結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年08月31日(水曜日)

セブン&アイ・フードシステムズ「PHO24」を大久保恒夫社長とともに食す!

野田佳彦新首相、54歳。
戦後三人目の若い総理大臣。

安倍晋三の52歳、
田中角栄の54歳2カ月に次ぐ。

2006年9月26日に内閣総理大臣に指名された安倍晋三。
私はこの最年少首相誕生のとき、
自分の国のトップが、
初めて自分の年齢よりも若いことに、
深い感銘を受けた。

その安倍さんも早期に退陣に追い込まれ、
野田さんで二人目の年下首相。

私もこの9月2日で、59歳になる。
田中角栄も早熟の政治家で、
首相就任のときそんなに若くは感じなかった。
野田佳彦も、その口。

安倍晋三が、ひどく若かったのか。
そうすると野田さんの、自らどじょうにたとえる風体、
好ましいのかもしれない。

東日本大震災の被災地の瓦礫。
その撤去率が高まっている。

昨日30日の時点で、
岩手県87%、宮城県94%。
岩手県、宮城県の27市町村のうち、
13市町村でほぼ撤去が完了した。

第1原発事故のため、
福島県だけは43%と作業が遅れている。

遅きに失したとはいえ、ずいぶんと進んだ。

政府が予算化した瓦礫処理費用は3519億円。
これまで使われたのはこのうちの42%。

もっともっと金を使おう。
素早く、的確に、使おう。

瓦礫はなくなり、経済は回る。

野田さん、早く早く。
瓦礫撤去という復旧の初期段階の作業は、
スピード最重視だ。

その日本の経済、
「上場150社、今期最高益」と日経の記事。
これは見通しだが、2012年3月期に、
過去最高の経常利益を更新する上場企業が、
1755社の9%の156社となる。

この好調企業には、
「サービスや小売業などの内需系が多い」

ヤマダ電機は経常利益が前期比2%増、
3期連続で最高益を更新する見通し。
今年4・5・6月に「節電家電」の売れ行き絶好調。
省エネ機能付きエアコンやLED電球など。

「巣ごもり」消費も好調。
ヤオコーは「内食」回帰の追い風を受け、
生鮮食品、日配品、冷凍食品、惣菜が売れている。
これは日本中のスーパーマーケットに共通する。

ヤオコーは4・5・6・7月の既存店売上高が、
前年同期比3%以上の伸びだった。

しかし外食産業も、客足を取り戻している。

今夜は市ヶ谷のお堀端にある「PHO24」で会食。
㈱セブン&アイ・フードシステムズ運営。
ベトナム料理レストラン。

庶民料理として親しまれている「フォー(米粉麺)」をメインメニューに、
サラダ、生春巻きなどサブディッシュが、
リーズナブルな価格で、カジュアルに提供される。

7月1日にオープンしたばかりの1号店。
開店以来、女性客ばかりか男性客も来店し、好調。
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お相手は、同社社長の大久保恒夫さんと、
USP研究所の鹿野恵子さん。
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サラダを2種類、生春巻きを2種類、揚げ春巻き、
そしてフォーをいただく。

持ってきてくれたのは笑顔の厚澤さん。
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フォーの丼とは別皿に、野菜と薬味が添えられている。
私が頼んだのはヘルシーなチキンフォー。690円。
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鹿野さんはたっぷりの野菜がのった野菜フォー。630円。
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ほかにガッツリ系の牛肉フォーもある。

スープを飲みほすと、しっかりと腹にたまる。
ラーメン並みの値段で食べられるのがいい。

何よりもこのフォー、カロリーが低い。
女性客はもちろん、メタボのおじさんにもうれしい。

最後に、レストラン事業部ND推進部同店店長の中村康志さんと写真。
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「PHO24」は、ベトナムレストランといってもマニアの店ではない。
気軽にカジュアルに楽しめる小商圏型店舗。
これはチェーン化を視野に入れた戦略。
中村店長、頑張ってください。

さて、この日の会合は年末イベントの打ち合わせ。
「大久保恒夫&結城義晴の二人のビッグショー」(仮)
ビッグセミナーではなく、ビッグショー。

大久保さんと私が、
アコースティックギターで弾き語りをする趣向。

決定したことは2つ。
日程は12月2日(金)、
場所は銀座のレストラン。

どんな曲を歌うのか、何曲歌うのか、
そして二人のコラボはどうするのか。
それはこれからの話。

でも、楽しい師走の宵にします。
乞う、ご期待!!

