結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年09月30日(金曜日)

ウォルマートの実験場「プラノ店」でのなりふり構わぬ「売り込み」作戦・後編

昨日29日、午後8時のユナイテッド航空で、
ダラスを発って、デンバー経由、
サンフランシスコ着。

時差が2時間あったので、
国際空港に着いたのは、
こちらの時間で23時30分。
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朝から1日ダラスを視察し、
バスの中でも解説し通しで、
話す側、聞く側、
ともに強行軍。

サンフランシスコは、
いつものホテル日航に落ち着いて、
一安心。

さて、米国の第2四半期の国内総生産(GDP)が発表された。
第2四半期とは4月から6月までのこと。

年率換算で前期比プラス1.3%。
8月末に発表された改定値に比べると、
0.3ポイント上方修正された。

この中で、米国GDPの7割ほどを占める個人消費支出は、
0.7%プラス。

改定値は0.4%増の見立てだったので、
0.3ポイント上方修正。

これが景気変動のカギを握る。
そして個人消費は小売業、サービス業が担う。

失業率は9%台で米国経済の問題点のひとつだが、
その雇用情勢も若干改善。

輸出のプラス幅は3.6%だが、
第1四半期の1~3月期よりも縮小。

アメリカ合衆国は消費大国だ。
しかしGDPの伸びに関しては、
このところ輸出に依存してきた。

外需で稼ぎ、景気回復を図り、
それが個人消費に反映されて、
小売業もサービス業も潤う。

これを逆にしなければいけない。

ノーベル経済学賞のポール・クルーグマンは、言い切る。
「米国にとって国際競争力は幻想だ。
国内のサービス業の生産性があがることが、
国民の生活の豊かさにつながる」

一方、日本では総務省から、
8月の全国消費者物価指数が発表された。
2010年を100として指数化すると、
生鮮食品を除く総合指数は99.9%。
前年同月よりも0.2%上昇。

2カ月連続アップだが
「足元の物価の動きは小さい」。
つまり「変わらず」ということ。

さらに8月の家計調査は、
1世帯あたり消費支出28万2008円。
物価変動を調整した実質ベースで、
前年同月比マイナス4.1%。
6カ月連続マイナス。

日本も小売業、サービス業の奮闘が望まれる。

さてその米国個人消費を刺激する筆頭株のウォルマート。
2900店を超えるスーパーセンターの先導役を担うのがプラノ店。
何しろ「実験はここから始まる」からだ。
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そのプラノ店がなりふり構わぬ「売り込み」態勢に入った。

第1に「アプライアンス・マーケット」の新設。
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第2は、
アクション・アレーの完全復活。
全コンコースの
島陳列販促。
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ほとんどすべてのコンコース上に、
アクション・アレーを復活させて、
これでもかと、売り込む。

ここまでが昨日のブログ。

第3は、精肉のイノベーション。
店舗入り口付近の青果物陳列のトップに、
「You’ll love our new beef」の呼びかけ。
「あなたは私たちの新しい牛肉を好きになってくれるだろう」
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米国農務省認定の牛肉を、
大々的に売り込む。
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そのうえ、「100%マネー・バック保障」。
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理由のいかんを問わず、
すべての商品の返品を受け付け、返金する。

これによって、牛肉は3割伸びた。

豚肉も鶏肉も、
「100%保障」を行っていて、
精肉部門の改革は急だ。

5ドル以下の商品だけ集めたコーナー展開
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この売り場も回転率を高めている。

精肉売り場の最後には、
職人が握る寿司売り場。
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グロサリーのゴンドラアイルでは、
商品の入れ替えと売り場の変更を行っていた。
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ハロウィンからサンクスギビングデーに向けて。
秋の品ぞろえへの変更をする。

加工肉からパッケージ・デリまでの売場は、
ウォルマートの重要部門だ。
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乳製品売場のコンコースで、
アメリカンフットボールのダラス・カーボーイズのプロモーション。
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これまた「売らんかな」の姿勢。

玩具売場は全米ナンバーワン。
何しろトイザらスを経営不振に追い込んだほど。
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そのToys売り場には、
最新の売れ筋製品がズラリ
「NEW」のスポッターが一斉に並んだ。
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9月の終わりの時期に、
これだけアピールすると、
サンクスギビングデー後のブラックフライデーや、
クリスマス商戦で、マーケットをリードすることができる。

またまた「売らんかな」むき出し。

そして、ハロウィン売り場。
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オレンジ一色。
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ウォルマートは他のどの企業よりも、
ハロウィンは派手に、大げさに展開する。

