金正日総書記死去。
このニュースでいっぱい。
朝鮮民主主義人民共和国の動向に対して、
読売新聞『編集手帳』は、
「総身を神経にして不測の“魔”に備えつつ」
日経新聞『春秋』は、
「行く末に目を凝らさねばなるまい」
朝日新聞『天声人語』は、
「気の抜けない時がしばらく続く」
そして拉致被害者たちは。
さて、『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」。
糸井重里さんが毎日、書いている。
12月17日には、
「曲がったキュウリ」に対する考察。
「ぐねぐねと曲がったキュウリは、
消費者にとって『商品』として認められないという」
「曲がってようが、まっすぐだろうが、キュウリである。
しかし、『キュウリという商品』ではない、のだ」
そこで糸井さんは、
「『商品』ということば」に問題の焦点を当てる。
「『もの』として『サービス』としては成り立つけれど、
商品としては成り立たないというものが、
どんどん増えてきたような気がする」
「もともとは、『商品』として成立するかどうかではなく、
『商品」として競争力があるかどうかだったのだと思う」
「うちのキュウリは、曲がってないんですよ」
その「優位性」が強調されて、エスカレートし、
「やがて、『曲がってない』ことの優位を語るのではなく、
『曲がったキュウリ』を
競争に参加できなくさせてしまった」
その結果、
「キュウリという『商品』の必要条件」が、
「『曲がってない』ことになってしまった」
さすがに糸井さん、鋭い。
そして糸井的視点。
「『商品』としては失格かもしれないが、
それは『キュウリ』でない、わけではない」
「曲がり方に芸があるとか、曲がってるほうがうまいとか、
そういう発見があれば、それは『商品』として復活する」
糸井さんは結論づける。
「キュウリは、
商品であろうとしなくても
キュウリだ」
かつてコープさっぽろが、
曲がったキュウリで、
格安の、おいしい漬物をつくって、売った。
大ヒットした。
曲がったキュウリも、
「価値のある商品」になることができる。
もちろん、商品にならなくとも、
キュウリはキュウリだ。
そのキュウリの本質を、
大切にしたい。
東日本大震災を経験した今年、
私もそんなことを強く感じる。
私たちのまわりに、
「曲がったキュウリ」は、
たくさんある。
昨日の日経MJ「フードビジネス」欄に、
大久保恒夫さん登場。
ご存知、セブン&アイ・フードシステムズ社長。
今回は、現業・本業でのコメント。
「反転攻勢 2012年の視点」
はじめに外食の需要を「底堅い」と表現。
「大きな流れでは家庭での料理の機会は減っていく」
昨日の夜、私は立教で、
サービス・マーケティングの講義だったが、
偶然にもテーマは、
「フード・サービスのサービス」。
「1997年以降、
日本の外食産業は、
縮み続けている」
という話をしていた。
「『きずな』『ふれあい』といったキーワードでは、
特にファミリーレストランに需要がある」
「おいしい食事へのニーズは依然としてある」
「さまざまな価格を試し、
1000円を超えると売れないが、
700~800円なら売れるとわかった」
昨日の講義で指摘されたのは、
従来の外食業態別の価格帯。
ファミリーレストランの中心価格帯は1000円、
カジュアルレストランは1500円~4000円、
ディナーレストランは5000円以上、
そしてファストフードレストランは500円。
大久保さんは、ファミリーレストランは、
「1000円を超えると売れない」と指摘している。
価格帯が下がっていることは、
確か。
小売業や他の業態でも、
それは確かだ。
大切なのは、その次。
「その価格帯で品質を高めたら、
PRをしなくても既存店売上高が前年を超え、
客単価も上がった」
これ、ほんとうに大事な話。
「これが『きずな消費』の相場かもしれない」
大久保さん、マネジメント面にも触れる。
「予測と管理を、
週単位から1日単位に切り替え、
個店の人時生産性を高める」
小売り・外食の経営の根本は、
人時生産性にある。
これは、どんな業種・業態でも、
普遍の原則だ。
ただしレストラン・ビジネスは、
スーパーマーケットよりも、
コンビニに近いと私は思う。
さて昨日は、大久保さんの先輩でもあるが、
鈴木哲男さんが商人舎オフィスを訪れてくださった。
ご存知、「52週マーチャンダイジング」で、
超有名となった経営コンサルタントだが、
イトーヨーカ堂のご出身。
超多忙な鈴木さんは、㈱REA代表取締役。
コーネル大学RMPジャパンの講師もお願いして、
この面でも大久保さんと同じ。
私は35年前に、鈴木さんが、
同社の「花のRE(リテール・エンジニアリング)部」で活躍中に、
初めてお会いした。
だから鈴木さんは、
「店舗活性化」や「ストア・コンパリゾン」のプロでもある。
私は㈱商業界に入社したばかりで、
当時の『花の販売革新』編集部に属していた。
その後、「横浜会」という若手勉強会がスタートし、
私も、鈴木さんとご一緒した。
現在、コンビニ経営コンサルタント第一人者の小森勝先生や、
『ストアーズ・レポート』現編集局長の風間晃さんも、
横浜会のメンバーだった。
鈴木さんとは、そんな昔話から、
商人舎のすぐ近くにオープンしたサミット岡野店の話題まで、
あっという間に時間が過ぎた。
ここで重大なお知らせ。
鈴木哲男さんと一緒に来年、
新企画マネジメント研修会を
スタートさせる。
年2回開催予定。
もうご了解を得ているのだが、
レイバー・スケジューリングの第一人者高野保男さんも、
参画。
そして記念講演は、
マル秘「超大物ゲスト」講師。
もう決定事項だが、
その全容は2012年スタートとともに、
発表予定。
鈴木哲男、
高野保男、
結城義晴。
まだまだ有力講師陣参加予定。
たっぷり、2泊3日。
いかがだろう。
乞う、ご期待。
<結城義晴>