鹿児島県薩摩川内市の中甑観測所で、
1時間に88.0ミリの雨を観測。
これは観測史上最大。
鹿児島出水市や阿久根町などで、
避難勧告。
お見舞い申し上げたい。
天変地異に対しては、
風に柳のごとく、
やり過ごすしかない。
じっと耐えるしかない。
それが人間の知恵というもの。
いまこそ、知恵を発揮しなければならない。
さて、今朝、イースト・プレス社からうれしいニュース。
『店ドラ』(てんどら)の4刷が決まった。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
4回目の増し刷り。
2週間前には、
版元にも取次にも書店にも、
在庫がなかった。
3刷によって、
何とか手に入るようになったものの、
また市場から在庫が消えつつある。
そのうえで、
昨日の日経新聞一面に広告が載った。
そこで、4刷決定。
新製品は売れ始めた時に、
広告を打ったり、特売を展開したりする。
これを「マス化特売」という。
故渥美俊一先生の用語。
つまりマスにするために、
売れ始めたら特売を積極展開する方法。
いま、出版業も、
最初から派手な宣伝をして新刊本を売り出すことはしない。
あの『もしドラ』もそうだった。
マーケットである程度の話題になり、
売りの加速がついてから、
宣伝広告を始める。
『店ドラ』も同様。
もちろん『もしドラ』には足元にも及ばないが。
昨日は朝から、東京・大門。
カスタマーコミュニケーションズ株式会社(CCL)で、
西川宏明社長と打ち合わせ。
私、この会社の非常勤取締役を3年、務めている。
直近の課題とその問題解決の報告を受けて、
意見交換。
ドラッカー先生がジャック・ウェルチに教えたこと。
ウェルチはジェネラル・エレクトリックCEOだった。
「どきどきワクワクする事業だけ、
自分の会社でしなさい。
どきどきワクワクしない仕事は、
他者に任せなさい」
CCLもそんな会社にしていきましょう。
その後、新宿・清水橋の伊藤園。
もう恒例となった「春の大陳コンテスト」審査委員会。
今年3月1日から5月末までの期間に、
大陳コンテストが実施された。
そう、東日本大震災の真っただ中のプレゼンテーション・コンテスト。
参加企業には感謝したい。
結果は『食品商業』誌上で発表される。
今回は東日本大震災特別賞を設けた。
お楽しみに。
最後に、審査員全員で雑誌用に写真撮影。
並んで、商品を手に持って、
それを取り換えて。
カメラマンに向かって。
はい、ポーズ。
右から本庄周介副社長、
江島祥仁副社長、
本庄大介社長、
松井康彦㈱商人舎エグゼクティブ・プロデューサー、
三浦美浩『食品商業』編集長。
お疲れ様。
ありがとうございました。
その後、江島祥仁副社長の部屋で懇談。
本庄社長も加わって、
震災の話をした。
伊藤園は、商品集荷に努めたり、
ルートセールスで直接商品提供をしたり、
現場が大活躍だった。
「神は現場にあり」
さて今朝の日経MJ一面に、
「アークス悲願 10年目の本州」の記事。
「青森のユニバース買収」と見出しにあるが、
むしろこの件は、アークスという持株会社のもとに、
ユニバースが参加し、統合が進み、
北海道から本州の北端に展開したとみるべきだ。
食品スーパーマーケット業界の新ランキングが出ている。
第1位は、ライフコーポレーション(年商4808億円、経常利益98億円)
第2位が、新アークス(年商4061億円、同142億円)
第3位、バロー(年商3791億円、同127億円)
第4位、ヨークベニマル(3433億円、102億円)
第5位、マルエツ(3322億円、57億円)
第6位、ベイシア(3224億円、112億円)
ライフ、ヨークベニマルは自社店舗開発による成長を基本とする。
アークス、バローはM&Aも積極展開する。
日本のスーパーマーケットでも、
合併や企業買収、企業統合は、
有力な経営手段となっている。
表では新アークスが第2位に入ってくるし、
経常利益は業界トップとなる。
記事には横山清社長のインタビューがある。
MJは横山さんを、
「人情家と合理主義者の2つの顔を持つ」と表現し、
横山流連邦経営を、
「人の和」と「合理性」のバランスと分析する。
全体を見ると、やや、
「横山さんに偏った特集」の感は否めない。
その横山さん、
「縮小拡大」を訴える。
すなわち、
「縮小傾向にある市場で、
規模拡大で生き残りを目指すこと」。
この背景には、
「範囲の経済」と「クリティカル・マス」の仮説が、
横たわっている。
今回、範囲を北海道から北東北に広げた。
しかしこのエリアの広がりとともに、
地域内シェアの向上も実現させねばならない。
アークスの企業群にも、
ユニバースにも、
その原動力がある。
傘下のラルズは札幌を中心とするエリアで、
62店舗、年商1156億円。
ユニバースは青森・岩手エリアで、
47店舗、年商1025億円。
横山さんは、特にユニバースに期待する。
「ユニバースは統合効果を活かせば、
売上高を2倍の2000億円に引き上げられるだろう」
日経新聞の一面トップ記事。
「M&A攻勢へ5兆円」
日経MJと連動するかのようだ。
「きょうのことば」にまで、
「M&A投資枠」を取り上げた。
「企業が将来のM&A(合併・買収)に向けて
準備している投資枠のこと」
設備投資や研究開発費とは別の投資枠で、
企業買収のほか、新事業への進出投資なども含まれる。
2000年代半ばから、
このM&A投資金額を明示する企業が目立ってきた。
今回、日経新聞が企業の発表や取材をもとに、
今期以降のM&A投資枠計画を集計した。
投資枠を表明している上場企業は26社。
電機や化学、食品から小売業まで。
日本企業が手掛けたM&A件数は、
2005年度がピークだった。
なんと2050件。
その後、5年連続減少。
そして2010年度は1697件(トムソン・ロイターまとめ)。
M&A投資を控えた結果、
2011年3月期末の上場企業の手元資金は約69兆円。
これは過去最高を記録。
昨年度の日本企業が買い手のM&A総額は、
3兆9000億円。
これは金融機関のM&A分を除く。
対して日経が集計した26社の合計は5兆円。
昨年度を上回る。
アークスとユニバースの統合は、
この日本経済全体の動きの一つということになる。
私は大企業も中堅企業、中小企業も含めて、
企業には「大きくする派」と「良くする派」があると思う。
もちろん大きくする派が良くすることに無頓着ということではない。
良くする派が成長を無視していいわけでもない。
横山さんも語っている。
「食品スーパーは業界が大きく変わる分水嶺にある。
生活者のためにもM&Aという経営手法は必要になってきた」
M&Aによって、規模の経済を展開することで、
顧客にご利益を提供できるという考え方。
私もまさに分水嶺に来ていると思う。
「良くする派」がどんな構想を描き、
どんな経営手法を採用するかが問われている。
どちらにしても、
「自分でどきどきワクワクする仕事」に徹したい。
<結城義晴>