車内でも、プレゼンテーション・コンテストを実施する。
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しかし今年は、さらに展開を変えた。
これだ。
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ガーデン売場に続く祭事スペースに、
なんとクリスマスツリー。
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ウォルマートの「売らんかな」改革の第4は、
このプロモーションの「早仕掛け」。
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もちろんそれによって、
クリスマスツリーの隣に、
夏・秋のバカンス用品のバーベキュー調理台が並ぶ、
という違和感は生まれた。
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しかしそれも148ドルの超お買い得。
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ウォルマートの「売り込み」姿勢、
早仕掛けにとどめを刺す。

グリーティング・カード売り場も、
ご覧の充実ぶり。
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店舗出口付近では、
クリアランスセール。
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プラノ店コ・マネジャーのシェイさん。
マーカス店長に代わって、
丁寧に説明してくれたうえ、
店内ツアーもしてくれた。
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心から、感謝。

なりふり構わぬ「売らんかな」の姿勢が見えるが、
ウォルマートの余裕の部分も、
彼女から感じ取った。

やるとなったら、かつての方法も復活させる。
シアーズを徹底的に叩きに走る。
精肉は100%保障を展開する。
そしてクリスマスの早仕掛け。

「米国個人消費振興を支える」
そんな気概すら感じさせてくれたウォルマート。

これこそ、私たちが学ぶことである。
(明日につづきます)

<結城義晴>

2011年09月29日(木曜日)

ダラス地区の定点観測「ウォルマート・プラノ店」のなりふり構わぬ4つの「売り方」イノベーション

Homecoming?
USA Todayの今朝の記事。

オークランド・アスレティックスの松井秀樹。
来年の開幕戦がイチローのシアトル・マリナーズと、
東京ドームで開催される。
松井は里帰りできるのに、
それは大丈夫?

松井の去就がはっきりしないというニュース。
日本の朝日『天声人語』や日経『春秋』が、
イチローの200本安打が途絶えた話題を扱ったのに、
こちらは松井への皮肉。

松井の注目度も大したものだが、
皮肉っぽい切り口こそが、
米国メディアの真骨頂なのかもしれない。

一方、商業販売統計速報。
8月の日本小売販売額、
10兆9480億円。
前年同月比2.6%マイナス。
3カ月ぶりの減少となった。

しかし落ち込みの主因は、
自動車小売販売のマイナス18.8%や、
家電など機械器具小売業のマイナス19.3%。

とはいっても、
車は昨年の買い替え補助制度終了前の駆け込み需要の反動、
家電は地上デジタル放送移行前の駆け込みの反動。

百貨店や総合スーパーなど、
大型小売店は1兆5573億円の売上げで、
これは前年比マイナス1.8%。

日本の小売りはマイナストレンドだが、
アメリカも決してよくはない。

だからイノベーションへのチャレンジが、
様々に展開されている。

昨日は夜遅くダラスのヒルトンホテルに到着して、
今日から実質的な研修。

朝一番で、私の講義。
2時間10分ほど。
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私はいつも、
儲かる作戦や目先のトレンドを語ることはない。

「鳥の目、虫の目、魚の目」を強調しつつ、
データや事実を積み重ねながら、
小売業やチェーンストアの体系を整理する。

「虫の目」とは、現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。

「鳥の目」は、大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

そして、四つ目の目は、

謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」。

そのうえで今回のスローガン、
「着眼大局 着手小局」。

しっかり聞いてくれて、
全員に活力がみなぎっているのがわかった。
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イノベーションを起こす。
それも持続的、継続的、自発的、自律的に。

そのための考え方、モノの見方。
それが身につかねば、
持続的イノベーションとはならない。
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講義には終わりがない。
続きは1日中、バスの中で。

最初に訪れたウォルマート・プラノ店。
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ダラス地区、テキサス州に限らず、
全米の最注目店を定点観測する。

この店でウォルマートの実験が行われる。
この店で成功すれば全米に展開する。
失敗すればすぐに止めて、
次のイノベーションに臨む。

今回、様々な新しい試みが、
プラノ店に出現していた。

私は驚いた。
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ロープライス・エブリデー。
オン・エブリシング。

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ウォルマートのキャッチフレーズ。

インタビューに答えてくれたのは、
コ・マネジャーのシェイさん。

この店にはストアマネジャーのマーカス氏のほかに、
3人のコ・マネジャーがいる。
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インタープリターは五十嵐ゆう子さん。
的確な質問と的確な通訳。

全員がメモをとりながら、
熱心に聴講。
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さてプラノ店イノベーションの第1は、
「アプライアンス・マーケット」の新設。
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このショップは、
以前マクドナルドがはいっていたスペースをあけて、
設けられた。
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白物家電のショップ。