その前に大久保さん。
デニーズをはじめとする事業も好調。
そのうえ11月には4回、
NHK教育テレビ「仕事学のすすめ」に出演する。

今年4月にはニトリホールディングスの似鳥昭雄さん、
1月には亀田総合病院の亀田健介さん、
昨年9月には星野リゾートの星野佳路さん、
6月にはワタミの渡邉美樹さん、
一昨年6月にはファーストリテイリングの柳井正さん。
そうそうたる魅力的な人々が出演した番組。

11月2日の第1回放送は私も大久保さんも、
見ることができない。

なぜか。

商人舎第10回記念USA研修会で、
一緒に渡米しているから。
経営戦略スペシャル編。

10月28日出発、11月4日帰国。

番組は見られなくとも、
ご本人とは密着できる。
経営戦略スペシャル編、
こちらも乞う、ご期待。

ご参加を要請します。
お申込み締め切りは、
9月8日。

大久保さんと一緒に食べたベトナム料理。
台風12号上陸前のむし暑さを、
吹き飛ばしてくれた。

心から、感謝。

<結城義晴>

2011年08月30日(火曜日)

UIゼンセン流通部会労使懇談会のパネル討論会で「正義を語る」

第95代の野田佳彦新首相が指名された。
野田さんは、民主党三役人事を内定した。

幹事長に輿石東参院議員会長、
政調会長は前原誠司前外相、
国会対策委員長は平野博文元官房長官。

ちょっと無責任な言い方に聞こえるかもしれないが、
人事はいつだって、面白い。

如何にきれいごとを言おうと、
如何に立派な大義を持とうと、
人事でそれが本当かどうかが、
一目瞭然となるからだ。

野田氏は今回の代表選挙前に、
唯一、「小沢詣で」をしなかった。

しかしそれでも、
小沢一郎の盟友・輿石参議院会長を幹事長に据えて、
当選直後の第一声の「ノーサイド」の公約を守った。

自民党・公明党との大連立を掲げ、目指す野田新首相だが、
その前の党内一致は必須と考えている。

菅直人前首相の轍を踏まず。
そんな考えが見える。

いまだにフクシマ原発問題は未解決だし、
震災後の復興・振興も軌道に乗っていない。
財務悪化は恒常化し、デフレは解消されずの状況なのだから、
脇目も振らず挙党一致を志向するのは、
「どじょう総理」らしくて、いいと思う。

今日の夕方の会合で、野田・輿石は、
ルックスが悪すぎるというジョークも出たが、
どじょうとなまずでも、まったく構わない。

問題解決に向かってまっしぐら。

決まったからには、
野田さんに頑張ってもらおう。
私は、そう思う。

民主党代表となってから、
野田さんがちょっと若返った感じがするのが、
これまた、面白い。

昨日は、韓国・テグで開催されている世界陸上で、
男子ハンマー投げ・室伏広治選手が、
金メダル獲得。

今季自己最高の81メートル24を投げた。
こちらは無条件にうれしい。

父親の室伏重信さんと二人で、
柔軟体操をする姿がほほえましい。

私は今日も、忙しい一日。

朝一番で、
東京・大門のカスタマー・コミュニケーションズ㈱へ。
毎月恒例の取締役会。
今日は新しくて、鋭い提案があって、
企業として本当に視野が開けた。

この会社にも期待がかかる。

午後は、東京ドームホテル。
UIゼンセン同盟流通部会第5回労使懇談会。20110830210754.jpg

はじめに主催者を代表して、
労使幹事会代表でダイエーユニオンの藤吉大輔さんがあいさつ。
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UIゼンセン同盟には現在6つの部会がある。
その6部会を、製造、サービス、流通の3部会に集約し、
各部会への権限委譲が進められる。
それによってスピードアップを図り、
流通を取り巻く震災後の厳しい環境に対応していく。
冒頭のあいさつは決意表明のようだった。

次いでUIゼンセン同盟落合清四会長があいさつ。
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コーネル大学RMPジャパン講師を務めていただいている。

「震災で、絆の大切さを感じたが、何かが変化した。
リーマンショック後、欧州でいわれる『連帯経済』への傾斜がそれだ。
①倫理的な金融、②フェアトレード、③社会的責任消費の3つ。
震災後にこの傾向がみられる」

