池口小太郎。
1953年、大阪・住吉高校2年の時、生徒討論会があった。
テーマは 「パチンコは健全娯楽か」
池口少年は「健全娯楽派」で論陣を張った。
その堺屋さんの現状に対する主張。
「最近のパチンコは難しくなった」
「昔のように一球入魂ができなくなった」
これが最大の問題だという。
あらゆる業界に起こることだが、
技術者にまかせておくと、
モノは難しいこと、精巧なことに突き進んでしまう。
これを「ゼロ戦化現象」という。
戦前の1940年ころ、
世界で最も性能がいいのは、
日本のゼロ式戦闘機だった。、
スピードが速い、小回りが利く。
そのうえ耐久性がある。
ただし乗りこなすには、
1000時間の練習が必要だった。
それに対して、ドイツのメッサーシュミットは、
300時間で乗りこなすことができた。
アメリカのグラマンは100時間。
技術者に任せておくと、
性能はいいけれど、
どんどん複雑になる。
ゲームソフトでも、ソニーの機械が断然、性能がいい。
対して、任天堂の生い立ちは花札の製造業。
だからか、ハードでなくソフトで遊ぶことを志向する。
結果、任天堂が当たっている。
なんでも、必ずゼロ戦化現象が起こる。
そして簡単に使えないから、従来のファンだけとなる。
「固定ファンから流動ファンへ」
これが重要だ。
小売商業でいえば、「マス」の獲得。
「10分あったらパチンコへ」
この気軽さも大事。
堺屋さんのレクチャーは30分、
その後、1時間以上も質疑応答。
最後に、二つの貴重な提案。
第1は「発想を転換する」
第2は「官僚と闘う」
そのために世論を味方にする。
そしてこれらを成就させるために、
まず「本気のプロデューサー」が是非とも必要。
本気のプロデューサーが中核になって、
業界の上位企業が結束する。
ここから業界の産業化は、始まる。
私も、以前からまったく同感だった。
日本のチェーンストア業界には故渥美俊一がいた。
日本のドラッグストア業界には宗像守がいる。
30人ほどの会合には、
もったいないくらいの内容だった。
「世論形成のためにマスコミをいかに活用するか」。
私の質問にも丁寧に答えてくれた。
まず「本気のプロデューサー」。
そして業界のリーダー企業の結束。
大阪万博を成功に導き、
沖縄返還後の観光化を実現させ、
上海万博では日本産業館に人気を集中させた。
自らが本物の「本気のプロデューサー」だったからこそ、
堺屋さんの発言は、リアリティがあると同時に、
ポイントをついていた。
堺屋さんとの質疑内容は、
これから運動体となって、
ダイナミズムを得て、
公然化されていくに違いない。
問題は、だれが、
「本気のプロデューサー」になるか、
なれるか。
この一点に絞られている。
最後に私は思った。
「本気のプロデューサー」には、
私利私欲があってはならない。
口だけの「利他」であってもならない。
堺屋太一が、身を持って、
それを示している。
内容のある一日だった。
本当に勉強になった。
堺屋さんに、心から感謝したい。
<結城義晴>