今年5月にプレストン・ロードの店で実験し、
その結果がよろしかったと見えて、
いよいよプラノ店にお目見えした。

10日前のこと。
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商品供給は、主にゼネラルエレクトリック社。
冷蔵庫、洗濯機、洗浄機などなど。

商品陳列は少ないが、
カタログがあって、その品ぞろえは豊富。
しかもコンサルティングセールスのために、
GEから派遣された人員が、
ふたり配置されている。
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家電販売は、シアーズローバックの得意分野だ。
「ケンモア」というブランドを持っている。

いまやシアーズと兄弟会社になってしまったKマートにも、
ケンモアの売り場がある。

そのシアーズ・Kマート連合軍、
大きく客数を落としている。

ウォルマートは、このシアーズから、
白物家電を奪い取る作戦に出た。

パートナーは、LED電球を共同開発したGE。
それがこのショップとなった。
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ウォルマートは家電においても、
専門店のベストバイに負けない売上げを上げてきた。
しかしそれはオーディオビジュアルやパソコンにおける売上げだった。
洗濯機、冷蔵庫、洗浄機といった白物家電は扱わなかった。

シアーズがあまりに強かったからだ。

しかしなりふり構わず、
弱りつつあるシアーズを叩きに出た。

私はそう感じた。
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しかしただ白物家電を並べて売るだけではない。
三つの販売政策を加えた。

第1がリース・トゥ・オン。

家電は価格が高い。
だから自家用車と同じ売り方を導入した。
まずリースしてもらって、
それを最後に買い取る方式。

第2は、レイ・アウェイ。
頭金だけ入れてもらって、
支払いの先払いをする方式。
1930年代に採用していたやり方だそうだが、
クレジット・カードが激減した今のアメリカのクリスマス商戦に向けて、
レイ・アウェイは、有効な購買動機となる。

第3は、オンライン特売との連動。
「ピック・アップ・トゥ・デー」と呼ぶ。
オンラインで販売する場合、
何%か安く価格設定する。
顧客は、オンラインで申し込んで、
受け取りだけ指定の店舗でする。
そうすると店舗で購買するよりも、
安くなる。
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この三つの売り方、買い方を提案するために、
コンサルティング・セールスマン、セールスウーマンが配置されている。
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シアーズの売り場には、
そんな仕組みやコンサルティングセールスはない。

真ん中にカタログのカウンターがある。
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何しろウォルマート&GEの最強コンビ。
しかもウィンウィンの関係が構築されている。

白物家電のマーケットシェアが変わることになりそうだ。
ダラス地区で、年末までに30店のウォルマートに、
アプライアンス・マーケットが導入される。

一方、本体の家電売り場は、
テレビなどオーディオビジュアル中心。
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そのそばのコンコース沿いの島陳列にも、
洗濯機が置かれていて、
アプライアンス・マーケットとの関連付けがなされている。
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もちろんその隣の島陳列は、
薄型テレビの目玉商品。
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iPadのコンサルティング売り場も、
急きょ設けられて、
万全の態勢。
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プラノ店の第二の大変化は、
島陳列の販促が全面復活したこと。
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これをウォルマートでは、
「アクション・アレー」と呼ぶ。
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かつてはウォルマートの象徴のように見られたアクション・アレー。
2005年のこのプラノ店から影を潜め、
それがプロジェクト・インパクトの大改革につながった。

失敗だったという総括がもっぱらだが、
私は「一つのステップ」だったと思う。

小売業経営はいつも、
アコーディオンのように、
開いたり閉じたりする。

プロジェクト・インパクトで、
ぜい肉を落とした。

ちょっと落としすぎたかもしれないが、
以前のままよりもずっと良くなった。
なりふり構わずのウォルマート。

それはかつての姿をほうふつとさせるところもあるが、
しかし、振子は、戻ってきたものの、
元の位置と同じではない。

それが2011年9月末のウォルマートである。

全員で集合写真。
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このチーム、大きな成果をあげそうだ。
(つつきます、あと二つのイノベーションがあります)

<結城義晴>

2011年09月28日(水曜日)

羽田⇒関空⇒サンフランシスコ⇒デンバー⇒ダラス・フォートワースと乗り継いで、27時間でヒルトン到着

やっとテキサス州ダラスのホテルに落ち着いた。
ヒルトン・ダラス・リンカーンセンター。

ヒルトンホテルといえば、
いま、立教大学大学院の結城ゼミで話題になっている本が、
『脱「コモディティ化」の競争戦略』
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リチャード A ダベニー著、中央経済社刊。
ダベニーは「Thinkers 50」や「もっとも影響力のある戦略理論家7人」に選ばれた。
前者は「世界でもっとも優れたビジネスに関する思索家50人」。

