結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月20日(土曜日)

第38回PCSA公開勉強会で講演、パネルディスカッション、そして武田邦彦先生の「人生楽しく」

夏の甲子園大会決勝、
西東京の日大三高が、
青森の光星学院を、
11対0の大差で破り優勝。

私はリアルタイムで試合を見ることはできなかったが、
「赤勝て、白勝て、どっちも勝て」のスタンスだから、
これはこれでよかったと思う。

東日本大震災の被災地から出場した八戸の高校が、
よくぞここまで来た。

八戸はスーパーマーケットの㈱ユニバースの本拠。
さぞやみんな残念なことだろう。
東北に真紅の優勝旗を持ち帰ることはできなかった。

しかし、それでも、
選手たちの健闘を、
率直にたたえたい。

今年は特に、あらゆる健闘を、
素直に賞賛したい気分だ。

しかしその一方、
昨日のニューヨーク外国為替市場で、
1ドル75円95銭と、
戦後最高値が更新された。

日銀は砂漠に水を撒くがごとき対応を迫られているが、
欧米の経済と金融が悪くて、
相対的に円が高くなっているこの状況を、
解消することはできそうもない。

輸出産業は耐えるしかない。

さて昨日の報告。
午後から、東京のザ・グランドホール品川。
第38回PCSA公開経営勉強会が開催された。
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PCSAはパチンコ・チェーンストア協会。

今回は「東日本大震災」にテーマが絞られて、
その対応の報告や今後の考え方の議論が行われた。
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第1部は、
㈱ダイナムの取締役兼法務部部長の森治彦さん。

「大震災に被災した地域とパチンコホールの共存」
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3・11以降、ダイナムは積極的に店舗の営業再開や地域支援、
そして情報開示をしてきた。

さらに節電への取り組みも、
いち早く意思決定し、実行してきた。

その経緯と考え方を、
的確に、丁寧に報告してくれた。

森さんは、私が㈱商業界社長の時代から、
「結城会」のメンバーでもあって、
その優秀さは誰もが認めるところだが、
講演も大したものだ。

素晴らしかった。

第2部が私の出番。
「大震災で小売業が果たした役割」
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パチンコ業界の人々に、
小売業がいかにインフラとなって活躍したのかを、
報告するのが私の役回り。

私は「店長」の重要性を強調したが、
それは小売業に限らない。
外食産業もサービス業も、
エンターテインメント産業も、
有店舗事業はすべて、
現場のリーダーである店長がその使命の多くを担っている。

しかし、店長が腕を振るうお膳立ては、
本部がしなければならない。

別の言い方をすると、
人間が活動する前始末を、
システムが担保しなければいけない。

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さらにライフライン(命綱)の役割を果たすことは、
それだけで「正義」である。

そしてライフラインには、
肉体的な要素とともに精神的な条件もある。
サービス業はその精神的な安定や喜びを担うものだ。

すなわちライフラインの一環である。

ライフラインとなる心構えは、
宮澤賢治の「雨ニモマケズ」。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイゝトイヒ
北ニケンクワヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

ご清聴を、感謝したい。
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第3部は、パネルディスカッション。
コーディネーターはPCSA代表理事の加藤英則さん。
㈱夢コーポレーション社長。

パネラーは4人。
自民党前衆議院議員の葉梨康弘さんと、
㈱日本イノベーション社長の和田裕さん、
UIゼンセン同盟常任中央執行委員の内堀良雄さん、
そして元ジャスダック取締役の牛島憲明さん。

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和田さん、内堀さん、牛島さんは、
パチンコ・トラスティ・ボード(PTB)有識者懇談会のメンバー。

特に和田さんは通産省の官僚で、
大阪万国博覧会の発案者。
現在、PTB座長として、パチンコ産業の健全化に尽力。

そのパネルディスカッション。
それぞれが東日本大震災の中間総括をしたうえで、
パチンコ産業がいかに対応すべきかを論議した。

前代議士の葉梨さんは、
警察庁官僚出身で、
風適法などの専門家。

そこから葉梨さんが政治と行政の立場で議論を展開し、
和田さんはそれを受けて大所高所から問題を整理しつつ、
産業化のためのビジョンと道筋を明示した。

内堀さんは働く者の立場から、
パチンコホールの存在価値を明らかにし、
今後の業界の展望をしてくれた。

牛島さんは業界サイドの「タカ派」の論者。
真正面から産業化への方法論を展開。

それぞれに、立場や役割のはっきりした討論で、
業界の立ち位置が鮮明になった。

コーディネーターの加藤さんの切り回しも、
淡々としていて、私はちょっと驚いた。
良かった。

最後の第4部。
中部大学教授の武田邦彦先生。
『パチンコ礼賛論』
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この講演、素晴らしかった。

テレビでもおなじみの引っ張りだこの武田先生。
専門は資源材料工学だが、
原子力やウランの専門家でもあって、
「日本原子力学会平和利用特賞」を受賞されている。

政治とマスコミの裏側を暴き、
人間の生の本質を語る。

私は久しぶりに、
良い講演を聴いた気がした。
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武田先生は、
「武田邦彦(中部大学)」というブログを書いている。
味もそっけもない体裁だが、
中身は濃い。

震災後はほぼ毎日更新。
ご愛読をお勧めしたい。

そのブログで、2月16日に「パチンコ礼賛論」を書いた。
そうしたらものすごいバッシングを受けた。

しかし主張は変えない。

武田先生の基本は、
人間の生きる意味は「人生楽しく」である。

武田先生はブログの中で書くし、講演でも語る。
「他人の人生を苦しめることは容易だし、批判も楽だ。
でも、多くの人が楽しめることを発明することは難しい」

日本人は楽しんでいない。
楽しめていない。

それを取り戻そう。

これが武田先生の主張。

私は、昨年、パリで、
食品産業が共有できるテーゼは、
「プレジャー(歓喜)」であることを再発見した。

武田先生の主張は「プレジャー」にあると感じた。

武田先生の「衰退業界の4つの現象」。
私にはとりわけ面白かったし、
ためになった。

その内容は、来週、掲載の予定。

最後に山田孝志㈱TRY&TRUST社長の締めのあいさつ。
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いい勉強会だった。

その後の懇親会も盛り上がった。

参加者全員が、それぞれに、
武田先生の語ったプレジャーを感じ取っていた。

みなさんも、今週末、
プレジャーをどうぞ。

仕事にも休暇にも、
プレジャーが存在する。

<結城義晴>

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