結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年12月06日(月曜日)

テレビ朝日「シルシルミシル」に出た「ダイソー」のバラエティストアの世界的視野

Everybody! Good Monday!
[vol49]
2010年第49週、12月第2週の始まり。
今年は、ポカポカ陽気。

夏の「猛暑・酷暑」が冬まで引っ張られる。

「常盤勝美の2週間天気予報」
は毎週月曜日アップ。
お見逃しなく。

さて今週は、12月に入って、
1年の締めくくりイベントが次々に行われる。
10日木曜日には、オスロでノーベル賞授賞式。
平和賞に関して中国政府、そして世界各国はどうするんだろう。

同日ストックホルムではノーベル化学賞受賞式。
鈴木章さんと根岸英一さんは、
一昨日4日にもう現地入りしている。
こちらは日本人として嬉しいニュース。

鈴木さん80歳、根岸さん75歳。
この年代の日本人は気骨がある。
私たちも、それに負けてはいられない。

私は今週前半は、大阪・京都で講演と店回り。
お店を見て回るのは、ほんとうに楽しい。

さて昨日の5日、日曜日。
夕方の5時半ごろ。

マナーモードにしていた私の携帯電話が突然、振動し始めた。
とってみると、人懐っこい声。
「矢野です」という。

何と、大創産業㈱社長の矢野博丈さん。
「今日、この後のテレビ『シルシルミシル』にわが社が出ます。
よかったら見てください」

「私は出ないんですが、
いろいろと取り上げられるみたいです」

矢野さんは、いたって謙虚。
だから私はいつもの台詞を言う。
「ダイソーは商業の歴史から見ると、
由緒あるオーソドックスな商売です。

今後必ず、大きなイノベーションが起こる。
私はそう、確信しているんです」

1800年代後半から世界商業の歴史をみると、
まず、1852年 フランス・パリで世界最初の百貨店「ボン・マルシェ」創業。

1859年には、アメリカで「ザ・グレイト・アメリカン・ティ・カンパニー」創業。
のちの「A&P」、これは「グロサーズ」の誕生。
これが1930年マイケル・カレンによってスーパーマーケットに転換される。

そして1879年 フランク・ウールワースがバラエティストアを創業。
店名は「The Great Five Cent Store」。
つまり5セントのワンコインストア。
現在の日本のダイソーは、
百貨店、スーパーマーケットの次に台頭した由緒ある業態なのだ。

その次に1896年 シアーズ・ローバック社開設され、
非食品総合ストアとして百貨店をキャッチアップしていく。

矢野さんのダイソーは、この「ウールワース」の系譜に入る。

さてテレビ朝日系の番組「シルシルミシル・さんデー」
昨日のタイトルは、
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そして「DAISO」がメイン・テーマ。
20101206091003.JPG

年間売り上げ約3400億円。
創業38年で全国にフランチャイズ店を含めて2570店舗。
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海外は、すでに25カ国に564店舗。
20101206091121.JPG

合わせて3134店舗の4桁チェーンストア。
ユニクロ、ニトリが製造小売業として躍進しているが、
ダイソーも製造部門が充実している。
シニアバイヤーの河野慎也さんが登場して、
タイにある工場を案内。
20101206091143.JPG

ダイソーの売価105円のプラスチック製品のほとんどは、
タイの自社工場で製造されている。
20101206091205.JPG

テレビ初公開の工場は、実に姿の良い施設だ。
20101206091230.JPG

原料のプラスチックの粒から金型で成形されるまでのプロセスは、
ほぼ完全オートメーション。
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矢野さんが私に見てほしかったのは、この工場だと思った。
さらに「ウェットティッシュの工場」も紹介される。
番組では、広島の大創産業本社を訪れ、
「挨拶」の徹底びりなど紹介する。
そして、「ダイソー社員が教える、知らなきゃ損するグッズを紹介!」。
ワンタッチ針や一押し計量ボトル、両面計量スプーン、鍋ふたつまみなど、
ダイソーならではの便利商品が紹介される。

最後に最新店舗。
電話では矢野さん自身が、言っていた。
「亀有のアリオに出店している店は見てください」
20101206091315.JPG

番組に出てくる「空港出店」の話も面白い。

旅行に便利なグッズや日本のお土産などがどんどん売れていく。
外国人が観光に来て、帰国時に財布やポケットに残るのが小銭。
それを使い切ってもらう店として「ダイソー」は最適。
もう、ダイソーは単なる100円ショップではない。

フランク・ウールワースがつくったコンセプトは、
矢野博丈によって日本で開花している。
もちろんアメリカでも、ウールワース自体は消滅してしまっているが、
バラエティストア御三家が確固たる地位を築いている。

全米チェーンストア第28位ダラー・ゼネラル Dollar General。
年商118億ドル(100円換算で1兆1796億円)伸び率12.8%、
純利益953億円、伸び率64.2%、店舗数8,828店、伸び率5.6%。

第46位、ファミリーダラー Family Dollar。
年商7401億円(6.0%)、純利益457円(25.2%)、店舗数6,655店(1.3%)。

そして第61位、ダラーツリー Dollar Tree。
年商5,231億円(12.6%)、純利益321億円(39.7%)、店舗数3,806店(6.0%)。

大創産業は店舗数ではダラーツリーを抜き第3位、
売上高では第4位。

そして何よりも、世界最大の売上高を有する企業ウォルマートが、
フランク・ウールワースの系譜をひくバラエティストア出身である。

そんなことを、『シルシルミシル』を見ながら考えた。

今日の日経MJのコラム『底流を読む』
私のライバルの一人井本省吾編集委員が、
『この国を出よ』(小学館)を読んで、書いている。
この本は柳井正さんと大前研一さんの対談集。
柳井さんはご存知、ファーストリテイリングCEO。
大前さんは、これまたご存知の経営コンサルタント。
「絶えず現状を否定して冒険に乗り出す、
ベンチャー精神に富んだ商人、ビジネスマンが、
次の成長を用意する」

12月第2週。
来年は世界に目を向ける。
そんな「大夢」を胸に抱いて仕事に臨みたい。

「一心不怠、成長無限」
今は亡き川崎進一先生の言葉を思い出した。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

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