「豊かさとはこれまで、金・モノを中心にした快楽の追求だった。
それが安全・安心、そして快適へと変化している。
この理念の変化が産業政策に反映される必要がある」

藤吉さん、落合さん、どちらも、
挨拶としてはもったいないくらいの質を伴っていた。

基調講演は流通産業大学特別教授の石原武政先生。
「震災復興下における地域再生と流通産業役割と課題」がテーマ。
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被災地の経済貢献のために果たす小売業の在り方を、
中小商業の視点を交えながら講演。

次に、経済産業省商務流通グループ流通政策課長の佐合達矢さんの報告。
「消費財流通に関するサプライチェーン改善に向けた取り組みについて」
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製配販連携でインフラを共有し、全体の無駄を省く施策が、
丁寧に語られた

この日最後のプログラムは、
私がコーディネーターを務めるパネルディスカッション。
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テーマは、
「震災からの復旧・復興に向け、流通産業政策に期待するもの」

パネリストは石原先生と佐合さん、そして野村総研の高木裕之さん。
高木さんはサービス事業コンサルティング部ゼネラルマネジャー。
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2時間にわたったパネルディスカッションは、
学者、コンサルタント、行政マンから、
それぞれの立場でのコメントが展開された。

冒頭に徳島阿波踊りの話を振り、
蜂須賀小六の「無礼講」のお許しをいただいて、
白熱した論議を意図した。

私は、次々に質問を投げかけ、自らコメントし、
考えつつ、楽しんだ。

震災時に小売業が果たしたライフラインの役割、
震災後の「ベーシック」への消費変化、
地域に「開かれた産業」としての小売流通業のあり方、
そして将来へのグランドデザインとビジョン。
多岐にわたる質問に、
パネラーの皆さんは、
真摯に答えてくださった。
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コーディネーターとしての最初と最後はやなせたかしさんの言葉。
「正義とは実は簡単なことなのです。
困っている人を助けること」

「ひもじい思いをしている人に、
パンの一切れを差し出す行為を
『正義』と呼ぶのです」

「困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、
立場が変わっても国が違っても『正しいこと』には変わりません」
「絶対的な正義なのです」

「だから正義って相手を倒すことじゃないんですよ。
アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。
だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を
持っているかも知れないから」

「怪獣を倒すスーパーヒーローではなく、
怪獣との闘いで壊された街を
復元しようと立ちあがる普通の人々が
ヒーローであり、正義なのです」

ご清聴に、心から感謝。

閉会のあいさつは労使幹事会副代表の土佐谷正孝さん。
㈱セブン&アイホールディングス人事企画部シニアオフィサー。
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これが実によかった。
「今回の震災では店長をはじめとする現場力が発揮された。
その現場を生かすことに労使ともに努力したい」

その後、会場を移し、記念のパーティ。
乾杯のあいさつは同じく幹事会副代表の河田靖彦さん。
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河田さんはセブン&アイグループ労働組合連合会会長。

参議院議員の柳澤光美さんも駆け付けた。
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そして怒涛の懇親。

原信ナルスホールディングス㈱副社長の五十嵐安夫さん。
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今回、原信の支援は群を抜いていた。
そのありがたさは、被災地の多くの小売企業から聞いた。
五十嵐さんたちは今もなお、被災地支援を続けている。

㈱セブン&アイホールディングス人事企画部シニアオフィサーの土佐谷さん。
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パネリストのお二人。
佐合さん(左)と高木さん。
お疲れ様でした。
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㈱平和堂取締役教育人事部長の村上茂人さん。
6月のアメリカツアーの団長を務めていただいた。
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㈱日本リテイリングセンター代表取締役の渥美田鶴子さんと
リサーチャーの渥美六雄さん。
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流通部会副部会長の新妻健治さん。
イオングループ労働組合連合会会長。
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固い握手。

最後の最後は、その新妻さんが中締めのあいさつ。
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新妻さんは、いつもながらキリリとしたスピーチ。

今回も勉強になったし、
小売流通業の存在価値を確認できた。

それが何より、うれしかった。

台風12号接近、上陸の恐れあり。
皆さん、気を引き締めて。

<結城義晴>

2011年08月29日(月曜日)

野田佳彦新総理誕生! アヌーガ訪問、電通での夏のレクチャー「震災後の消費と米国最新トレンド『融合』」

Everybody! Good Monday!
[vol35]

