結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年06月23日(木曜日)

百貨店、コンビニ、SM、総合スーパーの「5月販売統計」の好対照と万代ドライデイリー会の米国報告会の盛況

昨日は夏至。
「1年で一番昼が長い日」に、
関東各地で猛暑。

今年の天気は、例年とは違う。
読めない。

私はそういった混迷の時には、
専門家に任せることにしている。

日経新聞は一面トップで嘆く。
大見出しで「政策空転、出口見えず」

そして「国会70日延長議決、執行部も首相と距離」

新聞の見出しは、それだけで意味がある。
こういった気合の入った見出しは、
よくできたPOP広告のように、
訴えるレベルが違っている。

社長が変わっても、
会社全体が赤字でも、
店舗現場は何の影響も受けないことがある。
むしろ、ある店は大繁盛したりすることさえも。

かつてヤオハンが倒産した時、
伊豆の店舗は、顧客でにぎわっていた

日本の政治と国民の生活も、
そんな風な間柄になっているのかもしれない。

国会が空転しようが、
出口が見えなかろうが、
通常時ならば、
問題は少ない。

ただし被災地の復旧・復興やフクシマ原発問題は、
国家レベルの大難題だけに、
政治の空白は許されない。

肝心な時のための政治なのに、
その肝心なときに役割を果たせない。

以て自戒とすべし。

さて昨日までに、
主だった小売業協会の5月の販売実績が発表された。

まず6月17日金曜日、
全国百貨店協会が全国百貨店の概況を発表。

売上高は前年同月比はマイナス2.4%で、
4820億円だった。
これは震災以降、3カ月連続の前年同月比マイナス。

地区別売上高で特徴的だったのは、仙台。
前年比プラス6.7%で3カ月ぶりにプラスに転じた。

震災後の復興消費が拡大し、
被災した生活材の買い替え需要などが増加したため。
家電の売上前年比も3カ月ぶりにプラス5.1%。

6月20日月曜日、日本フランチャイズチェーン協会は
5月の「コンビニエンスストア統計データ」を発表。

既存店ベースの売上高は前年同月比プラス5.7%、6567億円。
7カ月連続のプラスとなり、前月の伸びを上回った。

コンビニは長期停滞していたものの、
タバコ特需に始まり、
震災特需も享受した格好。

5月はゴールデンウィーク期間中の雨、
例年より早い台風の接近、
さらに例年より早い梅雨入り発表など、
天候の異常が目立ったが、
その影響はなかった。

商品構成別の売上高前年同月比は、
日配食品がプラス1.4%、
加工食品はマイナス0.6%、
サービスはマイナス3.5%。

4月に落ち着きを見せた非食品は、
プラス22.9%
と再び盛り返した。
タバコの売上げが寄与した。

そして6月21日は「スーパーマーケット販売統計調査」
こちらは3協会の合同統計発表。

新日本スーパーマーケット協会の増井徳太郎副会長が、
5月の結果を発表。
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総売上高既存店前年同月比はマイナス2.0%、
8049億3476万円。

食品合計はマイナス2.0%、6846億3788万円、
非食品合計はマイナス3.2%、754億8930万円、
その他がマイナス4.5%、448億0759万円。
前年比は軒並みマイナス。

コンビニとは好対照。

食品の売上高の内訳は、
青果がマイナス5.2%、1017億8481万円、
水産がマイナス4.3%、718億6101万円、
畜産がプラス0.9%、818億6068万円。

一般食品はマイナス1.8%、2268億1552万円、
日配がマイナス0.5%、1357億8442万円、
惣菜がマイナス0.6%、665億3143万円。

前年比がプラスだったのは、
精肉部門のみ。

不景気時は、たんぱく源の摂取が、
水産品から畜産へ流れる傾向がある。
しかも今は、震災・原発事故の影響で、
青果や水産への不安感が増している。

放射性物質への不安もあるが、
そもそも市場に出回らない水産品が数多くある。
三陸産のワカメなどが、典型的な例。

その結果、畜産の売上げが伸びている。

5月はゴールデンウィークがあったが、
相次ぐイベントの中止や自粛で、
見込んでいた弁当やオードブルなどの売上げが減った。
台風や梅雨入りの影響もあったようだ。

震災直後に買いだめしたものを消費したり、
買い控えをしている消費者も多い。
これは景気動向調査をみると、一目瞭然。

消費者購買意欲、来客数、客単価、
すべてが厳しい数値を示している。

ゲストスピーカーは、
㈱ジョイスの小苅米秀樹代表取締役。
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コーネル大学ジャパン「伝説の第1期生」。

岩手県を中心に店舗展開するジョイスも、
3月の大地震で被災した。
40店舗中、沿岸の2店舗が津波により流出、
県央の2店舗が建物に甚大な損傷を受けた。
この4店舗は今も営業再開できていない。

