日経新聞に早くも、
ファストフード3社のクリスマス対策の記事。
「家族客」を意識した新商品が共通の特徴。
昨日の七五三から11月23日の勤労感謝の日、
そして12月に入って、クリスマス、年末商戦まで、
「ファミリー客」が大きなトレンドとなる。
当然ながら東日本大震災後の人々のマインドが、
特に「家」「ホーム」に向くようになった。
しかし大震災があったから、
人々の目が「ホーム」に向いているというわけではない。
欧米でも、21世紀の小売業・サービス業の最大のコンセプトは、
「home ホーム」に向かっている。
アメリカでは食品マーケティング協会(FMI)が、1996年に、
「ホーム・ミール・リプレースメント」のコンセプトを出した。
「ミール・ソリューション」とも言った。
さて日本の2011年末クリスマスのファストフード。
日本ケンタッキー・フライド・チキンは、
「プレミアム ディナーセレクト」(3300円)を全店販売。
「五穀味鶏 ローストレッグ」の2ピースと石窯パン、レバーペーストのセット。
「家族客向けのちょっと高額商品」
予約受け付けも始めた。
12月23~25日に店舗で引き渡す。
日本マクドナルドは「シャカシャカポテト」を復活販売。
これはバーベキュー味の粉末を振りかけて食べるポテト。
モスフードは菓子パンの新セットを12月16日に発売。
これはモスバーガーのキャラクター「モッさん」をあしらった商品。
日経の記事は3社を取り上げたが、
マックとモスはこじつけ記事の感がなくもない。
ケンタッキー・フライドチキンの「プレミアム ディナーセレクト」は、
「ホーム」コンセプトを強く出していると思う。
日経MJに面白い人事の記事。
「アークス、本社機能強化狙う」というタイトル。
業務改革室と社長室を新設する。
業務改革室長に三菱商事から峰松繁さん、
社長室長に三井物産から花牟礼真一さん。
この花牟礼さんは、コーネル・ジャパン「奇跡の第2期生」。
小売業やスーパーマーケットをしっかり勉強した商社マン。
ふたりとも出向の身分で期限は未定だそうだが、
㈱アークス横山清会長、ユニバースと統合したうえで、
ホールディングカンパニーの本部機能を充実させるために、
「商事と物産」の人間に競わせる作戦に出た。
小売流通業界に総合商社が暗然たる力を発揮している。
しかし小売り側からも商社マンを体内に取り込んで、
その能力を活用するという動きが出ている。
私は、とてもいいことだと考える。
ふたりとも会社の威信をかけて、
仕事に邁進するに違いない。
横山さんの、いい意味での「人たらし」ぶりがよく出た人事。
見事だなぁ。
花牟礼さん、峰松さん、
頑張ってください。
どちらも陰ながら、
応援しましょう。
さて昨日の七五三の日、
東京・帝国ホテル孔雀の間で、夕方5時半から、
「ライフコーポレーション
創業50周年感謝の夕べ」。
1300人もの業界関係者が参集し、
盛大な会合となった。
1956年(昭和31年)10月に、
清水商店の食品問屋業から貿易部門が分離独立、
「清水實業㈱」が設立された。
これが㈱ライフコーポレーションの母体となった。
それから50年。
ライフコーポレーションの2011年2月期は、
215店年商4865億円。
50周年の2012年2月期は、
224店年商5013億円。
5000億円の大台を計画し、達成は確実。
もちろん日本のスーパーマーケット業界第1位。
会場となった帝国ホテル孔雀の間には、
懇意の小売業トップ、たくさんのお取引先関係者が参集。
私もお祝いに参上して、
金屏風の前の清水信次会長に続いて、
岩崎高治社長と固い握手。
会が始まって、冒頭に、
「50年の歩み」の映像が会場に流された。
1961年11月、大阪・豊中に、
スーパーマーケット第1号店を出店。
関西を基盤に出店を続け、
1971年には東京に進出。
1990年代には怒涛の出店をやり遂げ、
1998年、3000億円を突破。
この時点で、日本一のスーパーマーケット企業となる。
清水信次社長(当時)がイギリスを視察した際、
三菱商事の子会社プリンセス社長だった岩崎高治さんと、
運命的な出会い。
会場の前のVIP席では、
㈱セブン&アイ・ホールディングス伊藤雅俊名誉会長と、
イオン㈱岡田卓也名誉会長相談役も映像に見入った。
2006年、岩崎高治社長が就任し、清水信次さんは会長に。
そしてこの日、創業50周年感謝の夕べ。
はじめに清水会長からごあいさつ。
清水さんにはめずらしく、
「今日お配りする本にすべて言いたいことが書かれています」と、