2011年第35週、
8月最後の週にして、
9月のスタートの週。

とはいっても、昨日、一昨日と、
日本国の総理大臣が決定される日で、
日本中騒然とはいかないまでも、
メジャー・マスコミは大はしゃぎ。

今日の民主党代表選挙、
国会議員による投開票の結果、
野田佳彦財務大臣が当選。

もう決まったことだから、
ガタガタ言わず、
野田さんに任せ、
全面協力をして、
大震災後の復興・振興と、
原発問題解決に邁進したいもの。

今朝の日経新聞「景気指標」のコラム。
大林尚編集委員が、
「雇用と投資が増え始めた」と書いている。
この中で、仙台経済同友会の大山健太郎代表幹事の言葉を引く。
大山さんはアイリスオーヤマ社長。
「復旧は素早く、
復興は時間をかけて議論を」

いいですね、大山さん。

民主党政権3人目の野田首相は、
「真の『地域主権』を推し進めるかどうか」

日本経済全体を見る場合、
「雇用と企業の設備投資に着目」する必要がある。

総務省労働力調査では、
6月に雇用者が前年同月比で56万人増。
医療・福祉33万人、建設業16万人、製造業11万人。

一方、設備投資は日本政策投資銀行の調査結果では、
「製造業の今年度計画は、
昨年度実績比12.5%の大幅増」

投資動機で一番多いのは、
「維持補修が過去最高の22.4%」
次は「その他」でが15.3%。
これは「自家発電設備の購入など」。

総務省穴山真産業調査部長のコメント。
「設備投資が増える年としては、
異例の傾向だ」

雇用と設備投資には、
明るい光が見え始めた。

明日指名される野田首相のもと、
何が何でも、「復興・振興」を目指したいし、
国民の一人として、
公私を通じて、このことに貢献したい。

そこんとこ、よろしく!
矢沢永吉でいってみよう。

さて今週は、
月曜から水曜までで8月が終わり、
木曜日から9月。

2月末決算の企業は、
震災後最初の半期決算の締めであるし、
3月末決算の企業は、その1カ月前。
マネジャーたちは、何かと忙しい。

9月からの新しい期に向けて、
気持ちを新たにして臨みたい。

さて今日は、朝から、
東京・麻布十番のケルンメッセ㈱へ。
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ゼネラルマネジャーの高木誠さんと情報交換とお願い。
10月にMDD会でドイツ・ケルンの「アヌーガ」を訪問する。

ドイツ・ケルン市のアヌーガは、
毎奇数年に開催される世界最大の食品展示会。
昨年は偶数年で、
フランス・パリで「シアル」が開催された。
今年はアヌーガの番。

シアル、アヌーガ、
シアル、アヌーガ。

こうして欧米の食品展示会は世界中から、
エキジビターをビジターを迎える。

アヌーガへの出展は、1年前にはほぼ満杯となる。
つまり昨年11月のシアル終了時点で、
アヌーガも満小間売却済みとなる。
あとはキャンセル待ち。
そしてこの展示会は、
十二分に商談の成果を生む。

今年私たちは、商談のためにアヌーガを訪れる。
向こうでレクチャーなどをお願いした。
ご協力に、心から感謝したい。

その10月の終わりには、
商人舎第10回記念USA研修会が開催される。
私の10月、ひどく忙しい。

商人舎研修会は、
経営戦略スペシャル編(10月28出発)と、
商品戦略マーチャンダイジング編(10月30日出発)。

申し込み締め切りは、
9月8日木曜日。
そこんとこ、よろしく!

今日の午後は、汐留の㈱電通本社へ。

毎年、夏の終わりに電通社員に向けてレクチャーをする。
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講義前に、事務局の面々と打ち合わせ。
私の隣は電通きっての流通通・土井弘さん。
後ろは右から、
ストラテジック・プランニング局チーフ・プランナーの吉田健太郎さん、
電通総研ナレッジ・センター情報サービス部長の望月裕さん、
同じく主任研究員の中谷俊介さん。

吉田さんは立教大学大学院ビジネスデザイン研究科7期生で、
私のサービス・マーケティングを履修してくれた。
ほんとうに久しぶりの再会で、うれしかった。

私のレクチャーのテーマは、
「米国&日本小売流通業の最新動向と震災の影響」
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日本とアメリカのチェーンストアの動向を、
アップデートした情報をもとに総ざらいし、
そのうえで、東日本大震災後の日本の消費トレンドを語った。
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その時の視点は、非常時の5段階ごとの対応と、
コモディティ&ノンコモディティ・マトリックス。
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最後に、「最新テーマは融合」。
外食と内食の融合を顕著に示す「イータリー」、
そして医食同源の融合「デュアン・リード」。