従業員もパート社員が2名亡くなり、
1名はいまだ行方不明だそうだ。

小苅米さんが分析する震災後の顧客の購買動向。

まず震災直後は生活必需品、
2週目は生鮮品や惣菜、
3週目はお菓子などの嗜好品

通常の生活に戻ることを渇望するかのように、
週ごとに顧客の要求が高くなっていった。

そのため、被災した店舗ではすぐにでも、
移動販売をはじめたかったが、
なかなか実現は難しく、
4月に入ってから開始。

現在は、宅配業者と一緒に食品の宅配も行っており、
継続できるビジネスとして成立させるべく尽力している。

震災から3カ月たった現在、
震災の影響が大きかった店は伸びている。

被災地区のとある店舗の売上動向。
3月の売上高が前年比109.5%だったが、
4月は192.8%、
5月は224.3%、
6月が241.2%
と、
驚くべき数値。

逆に、震災の影響が無かったり、
元々芳しくない店舗は
震災後もやっぱりダメだそうだ。

今後、店舗淘汰や寡占化が進む中、
生鮮構成比の高い300坪ほどの店でスタートしたジョイスは、
これからもバラエティに富んだ食の提案をしつつ、
「原点回帰」を志向する。

震災後から「肝に銘じよう」という意味で、
社内へのメッセージとして使っている言葉。
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんの言葉。

「お客様はきてくださらないもの」
「お取引先は売ってくださらないもの」
「銀行は貸してくださらないもの」

これが商売の基本。
だからこそ一番大切なのは信用であり、
信用の担保はお金や物ではなく、
人間の誠実さ、真面目さ、
そしてなによりも真摯であるということだ。

ピーター・ドラッカーに通ずる。

最後に昨日6月22日は、日本チェーンストア協会。
5月の「チェーンストア販売統計」の発表。

これは総合スーパー中心の販売統計で、
会員企業60社(8006店舗)。
5月の総販売額は1兆0567億5483万円。
前年同月比(店舗調整後)はマイナス1.4%だが、
前月比ではプラス0.9%。

食料品が前年同月比マイナス2.3%、6502億4418万円、
衣料品もマイナス2.6%、1160億5317万円。
住関連はプラス0.3%、2207億2440万円。

スーパーマーケットの販売統計同様、
ここでも畜産品はプラス0.8%と良かった。

また百貨店の家電売上増加と同じく、
総合スーパーでも家電製品はプラス9.5%と好調だった。

総合的には、やはり雨の影響や
震災特需の反動などで、動きは鈍く、
2カ月連続のマイナスとなった。

さて、昨日は大阪・堺で、
万代ドライデイリー会のアメリカ報告会での講演。
会場はリーガロイヤルホテル堺。
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5月23日から1週間、
アメリカのラスベガス、サンフランシスコを視察した。
その報告を兼ねた勉強会での講演。
テーマは「アメリカ小売業から学んだこと、学ぶべきこと」。
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広い会場は、万代ドライデイリー会の参加メンバーで満杯。
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初めに、東日本大震災の5段階対策とウォルマートのハリケーン対策。
停滞している西日本。
「頑張れ、西日本!」を訴えた。
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それからアメリカ小売産業の「鳥の目・魚の目」を整理したうえで、
「フォーマットの分化」と「ポジショニング」を語った。
私がいま、最も重要なテーマと考えるものだ。
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難しいことから逃げてはいけない。
難しいことを理解しなければ、
現在の問題は解決できない。

私は、その難しいことを、
易しく、面白く、説明する。
それが私の役割。

最後の30分は、
フォーマットとポジショニングを理解してもらうために、
視察企業の店内写真を見てもらう。
お分かりいただけただろうか。
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最後までのご清聴に感謝したい。

講演の後は、加藤徹社長とご一緒に、
3つの分科会の発表を見学。
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4階の講演会場から3階の分科会会場へ移動。
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分科会では、アメリカ視察に参加した人たちが、
アメリカで学習したことの報告をし、
学んだことを万代の現場に反映させるための提案を発表。

デイリー部会。
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惣菜部会。
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突然の指名で、発表に対するコメントを求められる。
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最後に一番、人数の多いグロサリー部会。
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3つの分科会終了後は、懇親会。

乾杯の後に、アメリカ視察に万代から参加した、
惣菜部チーフバイヤーの入江正徳さんが、
視察参加メンバーの全員を紹介。
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壇上に上がったメンバー。
なぜか全員が、同じポーズであいさつを締めくくった。
一挙に紹介しょう。
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おうぅ!
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おうぅうう!
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お、お、おうぅ!
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おう!!
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皆さん、お疲れ様でした。
そして一挙に広い会場は懇親と名刺交換の場へ。
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アメリカ視察団のメンバーと写真。
私の隣はケイ低温フーズ㈱代表取締役社長の龍首文昭さん。
団長を務めてくださった。
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様々な会合で必ず会う国分㈱の山崎佳介さん。
コーネル・ジャパン「奇跡の2期生」。
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万代の吉川英樹さん(左)と阿部秀行さん(右)。
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このたび㈱万代の代表取締役となった副社長の山下和孝さん。
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そして中締めのご挨拶は 小野喜久男さん。
㈱日本アクセス執行役員・近畿支社長代行。
万代ドライデイリー会第1回のアメリカ視察で団長を務めてくださった。
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そして万代取締役の磯田雅人さんの「大阪締め」。
堂々たる締めはお見事。
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一番最後に加藤徹社長と固い握手。
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㈱万代は、来年50周年をむかえる。
その合言葉は「50周年、3000億」

