結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月13日(金曜日)

東日本大震災チャリティーセミナー「ひとつになろう日本! 商人支援プロジェクト」成功裡に終了

4月の米小売売上高。
アメリカ合衆国商務省の発表。
3893億5500万ドル。
1ドル80円換算で約31兆5000億円。

前月比0.5%のプラス。
10カ月連続。

前月比という指標は、いい。
前年同月比よりも断然、新しい。

その前年同月比はプラス7.6%。
アメリカの小売業は依然、元気だ。

来週末から月末まで、
私はアメリカに滞在。

そのアメリカの小売業が活況を呈していることは、
うれしい限り。

理由は、雇用者数の増加と、
個人消費の回復。

日経新聞ではどちらも「徐々に、緩やかに」と表現されているが、
個人消費が劇的に伸びるなんてことは、
めったにあるものではない。
だから「徐々に」はとてもいいこと。

さて、日経新聞最終面の『私の履歴書』。
今月はアサヒビール元会長の瀬戸雄三さん。

挨拶について、新人時代のいい話。

大阪のアサヒビール営業部員として働いていたころ、
150 年の歴史をもつ船場のお店に三度目に訪問したとき。

若かった瀬戸さんは、ご主人からやんわり言われた。
『あんさんのお辞儀は心がこもってまへんで』

ご主人は続けた。
『白鶴酒造の神足(こうたり)さんを訪ねてみなはれ』

瀬戸さんは、「なぜかわからないままスクーターに乗り、白鶴酒造に向かう」
ドアをあけた瀬戸さんに、その神足さんがにっこり笑って、
『瀬戸はん、おいでやす』。
両手を膝頭にあて、
ゆっくりと頭をさげて迎えてくださった。

瀬戸さんは書く。
「全身に電気が走った。
自分のお辞儀は形だけだったのだ。
販売店のご主人は、
直接お辞儀の仕方を教えるのではなく、
第三者を通じてお辞儀の仕方を若造に示したのだ」

「船場は町中で商人を育てる土壌があった。
新入社員時代、このようなところで仕事をさせていただいたことを感謝する」

「ビジネスは挨拶に始まり挨拶に終わる。
特に余韻が大事なのだ」

瀬戸さんは「自分でも肝に銘じ実践してきたし部下にもそう教えてきた」。

「お見送りの際、エレベーターの扉がちゃんと閉じるまで、
足を動かしてはならない。
受話器はお客様より先にこちらが置いてはならない。
言い出せばキリがない。
今でも挨拶をするとき、
色々な教えを思い出し心を込めて頭を下げる」

「いまでも挨拶をするとき」
「心をこめて頭を下げる」

あの瀬戸雄三にしてこれだ。

「以って自戒とすべし」

さて昨日は大阪で、
東日本大震災チャリティーセミナー。
「ひとつになろう日本! 商人支援プロジェクト」

第1回の会場はリーガロイヤルホテル大阪。
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今回の呼びかけに対して、
約70社から227人のご参加をいただいた。
心から感謝し、
瀬戸雄三さん譲りの心からのお礼を申しあげたい。
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3階「光琳の間」前の受付にはボランティアスタッフ。
受け付けは11時から、開場は12時から。
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12時20分、セミナーが始まる前に全員で起立し、黙とう。
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トップバッターは私。
まず商人舎と結城義晴の紹介VTR。
こういった趣旨のセミナーとしては、
ちょっと大げさな感じで、気恥かしい。
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私の講演テーマは
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
サブタイトルが「ライフラインを担う商業人の使命感が日本を救う!」
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宮澤賢治の「雨ニモマケズ風ニモマケズ」から始めて、
「阪神大震災」「新潟県中越地震」
そして今回の「東日本大震災の三つの物語」20110513160548.jpg
できるだけ、謙虚に、真摯に、
瀬戸雄三並みの「心」をこめて、
80分、語った。

終わりは、
ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
最悪を覚悟して、最善を尽くす。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
Think small! [小さく考えよ]

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
最良のベーシック。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
差異が価値を生む。

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
“Retail is Detail.”[小売りの神は細部に宿る]

ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ。
実践躬行・実行第一。
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そして、「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」。20110513121124.jpg
ご清聴を感謝したい。

私の次は、石原奈津子さん
㈱おいしいハート代表取締役、
日本食育コミュニケーション協会代表。
講演テーマは「今、地域に求められるスーパーマーケットとは」
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「食育」を中心に、
スーパーマーケットのマーケティングを語ってくれた。

そしてこの日の最後は、水元均さん
日本経営コンサルタント㈱代表取締役。
講演テーマは「減の時代における・・・
スーパーマーケットの“新”ブルーオーシャン戦略」
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私は水元さんの講演を、
3年ぶりに聞いた。

この場の講演としては、
ふさわしくないと感じた。

マーケティングの本質や重要なトレンドに関しても、
意見を交わさねばならないと強く感じた。

しかし全体にいいセミナーだった。
私は東日本大震災チャリティセミナーとして、
絶対にはずせない内容の講演をし、
訴えをした。

それはそれで満足だった。

それよりも、日本の小売業や生活産業が、
インフラとして言葉に表せない貢献を果たしたことを、
語り合いたかったし、社会に認めさせたかった。

その目的のいくらかは成し遂げることができたと思う。

最後に、ボランティア・スタッフの紹介。
小苅米さん、本谷さん、山田さん、
佐藤さん、竹田さん、三盛さん。
それに山口さん。
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そして講師陣の紹介。
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しかし今回のチャリティセミナー、
本当のボランティアは会場で聴講してくださった皆さん。20110513121402.jpg
すべての参加者が、
ボランティアであり、主役であることこそ、
チャリティセミナーの素晴らしさ。

地元の関西スーパーからは20人の参加をいただいた。
万代は加藤徹社長自ら、参じてくださった。
感謝したい。

講演の合間に、交流。
㈱キョーエイ代表取締役社長の埴渕一夫さん
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そして㈱八百民社長の平山幹人さん
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㈱ショッピングセンター丸正総本店専務取締役の飯塚正彦さん。
コーネル大学RMPジャパン第2期生。
わざわざ東京から参加してくれた。
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㈱ユアーズ・バリュー社長室室長の吉武健志さん
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サトーカメラ㈱代表取締役専務・佐藤勝人さんのご子息、佐藤勇士さん
ボランティアで参加。
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有意義な仕事でした。

みなさん、ありがとうございました。

被災地の商人と心を一つにしたい。

<結城義晴>

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