Everybody! Good Monday!
[vol49]
2010年第49週、12月第2週の始まり。
今年は、ポカポカ陽気。
夏の「猛暑・酷暑」が冬まで引っ張られる。
「常盤勝美の2週間天気予報」は毎週月曜日アップ。
お見逃しなく。
さて今週は、12月に入って、
1年の締めくくりイベントが次々に行われる。
10日木曜日には、オスロでノーベル賞授賞式。
平和賞に関して中国政府、そして世界各国はどうするんだろう。
同日ストックホルムではノーベル化学賞受賞式。
鈴木章さんと根岸英一さんは、
一昨日4日にもう現地入りしている。
こちらは日本人として嬉しいニュース。
鈴木さん80歳、根岸さん75歳。
この年代の日本人は気骨がある。
私たちも、それに負けてはいられない。
私は今週前半は、大阪・京都で講演と店回り。
お店を見て回るのは、ほんとうに楽しい。
さて昨日の5日、日曜日。
夕方の5時半ごろ。
マナーモードにしていた私の携帯電話が突然、振動し始めた。
とってみると、人懐っこい声。
「矢野です」という。
何と、大創産業㈱社長の矢野博丈さん。
「今日、この後のテレビ『シルシルミシル』にわが社が出ます。
よかったら見てください」
「私は出ないんですが、
いろいろと取り上げられるみたいです」
矢野さんは、いたって謙虚。
だから私はいつもの台詞を言う。
「ダイソーは商業の歴史から見ると、
由緒あるオーソドックスな商売です。
今後必ず、大きなイノベーションが起こる。
私はそう、確信しているんです」
1800年代後半から世界商業の歴史をみると、
まず、1852年 フランス・パリで世界最初の百貨店「ボン・マルシェ」創業。
1859年には、アメリカで「ザ・グレイト・アメリカン・ティ・カンパニー」創業。
のちの「A&P」、これは「グロサーズ」の誕生。
これが1930年マイケル・カレンによってスーパーマーケットに転換される。
そして1879年 フランク・ウールワースがバラエティストアを創業。
店名は「The Great Five Cent Store」。
つまり5セントのワンコインストア。
現在の日本のダイソーは、
百貨店、スーパーマーケットの次に台頭した由緒ある業態なのだ。
その次に1896年 シアーズ・ローバック社開設され、
非食品総合ストアとして百貨店をキャッチアップしていく。
矢野さんのダイソーは、この「ウールワース」の系譜に入る。
さてテレビ朝日系の番組「シルシルミシル・さんデー」
昨日のタイトルは、
そして「DAISO」がメイン・テーマ。
年間売り上げ約3400億円。
創業38年で全国にフランチャイズ店を含めて2570店舗。
海外は、すでに25カ国に564店舗。
合わせて3134店舗の4桁チェーンストア。
ユニクロ、ニトリが製造小売業として躍進しているが、
ダイソーも製造部門が充実している。
シニアバイヤーの河野慎也さんが登場して、
タイにある工場を案内。
ダイソーの売価105円のプラスチック製品のほとんどは、
タイの自社工場で製造されている。
テレビ初公開の工場は、実に姿の良い施設だ。
原料のプラスチックの粒から金型で成形されるまでのプロセスは、
ほぼ完全オートメーション。
矢野さんが私に見てほしかったのは、この工場だと思った。
さらに「ウェットティッシュの工場」も紹介される。
番組では、広島の大創産業本社を訪れ、
「挨拶」の徹底びりなど紹介する。
そして、「ダイソー社員が教える、知らなきゃ損するグッズを紹介!」。
ワンタッチ針や一押し計量ボトル、両面計量スプーン、鍋ふたつまみなど、
ダイソーならではの便利商品が紹介される。
最後に最新店舗。
電話では矢野さん自身が、言っていた。
「亀有のアリオに出店している店は見てください」
番組に出てくる「空港出店」の話も面白い。
旅行に便利なグッズや日本のお土産などがどんどん売れていく。
外国人が観光に来て、帰国時に財布やポケットに残るのが小銭。
それを使い切ってもらう店として「ダイソー」は最適。
もう、ダイソーは単なる100円ショップではない。
フランク・ウールワースがつくったコンセプトは、
矢野博丈によって日本で開花している。
もちろんアメリカでも、ウールワース自体は消滅してしまっているが、
バラエティストア御三家が確固たる地位を築いている。
全米チェーンストア第28位ダラー・ゼネラル Dollar General。
年商118億ドル(100円換算で1兆1796億円)伸び率12.8%、
純利益953億円、伸び率64.2%、店舗数8,828店、伸び率5.6%。
第46位、ファミリーダラー Family Dollar。
年商7401億円(6.0%)、純利益457円(25.2%)、店舗数6,655店(1.3%)。
そして第61位、ダラーツリー Dollar Tree。
年商5,231億円(12.6%)、純利益321億円(39.7%)、店舗数3,806店(6.0%)。
大創産業は店舗数ではダラーツリーを抜き第3位、
売上高では第4位。
そして何よりも、世界最大の売上高を有する企業ウォルマートが、
フランク・ウールワースの系譜をひくバラエティストア出身である。
そんなことを、『シルシルミシル』を見ながら考えた。
今日の日経MJのコラム『底流を読む』
私のライバルの一人井本省吾編集委員が、
『この国を出よ』(小学館)を読んで、書いている。
この本は柳井正さんと大前研一さんの対談集。
柳井さんはご存知、ファーストリテイリングCEO。
大前さんは、これまたご存知の経営コンサルタント。
「絶えず現状を否定して冒険に乗り出す、
ベンチャー精神に富んだ商人、ビジネスマンが、
次の成長を用意する」
12月第2週。
来年は世界に目を向ける。
そんな「大夢」を胸に抱いて仕事に臨みたい。
「一心不怠、成長無限」
今は亡き川崎進一先生の言葉を思い出した。
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>