頑張ろう、日本。
頑張ろう、東北。
頑張ろう、関東。
がんばろう、宮城、
がんばろう、福島、
がんばろう、岩手、
がんばろう、茨城。
負けるな、商人。
負けるな、不屈の日本人。
昨日の午後2時46分。
東北関東大震災の激震から1週間。
全国民が黙祷。
私たちも黙祷。
あらためて、
亡くなられた人々のご冥福を祈り、
被災された方々へお見舞いを申し上げたい。
現時点で、亡くなられた人6911人、
行方不明の人1万0754人、
負傷した人2356人、
避難生活をしている人37万4976人。
ともにこの苦難に立ち向かっていくことを、誓いたい。
天皇陛下のメッセージの中にあった言葉。
「この深い悲しみの中で、
日本人が、取り乱すことなく助け合い、
秩序ある対応を示していること」
これは海外でも高く評価されている。
そして、天皇陛下自らの決意表明。
「被災者のこれからの苦難の日々を、
私たち皆が、様々な形で、
少しでも多く分かち合っていく」
1週間が経過したが、
これからこそ、
私たち全員にとって、
たいへんな仕事が始まる。
「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」
<『新約聖書・ローマ人への手紙5章』より>
「艱難」とは、「困難に出あって苦しみ悩むこと」。
「忍耐」とは、「苦難などをこらえること」
「練達」とは、「熟練して深く通じていること」。
ここでは「練られた品性」。
そして「希望」とは、「将来に対する期待。また、明るい見通し」
「失望」とは、「期待がはずれてがっかりすること。
「また、その結果、希望を持てなくなること」
<以上、『大辞泉』より>
いまは、日本国民全体にとって、
「艱難」と「忍耐」のとき。
この忍耐は「練達」を生み出す。
私たちが持っている「練達」が磨かれる。
そして「練達」から導き出された「希望」は、
決して「失望」に終わることがない。
「練達」から生まれた「希望」は、
「失望」に終わらない。
私はキリスト者ではないが、
この言葉は信じる
心から、そう思う。
それが東北関東大震災1週間後の心持ち。
「負けるな! 不屈の日本人」
「練達」と「希望」を自らのものとしたい。
1週間を経て、
「すこしずつ・ひとつずつ」
商人舎でも直接、お見舞いをし始めた。
スペシャルメンバーの川勝利一さん。
㈱マルト取締役副会長の安島光子さんと連絡が取れた。
福島県いわき市でスーパーマーケットを経営。
「本当に現場は大変!
生活の場、店も破壊され、
従業員さん、パートさんにも亡くなった方がいます」
「そんないわきから東京に向かうバスは、満員。
原発の風評被害か、いわきから人々が出ていきます。
その中に医者がいて、激しく憤りを感じました」
「でも私たちマルトは、この地で20坪のお店からスタートし、
地域の方々に支えられて、やってきました。
だからマルトは決して逃げません!」
「いつまでかかるかわからないけど、
現場の今の現実に向き合い、
強い意志と信念で一つ一つ前に進みます。
どうか応援してください!」
「安島光子副会長の毅然とした姿を見ました」
川勝さんは述懐する。
ガンバレ、マルト。
負けるな、マルト。
岩手県大船渡市の㈱マイヤ。
社長の米谷春夫さんが、
ホームページに熱いメッセージを掲載。
「マイヤは、陸前高田の2店舗、大船渡4店舗のうち3店舗、大槌町のマストが
それぞれ全壊あるいは半壊で営業停止しましたが、
大船渡インター店はじめ、10店舗で営業中です。
このような非常事態だからこそ、
食のライフラインを支える使命を重く認識し、
できるかぎり精一杯の商品供給に努めております。
愛して止まないふるさと・岩手の暮らしを守るため、
従業員も必死に頑張っています。
失くしたものをいつまでもくよくよせず、
残されたものに希望を託して、
一日一日をスクラムを組んで乗り越えていきましょう。
平成23年3月18日
株式会社 マイヤ 代表取締役社長 米谷 春夫」
仮設本部は、大船渡インター店〈住所:大船渡市立根町字堀の内10-1〉
ガンバレ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。
茨城県潮来市の㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん。
商業経営問題研究会〈RMLC〉のメンバーで、
加藤さんほどの勉強家を私は知らない。
「ご心配おかけしました。
被災直後は、2店舗しか営業できませんでした。
お陰様で、社員、従業員、みな無事でした」
「でも、懸命に復旧して、現在は、
全店でとにかく、お店を開けています」
「現在も5店舗は水がきていません。
水がなければ、スーパーマーケットは苦しい。
惣菜部門や鮮魚部門は商品が出せません。
それでも売れるモノは売って、
地域の皆さんにお役立ちしています」
ガンバレ、セイミヤ。
負けるな、セイミヤ。
栃木県宇都宮の㈱たいらや。
村上篤三郎社長。
村上さんもRMLCの熱心なメンバーで、見識ある経営者。
3月16日の日本経済新聞の夕刊にコメントが載った。
記事には、こうある。
「15日に納品されたのは発注分の6~7割。
配送業者のガソリン確保が難しくなっている」
村上さんは商品補充の重要性を強調する。
「栃木も被災しましたが、
全店営業しています。
店長も従業員も幹部も私も、
全力で仕事をしています」
「もっともっと大変な企業やお店はありますから、
お見舞い申し上げますが、
私たちも、一緒に、頑張る気持ちでいます。
ある意味で、いい勉強をさせていただいていると考えつつ、
地域の人々のために営業に邁進しています」
ガンバレ、たいらや。
負けるな、たいらや。
日経新聞の経済欄コラム『大機小機』で、
コラムニスト追分氏が「危機管理体制は万全か」と題して、
「情報の一元化と権限の集中化を果たす危機管理組織」の必要性を説いている。
これは米国の連邦緊急事態管理局〈FEMA〉をモデルにしようという論。
私もFEMAの機能は、日本でも必須であると思う。
2005年8月、米国にハリケーン「カトリーナ」が来襲した時、
ウォルマートは126店が影響を受け、12店が被災した。
しかしビジネス・コンティニュイティという社内組織が、
どこよりも素早い意思決定と実働対応を果たし、
2400台のトラックを動かして、ライフラインを守った。
これは「FEMAよりも、スピーディで的確であった」と、
ウォルマートの評価を高めた。
一元的集中的危機管理組織を、
行政府の中につくることも大事だが、
素早くて、土着的で、必死の民間の力こそ、
ライフラインのベースとなるものだ。
毎日毎日、日常的に、地域に貢献しているのだから。
中央管理局は、緊急時に、一元的集中的に、
その民間の活動を全面支援し、
民間でできないことをやり遂げる。
まさに福島原発対策のようなこと。
官と民の真の連携が、
地域を守る。
市民を守る。
政府も頑張れ、
自衛隊も頑張れ、
消防庁も頑張れ、
警察庁も頑張れ。
ボランティアもがんばろう。
私自身もがんばる。
最後に一言。
関西をはじめ、被災しない地域と、
被災した地域、余震が続く地域との間に、
「温度差がある」といったコメントがあるが、
阪神淡路大震災を経験した関西人に、
断じて、それはない。
関西は関西人のおおらかさ・明るさで、
心から支援している。
九州も九州人の熱さで、
心から支援している。
四国・中国はその正義感で、
心から支援している。
関西も、ともにがんばろう、
中・四国、九州も、ともにがんばろう。
頑張ろう、日本。
頑張ろう、東北。
頑張ろう、関東。
負けるな、商人。
負けるな、不屈の日本人。
<結城義晴>