昨夜20時46分25秒、
岩手県大船渡市の米谷春夫さんから投稿コメント。
そう、㈱マイヤ社長。
「今度こそ、当社の幹部以下社員を、
自慢したい気持ちでイッパイです。
私は素晴らしい社員を持っていると誇りに思います」
「天災は例外なくいつでもどこにでも到来します。
マイヤの対応から、
良い面も悪しき面も教訓にして頂ければ幸いです」
「明日20日は全社のチーフ以上を震災後初めて集め、
51期方針発表会及び50期表彰式を、
大船渡から1時間の遠野市で行います」
「マイヤは二度目の誕生!!」
を声高らかに訴え、
たくましく前進していく機会にしたいと思います。
「乞うご期待!! マイヤ」です。
頑張れ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。
私も声をかけたくなる。
するとマイヤが遠野市で方針発表会を開催する今朝、
9時17分22秒、 爾今翁(ジコンオウ)さんからコメント。
「すごい人がいるもんだ。
近くに店舗があれば
顧客になりたい」
「心がすさみ 疲れがどっと出て
ベッドに伏せるこの頃
瓦礫をまたぐ生活
この記事で元気をもらった」
「しかし 爺ちゃんは 人知れず
コメントを呼んで 号泣した」
私は朝から、
爾今翁さんのコメントを読んで、
人知れず、泣いた。
この大きな震災の後、
様々なマーケットが変化していく。
小売市場にも、いくつかの変化が現れる。
第一に、小売業の寡占化が進む。
極めて冷静に見ると、これは確かだ。
日本の小売業は2007年商業統計で、
113万6755店。
10年前の1997年が141万9696店であったから、
28万2941店の減少で、マイナス19.9%。
1年に3万店近くの減少が続いた勘定。
売上高は134兆5717億円で、、
147兆7431億円から8.9%のマイナス。
つまり、黙っていても店数減少の傾向だったものが、
この津波と地震の被災によって、
東北三陸沿岸や北関東で激減する。
マインドとしては全国に、これは広まる。
あの津波にさらわれた街の店店が、
どれだけの意志を持って復興するのだろう。
今朝の日経MJの囲み記事「消費見所・カン所」に、
イオン㈱社長の岡田元也さんがコメント。
この大震災の教訓として、
「小売業の業界再編」が促されると分析。
「本部集中による効率化を進めてきたが、
コンピューターシステムや物流の拠点を分散するなど、
従来のやり方を変えなければいけない」
「店舗の免震構造」など「防災投資」がかさむ。
だから「他社との連携を選ぶ小売業が増える」
ナショナルチェーンは地方分散化を進め、
それでいて投資額は過大化する。
だから「企業の統合が進む」という「見立て」。
これもクールな判断だろうし、
イオンのグループ戦略と同期する。
実際、この震災では、
ナショナルチェーンが活躍した。
イオン、セブン&アイ・ホールディングスの両雄。
それに、CGCジャパンの大奮闘。
さらに全日食チェーン、セルコ・チェーンも。
こちらはボランタリーチェーンのナショナルチェーン。
私は、この傾向は進むと考える。
何しろヨークベニマルのようなリージョナルチェーンですら、
全域で被災してしまった。
ベニマルもセブン&アイのグループであったことで、
さまざまな恩恵をこうむった。
マイヤもマルトも、
ジョイスもベルプラスも、
CGCジャパンに加盟していた。
そしてその本部や仲間の企業の協力、助力が、
企業の存続に貢献した。
岡田さんの言う「連携の選択」である。
この全国チェーン化が進むことが、
第二の変化。
つまりレギュラーチェーンとボランタリーチェーンにおける、
ナショナルチェーンの競争レベルとなる。
どちらがいいとも断言はできない。
もちろん私は日本の小売業界を、
「大きな自然の森」にたとえている。
大木もあれば、雑木もあるし、
雑草もある。
みな、底力のある大木、雑木、雑草。
それが自分の顧客を定めて、
ポジショニングを鮮明にしながら、
一所懸命に生きる。
この時、必ずしも大木が強いとはいえない。
雑木や雑草が、いつも弱いともいえない。
何しろ生命力のある者だけが残っているのだから。
マイヤ、マルトを見ていると、
それが実感できるし、確信できる。
ここでいう生命力とは、
第一に米谷春夫さんのいう「ファイティングスピリッツ」であり、
第二に顧客や地域と店との強い関係性である。
それを米谷さんは「お客様が優しくなった」と感じた。
第三の変化は、この顧客と個店の親密性である。
ますます親密に、ますます親しくなる。
これまた今朝の日経MJの最終面に糸井重里登場。
自身も東京糸井重里事務所という会社を経営し、
社員50人年商20億円強のビジネスを展開する。
「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営しながら、
商品づくりなどの商売をしている。
その糸井さんは、
「親しい商売が楽しいよね」という。
「1万人の潜在顧客で十分成り立つ商品は山ほどある」
これが21世紀の糸井流商法。
ナショナルブランドメーカーから見ると、
完全な異質の「小商圏主義」。
1万人で成り立つ「親しい商売」。
そのための「親しいコミュニケーション」。
寡占化の方向に進みつつ、
ナショナルチェーン化が進行する中で、
それらの条件の上位に来るのが、
「親しい商売」である。
私もまったく同感。
㈱商人舎もこの方針だ。
東北関東大津波大震災のあと。
「親しい商売」ができる店や会社に、
輝く未来が待っている。
私はそれを、確信している。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
復旧・復興を成し遂げよ。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「親しい商売」に向けて邁進せよ。
では、これにてひとまず、
「東北関東大津波大震災」現地レポートの「終焉」。
永らくのご愛読、心から感謝。
<結城義晴>