今日は秋分の日。
二十四節気(にじゅうしせっき)は、
1年を24等分する。
その大きな4つの節目が、
春の春分、夏の夏至、秋の秋分、冬の冬至。
9月23日の今日の秋分のあとは、
10月8日の寒露、
10月23日の霜降、
11月7日の立冬、
11月22日の小雪、
12月7日の大雪となって、
12月22日の冬至、
まさに至る。
こうして二十四節季だけ辿ると、
もう冬となって、
今年も終わるかのような気分になってくる。
しかしつい最近まで、
残暑、残暑といっていた。
それが、大型の台風二過のあと、
しみじみと秋に入った感じがする。
季節の移り変わり、
本当に不思議なものだ。
だから日本が誇る短詩「俳句」には、
季語というルールがある。
江國滋さんは、
その著『俳句とあそぶ法』6章「禁忌は禁忌」で語る。
「『無季俳句』というものを、
ひとつのジャンルと考えたり、
主張とする態度を、
私は排斥する」
このきっぱりとした言い切り方、
私は大好きだ。
ただし、言い切り方が好きなのであって、
主張の完璧に賛成するわけではない。
こんな芭蕉の句がある。
無季
歩行(かち)ならば杖つき坂を落馬かな
これは季語のない句。
芭蕉は、だから、「前書き」で「無季」と断っている。
「前書き」というのは、
「一句の前にごく短い文言を添えて、
句意を補ったり背景を説明したりする」もの。
「前書きは卑怯ですぜ」
「内田百閒先生の持論」と江國さんは言う。
夏目漱石門下の小説家にして随筆家・俳人の百閒は、
「注釈つきでなければ意味をくみ取れないような俳句は、
句としての力が不足している」と「前書き」に否定的。
芭蕉の「無季」をさえ否定しているが、
百閒の師・漱石の句にこんなのがある。
女帝の葬式はハイド公園にて見物致候、立派なものに候
白金に黄金に柩寒からず
さらに漱石に句を手ほどきした正岡子規には、
素晴らしいのがある。
病中雪
いくたびも雪の深さを尋ねけり
これなど「前書き」の本当に効いている。
私は「前書き」積極支持派だ。
子規は「前書き」大好き派で、
こんなのがある。
我死にし後は
柿食(かきくひ)の俳句好みと伝ふべし
これは、
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
を思い出させて、なおかつ、辞世のような言い回し。
しかし季語のことなど思いめぐらし、
しみじみと秋を感じ、
秋の到来を味わうのは、
悪くない。
日本に生まれ、育ってよかった。
今日は、秋分の日あると同時に、
彼岸の中日。
私は久々の休日で、
体を休めた。
ありがたい。
昨日、一昨日は、千葉県の茂原。
オール日本スーパーマーケット協会の、
そうそうたるトップ・マネジメントが集まって会合。
事務局は㈱伊藤園と㈱あづま食品工業。
伊藤園副社長の江島祥仁さんが、ご挨拶。
関西スーパーマーケット社長の井上保さんも、
商品論を展開して意気軒高。
サミット㈱社長の田尻一さんも、お元気。
この11月にコーネル大学ジャパン第3期生の最終実習を、
サミットの店舗で行う。
心から感謝。
お隣は㈱千葉薬品社長の神﨑彰道さん。
そしてスーパーアルプス社長の松本清さん。
全員で集合写真をとろうという話になった。
声を掛け合って、整列。
そして写真。
環太平洋首相会議のような光景。
荒井伸也オール日本スーパーマーケット協会会長や、
前原章宏㈱とりせん会長の顔も見える。
みなさん、ありがとうございます。
年に一度か二度集まって、
懇談し、議論し、ゴルフを楽しむ会。
場所は女子プロのトーナメントが行われる名門グレート・アイランド倶楽部。
この会の名称は「ドクターズ」。
実は私の命名。
世に、「マスターズ」というゴルフの会は数多ある。
何しろ世界4大トーナメントのひとつが、
アメリカで行われる「マスターズ」。
それをもじって、
「〇〇マスターズ」は、
本当に多い。
しかし「マスター」というのは大学院で言えば「修士課程」。
その上の「博士課程」を「ドクター」という。
「ドクター」が意味するのは医者のことだけではない。
技量は別にして、
ゴルフを楽しむ姿勢と精神は「ドクター」で行こう。
それがこの会の趣旨。
私は本当にこの「ドクターズ」を楽しみにしている。
そして今回も、心から楽しんだ。
そういえば、伊藤園は毎年、
「お~いお茶新俳句大賞」というイベントを展開している。
今年第22回を迎える。
お~いお茶のパッケージに俳句が刷り込んである。
あれ。
ことしの大賞は、富山県の稲葉巧馬くん、11歳。
水切りは銀河を走る小石かな
この俳句大賞で面白いのは、
「英語俳句の部」が設けられていて、
すぐれた作品が多く寄せられること。
今年の英語俳句大賞は、
東京都の小林遥希さん、15歳。
wind
like an alley cat
enjoys a free life
(直訳)
風は
路地猫のように
自由気ままを楽しむ
これもとても、良い。
英語俳句、
内田百閒先生はどうお考えだろうか。
それでも秋の三連休。
超のつく多忙なトップが集まってのドクターズ。
いい会合だった。
9月末から10月にかけての私の激務。
ドクターズで癒された。
まさにこれから「疾走、疾駆」。
商人舎今月の標語は、
「疾走せよ、疾駆せよ」
これは私のためにある言葉。
疾走します、疾駆します。
お約束します。
<結城義晴>