2時間15分のレクチャー、
まだまだ時間が足りないくらい。
ご清聴を感謝したい。
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この間、民主党代表選ののことは、
全く頭をかすめもしなかった。
私の講義の間に、
野田さんの代表就任が決まっていた。

夏の終わりの大熱演。
私は、蝉ではありません。
しかし声を嗄らして、何かを訴えたかった。

そんな夏が終わろうとしている。

皆さんも、夏に心残りなきよう、
あと3日を充実させて生きてほしい。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年08月28日(日曜日)

ジジと残暑[2011日曜版vol35]

まだまだ、あつい。
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おひるねです。
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残暑、
おみまい、
いたします。

西日がながくなった。
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おひるねは、
きもち、いい。
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でも、いま、
いちばんきにいってるのは、
ピアノの下。
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床がつるつる、ひんやり。

午前中は、ここにいたりします。

ユウキヨシハルのおとうさん、
きのうはrikkyoでした。
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まずは、研究室にいった。
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夏休み中だから、
部屋にはいるまで、
3回もカードでドアをあけた。。
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しずかなキャンパスと、
しずかな研究室。
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やすみのときの大学、
おとうさんは、だいすきです。
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きのうは、ビジネスデザイン・フォーラム。

はじめに記念礼拝があって、
そのあと研究発表会。
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結城ゼミのアサカワさんが発表。
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とても、よかった。
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ゼミ生の活躍を、
おとうさんはとても、
よろこびます。
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そのあと、片山さつきさんの講演。
このときゼミをやってました。

それから夕方に懇親会。
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会場は、第一食堂。
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rkkyo伝統のメイン・ダイニング・ホール。
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ここで食事をし、交流しました。
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片山さんをかこんで写真。
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おとうさんも、ごあいさつ。20110828182755.jpg

最後にはいつも、これです。
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結城ゼミのみなさんと、
いっしょ。
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コダマさんとイノマタさん。
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もうちょっとだけ、
残暑がつづきます。
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みなさんも、
すずしいところで、
おひるねなど、
いかがですか。

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それから、
元気がでるナカマと、
こころの交流。

夏のおわりには、
これがいちばんかも、
しれません。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2011年08月27日(土曜日)

「脱小沢vs寄小沢」の対立構造鮮明化、ニューヨークにはアイリーン到来、日本の株価・営業は「西高東低」

前原誠司vs海江田万里。
反小沢vs親小沢、
あるいは脱小沢vs寄小沢?
今日告示の民主党代表選挙。
構図ははっきりしてきた。

良いか悪いか、
国会のため、国民のためには、
たぶん良いとは断定できないけれど。

日経新聞の「きょうのことば」が面白い。
「民主党グループ」を説明している。

「有力議員を中心とした集まり」で、
「最大勢力は約130人とされる小沢一郎元代表のグループ。
約50人の前原誠司前外相、菅直人首相のグループがそれに次ぐ規模」

「民主党グループは自民党の派閥のような結びつきは薄く、締め付けも緩いため、
大学の『サークル』にたとえられる」

大学サークルもいまや一人が最低3つくらいに属している。
民主党も複数のグループに参加する議員が多い。

だから「代表選では掛け持ち議員の奪い合い」が始まる。
それが極まるのが、今日明日、そして明後日早朝まで。

しかし、菅直人首相の退任は、
あんなにゆっくりしていたのに、
重要な次の首相の選任は、
こんなに急ぐ。

なんだか、まったく逆じゃないか?

世の中、逆のことって、
結構、多いけれど。

社員が現場で働かず、
役員が日々の業務に勤しむふりをする。
社員が会社の将来を無責任に語り、
役員は目の前の利益にあくせくする。

これ、歴史があるけれど、
体質が古い会社の典型的な構図。

そんな会社の役員になったら、
「最悪を覚悟して、
最善を尽くせ」

いつもこの心構えしかない。

そして少なくとも、
将来のビジョンや本来の理念を、
説き続けるリーダーであってほしい。

そのビジョンや理念が欠落していれば、
話にはならないけれど。

万が一、そんなことが起こっているとすれば、
いつでもご相談に乗る用意はある。

さてニューヨークには、
アイリーンがやってくる。

大西洋を北上中のハリケーン。
今夜あたりから、米北東部一帯を直撃する恐れが高まる。
7州が「非常事態宣言」
ニューヨーク市ブルームバーグ市長は住民約30万人に対して、
史上初めて強制避難命令を出した。