この日一番心に残ったのは、
メーカー・卸の若手たちが、
私の考え方を一所懸命に学んで、
自分のものとしてくれていたことだった。
それが何より、うれしかった。
皆さんに心から感謝したい。

<結城義晴>

[追伸]
今日、午後16時05分、UA838便で渡米。
帰国は6月29日です。
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2011年06月22日(水曜日)

日経MJの「2011上期商品番付」と「底流を読む」のセンターフィー問題への「きっぱり」

「延命、居座り」そして「ドタバタ劇」。
菅直人首相の現状に対する形容。

日経新聞は社説で言い切った。
「国政が停滞する前代未聞の人災は、
もういい加減にしてもらいたい」

その菅首相と民主党執行部、
今国会会期の延長を70日間に決めたようだ、
8月31日まで。

何しろ首相が「うん」と言わない。
「首に鈴をつける」といった表現が使われるが、
そんなニュアンスではない。

「居座り・居直り」なのだから。

ただし首相や大統領には、
むしろそのくらいの権力は、
与えられてしかるべきだ。

根本的に問題なのは、
この絶大なる権力を行使する人間の品性に、
欠陥があることだ。

さらにこの下品さは、
私たち日本国民全員の品性のレベルを映し出している。

新聞もテレビも、政治も政党も、企業も組織も、私自身も、
すべての品性が映し出された鏡でもある。

さて昨日も書いたスーパーコンピュータ「京」。
開発した理化学研究所は、
世界最速の計算性能を、
営利目的での使用に供する。

その場合、計算の成果を公開するならば無料。
非公開ならば実費を徴収。
この実費は大半が電気代。
年間約12億円。
通常利用の基準の3日間ならば、1000万円超。

来年11月から本格稼働の予定。

もともと1120億円の政府予算が投じられて開発されているが、
民間企業への利用を促進させ、「産業競争力向上」を狙う。

夢のもてる話題だし、
リアリティがあってよろしい。

単に計算能力世界1を誇っても、
それ自体には意味がない。

実用化されてこそ、
機械の意味が出てくる。

さて日経MJ恒例の「2011年上期商品番付」。
当然ながら、東日本大震災の影響が出た。
何よりも「横綱不在」。
これはバブル崩壊直後の1991年通期以来のこと。
まさに20年ぶり。

新製品の発表・発売が次々に先送りされた。
その代りに、被災地支援や節電に関連した商品とサービスが、
番付に位置付けられている。

東の大関「節電ツール」。
省エネ型家電、「緑のカーテン」など。
西の大関「『アフター4』販促」。
企業がサマータイム導入を図ったことによる“午後4時退社”を狙った販促の数々。

東の関脇は「フェイスブック」。
これはソーシャルネットワーク時代を象徴させて、
東の横綱くらいに位置付けてもいいと、私は思う。

西の関脇は「涼感衣料」。
ユニクロ、イオン、イトーヨーカ堂など、
このブログでも取り上げた。

東小結は「アンドロイド端末」、
西小結は「駅ウエ百貨店」。

これらもトレンドをとらえた商品や業態。

東前頭筆頭が「メードイン東北」。
被災地東北製を謳った商品。
西は「ボランティアツアー」。
これも被災地支援サービス。

前頭筆頭は、被災地シリーズ。

日経MJの2011上期ヒット商品番付。
マーケットでいかにヒットしたか、
いかにインパクトがあったかよりも、
選考委員の頭の中に、
過剰に東日本大震災への意識があったように思う。

だからはっきり言って、
今回の商品番付は、
つまらない。

マーケットが停滞、縮小したのではなく、
選ぶ側が自制した。

大震災からの復興・振興に、
この点こそが障害となる危険性がある。

その日経MJの月曜日版『底流を読む』に、
消費産業部次長の白鳥和生さんが書いている。
5月19日に設立された「製・配・販連携協議会」のこと。

この協議会は経済産業省が「旗振り」し、
大手の製造業・卸売業・小売業40社が参加。
しかも設立式には「大半の経営トップ」が出席した。

「EDI規格である流通BMSの普及に弾み」がつくことは間違いないし、
返品問題にも改善の機運」は生まれそうだ。

しかし白鳥さんは提言する。
「高いハードルは取引慣行の是正だ」。
その通り。

例として「センター・フィー問題」を指摘。
①小売りへの卸価格の基準を「店着」から「センター着」に切り替える。
②売価決定を「コストオン」方式に転換する。
すなわち取引コストや利益など必要経費を積み上げて売価を決める。
そのためにリベートの透明・簡素化を図る。

書きにくいことをきっぱり。
拍手、拍手。
私も白鳥さんの意見に大賛成。
コーネル大学ジャパンの講義でも、
私たちはこの問題にきっぱりとした態度をとっている。

そしてこういった課題に対しては、
書き続け、言い続けねばならない。
「商品番付」はいまいちだったが、
「底流を読む」は良かった。

菅首相の居座り、居直りに対しても、
身近な人間、彼が信頼する人物による「不退転のきっぱり」が必須。

それでも居座るとしたら、
品性も落ちるところまで落ちたということになる。

<結城義晴>

2011年06月21日(火曜日)

三越伊勢丹8月定休日設定を評価し、商業経営問題研究会RMLCで「フォーマットとポジショニング」を語る

菅直人首相に対する新聞各紙の物言い。
尋常ではない。

テレビ雑誌も同様。
週刊誌となるともう、異常を通り越している。

みんなサド侯爵か?!