今回は、30以上の業界を詳しく検証。
アップルやザラ、ハーレー・ダビッドソンなどの豊富な事例を検証。
その中にこのヒルトンホテルがある。

原題は”Beating the Commodity Trap”

コモディティは罠(トラップ)だ。
終わりのない差別化競争や値下げ競争に、
終止符を打て

それがこの書の趣旨。
ゼネラル・エレクトリックのジェフ・イメルトは言った。
「コモディティ・ヘル(地獄)」。
ダベニーは言う。
「コモディティ・トラップ(コモディティ化の罠)」。
それらを打ち破るためのフレームワークと経営戦略。

私は、コモディティ化現象は、
消費者のためには悪いことではないし、
それを徹底的に活用したウォルマートやコストコ、
そしてアルディのビジネスの有益性も大いに認めるものだ。

しかしこのダベニーのフレームワークも有効だと思う。
まさにフレームワークをこそ考察し、
経営戦略の見直しを図らねばならない。

ガンバリズムやアイデアで、
コモディティ・ヘルやコモディティ・トラップを、
終焉させることはできない。
ヒルトンホテルはそのカギを握るものの一つだ。

新刊本のネタがもう一つ。
それは私の本。
今回は東洋経済新報社刊。
『1秒でわかる!小売業界ハンドブック』。
その見本が、今日、会社に届いた。

業界構造から最新動向までを網羅した、
いわゆる業界解説本。
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すでに電子版はネット上で公開されているが、
やっと本が出来上がってきた。

著者は正確に言えば、
結城義晴編著・商業経営問題研究会著。

商業経営問題研究会(通称RMLC)メンバーからは、
和田光誉さん、川端順大さん、
そして月刊MD編集長の宮崎文隆さん、
編集者としてもサポートしてくれた二宮護さんが加わり、
5人で各章を担当執筆した。
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私は第1章を担当し、
他の章にも手を入れさせていただいた。

書店店頭に並ぶのは、1週間ほど先になるだろうが、
機会があれば、是非、手にとってみてほしい。

さて、ヒルトンの私。
横浜の家を出たのが昨日の朝9時だから、
ドア・トゥ・ドアで27時間の長旅だったことになる。

10時45分、羽田発の全日空で飛び立ってから、
関西国際空港へ。
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今回は㈱平和堂の第2回アメリカ研修会。
総勢51名。

関空で結団式を行い、
17時に出発して、
10時間ほどで、
サンフランシスコ国際空港へ。
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空港だけ見ていると、
不況感はない。

ここには商人舎スペシャルメンバーの浅野秀二さんが住む。
サンフランシスコという街に恋をした「ジョージ君」。
ブログ小説『ジョージ君、アメリカに行く』が絶好調。
「第8話 ホームステイへ」も面白い。

そのサンフランで乗り換えて、2時間半。
コロラド州デンバーへ。
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ユナイテッド858便。
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ここにはウォルマート環境対策店舗第2号店がある。
通称「オーロラ店」。
2005年11月、
当時のCEOリー・スコットは『環境コミットメント宣言』を発して、
「エクスペリメンタルストア」をオープンさせた。

これらの店は、
1991年にオクラホマで実験したエコストアの進化版だった。

デンバー国際空港も全米1、2を争う巨大空港。
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空港自体も巨大だが、
敷地はもっと広大。
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そのデンバーで乗り換えて、ダラスへ向かう。
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乗り換えるたびに機体が小さくなっていく。
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大動脈から動脈へ、
そして毛細血管へ。
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平原を超え、
雲を乗り越え。

孫悟空になった気分。
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そんなことを実感しながら、
ダラス・フォートワース空港に到着。
もう夜景となっていた。
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五十嵐ゆう子さんが、
笑顔で迎えてくれた。

このダラスには、
ウォルマートの環境対策店舗第1号店がある。
こちらは「マッキーニ店」。
酷暑地対策のエコストアだった。

ウォルマートはまず、
暑さ対策と寒さ対策のエコストアを実験した。
デモンストレーションやスタンドプレーではないことが、
この事実でよくわかる。

もちろんウォルマートだけではない。
サンアントニオ、オースティンにドミナントを築くHEBも、
とうとうダラスに本命フォーマットで出てきた。

学び甲斐がある。
トランクを取り出して、
バスに乗り込む。
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空の上のジェット機から、
地上を走るバスに乗り換えるだけで、
安心感が出てくる。

団員にも笑顔が戻った。
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みな30時間以上も活動している。
太平洋を越える機内で眠れなかった者もいる。

