1月27日の富士の山。
人間にとっては異常気象。
しかし地球そのものにとっては、
長い長い時空の中の自然現象。
火山噴火と大寒波。
九州霧島山系の新燃岳が噴火。
鹿児島県と宮崎県の境目にある。
富士山が静岡と山梨の県境にあるのと同じ。
燃岳火口付近で火砕流が発生。
52年ぶりの爆発だが、
噴煙は最高約3000メートルも立ち上った。
しかしこれも噴煙量から見ると中規模な爆発的噴火。
「さらに大きな噴火が起きる可能性がある」
都城市など周辺都市は、
噴煙と火山灰で被害は大きい。
一方、この冬、三回目の大寒波が、
日本列島を覆う。
さらに、花粉は昨年の10倍の地域もあるという。
九州から関西、東海、関東など、
2月中旬のバレンタインデー辺りから、
花粉症の症状が出るとの予測。
長い長い歴史の中では、
こんなこともあっただろうが、
自然現象が科学的に説明され、
同時に人間が軟弱になって、
問題は表面化した。
さて私は昨日から、高知。
ANA563便で羽田を発って、
上空で水平飛行に移ると、
横浜の港やベイブリッジ、
みなとみらいなどが見えてきた。
その後、今日のブログ巻頭の富士。
そして南アルプス連邦も、
雲の合間に美しく浮き上がる。
高知到着後は、
㈱サンシャインチェーン本部の店舗を視察。
サンシャインは、スーパーマーケットのボランタリーチェーン。
高知県を中心に徳島県、愛媛県に店舗を配置する。
現在、チェーン加盟10社16店舗、
さらに直営店15店舗で、
都合31店。
いまや、サンシャインチェーンの店づくりは、
日本のスーパーマーケットのモデルのひとつとなった感がある。
もろもとは1962年(昭和37年)、
高知県主婦の店協同組合設立に遡る。
その後、1986年(昭和61年)、
㈱サンシャインチェーン本部に商号変更。
1999年(平成11年)、
「協同組合セルコチェーン」に加盟。
そして2003年(平成15年)10月、
サンシャイン・カルディアが改装オープン。
ここからサンシャインの快進撃が始まる。
2006年(平成18年)、川崎博道さんが社長に就任。
2007年(平成19年)、本部直営店のサンシャインリオ、オープン。
さらに2008年(平成20年)、サンシャインクラージュがオープン。
最新はサンシャインミサトで、この店は昨2010年に、
完全リニューアルオープン。
カルディア、リオ、クラージュ、ミサトなどは、
サンシャインの新しい「バナー」。
私たちはまず、
サンシャインの歴史を変えたカルディアを訪れた。
店舗デザインは、㈱プログレスデザインの西川隆さん。
「高質スーパーマーケット」のコンセプトを掲げ、
クオリティ感のある店づくり、売場づくりを展開する。
(詳細な店舗紹介は来週月曜日の予定)
このコーナーは「ライブ販売」と称して、
実演をしたり、顧客とのコミュニケーションをとったり。
アメリカのクローガーやセーフウェイの旧タイプを、
「コンベンショナル型」と呼んだり、
「メインストリーム」といったりする。
しかしこのタイプは、
原則的でオーソドックスではあっても、
現代的なライフスタイルには対応できないし、
現代的な魅力に欠ける。
そこに登場したのが、ウェグマンズやホールフーズ。
新しい独自のポジショニングを確立したのだ。
日本の高知においてそれを達成したのが、
サンシャイン。
地元のリーダー企業サニーマートと長らく切磋琢磨し、
東京のクイーンズ伊勢丹に学び、
そこに自らの考え方を込めた。
そのうえで高知の中の上から上の下辺りのマーケットをコアに、
客層を広げて、見事にポジショニングを築いた。
それがカルディアから始まった一連のイノベーション。
店長の芝秀高さん。
次に最新のサンシャイン・ミサト。
昨年10月1日に全面改装し、
まったく新しいタイプに蘇った。
青果部門と鮮魚部門がとりわけ強くて、
この2部門に牽引されて、店全体に活気が満ち溢れている。
店長の宮地さんが丁寧に案内してくれた。
最後に訪れたのが、
2008年オープンのサンシャイン・クラージュ。
そのつど、最新の考え方が店づくり、売場づくりに盛り込まれる。
だからサンシャインのイノベーションを追うには、
開店順、改装順に、訪れて、
顧客になってみるのがいい。
しかしボランタリーチェーンと言っても、
一定レベル以上の標準化がなされ、
そのうえで店舗ごとの独自性が発揮されている。
視察後は、サンシャインチェーン本部へ。
本部では、2月にアメリカ視察にご一緒する皆さんと打ち合わせ。
私の隣は、川崎博道社長(左)。
今回のコーディネートをしてくれたブルーチップ㈱専務の宮本洋一さん、
後ろは左から、常務の新井明さん、
生鮮部統括部長兼惣菜部長の桑名俊二さん、
そして、営業本部長の野町一志さん。
野町さんは、
新日本スーパーマーケット協会が表彰する日本店長大賞の第二回受賞者。
その後、会食までのわずかな空き時間をぬって、
桂浜に車を飛ばす。
坂本竜馬像の前で宮本さんと記念撮影。
竜馬像は、考えていた以上に巨大で、
太平洋を望むその姿に、打たれた。
桂浜は夕景で美しかった。
私が桂浜を訪れたのは大学生の頃以来だから、
40年近く前になる。
駆け足で散策したら、冬の陽は沈むばかり。
再び、サンシャインチェーンの皆さんと合流し、
高知の美味しい酒肴をいただく。
川崎社長とは、アメリカやヨーロッパの話、
店づくりやスーパーマーケット経営の考え方、
さらにゴルフ、愛読書、生き方などなど、
大いに盛り上がった。
そしてすっかり酔った。
でもいい気分。
サンシャインのイノベーションの源がどこにあるかを突き止めて、
私は満足だった。
ありがとうございました。
明日もまた店回りが続く。
これが何より楽しい。
<結城義晴>