飯能の仙人・杉山昭次郎先生に、
すごいことが起こっている。
ブログ「流通仙人日記」は、
ほぼ週一ペースで、
すでに90回を数える。
杉山先生の最新ブログの記述。
「私は、試行錯誤を続けているうちに、
私自身が変わりだしているのではないかと思い始めた」
「一口でいえば、
脳が活性を取り戻しているような気がした」
現在、85歳。
商人舎最高顧問。
その「末期高齢者(?)」ともいえる流通仙人の脳が、
活性を取り戻している。
「私の試行錯誤は、
高齢化に伴いしぼんでいた脳に活性をもたらした」
「少し活性を取り戻した脳で、
組織の試行錯誤を見直してみた」
「見直しに当たっては、少し工夫をした」
「これまでは、組織で試行錯誤を進める難しさに焦点を当て、
その克服の仕方を考えていたが、これからは、
組織の試行錯誤のメリットを考えることにしよう、そう思った」
カッコ書きで、照れくさそうに言う。
「こんな知恵がどこからわいてきたのかは分からない。
脳の活性化の賜物であろう」
つまりは試行錯誤こそ、
メリットだということに気づいた、ということ。
日経新聞の一面コラム『春秋』。
この夏の消費トレンドを、一文字で表した。
それは「短」。
髪形は、「これまでよりも短く切る人が男女を問わず増えた」
「女性のファッションなら丈の短いズボンや、かかとの短い靴」
台所用品では、「調理を短時間で仕上げられるシリコーン製の蒸し器」
それに「自宅で洗える背広」
消費だけではない。
「残業が減り在社時間が短くなる」
「通勤時間の短い家」
「遊びや買い物は近場」
「家族や昔の友人との交流が増え、結婚を急ぐ人も出る」
「人と人との距離も縮まった」
「遠かった食の生産者を身近に感じるようになった」
すべてが「短」というわけではないが、
「短」のマインド、「短」のトレンドが生まれ、
強調されていることは納得できる。
しかしこれで「短」にのみ、
焦点を当てて行動してしまうことを、
「短絡」という。
もう一つ日経新聞の「大機小機」。
私の信頼するコラムニスト追分氏が、
「日本経済を待ち受ける3つの危機」を書く。
「第1は経済の空洞化の危機」
企業の海外流出加速化の危機。
「第2は財政危機」
「財政状況がさらに悪化し、
債務残高の増加に拍車がかかり、
財政再建がさらに困難になる」
「国債金利に上昇圧力がかかれば、
債務の増加に歯止めがかからなくなり、
危機へのリスクが高まる」
「第3は電力危機」
「これは過去2度の石油危機に続く第3次エネルギー危機である」
そして結論と行動提起。
「そこで問われるのは、大震災を奇禍として、
日本全体が先送り体質を改め、
必要な改革に取り組めるかどうかである」
「先送り体質」を改める。
そのために前提となるのは「前始末と後始末」
ファーストリテイリング柳井正さんの持論。
「被災地外では、既得権の構造にメスを入れ、
被災地を支援するのに必要な痛みを分かち合う覚悟ができるかどうか」
「被災地では、依存体質を改め、
自ら再生の芽を育てていくことができるか」
さて最後に「大手スーパーが一斉に既存店舗を改装」の記事。
日経はセブン&アイ・ホールディングスとイオンが大好き。
日経MJはこまめに取材するけれど。
イトーヨーカ堂は2011年度中に、
例年の2倍にあたる年間50店舗強を改装。
総合スーパー約340店を運営する中核のイオンリテールは、
今後2年で全店を手直しする。
イオンでは、総合スーパーを運営する他のグループ会社も、
同様に改装を進める。
「総合スーパー」はこの2年ほど、
改装・リニューアルの連発。
これ、大きな政策トレンド。
覚えておかねばならない。
さてこのところ横浜の商人舎を訪問してくれた人々。
まず、火曜日の7月12日に、
商業経営問題研究会(RMLC)代表世話人の高木和成さん。
キャンピングカーを買い込み、
それを駆って全国の店舗やショッピングセンターを行脚中。
自らそれを名づけて「シルクロード」。
元気いっぱいの団塊の世代。
それから昨日の金曜日15日、
私の隣から、柳沢みつよし参議院議員秘書の小鷲良平さん、
UIゼンセン同盟流通部会副事務局長の木暮弘さん、
同じく流通部会総務・財政部長、産業政策委員会事務局長の佐々木啓真さん。
8月29日にUIゼンセン同盟の労使勉強会が開催される。
そこでパネルディスカッションが行われるが、
私はコーディネーターを務める。
テーマは「震災復興における流通小売業の役割」(仮題)。
パネラーは、3人。
流通科学大学教授の石原武正先生、
野村総研の高木裕之さん、
そして経済産業省より1名。
刺激的なパネルディスカッションを企図している。
楽しみだ。
では、みなさん、よい週末を。
<結城義晴>