結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月02日(月曜日)

5月の商人舎標語「まだまだ、ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」と『メッセージ』からの「十箇月と一瞬」

Everybody! Good Monday!
[vol18]

2011年第18週、5月第1週。
今週は大型連休期間真っ只中。

年末正月の連休、
お盆の連休と、
このゴールデンウィーク。

小売業・サービス業に関しては、
書き入れ時で超繁忙期だが、
その分、一所懸命に仕事し、
ちょっとずらして休暇を取る。

私がこの世界に入ったのは1977年、昭和52年。

この時点で関西スーパーマーケットは、
年間118日間の休暇を実現していた。

年間は52週、週2日の休みを取るとして、104日。
それ以外に14日間の公休を取ることができる。
もちろん有給休暇。

小売業・サービス業のあり方として、
それも10数店規模の会社がそれを実現させていて、
これは画期的だった。

さて今年のゴールデンウィーク。
東北関東の大津波と大震災から50日を超え、
復旧しつつ復興を視野に入れた歩みが始まった。

それでもまだまだ、現地では、
問題山積。

人々の暮らしの問題が解決していないし、
福島原発は現場の必死の努力にもかかわらず、
長期化することが確定された。

最悪のケースだったチェルノブイリでさえ、
半年で一応の目途を立てた。
残念ながら、フクシマにそれを望むことは難しい。

商売やビジネスも同じ。
一気呵成の改革は難しい。

だから今月の商人舎標語。
「まだまだ、ひとつずつ
すこしずつ、いっぽずつ」

ひとつずつだから、一気に進みはしない。
すこしずつだから、大幅な改善にはつながらない。
いっぽずつだから、長足の進歩は見込めない。

しかし、ひとつずつは、長続きする。
すこしずつは、取り組みやすい。
いっぽずつは、休みなく進むことができる。

結城義晴の最初の単行本『メッセージ』から、
「十箇月と一瞬」

調査・研究とは、
十箇月の妊娠のようなものであり、
問題の解決とは、
ある朝の分娩のようなものである。

多分、毛沢東の言葉だったと思うが、
私たちは、誕生の瞬間ばかりに関心を払い、感動する。
つまり、結果だけを求めたがる。
しかし、十箇月のプロセスとその後の発育・成長にこそ、
本来、意味がある。

人間も組織も、
企業も店舗も商品も、
本来、段階型に成長する。
階段を登るように発展する。

十箇月の停滞に耐えて、
ある、ひとつの階段を登る。
停滞が長く、つらいほど、
登るステージは高い。

ああ、つらい。
ああ長い。
ああ、しんどい。
ああ退屈。

だからこそ
たったひとつのステップアップが
ああ、うれしい。
ああ尊い。

たとえば十箇月の
調査と研究。
一瞬の
問題解決。

この繰り返しが
仕事である。
その積み重ねが
革新となる。 

<第6章「イノベーション」より>

「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」を、
丹念に、飽きることなく繰り返すと、
やがて一気に階段を上るときを迎えることができる。

それをたとえて、
「十箇月と一瞬」と呼んだ。

東日本大震災にも、
「十箇月と一瞬」は生きている。

たとえば十箇月の
調査と研究。
一瞬の
問題解決。

十箇月を妊娠にたとえ、
一瞬を分娩にたとえる。

問題の解決のあり方は、
赤ん坊の誕生に似ている。

5月中旬に発刊される単行本。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
この本の中身も最初の本『メッセージ』に、
基本的な考え方が込められていた。

その『メッセージ』は、
『食品商業』誌や『販売革新』誌に、
毎月毎月、書き続けた巻頭言をまとめたものだった。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ、
丹念に丁寧に書いたものの体系が、
この本になった。

現在も、この商人舎ホームページ最下段のボタンに、
「今日のページ」と題して、
『メッセージ』から一文ずつ掲載している。

「今日のページ」の言葉は、
毎日、変わる。

このページを「☆お気に入り」にいれて、
毎朝、覗いてもらうと、
私の考え方の基本が書かれた短い文章を、
繰り返し、日めくりで、読むことができる。

さて、5月に入った。
震災の影響もあって、
例年の5月とは異なる。

しかし、人々の生活サイクルの基調は変わらない。

既に突入しているゴールデンウィークは、
4月29日の「昭和の日」から始まり
5月3日「憲法記念の日」、
5月4日「みどりの日」、
そして5月5日「子供の日」と続く。

さらに偶然にも、
今週の日曜日5月8日は「母の日」。

毎年言うが、
なぜか子供の日と母の日が呼応し合っている。

震災後、家族の絆はさらに強まった。
親と子、兄弟同士、親戚の間。
その中でも母と子の絆は、
特別のものだ。

1週間以上の連休であると同時に、
母と子のための連休。
テーマ資源としてこれ以上、強力なものはない。

5月はその後、1年で最もいい季節のなかで、
人々はのびやかな生活を送る。

「常盤勝美の2週間天気予報」
が、
そのことを書いてくれている。

昨日、沖縄では早くも梅雨入りしたが、
梅雨までの期間、
全国的に人々は生活を謳歌する。

できれば、この「生活の謳歌」を、
被災した人々と共有したいものだ。
小売業・サービス業はそのことに、
主導しつつ貢献したいものだ。

例年のことだが商人舎は今日の5月2日、
臨時休業とした。

みな、帰省したり、連休を楽しんだり。
もちろんホームオフィスよろしく、
家に持ち帰って、仕事もしている。
それでも自由度は歴然として違う。

近い将来、
アメリカの浅野秀二先生の会社JACのように、
ホームオフィス方式の会社にしたいとも考えている。

もちろん知識商人の舎人としてのオフィスは設置して。

このスタイルは大学に似ている。
私は㈱商人舎という会社を、大学のように、
いや、もっと進めて大学院のようなものにしたいと思っている。

中学・高校のような会社や組織もある。
部活や体育会のような会社や組織もある。

それはそれでいいし、否定するつもりはない。

しかし商人舎は、
規模は小さくとも、
大学院のような風土にしたい。

ゴールデンウィークは私たちにとって、
それが実感できる時だ。

アサヒビール元会長の瀬戸雄三さん
が、
日経新聞の「私の履歴書」を書き始めた。
今日は、独立して貿易商「瀬戸商会」を起こした瀬戸さんの父上の口癖。
「金持ちのときは貧乏な顔を、
貧乏な時は金持ちの顔をしろ」。

瀬戸さんにとって、
「この言葉は人生を通して不易なもの」となった。

商人の生き方に通ずる。

では、今週も、
「まだまだ、ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」
会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費 15000円

私は5月12日大阪でトップバッターとして講演。
テーマは「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として、
日本赤十字社に寄付される。

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