今日は2012年12月のみそか。
「三十日」と書いて、
「みそか」と読むが、
漢字の意味する通り。
明日が、「おおみそか」。
こちらは「大晦日」と書く。
「晦」という字は音読みで「かい」、
訓読みで「つごもり・くらい・くらます」。
1年の最後の「つごもり」の日。
それが大晦日。
「つごもり」は「つきごもり」が訛って、
「き」が無くなったもの。
「月隠」と書く。。
これは「月が隠れる」という意味で、
つまりは月の最後の日を指す。
これに「大」の字をかぶせて、「おお」がつくと、
「1年の最後の」という意味となる。
ちなみに、「大舞台」と書くと、
「おおぶたい」と読む。
ただし「だいぶたい」でも、
間違いではないらしい。
いつごろからだろう、
最近はテレビなどでも、
「おおぶたい」の言い方が多くなったし、
それが自分の耳に引っかかる。
「おおみそか」を「だいみそか」とは言わない。
今年に例をとると、
NHKはじめ放送局はみな「おおじしん」と言う。
しかし「大震災」は「だいしんさい」。
基本は、はっきりしている。
後ろに訓読みの語が繋がるときには、
「おお」と読み、
音読みが続くときには「だい」となる。
だから「おおみそか」は基本通りだし、
「だいしんさい」も原則通り。
「おおぶたい」「おおじしん」が、
世の中によくある「例外」。
しかし例外は、実に多い。
大御所、大雑把、大所帯、大一番、大火事、大袈裟・・・・・・。
今日の「三十日」は、
「大」が付かないから、
悩むこともないし、
明日の「大晦日」も例外ではないから、
安心して声に出すことができる。
いま、一番の例外は、
民主党の行動。
今朝の新聞各紙がいずれも一面で取り上げた。
「消費増税案を民主決定」
「年末の駆け込み」であることは間違いない。
昨日の深夜の国会内、
税制調査会・一体改革調査会の合同総会に、
野田佳彦首相自身が途中参加して、
消費増税を柱とする税制抜本改革案を了承させた。
さらに今日、政策調査会の役員会を開き、
民主党案を「みそか」の決定。
今後は、社会保障改革本部で、
一体改革素案を取りまとめ、
野党に協議を呼びかけるが、
自民党、公明党など、当然ながら、
それに応じる姿勢は見せていない。
「一体改革法案」とは、
年金など社会保障部分と今回の税制部分を包括したもの。
その消費税の税率と実施時期は、
「2014年4月に8%、
15年10月に10%」。
2段階で消費税率を引き上げるが、
その時期をそれぞれ半年遅らせて党内合意を得た。
同時に、国会議員の定数削減法案も、
来年1月召集の通常国会に提出する。
内容は、現在の衆議院議員の定数480を、
400に減らすというもの。
さらに低所得層対策としては、
「給付付き税額控除」の検討が盛り込まれた。
これは現金給付と税額控除を組み合わせたもので、
国民のご機嫌取り対策。
その一方で、
「食料品などへの軽減税率適用」は、
見送られる。
スーパーマーケットやコンビニに関連深い案件だが、
今回の民主党案には入らない。
例外的に師走も押し詰まった「みそか」にまで、
党内審議を展開し、
それがまた野党の賛同を得られないうえに、
10人の離党者を生む。
首相も党幹部も、一方の離党者も、そして野党幹部も、
「おおみそか」の「おおぶたい」で見えを切りたいのだろうが、
「だいこんやくしゃ」にはならないよう、
注意を喚起しておきたい。
ちょっと茶化し過ぎたが、
私は野田首相は「世紀の決断」として、
決めたことはやり抜くべきだと思っている。
任せたからには、やらせる。
決まったら、やり遂げる。
それが今、必要だと思うから。
Practice comes first!
実践躬行・実行第一。
これは「実行する当事者」だけでなく、
それを認めた「実行してもらう側」にも、
当てはまることだと思う。
ウォルマートのサム・ウォルトンが残したスローガン。
「Sun down rule(サンダウンルール)」
<日が暮れるまでに解決せよ>
Eat What you cook!(イート・ワット・ユー・クック)
<自分でやったことは自分で始末せよ>
Retail is Detail.
<神は細部に宿る>
そして、
Take Care of Customers and Associates.
<お客様と従業員に配慮せよ>
野田首相にとってのカスタマーは国民、
アソシエーツは民主党員か、離党者か、官僚か。
政治は難しい。
しかし難しいことを易しく、
やり遂げられねば首相ではない、
リーダーではない。
読売新聞の『編集手帳』。
「戦後まもないころ、画家の安野光雅さんは
バス停で朝鮮人のおばあさんと一緒になった」
そのおばあさんのひとこと。
「ヒトリダマリノミチナガイ
フタリハナシノ ミチミジカイ」
一人黙りの道長い。
二人話の道短い。
コラムニストはまとめる。
「迎える年がヒトリダマリではなくフタリハナシ…
いや、ミンナエガオの道でありますように」
みんな笑顔。
これはすべての道に通じる。
政治にも、経営にも。
<結城義晴>