私はバスの中で言った。
「今晩ぐっすり眠れば、
明日の朝はすっきり。
活力が甦ってくる。
いま、みなさんのシゴトは、
ゆっくり休むことです」

いよいよ、始まった。

今回も楽しみなことばかり。
「コモディティ・トラップ」を学ぶことも、
目的のひとつ。

ご期待ください。

<結城義晴>

2011年09月27日(火曜日)

「腹を立てたら自分が損よ」(樋口久子)と念じつつ、関空から「ペリーノミクス」で沸き立つテキサスへ

いま、私は、関西国際空港にいる。
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今朝、羽田のANAに乗り込んで、
この関空へ。

周りは早口の中国人ばかり。
そのエネルギッシュな生活力には、
私たちが忘れてしまったものがある。
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私は、夕方のユナイテッド航空886便で、
サンフランシスコ経由ダラスへ。

今回の渡米は1週間。
テキサスと北カリフォルニアを巡る。

ちょうど今日の日経新聞『地球回覧』にテキサス州の記事
タイトルは、「『ペリーノミクス』は奇跡か」
ワシントン特派員の矢沢俊樹さんがレポートしている。

「ペリーノミクス」とはテキサス州知事リック・ペリーの政策を言う。
ペリーは共和党大統領選筆頭候補。

「州税である固定資産税の大幅な緩和や、
法人課税軽減を軸に企業誘致を進める」施策。

ペリー陣営は、これによって、
「雇用の原動力になったと実績を誇示」

テキサス州は今夏、
「1930年以来という史上最悪の干ばつに見舞われた」。
そして「綿花栽培は壊滅的打撃を受けた」

この綿花の国内シェアは4分の1にもなる。

「3日間、雨乞いの祈りをささげよう」。
ペリーは8月下旬、州民に呼びかけるほどだった。

しかしテキサス経済には「底力」がある。
「豊富な原油などエネルギー分野や医療・保健、コンピューターなど、
産業構造が分散しつつ、ダメージを補い合う」

ダラス連邦準備銀行は、テキサス州を中心に、
ルイジアナ州北部、ニューメキシコ州南部を含む第11地区を管轄するが、
その試算はテキサス州の力を如実に表す。

「2009年夏以降の全米の新規雇用者のおよそ4割近くを、
同州だけで占めた」

さらに「州別の00年から11年までの非農業者雇用の伸びは、
10%超と断トツ」

「州経済の伸びも3%台」
これは全米平均の1%台の3倍にもなる。

記事では死角の多さも指摘している。
「人口増大で学校や道路などの社会インフラ整備が遅れ、
不法移民や医療保険の未加入率の高さなど、
行政の不安は山積する」

「ペリーノミクス」にかかわるメディアの論争。

全米第2位の鉄道会社BNSFのマシュー・ローズCEOのコメント。
「この10~15年間、
規制緩和や税負担軽減に集中して取り組んだ成果が確実に出ている」。
「BNSFの路線が走る26州の中で最もビジネスに好適な州だ」。

ビジネスに好適な州は人口が増加する。
そして新しい小売業やサービス業が次々に参入する。

新しいフォーマットの実験も、
ここで行われる。

だから私たちはテキサスを目指す。

矢沢特派員は最後に語る。
「天然資源や人口移入、立地などの優位性に恵まれていても、
それらを調和させる政治の意志がなければ
ビジネス界の支持は得られない」

「適切な政策を欠けば
経済の潜在力も死蔵される」

政経一致こそ、
混迷の日米社会に共通する打開策なのだ。

呼応するように日経新聞のコラム『大機小機』

タイトルは「『米国の日本化』の背景」

コラムニストの希氏が語る。
「米国経済は『日本化』の様相がはっきりしてきた」

日本化とは、
失業率は下がらず、
ゼロ金利政策が続き、
潜在成長率が低下する現象。

リーマン・ショック後、3年を経過して、
日本化はますます顕著になってきた。
日本の「失われた10年」の原因は二つ。

バランスシート調整(=企業の過剰債務、銀行の不良債権問題)とデフレ。

コラムニストは、問題点を絞る。
「『失われた10年』をもたらした要因として、
いずれがより重要であったか」

日本では、「バランスシート問題」がより重視された。
一方、アメリカは「デフレ主因説」を選んだ。

しかしこれが、住宅バブルの崩壊、
2007年のサブプライムローン問題、
翌年のリーマン破綻を促す。

要は、「素早く大胆な金融緩和」に踏み切った米国だが、
「バブル崩壊の衝撃を阻止することはできなかった」。

さらに「デフレ懸念」を理由として、
追加的な量的緩和を実行する。

「量的緩和で流れ込んだマネーが国際商品相場を押し上げ、
米国のデフレ懸念は遠のいたが、
「新興国が金融引き締めで対抗した結果、
株価は一時的な上昇にとどまり、
明確な景気回復にはつながらなかった」