地下鉄・バスの運行は全面停止される。

沿岸部の200人以上にも避難命令が出された。

アイリーンの規模は「カテゴリー2」
5段階の下から2番目。
2005年の「カトリーナ」はカテゴリー3で、
約1800人が死亡。
しかしカトリーナはミシシッピ川沿岸の中南部だった。

アイリーンは人口密集地の北東部。

バラク・オバマ大統領は、
「歴史的な暴風雨となる」と警告を発し、
米軍は10万人態勢での出動を指令した。

さて、これも日経新聞の「まちかど」。
タイトルは、「『西高東低』に裏付け」

ただしここでいう「西高東低」は株式市場の株価の話。
「関西私鉄大手の京阪電と近鉄は今週、年初来高値を更新、
関東大手の東武や京成に差をつけている」

さらに百貨店も、
「近鉄百の株価も堅調で、日経平均が直近高値をつけた」
「騰落率は松屋や三越伊勢丹を上回る」

数字の裏付けがある。
「7月の百貨店売上高は、
マイナスだった東京に対して
大阪はプラス」

「6月の鉱工業生産指数も関西が関東を上回る」

一昨日から昨日まで、その関西に出張。
梅田駅上の三越伊勢丹は、
12階フロアの飲食店はごった返していたが、
それ以外の物販フロアは「買われていない」。

人は集まるが、買い物はしない。
この傾向。

しかしそれでも、全体でみると、
関東よりもいいようだ。

大阪のおばちゃんの言う「見てきた⤴?」
これ。

それでも、なんというか、関西は元気。
高速道路も混んでいた。

関西の積乱雲は、元気に見えた。
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入道雲は、まだまだ盛り。
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「脱小沢vs寄小沢」の対立構造鮮明化、
ニューヨークにはアイリーンが到来、
日本の株価・営業は「西高東低」

関東よりも、盛り上がっている。
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昨日は朝から豊中の㈱阪食本部へ。
松元努常務(私の右)と志水孝行さん(左)と、
来年の研修会の打ち合わせのあと「疋田」で食事。
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千野和利社長も登場くださって、
熱い熱いミッションを語り合った。

千野さんや松元さん、志水さんと会って話していると、
「西高東低」も理解できるような気がする。

<結城義晴>

2011年08月26日(金曜日)

滋賀県彦根の「平和堂ビバシティ」でアメリカ視察研修会事前ガイダンス講義

菅直人首相が正式に退陣を表明し、
各紙で菅政権の総括が行われている。
すべてが皮肉たっぷり。

一方、それを受けて、
27日(土曜日)に公示し、
29日(月曜日)に投開票される、
拙速な民主党代表選。

前原誠司氏の出馬表明で、
やっと対立軸が見えてきた。
ただしそれでも、この軸は、
「小沢一郎」という人間に近いか遠いか。

今週末のテレビ・新聞は、
これまたお祭り騒ぎ。

候補者全員そろった討論会など、各局が企画して、
視聴率争いを展開するに違いない。

自民党・谷垣禎一総裁が何とわめこうとも、
こちらは蚊帳の外。

あれだけ、こぞって「菅降ろし」をしたのだから、
ここは実のある日本国首相を選んでもらいたい。

さて、福島原発事故によるセシウム汚染で出荷停止されていた牛肉。
岩手、福島、栃木産が政府によって解除され、
出荷停止は全面的になくなった。

それでも風評被害で、
牛肉は、売れない。

毎日新聞では関西スーパーマーケットを取り上げた。
同社は、「宮崎など自社グループ牧場で飼育した牛肉だけを売っている」

「にもかかわらず、今夏の国産和牛の売上げは、
昨年比で数%落ちた」

出荷停止が解除されても、
風評被害から解放されるのは、
時間がかかる。

小売業も独自に検査して、
この風評被害に立ち向かう。

静岡県知事の川勝平太さんの言葉を引こう。
静岡文化芸術大学学長から転身した学究知事。

「無知は恐怖の源です」

そして風評被害には、
知識と情報で対抗する。

これ以外にない。

昨日の25日、滋賀県南彦根の平和堂ビバシティへ。
平和堂本社に隣接する大型ショッピングセンター。
その2階のビバホールで、
アメリカツアーのガイダンス講義。
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この6月に第一斑の総勢50名とともに
アメリカのダラス、サンフランシスコの流通視察を行った。

