結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年12月30日(金曜日)

晦日の「消費税増税案――2014年4月に8%、 15年10月に10%」と「みんな笑顔の道」

今日は2012年12月のみそか。
「三十日」と書いて、
「みそか」と読むが、
漢字の意味する通り。

明日が、「おおみそか」。
こちらは「大晦日」と書く。

「晦」という字は音読みで「かい」、
訓読みで「つごもり・くらい・くらます」。

1年の最後の「つごもり」の日。
それが大晦日。

「つごもり」は「つきごもり」が訛って、
「き」が無くなったもの。
「月隠」と書く。。
これは「月が隠れる」という意味で、
つまりは月の最後の日を指す。

これに「大」の字をかぶせて、「おお」がつくと、
「1年の最後の」という意味となる。

ちなみに、「大舞台」と書くと、
「おおぶたい」と読む。
ただし「だいぶたい」でも、
間違いではないらしい。

いつごろからだろう、
最近はテレビなどでも、
「おおぶたい」の言い方が多くなったし、
それが自分の耳に引っかかる。

「おおみそか」を「だいみそか」とは言わない。

今年に例をとると、
NHKはじめ放送局はみな「おおじしん」と言う。
しかし「大震災」は「だいしんさい」

基本は、はっきりしている。
後ろに訓読みの語が繋がるときには、
「おお」と読み、
音読みが続くときには「だい」となる

だから「おおみそか」は基本通りだし、
「だいしんさい」も原則通り。

「おおぶたい」「おおじしん」が、
世の中によくある「例外」。

しかし例外は、実に多い。
大御所、大雑把、大所帯、大一番、大火事、大袈裟・・・・・・。

今日の「三十日」は、
「大」が付かないから、
悩むこともないし、
明日の「大晦日」も例外ではないから、
安心して声に出すことができる。

いま、一番の例外は、
民主党の行動。

今朝の新聞各紙がいずれも一面で取り上げた。
「消費増税案を民主決定」
「年末の駆け込み」であることは間違いない。

昨日の深夜の国会内、
税制調査会・一体改革調査会の合同総会に、
野田佳彦首相自身が途中参加して、
消費増税を柱とする税制抜本改革案を了承させた。

さらに今日、政策調査会の役員会を開き、
民主党案を「みそか」の決定。

今後は、社会保障改革本部で、
一体改革素案を取りまとめ、
野党に協議を呼びかけるが、
自民党、公明党など、当然ながら、
それに応じる姿勢は見せていない。

「一体改革法案」とは、
年金など社会保障部分と今回の税制部分を包括したもの。

その消費税の税率と実施時期は、
「2014年4月に8%、
15年10月に10%」。

2段階で消費税率を引き上げるが、
その時期をそれぞれ半年遅らせて党内合意を得た。

同時に、国会議員の定数削減法案も、
来年1月召集の通常国会に提出する。
内容は、現在の衆議院議員の定数480を、
400に減らすというもの。

さらに低所得層対策としては、
「給付付き税額控除」の検討が盛り込まれた。
これは現金給付と税額控除を組み合わせたもので、
国民のご機嫌取り対策。

その一方で、
「食料品などへの軽減税率適用」は、
見送られる。

スーパーマーケットやコンビニに関連深い案件だが、
今回の民主党案には入らない。

例外的に師走も押し詰まった「みそか」にまで、
党内審議を展開し、
それがまた野党の賛同を得られないうえに、
10人の離党者を生む。

首相も党幹部も、一方の離党者も、そして野党幹部も、
「おおみそか」の「おおぶたい」で見えを切りたいのだろうが、
「だいこんやくしゃ」にはならないよう、
注意を喚起しておきたい。

ちょっと茶化し過ぎたが、
私は野田首相は「世紀の決断」として、
決めたことはやり抜くべきだと思っている。

任せたからには、やらせる。
決まったら、やり遂げる。

それが今、必要だと思うから。

Practice comes first!
実践躬行・実行第一。

これは「実行する当事者」だけでなく、
それを認めた「実行してもらう側」にも、
当てはまることだと思う。

ウォルマートのサム・ウォルトンが残したスローガン。
「Sun down rule(サンダウンルール)」
<日が暮れるまでに解決せよ>
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Eat What you cook!(イート・ワット・ユー・クック)
<自分でやったことは自分で始末せよ>

Retail is Detail.
<神は細部に宿る>

そして、
Take Care of Customers and Associates.
<お客様と従業員に配慮せよ>

野田首相にとってのカスタマーは国民、
アソシエーツは民主党員か、離党者か、官僚か。

政治は難しい。
しかし難しいことを易しく、
やり遂げられねば首相ではない、
リーダーではない。

読売新聞の『編集手帳』。
「戦後まもないころ、画家の安野光雅さんは
バス停で朝鮮人のおばあさんと一緒になった」

そのおばあさんのひとこと。
「ヒトリダマリノミチナガイ
フタリハナシノ ミチミジカイ」

一人黙りの道長い。
二人話の道短い。

コラムニストはまとめる。
「迎える年がヒトリダマリではなくフタリハナシ…
いや、ミンナエガオの道でありますように」

みんな笑顔。

これはすべての道に通じる。
政治にも、経営にも。

<結城義晴>

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