ジジです。
ユウキヨシハルのおとうさん、
シュッチョーばかりしています。
ヒコーキにのって。
相模湾がみえてきた。
まんなかにあるのが、
江の島です。
シュッチョーでは、
空のうえから、
景色をたのしむ。
雲のあいだに、
山肌がみえます。
山の峰がつらなっています。
なんだか、ゆったりとしている。
そして、南アルプス。
くっきりと、南アルプス。
ボクも、おとうさんの気分になって、
そとをながめてみます。
まどのそとには、
山はみえないけれど。
おとうさんは、
この山がすきです。
いただきに、
雲がかかっているけれど。
富士山です。
すこしずつ、近づいてきた。
そして見えました。
ドキドキします。
富士山のすがた。
おとうさんはいそがしいけれど、
こんな景色を、ゆったりと、
ながめることにしています。
とくべつのことではないけれど、
そんなことに、こころがうごく。
おとうさんの静かなエネルギーは、
こんなことでつくられているのだと、
ボクは、おもっています。
<『ジジの気分』(未刊)より>