この9月には、第二班の視察を実施する。
だからこの日は、一斑・二班の計103名が集まり、
一斑の視察報告会と、二班に向けた視察ガイダンス。

夏原平和社長、古川幸一専務も同席して、
朝9時からスタート。
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はじめに、第一斑団長の村上茂人さんが、
二つの目標を示した。
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一斑には、持続的なイノベーションと、
自分自身の行動を要請、
二班には、見て、聞いて、感じて、体験してほしいということ。

第一班の団長として、
平和堂取締役教育人事部長として、
村上さんの開講の挨拶は、
とてもよかった。

その後、6月の参加者が8グループに分かれて
15分ずつ視察報告を行った。
各チームとも、視察店を分析し、
そこから学んだこと、
自らの業務に取り入れ実行していること、
さらに会社への提案などを発表。
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ともに参加したほかのチームも、
この秋に参加するメンバーも、
真剣に耳を傾けた。
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私は、この連続的・継続的な研修が、
必ず成果をもたらすと考えている。
各チームの報告を聞き、
それぞれに講評するのが私の役目。
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各チームの報告に、
私は想像以上の満足を感じた。

8チームが発表を終え、全体講評を行う。

チェーンストアは分業のシステムだ。
だから本部・商品部と店舗が一体となって、
学んだこと、提案したことを、
実行しなければならない。

その結果、イノベーションが起こる。

私の主張は変わらない。
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午前の部の最後は、夏原社長の総評。
夏原さんご自身が、
アメリカに学ぶ姿勢を強く持つ。
アメリカに学んだ経験も豊富だ。

したがって、きわめて実践的で、役立つ総評となった。
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かつて、呉服のやまとや鈴乃屋もアメリカに学んだ。
アメリカでは呉服を着る習慣はもちろんないし、
呉服のチェーンストアも存在しない。

しかし彼らはアメリカに真摯に学んで、
見事なチェーンストアをつくった。

そんな学び方をしてほしい。
それが夏原さんの言わんとすること。

夏原さんも故渥美俊一先生に師事した。
その意味では私も同窓の後輩。

私たち二人の考えは、
その意味で一致している。

昼食をはさんで、午後は、
第二班秋の参加者に向けたガイダンス講義。
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平和堂は理念の企業である。
近江商人の三方よし。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」
この考え方に基づいた経営を貫いてきた。

さらに故成瀬義一先生の教えを大切にする。
「商人よ、正人たれ」

成瀬先生は倉本長治商業界主幹の愛弟子。
「損得より先に善悪を考えよう」

そして写真の白板に書いてある言葉。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」

アメリカのウォルマートやウェグマンズのミッションは、
倉本長治や成瀬義一と一致している。

アメリカ視察研修のガイダンス講義は、
そこから始まる。
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最後は、「企業の目的」。
ご存知ピーター・ドラッカー先生の『マネジメント』より。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」

「従って企業は二つの、そして二つだけの基本的機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである。
マーケティングとイノベーションだけが、
企業に成果をもたらす」

もう一つ、「Integrity」。
これもドラッカー先生。
「マネージャーとして、はじめから、
身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」

この考え方を徹底しつつ、
アメリカから多くのことを学び、
イノベーションを起こしたい。

最後に第一斑と第二班の団長、副団長のみなさんと写真。
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左から村上さん、
私の隣が第二班団長の常務取締役経営企画本部長の平松正嗣さん、
第二班副団長の販売促進部部長の杉崎邦彦さん。

朝日新聞の「経済気象台」で、
「購買力平価」(こうばいりょくへいか)が取り上げられた。
PPPと略されるが、Purchasing Power Parity Theory。

外国為替レートの決定要因を、
実勢価格で説明する概念。

自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって試算した為替レート。

1921年にスウェーデンの経済学者グスタフ・カッセルが発表。

テキストやこのブログでも、
私は米国での為替レートを1ドル100円にしているが、
いつも講義で言う。
「120円くらいが妥当だと思う」。

それはこの購買力平価に沿っている。

経済気象台では、トヨタ自動車のカムリを例に出した。
現在米国内での最低小売希望価格は、2100ドル。
日本では250万円。
これを割り算すると、1ドル119円となる。