短めのごあいさつ。
しかし清水さんの言葉の数々には、
戦後の焼け跡から甦った日本社会の次の時代を、
「若い人たちに託す」という強いメッセージが込められていた。
私は、清水さんの思いを受け止めて、
ひとり、感動した。
来賓のあいさつのトップは麻生太郎元総理大臣。
洒脱な挨拶は、一国の総理の重みを脱した一政治家の、
政治家としての能力を表していた。
お取引先を代表し、三菱商事㈱小林健社長。
そして、岩崎高治社長のお礼の言葉。
冒頭で、清水会長夫人のご苦労をねぎらったうえで、
次の10年へ向けての抱負を簡潔に語った。
岩崎社長のあいさつを見守る清水会長の姿が印象深かった。
10年後の400店体制に向けて、
15の改革が12の課題に昇華され、
直実に企業体質が強化されている。
そのビジョンと政策の中身が、
淀みなく、もれなく、的確に語られた。
私は、改めて岩崎さんの能力に舌を巻いた。
乾杯の音頭は、
日清食品ホールディングス㈱
安藤宏基社長・CEO。
清水さんを「本物の国士」と称賛したうえで、
「1兆円のスーパーマーケット」をぶち上げて、
ライフコーポレーションの50周年を祝福。
国士とは「国家のために身命を投げ打って尽くす人物」。
清水さんは「国士商人」なのである。
そして「乾杯」。
乾杯のあとは、
会場を埋め尽くした人たちが一斉に移動して、
あいさつと懇親の大きな渦が出来上がった。
満員電車のような状態のなかで、岡田名誉会長。
オール日本スーパーマーケット協会・荒井伸也会長。
㈱イトーヨーカ堂の亀井淳社長とイオン㈱岡田元也社長が懇談。
岡田さんは、「左利き♪」。
その亀井さんと懇親。
ブログ・レビューの月刊『商人舎』のご愛読、感謝します。
岡田元也さんと三菱食品㈱特別顧問の廣田正さん。
㈱平和堂の夏原平和社長と三菱食品顧問の後藤雅治さん。
三菱食品の中野勘治会長。
三菱食品は中野さんの号令一下、
幹部総出でこの会を支えた。
㈱エコスの平富郎会長と平邦雄社長もお祝いに駆けつけていた。
㈱ヨークベニマルの大高善興社長と固い握手。
東日本大震災後の店は絶好調だが、
原発問題との苦闘は続く。
右は三菱食品の中嶋隆夫専務。
その中嶋さんには、今週18日金曜日に、
パネルディスカッションでパネラーをお願いしている。
日本チェーンストア協会主催で、
「東日本大震災の課題と教訓」を語り合う。
もちろん私がコーディネーター役を務める。
成功を期して、ここでも固い握手。
㈱大創産業の矢野博丈社長CEO、
内藤雅義専務(左)、
そして三菱商事から大創産業CEOアドバイザーに就任した西田知之さん(右)。
話題はゴルフに移り、
二人並んでシャドースイング。
会場後方で目立たないようにしました。
ライフの皆さん、お許しください。
写真はボケボケで失礼。
花王カスタマーマーケティング㈱の髙橋辰夫社長。
いつもありがとうございます。
㈱伊藤園の本庄大介社長と本庄周介副社長。
先日行われた伊藤園レディースの話で盛り上がった。
㈱テラオカの高野公幸社長と、
右は商人舎エグゼクティブ・プロデューサーで、
アドパイン代表の松井康彦さん。
流通科学大学事務局長の岩谷堯さん(左)と森本哲司理事。
日経新聞編集委員の田中陽さん。
田中さんの鋭い切り口の記事。
いつもこのブログで取り上げさせていただいています。
さらに日経MJ編集デスクの白鳥和生さんと、
記者の大島有美子さん。
中締めのあとに、50周年記念のマークを背景にして、
岩崎高治社長と㈱オークワの福西拓也社長。
ライフコーポレーションの並木利昭常務。
この日も、会場運営から清水会長のサポートまで、
獅子奮迅の働き。
誰よりも苦労を称え、、お祝いを申し上げたかった。
そして清水さんが、
日本スーパーマーケット協会を立ち上げた10年前、
ライフコーポレーションから出向し、以来、
事務局長を務める江口法生さん。
最後の最後に、日本食料新聞社代表取締役社長の今野正義さん。
私が手に持っているこの日のお土産、
『ライフコーポレーションの創業50周年記念誌』は今野さんの仕事。
この冊子に清水さんの「語りたかったことが書かれている」。
50周年は次の50年のためにある。
しかしその50年は、
全従業員がつくり上げるものだ。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
これまでの50年は、
清水信次という「国士商人」の一瞬の積み上げだった。
これからは岩崎高治をはじめとする、
若い「知識商人たち」の一瞬の積み重ねである。
<結城義晴>