デフレ防止だけでは「日本化」を防ぐことはできない。
それがこのコラムの趣旨。

20世紀的な一方的政策では、
難局を切り抜けられない。

難しいけれど、
両方ともに実現させねばならない。

バブル崩壊の後遺症はいまだに残っている。

そんなアメリカに、
私たちは向かう。

楽しみでもあり、
親近感もあり。

途上国では『成長の経済』という要因が働き、
先進国では『衰退の経済』というべき要因が働く。

これが現在の世界のトレンド。

最後にこれも日経新聞で恐縮だが、
スポートピア』の樋口久子さんのコメント。

日本女子オープンをいきなり4連覇し、
全米女子プロでも優勝という金字塔を打ち立てた。

「私は昔から親に常々『腹を立てたら自分が損よ』と言われていたが、
ゴルフを通じてかなり忍耐強くなったと思っている」

これは現在の日本にもアメリカにも言えることだ。

そしてあなたにも私にも。

「腹を立てたら自分が損よ」

では、行ってきます。

<結城義晴>

2011年09月26日(月曜日)

「重厚長大の経団連」に対して「軽薄短小の生団連」設立に向けて、思うこと

Everybody! Good Monday!
[vol39]

2011年第39週、
9月最終の第5週。
週末の土曜日から10月に入る。

9月の商人舎標語は、
「疾走せよ、疾駆せよ」

はたして私は、
「疾走、疾駆」できただろうか。

そしてあなたは、
「疾走、疾駆」できただろうか。

「疾走、疾駆」という言葉を使う時、
いつも思い出すのが、
故人ではあるが渥美俊一先生。

そして渥美の盟友・中内功ダイエー創業者。

昭和63年(1988年)3月1日発刊のロングセラー。
『商業経営の精神と技術』は、
㈱商業界創立40周年を記念して、
渥美俊一語り下ろしで発刊された本だが、
(ゴーストライター結城義晴初の書き下ろし本だった)
その「あとがき」の最後に渥美は書いている。

「素晴らしい仲間はいっぱいいる。
ちょっと先を疾駆している同志も決して少数ではない」

ここで「疾駆」という言葉が使われるが、
その「ちょっと先を疾駆している同志」の先頭に、
中内功がいたことは間違いない。

その後、「あとがき」はこう結ばれる。
「一緒に、走り出そう。
懸命に攀じ登ってゆこう。
私たちは志の高い商人を、
精一杯応援すべく、
年中無休で研究し、
その成果の普及に努力の限りを尽くしている。
まず名乗りを上げ給え」

私も、商人舎も、
この宣言と志を同じくするものだ。
「年中無休」の志は、
[毎日更新宣言]に受け継がれている。

そんな思いを込めて、
「疾走せよ、疾駆せよ」

その9月の疾走、疾駆は、
10月に引き継がれることとなる。

その節目が、
9月から10月にバトンタッチされる今週だ。

私は、明日9月27日から10月3日まで、
テキサス州と北カリフォルニア州を巡る。
怒涛の10月がはじまる。

さて、仮称「国民生活産業消費者団体連合会」
設立への動きが急ピッチで進んでいる。
流通業界の大同団結を目指す「新経済団体」。

「日本経済団体連合会」を略して、
「経団連」という。
対して、「国民生活産業消費者団体連合会」は、
「生団連」と呼ぼう。
いい名称です。

命名は、この「生団連」の旗振り役・清水信次さん。
日本チェーンストア協会会長にして、
日本スーパーマーケット協会名誉会長、
社団法人新日本スーパーマーケット協会名誉会長などなど…、
そして㈱ライフコーポレーション会長。

1946年8月、まず「経済団体連合会(経団連)」が誕生。
自由主義経済の維持・活性化を通じて、
日本経済の再建・復興を図ることを目的としていた。

一方、1948年4月、
「日本経営者団体連盟(日経連)」が発足。
こちらは「経営者よ 正しく強かれ」をスローガンに、
適正な労使関係の確立を目的とした。

しかし日本経済が飛躍的な発展を遂げると同時に、
経済問題と労働問題は密接不可分の課題となってきた。
そこで、2002年5月28日、
経団連と日経連が統合。
新たな総合経済団体として「日本経済団体連合会」が発足。

この経団連は、会員数1603社・団体等。
わが国を代表する企業1281社、
製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体127団体、
地方別経済団体47団体などから構成。

