関東甲信越は梅雨明け。
気象庁の発表。
去年より8日早いし、
平年よりも12日早い。
観測史上3番目の記録。
九州北部と北陸も同時に梅雨明け宣言。
いよいよ夏本番。
この、カーッという夏、
私、大好き。
冷えたスイカもいいし、
かき氷もいい。
もちろんキンキンの生ビールは最高だし、
冷やの清酒もいい。
ウナギもハモも、
夏野菜もバーベキューもいい。
風鈴も花火も、
海水浴も森林浴も、
みんないい。
夏の朝晩の高原のような涼やかさはいい。
何もしないで、
のったりと漂う午後の昼寝もいい。
ゴルフもテニスも、
ジョギングも散歩も心地よい。
もちろんこの暑い夏に、
懸命に仕事して、
人々に貢献するのが一番いい。
私の場合、
原稿書きは意外にはかどる。
東日本大震災の被災地の皆さんには、
その暑さもこたえるかもしれない。
それでも、
夏には夏の良さがあって、
それを感じ取り、味わって、
生きていくのがいい。
一昨日のコーネル大学RMPジャパン最終講義の続き。
昼食後は、三期生全員の3分スピーチ。
コーネル・ジャパンで何を学んだのか、
何を得たのか。
それぞれに思いを語る。
これが良かった。
㈱よこまち総務部総務課長の横町正俊さん。
「いちばん学んだことはSTP。
すなわちセグメンテーション、
ターゲティング、ポジショニング」
斎藤祐樹ではないが、我々が、
「持っているものは仲間だった」
㈱いかりスーパーマーケット専務取締役の行光恒夫さん。
「自分の会社を外から見た。
うちの会社のpositioningを見直せば、
まだまだ可能性がある。
もう一度、自分の価値はなにかを考え直したい。
企業理念、会社の哲学が大事。
今年10月、我が者は50周年を迎える。
あと50年、100周年に、何をやれるか。
それには創業者がどういう思いで会社をつくったか、
を知らねばならない。
改めて自分の会社の社是に自信をもっていい。
それを知らしめるのが二代目の仕事。
学んだことを会社の中で生かしていきたい。」
㈱万代システム部シニアマネージャーの山口成樹さん。
「30年間、情報と物流に携わってきた。
経営の見方、違う視点が必要であることが、
コーネルの講義を通じて分かった。
震災では物流の問題が表面化した。
震災によって考え方を変えた。
発注しても、ものが来ない。
そういった課題に経営の視点で取り組んでいきたい」
㈱キョーエイ常務取締役の森雅之さん。
「倉本長治先生が授けてくれた『市民生活を守る砦となれ』の社是が、
わが社のポジショニングである。
社是を胸に、毎月コーネルに来た。
顧客に喜んでもらい、
従業員にも喜んでもらう。
人口減だが、知恵を出して仕事すれば、
マーケットはある。
その中で勝ち抜いて、
お客に喜んでもらえ、
従業員に満足してもらえる店づくりをしたい。
リテール産業は面白い。
継続のために利益をいただける企業づくりする。
その勇気が湧いてきた。
コーネル・ジャパンで学んだことは、
私の誇りです」
㈱ランドロームジャパン取締役副社長の村越淳司さん。
「以前、結城先生から
『ただ学ぶのではなく、自分の上のレベルで学ばなければならない』と聞いた。
コーネルは講義を聞き、レポートを書き、発表をする。
大学時代以上によく学んだ」
㈱ユニバース営業企画部長の三浦建彦さん。
「店長の立場で参加し、いまは営業企画の部長。
会社から何を求められているのか、自分の役割は何か。
自分のポジショニングを、今考えている。
人との出会いが、一番大きかった」
㈱タカキベーカリー工務課改善係班長の松本剛さん。
「保全ばかりの仕事で、流通の仕組みが分からなかった。
しかしここで、自分の会社を知るきっかけになった
コーネル・ジャパンの創設の理念に、
働き甲斐のある会社をつくるという考え方がある。
学んだことを活かして、小売りのことを知っているエンジニアになりたい。
最後に夜の部のお詫びをしたい(?)」
㈱ラルズ第5商品部ゼネラルマネジャーの松尾直人さん。
「自分を磨く、
それを部下に伝える、
それを実践する。
この3つを学んだ。
明確な方針が必要。
競合との戦い方にしても、
下をくぐれ、利益出せ、絶対負けるな。
それではうまくはいかない。
今回、トップから言われていることが、
理解できた。
それが収穫だった」
㈱いかりスーパーマーケット・レストラン事業部取締役部長の松尾圭祐さん。
「最後の授業で全員経営のことを理解した。
一人ひとりの人格を尊重し、
