アメリカから帰ってきて、
寒さが身にしみる。
そのうえ、今回の旅はなぜか、
ひどく疲れた。
もちろん、充実感のある疲労ではあるのだが。
日本の気温の上下は、
情緒もあるが、
厳しさもある。
ひと雨ごとに暖かくなる。
しかし暖かくなる中で、
寒さが訪れると、
身に堪える。
年をとってきたのか、とも思う。
それでも、アメリカ人ではないが、
「タフ」であろうと心掛ける。
このブログアップ時間も、
深夜24時ぎりぎりが続いた。
ほんとうにあと30秒、あと40秒といったところで、
「公開」のボタンを押す。
疲れきっていて、
それでも毎日更新を続けようという意思だけで書いている。
今こそ結城義晴の真骨頂をご覧に入れる。
こんな時こそ、強いことを示してみせる。
なんて、頑張ってはいますが、
やはりアメリカ出張の前に無理をしたのが、効いた。
「無茶をせず、無理をする」
一昨年の商人舎標語だが、
それも長くは続かない。
さて、イオンは2010年度決算で、
1800億円の営業利益を確保した模様。
総合スーパーのイオンリテールが貢献した。
今日の日経新聞。
もう日経と大手企業とのパイプは出来上がっていて、
朝日新聞も読売新聞も、
業界の専門紙も、手を出せない。
指をくわえて見ているしかない。
だから日経に「模様」と書いてあっても、
それは確かな情報で、
「一足お先に失礼!?」といった感じ。
ただし日経にも、批判精神は忘れないでほしい。
ひと足先の情報を提供されているから、
企業寄りの記事を書く。
これではマスメディアとしての意味がない。
書き手にも矜持があるはず。
期待したい。
そのイオンリテール、
3月にマイカルおよびイオンマルシェとの統合を控えている。
既存店売上高が前期並みを維持し、
粗利益は「在庫圧縮」で改善させ、
さらに販促費・一般管理費を削減した。
まあ、オーソドックスな対策で、
これは現場が頑張ったということ。
現場の諸君に、拍手。
ただし経営陣は、
オーソドックスなことをやったが、
ここにユニークさはない。
まあ、好んでユニークなことばかりに挑戦する必要はまったくないが、
そろそろ現場が「ワクワクドキドキ」する施策もほしいところだ。
今朝の日経の「ひとこと」欄には、
柳井正ファーストリテイリング会長兼社長も出ている。
山口の本社で、
「一足お先に失礼」といった感じで入社式を行った。
今年は1000人の採用だが、
近く、2000人となる。
「企業は人なり」。
その2000人のうち、日本人は200~300人。
あとは外国人。
「国籍に関係なく互いに研鑽をつんでほしい」
柳井さんは言った。
いいことだ。
居ながらにして外国人と競争できる。
どんどんユニクロに入社して、
グローバル競争を経験してほしいところだ。
まさに「ビジネスに国境はない」
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科でも、
外国籍の院生がいる。
皆、仲よく、しかも競っている。
それがとてもいい経験になる。
さて昨日は、休む間もなく、
朝から横浜の商人舎オフィスへ。
また5月のアメリカ研修会ベーシック編に、
お申し込みがあった。
ありがたい。
午後は、東京・目白の学習院大学へ。
学習院マネジメントスクール。
その中のDSCM基礎コースの最終講義と修了式。
DSCMとはディマンド&サプライチェーン・マネジメントのこと。
いささか欲張ったコンセプトだが、
故田島義博先生のアイデア。
すごい先生だった。
今回の最終講義「小売流通の未来を構想する」をテーマにして、
二つの講演が行われた。
司会は、事務局の磯部泰子さん。
はじめに、学校法人学習院の新美春之専務理事が開会のご挨拶。
講演1は学習院マネジメントスクール所長の上田隆穂先生。
学習院大学経済学部長。
テーマは「価値創造型プロモーション」
上田先生が取り組むマーケティング手法を活用して、