しかしこれは、
国民の総意に近いものとなった。

朝日新聞社説。
「はっきりしていることがある。
首相に長期続投の目などないという現実だ」

そして提言する。
「最後の使命を明らかにして、理解を求めるのだ」

しかしこれとても、飛び切り優しい。
父が子を、兄が弟を、
諭すような言い回し。

それも仕方ない。
何しろ、昨日20日、
やっと復興基本法が成立した。
東日本大震災の発生から3カ月以上、14週と4日。102日。

ただし復興政策の企画立案と実施態勢の大枠が固まっただけで、
復興財源や復興庁の制度設計などは未定。

そのうえ、国民のマインドは、
菅直人から完全に離れた。

「おやめなさい」

父でもないし、兄でもないが、
これしか言えない。

悲しいことに。

それでもうれしいニュースもある。

スーパーコンピューター国際会議で、
計算速度を競う世界ランキング「TOP500」が発表され、
日本のスパコン「京(けい)」が第1位となった。

ドイツのハンブルクで開催されているが、
京は理化学研究所と富士通の共同開発中のスパコン。
1秒当たり8162兆回の計算能力が示された。

京とは、「一、十、百、千、万、億、兆」の次の単位。
1億の1億倍、兆の1万倍、10の16乗。

「京」はその目標をネーミングされるという宿命を持った。
そして「1兆の8162倍」を1秒間に計算した。
つまり自分の名前にもう一歩ではあったが、
それでも第2位の中国の「天河1A」を大きく引き離した。

現在672台のコンピュータのラックで構成され、8162兆回。
2012年には800台以上をつないで、
自分の名前「1秒に1京回」を達成する。

日本が首位に立ったのは、
2004年の「地球シミュレータ」以来、7年ぶりという。
この開発企業はNECだった。

それから大きな夢が描かれた。
そして夢に向かって、
一歩ずつ歩んできた。

ピーター・ドラッカー先生は、
「自分の強みを知れ、その分野でトップになれ」と諭したが、
スパコンで世界1というのは、
日本人としてことのほかうれしい。

東日本大震災も、こうありたい。

復興・振興の夢を描きたい。
その夢への道筋を展望したい。

さて日経新聞に、
「三越伊勢丹、8月に首都圏3店舗定休日」の記事。

伊勢丹新宿本店が8月16日を除く火曜日、
三越日本橋本店は8月1日と29日、
三越銀座店は22日を、
定休日にする。

目的は、定休日を設けた代わりに、
「営業日に店員を手厚く配置」し、
「顧客サービス向上」を実現させる。

大いに評価したい。

同社が首都圏の店舗に定休日を導入するのは約8年ぶりだとか。

アメリカのトレーダー・ジョーは、
1万平方フィート(280坪)の店に、
60人から70人の人員を配置する。

そのうえ、店舗での仕事は主に3種類。
①キャッシング(レジ)
②補充陳列
③クレンリネス
この3種類の仕事に全員でかかる。
全員がこの仕事をマスターしている。

「あとは全員でフレンドリーサービス!」
「キャプテン」と呼ばれる店長が胸を張る。

これがトレーダー・ジョーの「強み」だ。

現場の仕事の種類を削減する。
現場の仕事を軽減する

そのうえでホスピタリティ・レベルを上げることに集中する。
その設計をする。
リードする。

それがマネジメントの役割である。

「サービスの向上、ホスピタリティの実現」
スローガンに掲げ、現場に強いていて、
「休暇は取れず、人員はギリギリ」
これでは実践躬行とはならない。

万にも億にもならないのに、
京を口にすることと似ている。

さて昨日の午後は、
商業経営問題研究会(通称:RMLC)の6月例会

会場は港区虎ノ門の日本チェーンストア協会会議室。
歴代の会長の写真に見守られての研究会。
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初めに和田光誉さんの報告。
「2011年度主要食品スーパーマーケット決算概況」。

和田さんは、自ら取材・集計した詳細なデータをもとに、
上場企業39社の動向を解説してくれた。

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先月報告してくれた総合スーパーとはずいぶん異なっている。