なお、日本には「経済三団体」があって、
1928年4月10日成立した「日本商工会議所」が一番古く、
次が、1946年4月30日設立の公益社団法人経済同友会」。
三番目が「経団連」で、それが「日経連」と合併して、
日本を代表する経済団体となった。

この経団連に対して、生団連は、
小売流通業の業界団体が大結集し、
消費財メーカーの団体や企業などと連携。
消費者の視点に立った政策を提言する。

日本小売業協会、
日本チェーンストア協会、
日本百貨店協会、
日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
日本フランチャイズチェーン協会などなど、
数多くの小売業の協会・団体が加盟し、
さらに消費財製造業、消費財卸売業のほか、
主婦連合会など消費者団体にも参加を呼びかけている。

ちょっと古い言い回しだが、
経団連が「重厚長大」ならば、
生団連は「軽薄短小」である。

今朝の日経MJのコラム『底流を読む』で、
編集委員の田中陽さんが、
「どちらを向くのか流通新団体」と題して書いている。

9月30日に、「世話人会を開き、
12月2日に設立総会の開催を予定している」

設立趣意書。

「経団連や商工会議所をはじめとして、
業種業態に対応した団体は多数存在するが、
残念ながら1億2600万人の生活、生命を守るための組織団体は
いまだに存在していない」

四国・徳島のキョーエイに、
故倉本長治が贈った言葉が思い出される。
「市民生活を守る砦たれ」

「政府、行政の政策運営に対し、
一致団結して我々の考えを、
十二分に反映させるだけの発言力、意見具申提案、
そして実行力が必要であります」
趣意書はこう宣言する。

田中さんは、この団体の課題を分析する。
第1に「大手資本中心の組織もあれば、
商店街組織や中小スーパーを束ねる団体もある。
利害関係は複雑だ」

第2に、「国に強いメッセージを届ける有力なコンテンツ」が乏しい。

そこで田中さんの提案。
「ならば発想を逆にして、
消費者へ情報発信すればどうだろう」
「新団体が有益な情報を消費者に提供する」

それももちろん、貴重なことだと思う。

しかし、偉そうなことを言うようだが、
私は、思う。

大企業から中小・零細企業、
そして消費者までの大同団結こそ、
「生団連の意義」である。

経団連が、「重厚長大」の大企業中心だとすれば、
生団連は、「軽薄短小」の超特大企業から中小企業まで。

これこそ21世紀的な「存在価値」を意味する。

商業・サービス業は、
大動脈・大静脈もあれば、毛細血管もある。
自然界の森のように、大木と雑草が共生する。

その人体や大自然の森のような産業を代表する団体。
これこそ経団連の存在を認めつつ、
対極の軸を形成する「生団連」の役割だと思う。

そのためには「オクシモロン」の考え方が必須となる。

もちろん初めから政府、行政に、
物申したり、具申提案したりは、難しい。

ここで二人の賢者の見解。
一人は中部大学教授の武田邦彦先生。
「衰退していく業界の特徴」

第1は、業界が団結していない状態。

第2は、業界が、
正しいことをしていると思い込んでいる状態。

第3は、「多様化しない業界は潰れる」

そして第4が、業界や企業が、
「先手を打って社会に出ていかない状態」。

「生団連」は、多様な企業や団体が団結をし、
先手を打って社会に出ていこうとするものだ。

「正しいことをしていると思い込んでいる」としたら、
ここがちょっと危険というか、大集合に黄色ランプがともる。

本当に難しいことだけれど、
「売り手良し、買い手良し、世間良し」を、
暗中模索、試行錯誤、行きつ戻りつで、
議論し、調整し、妥協し、協力して、
導き出さねばならない。

その方法は、もう一人のピーター・ドラッカー先生。
「第1に、理想を求め、
第2に、手持ちの道具で、
第3に、ケースバイケース。
第4位、一歩一歩」

「生団連」の疾走、疾駆に期待しよう。

ではみなさん、
今週も。

Good Monday!

