思っていたような現象が起こってきた。
ビックカメラが「楽天市場」に出店する。
日経新聞の記事。
楽天は現在、
インターネット通信販売モールの最大手。
もちろんビックカメラも、
自社サイトでのインターネット販売を展開してきた。
それに楽天を加える。
チャネルを広げる行為。
考えてみれば当たり前。
「家電やパソコン、携帯電話、ゲームソフトなど10万品目」を扱い、
アイテム構成は今後も増やしていく予定。
「価格は自社の通販サイトの水準に合わせる」
「楽天のポイントをつけ、ビック独自のポイントは付けない」。
グループの通販事業全体の売上高は、
2012年8月期には500億円程度。
それを早期に楽天市場内で最大級の100億円規模にする方針。
インターネット・モールにも、
核店舗が出現し始めたことになる。
「楽天市場の販売総額は2010年12月期に9500億円」
その出店数は約3万5000店。
ほとんどが中小企業。
そこに大型核店舗のテナント導入。
今後も大いにあること。
リアルのショッピングセンター開発の定石。
野村総合研究所によると、
2011年度のインターネット通販市場は8兆2800億円。
2015年度には11兆8000億円の予測。
4年間で4割の拡大が見通されている。
インターネット販売の世界にも、
まだまだイノベーションが起こる。
そしてそれはリアル店舗で、
既に起こった未来である。
さて、これも日経の記事だが、
日産自動車カルロス・ゴーン社長が、
東日本大震災で被災したいわき工場を通常操業に回復させて、
350人の従業員に対して発言。
「“ベリー・ストロング・ゲンバ”を
目の当たりにして誇りに思う。
皆さんは日産だけでなく、
日本の復興の象徴と言っても過言ではない」。
こういった発言は本当に、いい。
さて、これも日経新聞のコラム『大機小機』
コラムニスト隅田川氏が大胆なコメント。
電力を巡る諸問題に対して、
「極めて有効な手段がある」と胸を張る。
「それは電力料金を引き上げることだ」
日経MJでも、東京大学教授の伊藤元重さんが、
電力料金の値上げを主張している。
隅田川氏の根拠は3つ。
「第1に、それは、
極めて当然である。
「原発の損害賠償コストが極めて大きく、
電力会社が賄いきれないということは、
これまでの電力料金が、
原発によって電力を生み出すためのコストを
十分織り込んでいなかったということだ」
「原発の電力を安く使い過ぎてきたということである」
「よって原発分の電力はより高いものと再評価し、
そのぶん料金を引き上げるのが正しい」
「第2に、それは、
極めて効率的かつ公平な節電の手段である」
「価格を引き上げれば、
それをあまり必要としない需要から
順番に節減されていく」
「第3に、それは、
経済社会構造を望ましい方向に変えるだろう」
関東地域への一極集中の是正、
風力などの自然エネルギーへのエネルギー構造の転換促進など。
もちろん「これだけ迷惑をかけながら
値上げするのかという感情的反発も強い」と指摘したうえで、
「損害賠償を保証するためのコストは、
何らかの形で国民全体が担うことになる。
どうせ担うなら、
電力料金の引き上げという形で負担するのが
最も効率的かつ公平なのである」
皆さんはどう考えるだろうか。
さてさて昨日は、大阪。
寺岡ニューバランスフェアで記念講演。
テーマは「大震災に学ぶこと」
この時期、このテーマを訴えずにはおれない。
東北で被災した企業や店舗の報告をしたうえで、
このブログでも書いた堺屋太一さんの「非常時対策」5段階。
(1)救助の段階⇒原則「軽いものから先に」
1.最も急ぐ軽いものは「情報」。
2.「生活物資」。
まず「飲料と医薬の配布」。
その次が「緊急の食料」。
そしてその次が「燃料と衣料」。
3.「安全な生活空間の準備とそこへの搬送」
(2)救済の段階「被災後10日が目安」
・道路、水道、衛生、電力、ガスなどのライフラインの応急処置
・大事なのは速度
・最低限のライフラインをつなげるリミットは1カ月以内
(3)復旧の段階「被災後1カ月から」
・水道、道路、電力、鉄道などを旧(もと)に復すとともに、
・店舗や飲食店を再開させ、日常生活を復元させる
・精神的安定やコミュニティの再建創造
そして強調したかったのが、
(4)復興の段階には、
「新しいグランドデザイン」をつくること
さらに、
(5)振興の段階では、
「世界のモデル」となること
ここまでを展望した復興と振興を目指したい。
今回は午後1時から始めて、2時間と13分。
ご清聴を感謝したい。
講演がおわってから、固い握手。
㈱万代代表取締役社長の加藤徹さん。
商人舎発足の会発起人のお一人。
今回もいちばん前で聴講してくださった。
先週のチャリティセミナーでも、
聴講に来てくださって、
心から感謝。
㈱八百民社長の平山幹人さんも、
いちばん前の席での聴講。
平山さんもチャリティセミナーに続いて来てくださった。
ありがとうございます。
最後の最後に㈱寺岡精工専務取締役の高野公幸さんと写真。
いつもお世話になります。
寺岡精工グループも、
世界の関係会社などから義援金が送られてきて、
それに本社が寄付金を大幅に加えて、
日本赤十字に送った。
大阪への日帰り講演。
熱心な聴講に、
私も元気づけられた。
今週は講義の週。
まだまだ序の口、これから続く。
がんばります。
<結城義晴>