私の実勢為替レート。
トヨタ・カムリでちょうど良い。

事前ガイダンスが終わって、
いよいよ始まった。

秋への始動。

暑い暑い日だったが、
私の気分は爽快だった。

皆さんも、爽快な週末を。

<結城義晴>

2011年08月25日(木曜日)

「一生懸命負けるなよ」西鉄ライオンズ・三原脩監督の言葉が意味する「精神のペース配分」

昨夕、東京駅を発って、
秋に近づいた空を見ながら名古屋へ。
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駅の上のマリオットアソシエ名古屋。
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大阪も、京都も、そして名古屋も、
駅の上などに大型ホテルができて、
さらに百貨店をはじめとする大型商業集積が並び、
街の中心がステーションになってきた。

かつての繁華街がさびれる。
名古屋の栄地区など、夜の9時を過ぎると、
閑散としている。

これは横浜が一番早かった。

青江三奈の歌で有名な桜木町など、
とうの昔に廃れてしまい、
横浜駅周辺がにぎわう。

かつての国鉄、現在のJRが中核となって、
そこに私鉄ターミナルが重なる。

もともと人が通過するポイントに、
商業や宿泊の大型施設ができると、
人は集まる。

人間は他が集まるところに、
群れる。

人間に限らない。
生物は群れる。

これが特徴。

世界中、都市化現象が顕著だ。
それが現時点の最大の特徴だが、
久しぶりに名古屋に宿泊して、
そんなことを思った。

さて、今朝の日経新聞スポーツ欄のコラム。
豊田泰光の「チェンジ・アップ」。

タイトルは「精神のペース配分」。
「ヤクルトに引き離された巨人や阪神、中日の逆転優勝はあるか」

問題提起よりも、豊田自身の経験談がいい。
1958年、私は6歳だったが、
わが西鉄ライオンズが、
南海ホークスに球宴前につけられた10.5ゲームという差を、
ひっくり返した。

豊田は「問題はここまでの消耗度だ」と分析する。

「58年の我々に逆転の成算があったわけではない」
「ただ、余力はあった」

「超合理主義者」だった当時の三原脩監督。
無駄な労力を使わない人だった。

その口癖。
「一生懸命負けるなよ」
「一生懸命にやったあげく、負けるのが一番よくない、
風向きが悪いとみたときにはさっさと引きなさい」

豊田は分析する。
「不毛な消耗を強いられた戦争体験が影響していた」

「そうした方針の下で、我々はジタバタせず、
自分たちの時が来るのを待つことができた」

不毛な消耗は、
フィジカルよりも、
メンタルに効く。

「肉体的には持つかもしれないが、
問題は精神のスタミナ」

「こちらは人それぞれ、
年間の持ち分が大体決まっていて、
常時百パーセント集中、
というわけにはいかない」

豊田は結論づける。
「三原式の割り切りが、
精神面のペース配分に必要だ」

ペース配分のためには、
「割り切り」が必須。
これは「トレード・オフ」の考え方。
トレード・オフも必要なコンセプトだ。

この話で思いついたのが、
島田紳助の人生のペース配分。

誰しもずっと走り続けていたら、
精神のペース配分ができない。
それが今回の事件の真相かもしれない。

企業や組織では、
自分のことはまだ自己責任でいいかもしれないが、
上司は部下の精神のペース配分を、
ケアしてやらねばならない。

麻原彰晃のように、
常に「ステージを上げろ」と強いてばかりでは、
組織は持たない。

自己の精神のペース配分に関しては、
私自身、以て自戒とすべし、と心得ているつもり。

「のんびりゆこうよ♪」

かまやつひろしの歌声が聴こえてくる。

昨日の会議で考えたこと。
チェーンストアは現場が、
何よりも「商売」をしなければならない。

店舗現場は商売することに、
ひたすら徹する。

本部やスタッフは、
そのことのお膳立てをし、
サポートをする。

それが全体の仕組みとなっている。
こういったことをシステムと呼ぶ。

システムにとっても、
店舗現場にとっても、
「精神のペース配分」は不可欠である。

夏の終わりの今頃、
お盆商戦が終了して、
夏休み休暇も残りわずかのお客様。

「のんびりゆこう♪
のんびりゆこう♪」

「ペース配分」は、組織全体に、
秋の疾走をもたらしてくれる。

<結城義晴>

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