<結城義晴>

2011年09月25日(日曜日)

ジジと秋[2011日曜版vol39]

ジジです。
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秋の空。
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雲のいきおいが、
なくなってきました。
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ユウキヨシハルのおとうさん、
まいにち、はしりまわっています。
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rikkyo大学。
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きのうから、
後期の授業開始。

結城ゼミがはじまった。

校舎は改造中。
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ふるい校舎が、
ふるさをのこして、
あたらしくなります。
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おくの高いたてものはマキムホール。
おとうさんの研究室があります。
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大学院の講義や結城ゼミに、
おとうさんは力をいれています。
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プロフェッサーというシゴトに、
やりがいをかんじているみたいです。
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きのうは、
ゼミのあと、
銀座の鳥善。
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秋を実感させてくれます。
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夏には夏をたのしみ、
秋には秋をあじわう。
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鳥善は、
トリづくしのお店。
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おいしかった。
とりわけ水炊きが、
よかった。

うらやましい。
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それから焼き物。

十四代中里太郎衛門。
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これも十四代柿右衛門。
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秋をかんじさせるもの、
いろいろ。
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今週からおとうさん、
アメリカです。

アメリカでも秋を、
かんじるのでしょうか。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2011年09月24日(土曜日)

東北新幹線の完全復旧と光より速いニュートリノ、そして家電量販店の出店戦略

昨日の秋分の日、9月23日。
東北新幹線全線が、
震災前の通常ダイヤを回復。

うれしいニュース。

やっとというか、
現場の頑張りで、復旧作業が完了。
これまでの一部区間の徐行運転が解消された。

しかし、東北新幹線の完全復旧の半面、
東北のローカル線は不通が続く。

沿岸部の鉄道、
JR東日本の在来線7路線、
第三セクター・三陸鉄道の2路線。

このうちJR東日本で不通なのは、
岩手、宮城、福島3県の約329キロ。
八戸、山田、大船渡、気仙沼、石巻、仙石、常磐の7路線。

例えば八戸線の種市蚊⇔久慈間は、
既存ルートで2012年度初めの再開を目指す。

しかし他の6路線は自治体の復興計画が定まらず、
復旧を進められない。

原因は、地域自治体や住民のコンセンサスと費用。
粘り強い話し合いと、
地方自治体のリーダーシップが望まれる。

一方、すごいニュース。
子供のころから、
「光より早いものはない」と教えられてきた。

しかし、「素粒子ニュートリノは光より速い」
名古屋大学などの国際実験チームが、
あの「アインシュタインの相対性理論」を、
引っ繰り返す実験測定結果を発表。
「ニュートリノの速度は光より10万分の2速い」との結果。

日経新聞の記事で、名古屋大の小松雅宏准教授が語る。
「衝撃的な結果だが、実験チームとしては、
データの検証を尽くした上での数値だ」

「どういう解釈が可能なのか、
理論研究者への問題提起となるだろう」

こういったサイエンスでも、
社会科学でも、
実験や実務があって、
そのあとで理論研究者が、
理屈付けをする。

どちらも極めて大事で、
それが全体としての進化をもたらす。

それにしても、アインシュタインを覆す発見。
すごい時代に、私たちは生きている。

さて日経新聞の一面から続く「家電量販店」の記事。
それは「駅前VS郊外の出店戦略の分岐」

「駅前型」立地ののヨドバシカメラやビックカメラ
いわばカメラ出身小売業。
こちらは出店余地が限定的だ。
しかし坪当たり売上高は高い。
コスト削減を図れば、
それだけ利益が増えていく。

ただし、こちらのグループは出店の見直しに懸命。
ヨドバシカメラは来春の新卒採用を4割減らし、出店も抑制。
ビックカメラは今年213人だった新卒採用を「大幅に絞る」(宮嶋宏幸社長)。
一方、「郊外型」のヤマダ電機やケーズホールディングス
電器屋出身小売業。
こちらは積極出店で収益の穴埋めを狙う。

記事によると、ヤマダ電機は、
「2012年3月期、過去最高の130~150店の新規出店を計画。
ケーズも最高水準の約40店を出す」

エディオンも戦略は同様。
「出店の拡大に対応する」ために来春の採用者数を5割程度増加。

マーケットはシュリンクし続ける。
エコポイントや震災特需、
地上デジタル放送への移行といったフォローウィンドが消え、
サバイバル競争は激烈になるばかり。

2010年度の家電小売り市場は約9兆5000億円だった。
ヨドバシの藤沢昭和社長は「今年度は15%程度縮む可能性もある」。

さらに今年8~9月は、前年同期比3割前後減少。
10~11月は家電エコポイント特需があった昨年の反動で、
「半減する可能性がある」

フォローウィンドは、必ず、止んでしまう。
いつまでも続くわけではない。
店舗飽和状態もやってくる。
そして消耗戦に陥る。

工業型製品は、
瞬く間にコモディティ化する。

これも企業の淘汰を早める。

「都心型VS郊外型」の出店戦略は、
どちらが優れていると優劣を競うものではない。

どちらで一番になるか。
この一点にかかっている。

厳しい競争時代を迎える時、
フォローウィンドに慣れ切ってしまった企業が、
真っ先に脱落していく。

みなさん、三連休、
頑張って、良い週末にしてください。

<結城義晴>

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