夏の甲子園大会。
明日の決勝の対戦が決まった。
青森・八戸の光星学院と、
西東京の日大三校。
今年を象徴するようなカード。
私の心境は、
「赤勝て、白勝て、どっちも勝て」
しかし全国的にみると、
東日本大震災被災地の光星学院に、
圧倒的な人気が集まる。
日大三校が闘いづらいかというと、
そうでもないと思う。
完全に外野の声は無視して、
己に没頭すればよい。
今日2時過ぎ、福島県沖を震源に、
震度5弱の地震。
まだまだ余震が続く。
忘れてはいけない。
さてキョーエイの店舗。
まずタクト店。
キョーエイの基幹店で、
様々な実験が行われる。
例えば、高野保男さんがコンサルティングに入って、
レイバースケジューリングプログラムの導入を図るときには、
タクト店が舞台となった。
新しい店舗デザインを採用するときにも、
タクト店がそのモデルとなった。
年商約23億円で、実験に耐えうる店。
現在は、入り口を入ると、
「すきとく市」が展開されている。
「好き」と「徳島」が縮まって、「すきとく」。
いわゆる地産地消の農家直送の売り場。
私は日本の食品市場の場合、
江戸時代の「藩」の単位で、
マーケティングが成り立っていると考える。
その藩が巨大な場合、
地産地消は大きなマーケットとなる。
だから徳島=キョーエイのような場合、
地産地消はジャスト・ミートする。
それが「すきとく市」。
ローカルチェーンでも、
全店で大きな売り場をつくる必要はない。
一番売る店、二番目に売る店、三番目に売る店、
5番手くらいまででいい。
農家や生産者もそのほうがやりがいが出ることは確かだ。
その中で超のづく売れ筋商品が出てきたら、
全店に広げればいい。
このタクト店、まず青果部門が良い。
そして鮮魚部門も強い。
ローカルチェーンの強みは何処にあるか。
それは地元に卸売市場がある部門。
つまり青果と鮮魚。
ちょうど「ライブ販売」をやっていた。
握りずしのライブ販売。
新鮮な寿司アイテムが、
目の前で次々につくられる。
「握りたての握り寿司」
当然ながら寿司は絶対にウェグマンズを超えている。
夏はウナギ。
鰻の平台も充実。
冷凍干物もパネルをつくり、
きちんとコーナー展開。
タクト店の特徴の一つが惣菜デリ。
対面売り場とセルフ売り場を振り分けて展開。
デザートには「ミセスケイコ」のコーナー。
こういったコーナー展開のブランディングが、
キョーエイは上手だ
タクト店には現時点のキョーエイの特徴が満載されている。
それをいかに他の店に反映させるか。
タクト店で開発された「知識商人の知恵」を、
他店にも水平展開できるか。
もちろん他店にも「知識商人の知恵」が生まれる。
それをタクト店がいかに取り入れるか。
ホールフーズマーケットでも、
オースティンのヘッドクオーターの店が旗艦店といわれる。
フラッグシップストア。
その旗艦店の開発ノウハウが全店に活かされる。
フラッグシップストアは様々な実験が行われるからだ。
仮説を立て、実験をして、それを検証する。
そして全店に展開できるものは、全店に。
この店だけのものは、この店で。
この考え方が重要だ。
沖浜店もいい店。
この店は「すきとく市」もタクト店以上。
農家の協力も積極的。
徳島一番のスーパーマーケットだけに、
農家への説得力も強いし、
農家の協力も大きい。
その生産者マップ。
売場はどんどん広がる。
そしてひとつ一つの商品に由来がある。
それを伝える。
他のキョーエイの店同様に、
青果部門がいい。
現在のアメリカのスーパーマーケットのトレンドも、
しっかり学んでいる。
この店の特徴は、地域の子供たちの写真を、
各売り場にどんどん掲示していること。
レオナルド・ダ・ビンチの最後の晩餐が、
パネルになっている。
店全体が、大塚美術館のようなところもある。
この店は子供を大切にする。
最後のレジ前。
タクト店、沖浜店。
両店をご案内いただいて、
私は、満足した。
阿波踊りに熱狂する徳島。
そこで生活する顧客たち。
そしてキョーエイの店。
すべてに一気通貫されたものがある。
それがキョーエイの強み。
「市民生活を守る砦たれ」
故倉本長治商業界主幹がキョーエイに送った言葉。
それが社是となっている。
倉本主幹は、きっと阿波踊りのパワーを感じ取ったに違いない。
そして「市民」という言葉を使った。
徳島の市民は、他県他市の市民とは違う。
阿波踊りの情熱を持った市民のための、
生活の砦となれ。
これは阿波踊りの熱狂の中に身を置けるものにしかわからない。
これこそキョーエイの強みなのだと思う。
何度も言おう。
この夏、
私は徳島に、
はまった。
< 結城義晴>