結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年04月08日(金曜日)

「東北関東大津波大震災」結城義晴渾身の現地ルポ「二章 宮城・岩手の人々編」

昨夜11時32分頃、
3月11日以来最大震度の余震。
震源は宮城県沖の深さ約40キロ。
マグニチュードは7.4。

私はこの瞬間、
東北自動車道上り車線・栃木県黒磯市のあたりを、
盟友・鈴木國朗さんと一緒に走っていた。

走っていたと言っても、
ランニングではなく、
ドライビング。

4月5日から3日間で、
鈴木さんとともに1600キロを走破し、
被災地の商業人を訪問、支援・激励し、
深夜の2時過ぎに横浜に帰着。

しかし、ほんの数時間前に会っていた人々が、
また震度6強の余震を被っている。
その心を察すると、私の心も痛んだ。

心より、お見舞い申し上げたい。

仙台市宮城野区や栗原市で震度6強、
岩手県大船渡市、釜石市などで震度6弱が観測された。
今日8日の午前中現在で、
死者2人、重軽傷者132人。

この余震直後から、
青森、秋田、岩手の3県全域が停電。
宮城県内も広範囲の停電。

もう、「いい加減にしてくれ」といった気分になる。

一番気がかりだったのは、原発。
幸いに大きな事故にはつながらず、
ちょっとだけ安心。

3月から運転停止中の女川原発は、
微量の放射性物質を含む使用済み核燃料プールの水が建屋内に流出。
ほんとうに微量だったため環境への影響はないと発表された。

福島第一原発は施設への影響なしとして、復旧作業続行。
柏崎刈羽原発も、新たな損傷・電源トラブルなしとの発表。

日本原燃六ケ所再処理工場は使用前検査中だったが、
外部電源が一時遮断されたものの、非常用発電機使用で問題なし。

被災地を回って、まだまだ、
「第2段階の救済レベル」の地区が多いことを実感したが、
それでも原発問題だけは未だに「快方」に向かっていない。

余震はすべての人に、
このことを思い出させた。

さて、一昨日から昨日にかけて、
会った人々。

まず、4月6日の夕方、
石巻のヨークベニマルの二人の店長。
湊鹿妻店の物江信弘さん(左)と、
石巻蛇田店の小林稔さん(右)。

20110408163301.jpg
湊鹿妻店は津波によって崩壊。
物江店長は屋上に残った500人の命を守りきった。
お二人のドラマは来週月曜日4月11日、
震災1カ月後の日に紹介する。

それから盛岡市に移動して、6日の夜、
㈱ベルプラス会長の遠藤須美夫さんと、
社長の澤田司さん。

20110408163309.jpg
澤田さんは、
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンの第二期生。
ベルプラスの「ビッグハウス石巻店」も、
大津波によって、すっかり破壊された。
20110408164705.jpg
それでも、力を合わせて復興に邁進。

そのビッグハウス遠野店。
20110408164726.jpg

この店では、ベルプラス専務の高橋政敏さん(右)と、
取締役管理部長兼社長室長の菊地甚成さん(左)に会った。
中央はこの店の副店長さん。
20110408163327.jpg

がんばろう東北。
明日に向かって
力を合わせて、
がんばろう岩手。
20110408164751.jpg

7日の朝には、㈱ジョイスの幹部のみなさん。
20110408163317.jpg
真ん中が社長の小苅米英樹さん。
左端が専務の青木洋一さん、
右端は営業本部執行役員販売部長の佐々木寧さん。
小苅米さんと青木さんの間になぜか三井物産の花牟礼真一さん。

小苅米さんはコーネル大学RMPジャパン第一期生、
佐々木さんと花牟礼さんは第二期生。
コーネルつながりで、震災後の対応について意見交換。

ジョイスは組織の力で、
この震災を乗り切ろうとしている。
「組織力」が語られたことは、
私、ほんとうにうれしかった。

ジョイス応接室の窓から、
雪をかぶった岩手山の雄姿が見えた。
20110408163432.jpg

夕方には、ジョイス大船渡店店長の五日市守さん。
20110408163344.jpg

店舗裏のプラットフォームまで、
津波の水が押し寄せた。
20110408164654.jpg
それでも勤務していた従業員は全員無事で、
お客様にも怪我がなかった。

今では、がんばって店を維持している。
20110408164642.jpg

ジョイス大船渡店が入っているショッピングセンター「サンリア」。
ここでは「がんばろう気仙!!」
20110408164632.JPG

盛岡市内では、
㈱ユニバースの盛岡南店店長の工藤公一郎さんにも、
ちょっとだけ会った。
20110408164552.jpg
工藤店長はこの5月の商人舎USA視察ベーシック編に、
参加してくれる。

奥州市のKマートのみなさん。
20110408201105.jpg
たった1店舗のスーパーマーケットだが、
みんなの力を合わせてお客様に奉仕し続けている。
3月の成績は前年比200%。

そして昨日の最後には、
大船渡の㈱マイヤ社長の米谷春夫さん。
20110408163353.jpg
米谷さんは16店のうち6店を失った。
お母様も亡くした。
自宅は津波にさらわれた。

それでも「ライフラインを守る」使命感で店を開ける。
<マイヤ物語は、4月19日掲載となりました>

「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

復旧から復興へ、私たちは歩を進める。

私のブログも、
急ぎ足ではなく、
一歩ずつ話を展開しよう。

3月11日午後2時46分の大地震と、
30分後にやってきた大津波。
そのときから、たくさんの商人の物語が始まった。
たくさんの商人の物語は、大きなうねりとなって、
そのお客様の生活を守った。
たくさんのお客様から、
普段は聞くことのできない「ありがとう」の言葉を引き出した。

一つひとつに、
一人ひとりが、
死に物狂いで取り組んだ。

それが「ありがとう」のこだまとなって、
東北の街々に響き渡った。

「ありがとう」
「ありがとう」

「ありがとう」

私はこの「ありがとう」が、
東北を蘇らせると信じている。

この「ありがとう」が、
日本を救うと確信している。

「ありがとう」が、
私たち自身を、
人間らしくさせてくれると考えている。

こころより、ありがとう。

皆さんも、良い週末を。

被災地のみなさんが、今夜、
やすらかに眠ることができますように。
被災地のみなさんのその眠りが、
明日の活力ある目覚めにつながりますように。

今週もこのブログに来てくださって、
ありがとう。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.