ダラスは寒い。
驚くべきこと。
今年の夏は、干ばつで、
リック・ペリー知事が、
州民にこういったほどだった。
「3日間、雨乞いをしましょう」
それがハロウィンの前だというのに、この寒さ。
環境異変が起こっているのか。
それでも元気に視察を進める。
成田を発ったのが、金曜日の午後2時。
アメリカン航空の成田・ダラス便は、2時間も遅れた。
それでも安全な方がいい。
文句を言う者はいない。
ダラス・フォートワース空港で、
浅野秀二先生と落ち合って、
すぐにHEBセントラルマーケットへ。
テキサス州サンアントニオに本社を置くHEBは、
ローカル・スーパーマーケットチェーンにして、
テキサス州最大の非上場企業。
つまりインディペンデント・カンパニー。
これが大事なところ。
2011年全米チェーンストア・ランキング27位。
スーパーマーケット企業では全米6位。
2011年度の売上160億9100万ドル、
100円換算で1兆6091億円。
前年比13.9%と絶好調だ。
HEBは3つの戦略フォーマットを展開する。
①EDLPの主力フォーマットであるフード&ドラッグ、
②非食品をプラスしたコンボ型のHEBプラス、
そして、③アップスケール・タイプの大商圏型セントラル・マーケット。
セントラル・マーケットは、
ワンウェイコントロール方式を採用している。。
お客をまんべんなく回遊させる売り場には、
フレッシュな生鮮、
豊富なプリペアード・フード&デリ、
世界中から集められたチーズとワイン・リカー、
スペシャルティなグロサリー商品などが、
これでもかと並ぶ。
屋内外に、カフェスペースが設けられており、
週末には地元演奏家のライブミュージックなども行われる。
われわれも着いてすぐに、屋外カフェで昼食。
それから屋外インタビュー。
実に丁寧に答えてくれた。
この店は8番目のアップスケール店舗。
店舗面積6万平方フィート(約1700坪)。
来年には3万平方フィートの実験店を出すそうだ。
そのあと店内ツアー。
部門ごと、カテゴリーごとに、
整理された解説を受けた。
試食のお奨めも受けた。
昼食後だったが、断らずに全部いただいた。
そして写真。
全員写真も。
疲れは見えないほど、気力充実。
次に向かったのが、HEBフード&ドラッグ。
オースティン、サンアントニオで5割を超えるシェアを持つHEB。
アップスケールタイプのセントラルマーケットを、
ダラスに出していたが、いよいよ本命フォーマットを出店させた。
ウォルマートの牙城にして、
クローガーのドミナントエリア。
ここに撃って出るHEB。
今度は攻める側に回った。
その橋頭堡がこの店。
大繁盛。
まず生鮮がいい。
バナナの売り方も丁寧。
すぐに食べられるバナナと、
少しおいて熟させるバナナ。
それをきちんと教えている。
SUSHIYAのコーナー。
フィッシュマーケットとミートマーケット。
奥主通路。
そして今やウォルマート以上のパワーを持つ
アイランド販促。
ファーマシーも地域からの信頼が厚い。
エブリデーロープライスを展開しながら、
クーポンを積極的に活用。
これがウォルマートにない販促。
インストアクーポン。
そして地域コミュニティとの密着。
1カ月間のコミュニティ内のスケジュールを張り出している。
今日の視察は、HEBの日。
ローカルチェーンの日。
HEBの橋頭保店舗が成功しているのを確認して、
私はうれしかった。
アメリカでも、
ローカルチェーンが隆々としている。
それをこの目で見て、この耳で聞いて、
自ら体験できたからだ。
(続きます)
<結城義晴>