今日2月8日から始まりました。
第45回スーパーマーケット・トレードショー2011。
主催は社団法人新日本スーパーマーケット協会。
東京ビッグサイトの東全館を使って、
1127社・団体、2402小間の過去最大規模。
10日の木曜日までの3日間。
私も、ビッグサイトに詰めております。
おいで下さい。
お会いしましょう。
さて昨日の月曜日は、忙しかった。
朝一番で、東京・西新宿の伊藤園本社へ。
「伊藤園大陳コンテスト」審査委員会。
㈱商業界の『食品商業』誌上で、
1年に3回開催される。
私が審査委員長。
厳選な審査によって、
5つの賞が選考される。
①大陳コース
②陳列コース
③リーフコース(茶葉の大陳)
④紙パック・コース
そして⑤企業賞
最後の企業賞は、
多数の店舗でこの大陳コンテストに参加する企業の、
総合力を審査するもの。
今年は、参加企業数、参加店舗数とも、
前年を大きく上回った。
結果は、『食品商業』5月号にて発表されるが、
あっと驚く企業が大陳コースの大賞を受賞した。
このプレゼンテーション・コンテストも、
本当に国際的になった。
最後に、審査委員全員で写真。
右から、伊藤園副社長の本庄周介さん、
同副社長の江島祥仁さん、
真ん中私の隣は、社長の本庄大介さん、
その隣は、商人舎エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦さん、
そして『食品商業』編集長の三浦美浩さん。
松井さんは、広告代理店アドパイン代表で、
この企画が始まったときにプロデュースした。
各コースの大賞企業、優秀賞企業とも、
いい作品を提出してくれた。
「マーチャンダイジング」は、
商品そのものだけではなく、
売り方によって決定づけられる。
その実力を引き上げることが、このコンテストの趣旨。
伊藤園の全国の営業マンおよび事務局の労をねぎらいつつ、
関係するすべての皆さんに感謝したい。
審査がおわると、恒例となっているが、
江島副社長の部屋で、
立ててもらったばかりの抹茶をいただき、懇親。
今回、私は、組織マネジメント論を少し話した。
アンリ・ファヨールからヘンリー・ミンツバーグまでの経緯。
この歴史的認識が、日本のビジネス社会で、
正しく行われていない節がある。
最後に、本社一階の「社是」の前で3人で写真。
伊藤園を後にして、八丁堀へ。
三井食品㈱本社へ。
水足眞一代表取締役社長との対談。
月刊『マーチャンダイジング』の連載企画。
食品卸売業のトップマネジメントの皆さんと、
マーケットの状況を俯瞰しつつ、
「医食同源」の中身を深掘りする。
第1回は、国分㈱専務取締役の國分晃さん、
第2回は、㈱菱食代表取締役の中野勘治さん。
そして第3回が、三井食品の水足さん。
2000年に食品卸の㈱小網と三友食品㈱が合併し、
三友小網が誕生。
2004年、三井食品㈱と社名変更して、
現在にいたる。
小網は1928年創業、三友食品は1929年設立。
ともに歴史のある会社だったが、
その2社が三井物産の元に統合され、
水足さんは2004年の社名変更のときから、
この会社の社長に就任した。
2006年から「新創業」を標榜し、
現在も先頭に立って、次々に改革を進める。
長らく三井物産で食品の調達にかかわったこの道の専門家。
だから食品に対する造詣の深さは群を抜く。
語り出したら止まらない。
対談のつもりが、
完全にインタビューと化し、
しかしそれがとても心地よかった。
アメリカやヨーロッパの食生活や消費の本質から、
日本における食品産業の展望まで、
話題は世界を駆け巡った。
私は、水足さんご自身が、
「食べている、生きている、存在している」ことを、
強く感じた。
その上で生活者、消費者の動向を読み取る。
それが食品ビジネスの展開につながる。
現状の認識。
第1に、消費者の生活防衛は「意識」から「行動」に移ってきた。
しかし第2に、倹約・節約意識は、「もったいない」から、
「MOTTAINAI」へと変化してきて、
その結果、「ケチ」が恥ずかしいことではなくなった。
そして第3に今度は、「MOTTAINAI」が「エコロジー」につながる。
3つの動向をいかにビジネス化するか。
この根本認識は、極めて正確だ。
私は、持論の「藩単位」の消費論を展開した。
江戸時代の藩の食生活風習が、
実は根強く残っている。
コモディティ商品群は全国化、グローバル化しているが、
ノンコモディティ商品は明治時代の「廃藩置県」の前の段階。
だからローカルチェーンは、まず、
藩の単位でドミナントを築くべきであるし、
それを実践している企業の成績が良い。
水足さんは、これに対して、断じた。
「風土の数だけフードがある」
私たちの考察は、一致をみて、終了。
90分が、ほんとうに「あっ」という間に過ぎた。
詳しくは、月刊『マーチャンダイジング4月号』をご覧いただきたい。
3月20日発行予定。
いずれ、商人舎ホームページで再掲載したいとも思う。
月刊『マーチャンダイジング』編集長の宮崎文隆さんも、
ドラッグストア業界の食品戦略について補足してくれた。
ピーター・ドラッカー先生は、
knowledge technologistと称した。
水足さんはまさにそれだった。
しかしその上で水足さんは、
ドラッカー先生いうところのknowledge managementとなった。
歯に衣着せぬ発言は、
卸売業トップマネジメントらしくは、ない。
なぜか。
ここに、水足さんのknowledge technologistの真骨頂があるからだ。
technologistの要素を失わないtop management。
それが水足眞一さんだと、私は思った。
いい対談だった。
いや、いいインタビューだった。
水足さんに、心から感謝。
<結城義晴>