結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年10月19日(水曜日)

青森・丸大サクラヰ薬局のハッピー共栄会でドラッカーを語る

昨日から青森。

朝、羽田から青森へ。
20111019231414.jpg

飛行機の窓から見た景色も、
白雲と紅葉が美しかった。
20111019231403.jpg

到着した青森空港は寒かった。
20111019231426.jpg

1871年、明治にすると4年、
廃藩置県の詔が発せられた。

現在の青森県には、5つの藩があった。
弘前藩、黒石藩、斗南藩、七戸藩、八戸藩。
さらに北海道渡島半島の館藩が加わって、
弘前県が成立。
それがやがて青森県となる。

つまりは青森県は5つの地域に分かれていたことになる。

私は日本のスーパーマーケットやドラッグストアのローカルチェーンはまず、
この旧藩の単位から始まっていると考えている。

全国的にみると、初めは、
3府302県あったという。
つまり300くらいの藩が単位だった。

これは現在の小選挙区制の300単位と、
シンクロしている。

小売業の最小商勢圏が、藩単位で形成され、

それが少しずつ統合していったと考えると、
日本のスーパーマーケット企業やドラッグストア企業が、
ローカルチェーンのオーバーカンパニー状態を示していることの説明がつく。

藩の単位ごとに生活習慣が異なり、
さらにその地域での人々の絆も、
強く深いものがあったからだ。

さて、昨日は、
㈱丸大サクラヰ薬局のハッピー共栄会で講演。
20111020112416.jpg
丸大サクラヰ薬局は、
その青森県にドミナントを敷いて出店しているドラッグストア・チェーン。
ハッピー共栄会はその取引先の集まり。
そこでの講演。
今回で第6回目となる。

日曜日にフランス・パリから帰って、
まだ時差が残る。

夕方、ひどく睡魔に襲われるが、
夜中には目が冴える。

講演していても、
最初は自分の関心事に頭が集中する。
しばらく話していると、
本日のテーマに入っていくことができる。

代表取締役社長の櫻井清さんは、
今年、ジャパン・ドラッグストアショーの実行委員長として活躍。
20111020112446.jpg
<㈱丸大サクラヰ幹部の皆さんと写真。私の左が櫻井清社長>

3月11日の東日本大震災の勃発の瞬間、
千葉県の幕張メッセを借り切って、
ドラッグストアショーの初日が開催されていた。

このショーを仕切ったのが、櫻井さん。
私のひとつ上の昭和26年生まれの、
薬剤師資格を持つ経営者。

だから同年配の志を同じくする者として、
尊敬しつつ、仕事ぶりを拝見してきた。

丸大サクラヰ薬局の創業は昭和47年10月。
平成22年9月期の売上高145億円、
23年は168億円。

オーナーシップ経営のローカル・ドラッグストアチェーンとして、
増収増益を堅持。

日本の地方企業のモデルのひとつ。

「ハッピー・ドラッグ」「ハッピー調剤」のバナーで、
地域密着の店舗展開。

私の講演は、
日本の小売業態のなかで、
ドラッグストアの位置づけをし、
今後の方向性を明らかにし、
そのうえでドラッグストアは、
「知識商人」によってしか成り立たないことを示した。

「基本的な経済資源、すなわち生産手段は、
もはや資本でも、天然資源でも、労働でもない。
それは、知識である」

「知識の、生産的使用への配賦の方法を知っているのは、
知識経営者であり、知識専門家であり、知識従業員である」

ドラッカーはナレッジ・ワーカーと呼ぶが、
私はこれをナレッジ・マーチャントと名付けた。

「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

つまり仕事の専門家。
薬剤師をはじめとして、
ドラッグストアに勤める人々は、
まさにこの知識商人。

「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。
しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」

知識商人は、知識と知恵を駆使する。
教養は必要ない。
品性は不可欠だが。
「商売のこと、
商品のこと、
お客様のこと、
地域のこと。
これらを誰よりもよく知る専門家」

それが、知識社会の「知識商人」である、

このナレッジ・マーチャントを実現させるのが、
ドラッカー理論である。

今回の講演は、そのことを訴えたものとなった。
20111020112431.jpg
そのうえで、
ドラッカー理論を、
できる限り分かりやすく解説し、
提案した。

いかがだったろうか。

最近の講演は、
どうしてもドラッカーの言葉や考え方が増えてくる。
それとアメリカやヨーロッパの現状の解読。

これが私の講演の特徴。
これが私のやり方。

ドラッカー先生の言い方ならば、
これが「自分の強み」。

自らの強みを知れ。
自らの強みを伸ばせ。
一流になれることに集中せよ

今日の最後はドラッカーの〈イノベーションの原理〉。

第一は、機会を徹底して分析する。

第二は、自分の目と耳で確認する。

第三は、焦点を絞り、単純なものにする。

第四は、小さくスタートする。

第五は、最初からトップの座をねらう。

ドラッカー先生のありがたさをつくづく感じた講演だった。
ドラッカー先生に心から感謝。

<結城義晴>

 

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.