39社中増収増益企業は24社。
ライフコーポレーション、
バロー、オークワ、サミット、ヤオコーなど。

一方、減収減益企業は7社。
ヨークベニマル、マルエツなど。

食品スーパーマーケットは、下半期からの好調さを維持し、
総じてよい決算内容だった。

その後、結城義晴による「アメリカ最新報告」。
5月に視察した主だった企業の写真を紹介しながら、
「フォーマット論」と「ポジショニング」について解説した。

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いま、自分でも最も関心を寄せているテーマ。

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終了後、月曜日はいつものように立教大学へ。
大学院ビジネスデザイン研究科F&Bマーケティングの授業。
今回は「世界の食品トレンドとヨーロッパの内食産業」
こちらは3時間。

「疲れたら休め」

自分に当てはまる言葉のようだが、
私の場合、講義やレクチャーは苦にはならない。

語りながら、中身を深く考えている。
話しながら、聴き手の反応を観察している。

そこから新しい考え方やアイデアのヒントがつかめる。
むしろ充実した時間である。

それを月曜日から与えられていることに、
心から感謝しつつ、今週が始まった。

<結城義晴>

2011年06月20日(月曜日)

「ひきこもるな! 日本」とポール・クルーグマンの「重力モデル」

Everybody! Good Monday!
[vol25]

2011年第25週、6月第4週。
昨日は父の日。

これが終わると、
もう梅雨明けを待って、
真夏へと突入。

梅雨入りは例年よりもずっと早かったが、
北陸はまだ梅雨入りしていないらしい。
「常盤勝美の2週間天気予報」では、
「気象庁の勇み足」と断じている。
この言い切り方はとてもいい。
しかも今週来週と「全国的に平年より気温が高い」ようだ。
そして各地とも曇や雨のすっきりしない天気が続く。

だから誰しも気分はすっきりしたい。
その気分すっきりを提供するのが、
店でありたい。

今月の商人舎標語。
「顧客からのスタート」
梅雨の真っただ中にも、
忘れずに実践したい。
被災地ではいまだ、
9万人ほどの人々が避難所生活を送っている。
仮設住宅の建設もままならない。

そのうえ、せっかく仮設住宅ができても、
そちらに入ると生活物資の援助が受けられず、
仕事や雇用もなく、生活資金が得られない人々は、
避難所から出ることもできない。

毎週の初めには、
この事実を認識しておきたい。

わが同朋の中にはいまだ、
「救済段階」の人々が9万人もいるのだと。
そのうえ、「フクシマ」原発問題は一進一退。

政府にも政党にも、地方行政にも、
心より「復旧」へのステップアップの努力を願いたいが、
私たちも自分のできることを、
自分なりに、やり続けたい。

さて日経新聞『オピニオン』欄。
コラムニストの土谷英夫氏が書いている。
「引きこもるな、日本!」

ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン教授の「国際経済学」を引用する。
これは教科書用に書かれたわかりやすいもので、
その最初に「重力モデル」が出てくる。
ニュートンの「万有引力の法則」を経済に応用した考え方。

この物理学などを経済学やマーケティングに応用する手法は、
頻繁に使われる。

私がよく使う「クリティカル・マス」もその一つ。

クルーグマン教授の「重力モデル」の法則は、以下。
「2国間の貿易額は、大まかに、
両国の国内総生産(GDP)の積に比例し、
両国間の距離に反比例する」

コラムニストは重力モデルを活用して、論じる。
「GDPで世界2位の中国と、3位の日本、
15位圏内の韓国は隣国だ。
南に共同体設立を目指す東南アジア諸国連合(ASEAN)、
その経済規模はインドを超える。
日本を除けば、いずれも高成長」

そして断じる。
「重力モデルに従えば、
日本は実に恵まれたポジションにいる」

「それを生かしていない」

「クルーグマン教授によれば、
グローバル化で世界の貿易依存度は史上最高レベルにある。
この20年の日本の停滞は、その波に乗り遅れたことも一因」

「近所のスーパーをのぞくと、野菜のほとんどは国産だ。
大半の野菜は関税が数%と低いが、負けてはいない。
にんにくのコーナーには中国産と、
その何倍もの値段の青森産が並ぶ。
国産米でも魚沼産コシヒカリと一番安い銘柄では、
倍近い値段の開きがある。
競争力は価格だけではない」

「農産物にも重力モデルは当てはまる。
守り一方から「品質」を武器に輸出に打って出る時だ。
欧州諸国は農産物の輸入も多いが輸出も多い。
東アジアでも農の水平分業が可能なはずだ」

結論は、
「こんな時こそ、内向きにならず、進んで国を開くべきだ」

そして「引きこもるな、日本!」と、呼びかける。

グローバルにみれば、
日本の位置は悪くはない。

これはファーストリテイリングの柳井正さんの持論。
「日本は、よく考えると、恵まれている。
何よりもインフラが揃っている」

「人がいる。
金がある。
情報がある。
技術がある。
そのうえ、今後、
大きな成長が見込める
アジアの一員である。
さらにあらゆる面で
アメリカに近い。
こんな条件に恵まれた国はない」  

私もまったく同感。
ドメスティックな産業であるところの小売業やサービス業も、
国際的に良好な条件を活用できないことはない。

その意味で、クルーグマンの「重力モデル」にも、
大いに価値がある。

最後に、私の今週のスケジュール。
商人舎ホームページの一番上にある
「行動予定カレンダー」
今日は午前中、横浜市立白幡小学校へ。
私、校庭解放スポーツクラブの会計監査を務めている。
以前はその会長職だったが、
多忙なためにそれを降りて、
会計監査となった。
ちょっとでも地域とつながっていたい。
その願いがこの仕事の持続になっている。