大切にするという情の経営姿勢を貫いていきたい」
㈱マルエツ経営計画部長の本間正治さん。
「現職について、半年後にコーネルに参加した。
見えない不安があった。
しかしポジショニングの考え方で、
ズバッときた。
不安の雲が晴れてきた。
ただし危機感をもって、行動しなければならない。
マルティン・ルターは『この世を動かす力は希望である』という。
社内に希望の種がまけるよう頑張っていきたい」
㈱平和堂店舗運営本部SM第2店舗部長の福嶋繁さん。
「自分の考え方が大きく変わった。
モノ余り・デフレ時代。
結城先生の『人々の暮らしはいまだ満たされず』に改めて衝撃を受けた。
店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅びる。
ドラッカーの『利益は条件である』
様々な教えが学びとなった。
商品よりも人だということもわかった。
コーネルで私に投資していただいた金額の1000倍をお返しします。
社長に言った。
震災の絆と同じ。
コーネルの絆を大事にしていきたい」
㈱阪食営業本部店舗運営部長の廣田亘さん。
「わが社の千野社長が開講講座で講演した。
荒井先生は『真逆だ』といった。
いろんな角度、いろんな専門知識をもって、
教えていただいたが、
最後は1つのことを言っているように思えた。
どれだけ徹底できるか。
皆で徹底し、修正し、
同じ方向に向かっていけるかが大事」
㈱JR東日本ウォータービジネス商品部部長の浜田剛さん。
「3.11は出張先の青森で被災した。
水の需要、水の重要性を切実に感じた。
水を柱にした事業展開を大事にしていきたい」
㈱伊藤軒営業部チームリーダーの羽倉修一さん。
「自分に一番欠けていたのは経営者目線だったことを知った。
2期生の専務が学んだことを活かし、
会社を変えようとしている。
自分はそれを浸透させる役。
この1年、授業と現場の同時進行で学んできた。
経営者目線で仕事していきたい」
㈱ユニバース取締役店舗運営部長の長崎善人さん。
「私は『実行の長崎』の異名を持つ。
実行=徹底=確認である。
すなわちマネジメント=確認であることを学んだ。
スーパーマーケッには戸籍がない。
食品産業は社会のインフラだといいながら、住所がない。
社会的地位が低い。
その住所を勝ち取りたい」
㈱シジシージャパン商品本部取締役副本部長の辻信之さん。
「来年以降の中期計画を策定する。
スーパーマーケット(SM)の経営を勉強できたことは大きい。
震災でSMは大きな役割を果たした。
その支援をしていく」
国分㈱東京支社第二営業部長の千木良治さん。
「卸売業として、スーパーマーケットの知識は財産になった。
価格以外の価値の追求が必要だ大事と感じた。
早速、部署で『価値の創造』をテーマに企画を進めた。
最後に、『300年分のありがとう』を言いたい」
㈱タカヤナギ取締役副社長の高柳智史さん。
「情の経営と知の経営は心に残った。
学びながら、知識も知恵もまだまだだと感じた。
店長の待遇を高くしたい」
㈱カスミ執行役員商品統括本部デリカ部マネジャーの高橋茂幸さん。
「過去10年間でビジネスモデルが変わった。
アジアの生産能力向上、インターネットの発達
健康・安心安全、環境、マーケットの2割シュリンク
高額な法人税と、6重苦だ。
10年たつとディープな高齢化が起こる。
今後10年のビジネスモデルが描けるのか。
1店1店の収益性を高めるビジネスモデルが必要」
㈱アンデルセン広島アンデルセン販促企画室係長の髙木明子さん。
「『試練は買ってでもせよ』と結城先生が言ったが、
日々の業務に追われているなかで学ぶのは大変だったが、
視野が広がった。
聞きかじりの知識でもって、
オーナーの父と喧嘩することが多くなった。
これからも勉強を続け、
10年後にもう一度コーネルで勉強したい」
三井物産㈱食料・リテール本部食品流通部リテール食品室長の小林将人さん。
「小売業と1回2回の商談は話ができるが、3回目から続かない。
だから小売業を学ぶために、自ら立候補して参加した。
アカデミックなことを中心に勉強できた。
商品開発だけでなく、さまざまなテーマがあることが分かった」
三井物産㈱都市開発事業部室長補佐の小竹経一さん。
「コーネルジャパンで、定義づけを学んだ。
日本における食品スーパーマーケットは何か。
日本のコミュニケーションとは。
日本の経営とは。
そもそもなんなのか。
スタートラインがわからないと、
ゴールもわからない。
