今日から師走。
2010年12月の始まり。
泣いても笑っても、
今月で今年は終わり。
あと30日と1日。
思う存分、
仕事に打ち込みたい。
少なくとも私は、
そう行動したい。
考えてみると私は、
子どものころから、
締め切り主義だったように思う。
「追いつめられること」をモットーとしてきた。
だから「押し詰まった環境」が大好き。
追いつめられると、
いつもいつも奮い立つ。
ひょんなことから大学院教授となって、
まさに「師走」がぴったりとくる今、
私にとって、この31日間は、
小躍りしたいくらいに興奮する時だ。
皆さんと、この1カ月を共有したい。
12月は、私たちのお客様にとっても、
忙しい日々だ。
今年にキリをつける。
そのために、買い物をする。
好むと好まざるとにかかわらず、
普段よりも多めの買い物をしなければならぬ。
どうせ買い物するならば、
楽しく、喜びに満ちた買い物をしたいはず。
それに応える。
それが商人。
いい仕事です。
だって、お客様は、
求めて、店に来てくれるのだから。
さてそんな12月の商人舎標語。
昨年は「厳しさに学べ」だった。
本当に厳しい師走が待っていた。
だから「厳しさに学べ」
そんな厳しさを学んだあとの今年の12月。
「実践躬行」<じっせんきゅうこう>
これを標語にしよう。
今年は、これしかない。
「口に出したことを自ら成し遂げること」。
今年は何度もこの言葉を使った。
何よりも、今年1年の標語が、
“Practice comes first!”
ピーター・ドラッカー先生の言葉。
その日本語意訳を「実践躬行・実行第一」とした。
思い出すまでもなく、
今年は「実践躬行」が求められて、
「実践躬行」できない年だった。
まずは政治と政府・行政。
菅直人内閣そのものが「実践躬行」できなかった。
日本の経済界も「実践躬行」できなかった。
政治と経済界、両者の協働も成らず、
円高は進み株価は下がり続けた。
小売商業・サービス業も、
実践躬行できないことが多かった。
百貨店も、総合スーパーも、
コンビニもホームセンターも、
ドラッグストアもスーパーマーケットも、
ファストフードもファミリーレストランも、
様々なサービス業も、
ほんの一部を除いて、
実践躬行できなかった。
だから来年のためにも、
今年の総決算の12月には、
実践躬行したい。
前成城石井社長の大久保恒夫さん。
現在、セブン&アイ・ホールディングス顧問。
先日のコーネル・ジャパンの講義で強調してくれた。
「マネジメント・レベルを上げよ」。
トップマネジメントや本部が考えたことが、
実行できる。
行動できる。
英語で“execution”。
それが小売りサービス業にとって、
一番大事だという。
12月商戦は、もうこれに尽きる。
「実行の水準をあげる」
「行動のレベルを引き上げる」
「実践躬行する」
やることはほぼ決まっている。
それを、やるかやらないかだ。
やれるかやれないかだ。
どれだけ手を抜かずにやり遂げられるかだ。
今年の12月は特に、
実践躬行あるのみ。
さて、まず頭に入れておきたいのは、
「ギリギリ消費」
何といってもクリスマスと年末際。
これが二大商機。
そして今年のこの時の購買は、
直前になるまで発生しない。
だからクリスマス商戦は、
23日から24日。
年末年始商戦は30日、31日。
2日間決戦。
このことは忘れないでほしい。
前日、当日まで、
辛抱に辛抱を重ねる。
購買はどっとは動かない。
そして最後のギリギリに、
ドカンと動く。
それまで我慢比べ。
我慢できずに見切ったり、
弱気になったりすると、
最後の「ドカン」のご利益が得られない。
さて、1カ月を俯瞰すると、
第1週の土曜日12月4日から「人権週間」がスタートする。
そして1週間後の第2週金曜日12月10日が「世界人権デー」。
1948年(昭和23年)12月10日、
第3回国際連合総会で「人権に関する世界宣言」が採択された。
これを記念して、この日に、
記念行事が行われる。
1年の最後の月の、その初めに「人権の尊重」が謳われる。
いいことだ。
私は、こういったことに敏感に反応し、
積極的に対応するのが、これまた大好きだ。
店には、そんなものが溢れていなければいけない。
第3週に入ると、12月14日火曜日は、
「赤穂浪士討ち入りの日」。
直接、関係がなくとも、世間では思い出される。
そして翌日の15日から、
「年賀郵便特別扱い」が開始される。
いよいよ第4週。
水曜日22日は「冬至」。
昼が一番短い日。
私は、この日、
必ず「柚子湯」に入る。
冬至がゆはあまり食べないが、
カボチャは食べる。
日本の冬至を満喫して、
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望を、
実感したいと思うから。
冬至の翌日23日は天皇誕生日の祭日。
平成に入ってもう22年が経過する。
申し訳ないが、この日はクリスマス前哨戦となっている。
クリスマス・イブ・イブ。
そして24日金曜日がイブ、
25日土曜日がクリスマス当日。
クリスマス当日は消費は起こるが購買は控えめ。
だから24日のイブには、
売って売って売りまくる。
26日日曜日からは完全に年末際商戦に入るが、
この時も意外に普通の冬の日曜日。
28日が官公庁御用納めの日。
多くの会社も冬休みに入る。
しかしここでも、普通の休み。
テレビではアメ横の賑わいなど報じられて、
年末景気が煽られる。
しかし、実態の動きは鈍い。
そして30日、みそか。
パソコンで「misoka」と打つと、
「三十日」と出る。
そう30日は晦日。
そして31日が大晦日。
この二日間に購買は集中する。
消費は高揚する。
後ろになるほど盛り上がる。
じっとじっと我慢して、
9回裏に爆発する野球の終末。
そんな劇的な歳末商戦が、
私たちを待っている。
いかがだろう。
シミュレーションはできただろうか。
イメージトレーニングは万全となっただろうか。
ならば「実践躬行」あるのみ。
健闘を祈る。
Good Luck! Everybody!
<結城義晴>