今日はその後、
商業経営問題研究会。
通称RMLC。

そして夕方から立教大学大学院の講義。
F&Bマーケティング。

明日は、午後から、
カスタマーコミュニケーションズ㈱の定期株主総会。
私、非常勤取締役を務めている。

水曜日は堺で万代ドライデイリー会総会。

そして木曜日から1週間、アメリカ研修。
今回はテキサス州ダラスと、
カリフォルニア州サクラメント・サンフランシスコ。
帰国は6月29日。

このところ、ラスベガスやサンフランシスコへの旅が多かったが、
今回はテキサス地区が入る。

私にとっては定点観測のエリアや店舗のチェックにも役立つ。
忙しい日々は続きます。

それでも、明日には『店ドラ』の3刷が出来上がってきて、
書店にも並ぶし、アマゾンなどインターネットでも販売できる。
商人舎へのお申込み先にも、即、お送りすることができる。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』。
通称の『店ドラ』という略称も馴染んできて、
絶好調。
ありがたいことです。

被災地への義捐金も、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
増えています。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

では、今週も。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年06月19日(日曜日)

ジジと父の日[2011日曜版vol25]

ジジです。
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ことしは、すずしい梅雨です。
でも、きょうは父の日。

ボクの父さんは、
ジンジャー。
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父さんのおなかのところにいるのが、
ボクです。

父さんはいまも、
保土ヶ谷にいます。

ボクは三つ子でうまれました。
姉妹は、ヘーゼルとミルキー。
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いつも仲よしでした。
いちばん右で、
ひっくりかえっているのがボクです。

よく寝るこどもでした。
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ボクは、ちいさいころ、
ユウキ家にもらわれてきました。

だからいまのボクのおとうさんは、
ユウキヨシハルさん。
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そのおとうさんに、
プレゼント。

お兄さんが買ってきたプレゼント。
たしかこのへんに、あったはず。
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あっちだったか。
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こっちだったかなあ。
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ありました。
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「シャトー・マルゴ」

おとうさんは、
とてもよろこびました。
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そして、すぐに、
コルクをあけて、
のんでしまいました。
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いつもなら、
たいせつにとっておいて、
大事なときにあけるのに、
今回はすぐにのんでしまいました。

ことしは、いつもと、
ちょっとちがう年みたいです。

それでいいのでしょう。
<『ジジの気分』(未完)より>

2011年06月18日(土曜日)

「コンビニ各カテゴリー」の消費期限延長の商品開発を是とする

明日は父の日。

昼間のパパはちょっとちがう
昼間のパパは光ってる
昼間のパパはいい汗かいてる
昼間のパパは男だぜ

2年前の5月2日に亡くなった忌野清志郎の歌。
作詞は糸井重里、作曲が清志郎。

父の日には、なぜか口ずさむ。

2番は「昼間の」というところが、
「働く」と変わる。

働くパパは光ってる
働くパパは男だぜ

清志郎の声が、
耳元で生のように聴こえる。

さて、日経新聞経済欄のコラム『大機小機』。
コラムニスト追分氏が、
「首都機能分散の視点」を書いている。

「直下型地震が首都圏をいずれ襲うのは、
想定されることである」

したがって、
「東京への一極集中を放置することは、
不作為の罪である」

そのための「対策の基本は
外への機能分散と内なる分散であろう」

そして提案する。
「東北再生の一環として、
東北を道州制の嚆矢(こうし)とし、

東北を首都機能分散の受け皿の一つとする」

東北北関東の震災は、
第3段階の「復旧」から第4段階「復興」へと歩みを進める。
そして第5段階の「振興」へと展開される。

その時、東北を、
「首都機能分散の受け皿の一つ」とする。

いつの日かフクシマを、
首都機能の一部として、
世界のモデル地区にしたい。

いつの日か三陸を、
首都機能の一部として、
私たちの代表地区としたい。

大震災から今日で100日。
私は強くそのことを思う。

さてさてこれも日経新聞に、
「コンビニ各社、弁当・パン消費期限長く」の記事。

「日付」の見える化による過度な鮮度競争。
その火付け役はコンビニだった。

そのコンビニ各社が、
核商品の弁当・惣菜・調理パンの消費期限を延ばす。

第1のきっかけはやはり東日本大震災だったと思う。
朝日新聞『声』欄にも投書があったが、
第1段階の救助や第2段階の救済の時にも、
コンビニでは「消費期限」厳守のために、
弁当惣菜の廃棄が行われていたという。