産学協同の仮説・検証を展開。
面白い内容だった。
講演2はオール日本スーパーマーケット協会会長の荒井伸也先生。
ご存知、作家でもあるし、
コーネル大学RMPジャパン首席講師でもある。
テーマは「小売業態の未来とスーパーマーケット」
荒井先生は、日本の小売実体の現状を鋭く指摘し、
これからの需給バランスの変化、
予想される小売業態の変化を話された。
ただし、私はこの荒井先生の講演のとき、
中座させていただいて、池袋へ。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科委員会。
まあ、教授会のようなもの。
今回は、白熱した。
議論百出。
一方、その頃、
学習院では、上田先生、荒井先生の講演をうけて、
学習院マネジメント・スクール講師のお二人からのコメント。
一人は㈱セブン&アイ・フードシステムズ副社長、
㈱セブン&アイホールディングス取締役に就任されたばかりの大久保恒夫さん。
前㈱成城石井社長にして、コーネル・ジャパン講師。
もう一人は日本スーパーマーケット協会専務理事の大塚明さん。
大塚さんもコーネル・ジャパン講師。
お二人とも論客。
修了生に向けたメッセージを含んだ良い講評だった。
そして、修了証授与式。
今年は19名がめでたく修了する。
仕事をしながら、学ぶことは大変だ。
そのなかでも、皆勤賞は5名いた。
その学生が一人ずつ登壇し、上田先生から修了証を受けた。
会場からは祝福の大きな拍手。
講義が終わるとすっかり、日が暮れている。
講義が行われた第5西館校舎の向かいにある輔仁会館西館に会場を移して、
「GMS桜実会」の集いが開かれた。
GMSとは学習院マネジメント・スクールの略。
修了生が集う、いわばOB会で、今年で6回目となる。
開会挨拶は、GMS企画委員を務める経済学部教授の湯沢威さん。
桜実会代表幹事の㈱菱食の柳沢孝之さんが新修了生に向けて歓迎の辞。
。
続いて、新幹事の若い二人の紹介と挨拶。
乾杯は、学習院院長の波多野啓雄さん。
乾杯の挨拶がすんでいる頃。
私は、立教での2時間ほどの委員会を辞して、
ふたたび目白へ。
遅ればせながら、懇親の輪に加わる。
㈱菱食特別顧問の廣田正さんと上田先生。
左は学習院総合企画部長参与の竹島芳樹さん。
大塚明さんとも久し振りに会った。
コーネル・ジャパン講師陣4人でワインをかかげて記念撮影。
この日、コーネル・ジャパン講師は7人が集った。
物流担当講師の臼井秀彰さん、
マーチャンダイジング担当講師の大塚明さん、
そしてプライスマネジメント担当の上田先生。
なんだか嬉しい会合になった。
来賓挨拶は廣田正さん。
「混迷の時代こそ、リーダーの資質が大切。
政治のリーダーはともかく、
経済のリーダーになるべく頑張ってほしい」
後輩たちに向けた素晴らしい内容だった。
来賓の挨拶のもうひと方は、桜実会会長の内藤頼誼さん。
そして、楽しい集いも中締めのとき。
中締めは、GMS顧問・講師の松川孝一さん。
最後に上田先生と力強く握手。
来年度もよろしくお願いします。
事務局の磯部さん、林純子さん(左)が見送ってくれた。
お二人ともお疲れ様でした。
懇親会のあと、
大久保さんと渋谷の蕎麦屋。
大久保さんは強い。
したたか飲んだ。
それが疲れ切った結城義晴を、
大いに癒してくれたが、
疲労は重なった。
不思議なものだ。
訓練やトレーニングは、
わざわざ体に負荷をかけて、
疲れさせる。
しかしこの「わざわざの負荷」がないと、
人間の肉体は活性しないし、
精神は弛緩する。
この「わざわざの負荷」。
肉体に限らない。
精神に対しても、
「わざわざの負荷」をこれでもかとかける。
それが精神の活性に役立つ。
「楽をしない」。
それこそ「無茶をせず、無理をする」の意味するところ。
そんな「わざわざの負荷」
私は大好きだ。
皆さんも、どうぞ。
そして、良い週末を。
<結城義晴>