やりました。
サッカー・アジアカップ。
予言したとおり、今週は、
「フットボール・アジアカップ・ウィーク」になりそう。
準決勝の日韓戦は、
延長を戦って、2対2の同点。
ペナルティキック戦で、
日本が辛勝。
ゴールキーパーの川島永嗣がヒーローで、
韓国のペナルティキックを2本連続で防ぎ、勝ち切った。
本田圭佑が存在感を示し、
終始、局面をリード。
ザッケローニ新監督は、
「何か(運)をもっている」と評されつつ、
チームは決勝に進んだ。
テレビ朝日系の平均視聴率は35.1%、
さらに瞬間最高視聴率は40.6%。
かくて今週は、日本中が、
アジアカップ一色となる。
店もアジアカップ応援団で、
盛り上がるし、
決勝の土曜日夜は、
1億総テレビ観戦族化。
それへの対応は、
消費産業の役目となる。
さて、昨日の午前中は、
スーパーマーケット統計調査1月記者発表会が
日本橋の日本スーパーマーケット協会で行われた。
その前に、すでに、
2団体から2010年の実績が発表されている。
日本チェーンストア協会から総合スーパーを中心にした動向、
日本フードサービス協会から外食産業の実績。
2010年の年間のチェーンストアの販売概況。
62社7925店舗の総販売額は約12兆3556億円、
これは比較可能な前年比数値でマイナス2.6%。
総合スーパーを中心にした数値は、
私たちがイメージしているほど、大きく落ち込んでいない。
ここが重要なところ。
12月の総販売額は前年同月比マイナス1.6%で、
前年割れは、とうとう25カ月連続となった。
部門別にみると、
食料品マイナス1.0%、
衣料品がひどくて、マイナス9.8%、
住関連品はマイナス0.8%、
サービス、マイナス4.6%、
「その他」だけ伸びて、プラス5.3%。
何でもそうだが、
これまでの主力部門の一方が大きくダウンし、
一方は少しの減り幅。
そしてその他という小さな部分が伸びている。
これをどう考えるか。
ドラッカー先生ではないが、
「すでに起こった未来」がここにある。
「予期せぬこと」がここにある。
一方、2010年外食産業市場動向調査。
年間の全店売上高は、
対前年比プラス0.5%。
客単価マイナス2.1%だが、
客数プラス2.6%。
年間売上高は2年ぶりに前年をクリアした。
業態別にはファーストフードがプラス2.1%、
ファミリーレストランはマイナス0.7%、
パブ・居酒屋もマイナス2.8%、
ディナーレストランもマイナス1.3%。
12月の成績も、全店売上高でプラス1.9%。
これは6カ月連続の前年比クリア。
内食の水先案内人「外食」は、
昨年の第2四半期4・5・6月期にマイナス1.4%だったが、
第1、第3、第4四半期は前年度を超えて、
昨年通しでは回復基調。
スーパーマーケット3団体は、
昨年4月から統計発表し始めたので、
2010年度の総売上高は出せない。
だから、日本スーパーマーケット協会の大塚明専務理事から、
12月の結果が発表された。
「12月の実績は、一年の成績評価である。
古い表現だが、“通信簿”のようなもの」
これは会長の川野幸夫さんの口癖。
その通信簿の評価は以下のようになった。
総売上高 8838億2196万円(昨対101.2%)
食品合計 7482億2059万円(101.9%)
生鮮3部門 2827億1213万円(102.9%)
青果 1041億4307万円(108.2%)
水産 890億1976万円(98.8%)
畜産 895億4929万円(101.3%)
惣菜 768億5933万円(102.9%)
一般食品 3886億4913万円(101.0%)
非食品合計 1356億0137万円(97.8%)
「不況感が漂う年ほど、
際モノが売れると言われている。
つまり、年末年始のものがよく売れる」
今年の年末年始はその通りになったようだ。
暖かかった12月前半戦は不調だったが、
クリスマス以降はよく売れた。
特に年末29日~31日は、
取りこぼしが出るくらい好調だった。
「お節などのご馳走商材の予約販売が好調だった。
節約疲れにご褒美的な風が吹いた」
もちろん企業間での明暗は分かれたが、
全体でみたら、利益貢献ができた12月だったようだ。
続いて、㈱ライフコーポレーション並木利昭常務取締役。
2008年に最高収益をあげたライフコーポレーション。
しかし、「リーマンショック」という外部環境には勝てず、