そのことへの反省が業界全体で行われた。
これは前向きの評価としてよい。

第2のきっかけは、
2009年の「セブン‐イレブンの公正取引委員会による排除措置命令」。

このブログでも論争が展開された。

一部加盟店が消費期限間近の弁当の値引きをした。
いわゆる「見切り」。

それをセブン‐イレブン本部が、
「不当に制限した」というのが公取の判断。

しかしこの事件の根本問題は、
過度な鮮度競争にあったと思う。

セブン‐イレブンでは、2009年11月から、
消費期限が従来品の3倍という「チルド弁当」を売り出し、
それが弁当販売額の15%前後まで伸びた。

さらにセブン‐イレブンは新製法のパスタを開発。
ミートソース、めんたいこ、カルボナーラの主力3品目を、
店頭販売時間を65時間に延ばす。
これは従来より25時間、ほぼ1日長い。

ロールパンは小麦粉の配合を変更し、
販売時間を14時間から38時間に延長。

ファミリーマートは、
生野菜サラダ15品目の販売時間を16時間延長。

ローソンはチルド弁当の販売期間を従来品より1日延ばした。

さらに日経は取材先を広げる。
サークルKサンクスのチルド惣菜倍増、
ミニストップのチルド・ハンバーガー消費期限を1日延長。

コンビニ全体では弁当、惣菜、パンは、
売上高構成比約34%を占める。

今回の取り組みで、廃棄量は減る。
環境問題への一定の対策となる。
加盟店の負担も減少するし、
店頭における欠品も抑えられる。

コンビニ全体として、
これは極めて前向きで、
時代に合った動向である。

大いに評価したいものだ。

何事も「過度な競争」はいけない。
それを煽ることはもっといけない。

では、みなさん、良い週末を。

<結城義晴>

2011年06月17日(金曜日)

コーネル・ジャパンのシミュレーション・ゲーム第2日、バトルの結果は如何に?

日経新聞の記事に、
「新宿伊勢丹を大規模改装」。

三越伊勢丹ホールディングス(HD)の石塚邦雄社長が語った。
都心基幹店大規模改装戦略。

まったくもって正しい見識。

まず伊勢丹新宿本店婦人服売場に、
2013年春を目途に100億円の投資をする。

その後も三越日本橋本店を改装する計画。
銀座三越の1.5倍増床、新宿伊勢丹本店、日本橋三越本店、
次々に都心大型店の改装に乗り出す。

これによって、
売上高の半分ほどを占める基幹店全店で、
大規模改装。

三越伊勢丹HDは、第1段階として、
「郊外型百貨店の不採算店の整理」を果たす。
旧三越池袋店、旧伊勢丹吉祥寺店の閉鎖。
2012年3月に新宿三越アルコット店をビックカメラに貸し出す。

第2段階として「基幹店に経営資源を集中」する。
そのために新宿本店は定期的大規模改装を図ってきた。
21世紀に入って、世界最先端のメンズ館の構築。
2007年と2008年の食品売り場などの改装。
その延長上にあるのが今回の2・3・4階の婦人服売場のリニューアル。

「自分の強み」に対して選択と集中を図る。

ピーター・ドラッカー先生が最も強調する考え方。
そして私がずっと指摘してきた戦略。

伊勢丹新宿本店の売上高は、
日本の百貨店で最高峰の2194億円

それでも前期比約マイナス2%。

越伊勢丹HD自体、
日本の百貨店最大企業で年商1兆2207億円。
しかし前年同期比マイナス6%。

百貨店は新規投資し続けなければ、
必ず落ち込む。

一方、高島屋の2011年第1四半期。
連結営業収益は、前年同期比6%減の1950億円。
連結営業利益は前年同期比3割減の28億円。

日本の百貨店売上高は、
14年連続で前年実績割れ。

東日本大震災の影響で、
3月の国内百貨店の売上高は前年同月比で15%減少。
4月は2%減、5月は3%弱の減少。

だからこそ百貨店には、
揺るぎのない基本となる成長戦略が求められ
る。

三越伊勢丹HDはそれを確定したことになる。

さて、コーネルRMPジャパン蓼科合宿の2日目。
昨夜授業の最後に提出してもらった7月の計画。

森順治先生と浅香健一先生が、
遅くまで集計とコンピュータ解析を行った。

果たして2カ月目の各チームの営業結果は、
いかに。
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授業は8時スタート。
まず、浅香先生による経営数値の講義。
短い時間だが、要点のレクチャー。
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その後、皆の心待ちにする6チームの営業成績の結果レポートの発表。

