北海道を除いて、全国的に雨。
東京・横浜も雨。
それもかなり激しい雨。
今夜は後楽園ドームで、
初のナイトゲーム。
通常の6割の電力消費で試合を開催する。
天候の異変はちょっと気になるところだが、
人間の力ではどうにもならない。
日経新聞の「きょうのことば」で、
「ライフライン」が取り上げられた。
「電気や上下水道、ガス、通信、道路・鉄道など
生活に不可欠な設備のことを指す。
本来の意味は『命綱』」
「最近ではインターネットや携帯電話などのほか、
生活必需品を24時間販売するコンビニエンスストアも
広い意味でのライフラインとみなされている」
コンビニだけではなく、
スーパーマーケットもドラッグストアも、
もちろん総合スーパーも、
小売業・サービス業の拠点は、
ライフラインとなった。
それでも、小売業の代表としてコンビニが、
日経新聞の「ライフライン」の定義に入ってくる。
これも「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」だが、
商業の現代化が進んでいると私は思って、
元気が出てきた。
さて、同じく日経新聞の「買い物ウオッチ」。
20歳以上の全国の男女1000人に、
4月28日から5月1日に行ったインターネット調査。
今回は「外食動向」
東日本大震災の影響から、
売上高・客数とも、大幅に下落しているフードサービス業界。
のっけから、厳しい回答。
すべての外食業態で、
「利用する機会を減らしたい」人が11~15%台、
逆に「増やしたい」は3~7%にとどまった。
震災後に外食の機会が「減った」人は26.7%。
地域で見ると東北45.6%、関東31.9%、近畿、四国も20%超。
「利用を減らした回答者が最も多い業態は、
居酒屋の22.5%。
ファミリーレストランと低価格すしチェーンが18%強で続き、
喫茶店・コーヒーチェーンなども16%を超えた」
ワタミは4月の既存店売上高が前年同月比90.4%。
一方、「中食」は健闘。
セブン-イレブンは4月の米飯・麺類の売上げが、
前年同月比5%弱増えた。
これは「ライフライン」そのものであることを示している。
「震災後に自宅で料理を作る機会が増えた」人も、
20.9%にのぼった。
こちらはスーパーマーケットの出番となる。
しかし20~24歳では、
居酒屋に行く機会を増やしたい人が14.6%。
減らしたい人を5ポイント近く上回った。
外食は若者が牽引する。
内食・中食は全客層で守る。
大雑把にみれば、そんな構造か。
ただし4月のファストフードは、
日本マクドナルドホールディングスが3.6%増、
ゼンショー「すき家」が同6.0%増。
それもあってか、牛丼チェーンの3強が、
揃い踏みで「期間限定で値下げキャンペーン」を展開予定。
ゼンショーは牛丼(並)を30~40円値下げし250円にする。
「すき家」は16~22日、「なか卯」は17~23日。
吉野家は東日本地区で、17日から23日まで、
牛丼の並盛りを380円から270円に値下げ。
主要商品もディスカウント。
そして松屋フーズは、
16~23日、「牛めし」(並)を通常の320円から240円に、
23~30日、「ビビン丼」(並)を430円から340円に、
30日~6月6日、「キムカル丼」(並)を490円から390円に。
ファストフードの逆襲が始まる。
しかしこうして外食と内食、中食が、
しのぎを削って競争することは、
消費者にとって悪くはない。
お客は喜んでいる。
私だって、この時期、
牛丼食べてみようかと思う。
内食・中食、外食。
日本でこれだけ分化していることは、
進化を意味する。
歴史的にみると、
もともとは内食しかなかった。
だから言葉としては食事はすべて内食だった。
すべて内食だから、
それをわざわざ「内食」とは呼ばない。
従って、言葉としては「食事」から派生して、
まず「外食」が最初に生まれた。
広辞苑の定義では、
「家庭外でする食事」。
次に広辞苑に「内食」の概念が入って来る。
1991年11月改定の第四版から。
この時点の言葉の定義は、
「外食」に対して「家庭内でする食事」。
現在の広辞苑第六版では、
内食を「家庭内で調理してする食事」と説明している。
「調理」という言葉が含まれている。
「中食」(なかしょく)という言葉は、
2008年の第六版から登場。
その中食の意味は、
「店で買って家に持ち帰り、すぐ食べられる調理済の食品」。
外食と内食の境界領域の「中食」の概念が、
国民的辞典の『広辞苑』にまで取り上げられている。
これは逆に、
外食と内食の範囲が狭まってきたことを表しているが、
それでも三者間での競争は、
お客を喜ばせる。
震災からの復興のなかでも、
三者の競争が見たい。
みんな、頑張れ。
最後に『メッセージ』から。
「天の邪鬼」
競争は、闘争とは違う。
その混同は、成長と膨張を錯覚することに似ている。
競争を拒否する者は、理念的平和主義者なのか。
それとも怠け者のキリギリスなのか。
一見、温厚なヒューマニストに映るが、
それは怠惰な天の邪鬼にほかならない。
天の邪鬼が競争から逃避しつつ
闘争を煽る。
政治の世界にも、行政にも、業界や会社にも
天の邪鬼の群れが潜んでいる。
それは私自身の心の中にも、
あなたの心のなかにも。
この天の邪鬼を退治するには、
勇気をもつこと、競争環境を整えること。
疲弊を癒す活力は
良質の競争の中にしかない。
<結城義晴著・商業界刊>
そろそろ、競争を奨励してもよいころだと思う。
牛丼チェーンがそれを始めた。
<結城義晴>