2009年は6年ぶりに減益となってしまった。
そのため、昨年2010年は「耐える年」となった。
第1四半期は減益の後遺症により、売上高昨対95.4%。
第2四半期になると、猛暑特需やワールドカップ効果もあり、100.4%。
上昇気流に乗り始めた。
第3四半期もたばこ値上げや相場高の影響もあって、
100.3%とよかった。
第4四半期に突入した12月は、
売上昨対100.4%で、客単価も昨対100.5%(既存店)だった。
前半は暖かかった影響で、冬物衣料は売れず、
「おすすめ鍋30選」という企画も苦戦した。
後半にかけて寒くなったことで、防寒・発熱衣料が売れた。
クリスマス以降は連日目標超えで、数字を残すことができた。
そして1月も予想していた以上に良い数字がでている。
雨が降らず、寒さが厳しいため、
冬物衣料は昨対110%だった。
反面、例年ならもう動き出している春物衣料はいまいち。
最後に、2011年度について。
2011年のライフは「積極策」でいく。
約12店舗の出店を予定しており、
いずれの店舗も流行のフォーマットや規模を追求せず、
きちっとしたスーパーマーケットの売場を作る。
「400~600坪くらいのスーパーマーケットを
愚直に守っていきたい」
そして、創業50周年を迎えるにあたり、
メーカーとタイアップして、
約800品目の「50周年記念商品」を企画している。
さらにライフコーポレーション初の
プライベート・ブランド18品目を、
来月26日から投入する。
「今話題のアジアカップではないが、
当社が決勝に進出できるかの正念場である。
社会に貢献できる企業となり、
全従業員で、全力疾走する」
ライフコーポレーション、
昨年は選挙があったが、
今年はない。
「本業に全力」の意気込みがうかがえる。
さてさて夕方からは、
財団法人有機質資源再生センターの賀詞交歓会。
場所は、東京駅丸の内にある日本工業倶楽部会館。
大正9年につくられた本格的なセセッション様式の建物で、
堅牢にして雅び。
同財団は、2000年に発足。
2002年には食品循環資源リサイクル諸事業に着手。
そして、2007年からは、
㈱エコス会長の平富郎さんが理事長を務める。
その平理事長のごあいさつで、17時から交歓会は始まった。
<クラシカルな大ホールでの撮影写真はすべてセピア色でお届けします>
「食品リサイクル、有機質資源の利活用は、実際に体験することが必要。
そういった機会を増やす活動を行っていく」
所管庁の農林水産省からは、
総合食料局食品産業企画課食品環境対策室長の矢花渉史さんが出席。
平理事長同様に、
「食卓の先にあるもの、
スーパーマーケットのバックヤードにおける取り組みなどを、
ぜひ消費者に公開し、啓蒙してほしい」
環境省からは、
廃棄物・リサイクル対策部リサイクル推進室長の森下哲さん。
「昨2010年は『循環型社会形成推進基準法』施行から10年を迎えた。
環境省は、2050年までに、低炭素、循環型、生物の多様性といった
3つの方向性を掲げた社会をめざしている」
そして消費科学連合会の大木美智子会長。
「低炭素社会の実現のために、
ゴミを減らし、分別する活動が大切」
福島大学教授で、財団の副理事長を務める稲森悠平さん。
「日本の土壌は劣化している。農業の発展はのためにも、
農水と経済産業省の連携が大切になっている」
評議員を務める㈱菱食会長の後藤雅治さんの乾杯の音頭で、
懇親。
さっそく、平さんにごあいさつ。
商人舎ファミリーの㈱エコス平邦雄社長と固い握手。
いつも支援しています。
㈱与野フードセンター社長の井原實さん。
財団の評議員を務められて、平理事長を支えるお一人。
このブログの熱心なご愛読者でもある後藤さん。
いつも本当にありがとうございます。
㈱エコス取締役経営企画室部長兼情報システム管掌の三吉敏郎とは、
昨年秋、パネルディスカッションでご一緒した。
財団の前事務局長の中川武史さんは、
現在、財団法人実験動物中央研究所でシニアストラテジックプランナー。
ひげを生やし、容貌は一変しているが、活躍の様子。
最後に、事務局の河野綾子さん。
名司会ぶりだった。お疲れさま。
「鳥の目」で全体をみると、
少しずつすこしずつ、
よい方向に来ている。
サッカーはもとより、
外食も内食も、
環境問題も安全・安心問題も。
春に向かっていることは、確かだ。
<結城義晴>