結果レポートは、「営業報告書」「決算書」の2種類。
営業報告書は、
月次損益計算書、部門別管理月報、営業状況、従業員状況からなる。

決算書はもちろん貸借対照表、損益計算書。

その結果レポートを受けて、
各チームの営業・販促、商品、人事担当の3人が、
計画と結果の検証を、それぞれに発表。
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廣田店長率いる「FVH48」店の7月の成績は、
売上アップながら、経常利益がダウン。
施策を打つも、客数も客単価も変化なし。
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岡店長率いる「スーパーこうちゃん」店は、
6月の改装効果もなく売上げダウン。
ボーナスの支払いもかさみ、大幅な赤字。
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「高錬屋」は、小竹店長のボーナス支給のこだわりがあったが、
2カ月目にして1000万超の赤字。
黒田店次長の、厳しくも、仲間の笑いを誘う反省プレゼン。
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高木女性店長の「ジョイン×ジョイン」店。
特売をうたず、地域密着型の販促催事で、
堅実な売上げながら、経常利益は6チームで一番。
高橋店次長も、釜萢人事・販促担当もニンマリ。
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「コーネル生鮮館」は福嶋店長のもと、
見事前月の赤字を脱出し、経常利益を大幅に計上。
微増ながら売上げも前月アップ。
生鮮担当の青木さんも、生鮮力強化の方針が地域に根付いてきたと分析。
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そして「フレッシュ市場」。
売上げは前月を超えたものの、
客数、客単価ともにダウン。
さらに利益も半減。
営業担当の羽倉さんは、営業力不足をどう8月の課題とするか。
右端で横を向いているのが、同店顧問の森さん。
大丈夫か?
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2カ月目の反省をもとに、
各チームは3回目、8月の施策立案に入る。
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広いホールを占めて行われたコーネル・ジャパンの授業。
なんともぜいたく。
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ホワイトボードに数字を書きながらディスカッションするFVH48店。
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販促立案をチャート上に書き起こすジョイン×ジョイン店。
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びっしり書き込まれたボードの前で、数値計画を立てる。
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女性イラストを描きながら何かを企画している高錬屋の小竹店長。
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小さくて見えないが、女性イラストは「ドアレディ」と名付けられている。
高錬屋の販促効果が期待される。
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ついに、規定のコンサルティング料5万円を支払い、
森先生に指導を受けるFVH48店。
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6チームが8月の立案をするそばで、
私の定位置となったソファのある一角で
昨日の授業の写真を整理。
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午前10時50分。全チームが提出。
笑顔がこぼれる。
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テラスでも懇親。
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芝生にひとり座り込んで、結果を待つ小竹さん。

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こちらはソファでくつろぐ面々。
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12時20分、3回目の成績レポートが発表された。

3カ月の最終結果を受けて、各チームが全員でその検証報告。

結果が良かったチームも。
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残念だったチームも。
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販促効果のなかったチームも。
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販促が功を奏したチームも。
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チームワークとコミュニケーションで。
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大いにゲームを楽しみ、マネジメントを学んだ。
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フレッシュ市場店の森顧問の反省。
「他店を十二分に視察していたが、自店を見忘れていた」
会場は爆笑。

実行の第三期生、みんな、
すばらしいプレゼンテーションだった。
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全ての発表を聞き終えて、
審査委員の4人は別室で協議。
各チームの成績、プレゼンテーション能力などを総合的に判断し、
6チームの順位が決定。
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2日にわたって行なわれたスーパーマーケット・シミュレーション・ゲーム。
プレゼンテーターは副学長。
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まずはブービー賞の「高錬屋」。
3カ月目の売上高シェアはトップだが、順位は5位。
納得がいかない小竹店長。

売上げは高まったが、
7月に多額のボーナスを支給し、
それが赤字の原因となった。
そのマネジメントがマイナス評価になった。
納得いただけただろうか。
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第4位は3カ月間ダウントレンドになってしまった「FVH48」。
2カ月連続赤字を出してしまった「スーパーこうちゃん」は6位。
(この2チームは表彰写真がなくて失礼しました)

そして「フレッシュ市場」。
海外出張の多く不在がちの小林店長を精鋭スタッフが支え、堂々の3位。
胸を張る小林店長。
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準優勝は「ジョイン×ジョイン」店。
女性店長ならではの店の「強み」を生かし、
スタッフ全員がその認識を共有し、
基本戦略を徹底した。

成績も安定していて、
高い粗利益率を維持。
四半期経常利益もトップ。
お見事。
おめでとう。
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栄えある優勝は、ジャジャ・ジャ・ジャ~ン!

福嶋店長率いる「コーネル生鮮館」。
1カ月目の赤字を、2カ月目のハード改装でカバーし、
3カ月目には他を圧して、商圏で1人勝ち。
なによりも売上高、経常利益、客数、客単価、
全ての数値を毎月、上げ続けてきた。

これが最大の評価。
審査員とチーム全員で記念写真。
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最後に荒井伸也首席講師の総評。
このゲームを通して、
トップマネジメントとしての考え方をどう学ぶべきかを語ってくださった。
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トップマネジメントのキャリアを積んだ荒井先生の指摘を、
真剣に聞く第三期生。
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荒井先生は、
「私が引き継ぎたいと思ったお店は『高錬屋』。
赤字にしてしまったようだが、
可能性が最も高い」と評価して締めくくった。
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小売業やスーパーマーケットの競争は、
商圏内におけるトップシェア争い。
それが現実的には最も重要な競争視点である。
このコーネル・ジャパンの授業は、本当によくできている。

ゲームを通し、
マネジメントを学び、
コミュニケーションを知り、
プレゼンテーション能力を試され、
そして結果を求められる。

ご協力くださった森順治先生、浅香健一先生に心から感謝したい。
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最後に第3期生の健闘に拍手を送りたい。
すべての皆さん、ありがとうございました。

<結城義晴>

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