自分のスタートはなにか。
それを決めるための講座だった。
スーパーマーケットは『場の提供業』だと思う。
丸暗記でなく、
そもそもこれは何か、を考える。
カタカナ文字をポンポン入れちゃう国
それがコミュニケーションを劣化させる。
アインシュタインは、
自分のグランマに説明できなければ、
ちゃんと理解していない、といった。
3・11以後、日本の心は何か。
コーネルと重なったのも縁がある。
3期生はいったん終わりだが
一生の付き合いをしたい」
㈱万代デイリー部執行役員の黒田久徳さん。
「コーネルに参加した人とのガチンコ勝負だった。
虫食い状態で聞き及んでいた知識が、つながった。
わが社は、日本一買い物に行きたい店、
日本一働きたい店を標ぼうし、
来年3000億、10年先5000億を目指している。
関西の口火になればいい。
そのために大切で大きな一年だった」
㈱マルエツ教育人事採用教育部長の釜萢直人さん。
「『心は燃やせ、頭は冷やせ』の言葉を聞いた時、
冷静になることの立ち位置を知った。
先生たちにはぶれがない。
人材開発の立場として、
いかにプレイインぐマネジャーをつくるかがテーマ。
商売することが楽しい
アナログなところで地道に、
ぶれることなく教育に邁進したい。
10年後には働きたい企業の100位に入る企業としたい」
㈱国太楼取締役営業副本部長の尾関篤さん。
「1年間学んだことを生かし、
長期経営計画をしっかりとつくりたい。
普段チャラけたことを言っているが、3期生の仲間とは、
一生付き合いできればと、まじめに思う」
㈱関西スーパーマーケット第2店舗運営グループマネジャーの岡秀夫さん。
「インフルエンザにかかり、胆石の手術もした。
休んだ授業の二日分のビデオを一人で見るのはつらかった。
会社でやろうとしていることを、
シミュレーションゲームでやったら最下位だった。
これは残念だった。
これからもお互いに負けないように頑張っていきたい」
日本製粉㈱東京支店食品営業部マネジャーの池尾良さん。
「志や理念、共通するものをもたないとチームとして成り立たない。
スーパーマーケットに戸籍がないことを知った。
その地位向上のために、メーカーは、
おいしくて楽しい商品の開発を通して、
支援していきたい」
㈱紀ノ國屋取締役経営企画室長の阿部智則さん。
「昨年7月に赴任してすぐに参加したが、
1年間で素晴らしい知識を得た。
シミュレーションゲームでは、
数字をみただけで『おかしい』とわかるプロばかり。
紀ノ国屋を立て直したのは阿部だといわれるように、
負けずに頑張りたい」
㈱ジョイス取締役兼常務執行役員経営計画室長の阿部修さん。
「会社は利益を残す。
モノづくりは目に見えるが、小売業はみえない。
しかし、いろんな付加価値を提供していることが理解できた。
理念から始まり、意思決定までの勉強好きの流通業の一人として、
実行の3期生をあらためて貫きたい」
㈱マミーマート総合企画室長の青木繁さん。
「習ったことを即実行と、最初の授業でノートに書いた。
目からうろこの授業ばかりだった。
52週MDは、具体的に実行している。
骨格、骨組みが身についたので、
これからは筋肉をつけていきたい」
最後に荒井伸也首席講師より総括メッセージ。
荒井流の「ポジショニング」の意味づけ。
そしてスーパーマーケットの競争の原則。
すなわち1店ずつの商圏の中で一番になること。
荒井先生の主張はいつも、
スーパーマーケットの本質を語っている。
そして最後の最後は、副学長のラスト・メッセージ。
私は4つの話をした。
第1は、ウォルマートの最年少取締役ケビン・ターナーの話。
「我々は世界最大の企業をつくろうとは思っていない。
地域の1店1店を最良の店舗にしようとだけ考えている」
第2は、徹底の意味。
「徹底」とは「細かく、厳しく、続ける」こと。
第3は「商人としての本籍地と現住所」の話。
そして最後の「贈ることば」。
「心は燃やせ、
頭は冷やせ」
1年間のご清聴、
心から感謝。
しかしまだ、コーネル・ジャパン第3期、
4つ残っている。
第1は7月下旬のニューヨーク州イサカへの卒業旅行。
第2は長期経営計画策定という卒業論文。
第3は3月分補講のロジスティックス編。
ヤオコーとロヂャースのセンター実習がある。
第4はこれまた4月分補講のレイバースケジューリングシステム編。
こちらはサミットでの店舗実習。
「コーネル・ジャパン実行の第3期」
まだまだ続きます。
<結城義晴>