日本国憲法第52条に定められた通常国会、
その第180回が始まった。
150日間の期間中に、わが日本国にとって、
最も重要なことが論議され、決議される。
その冒頭の施政方針演説。
野田佳彦首相が行った。
新聞各紙に全文が掲載されている。
朝日新聞は社説で、
「気合十分、説得力不足」と直球の評価。
野田演説の3割が、「社会保障と消費税の一体改革」、
および、その前提となる「政治・行政改革」。
実行あるのみ。
しかし説得力がなければ、
組織や人は動かない。
「気持ちと気合と根性で、
何でもやり遂げられる」。
そう諭したり、檄を飛ばしたりが許されるのは、
せいぜい中学・高校の運動部までのこと。
大人の世界では、
何よりも「実践躬行」が問われることになる。
「実践躬行」とは「身をもって実際に行うこと」、
「口に出したことをやり遂げること」。
野田演説の中の面白いたとえ。
日本の人口構成を、
「胴上げ型」から「騎馬戦型」へ、
そして「肩車型」へ。
「胴上げ型」は、多数の現役世代が1人の高齢者を高々と持ち上げる。
「騎馬戦型」は3人で1人を担ぐ。
「肩車型」は、もう1対1で背負う。
このままでは、やがて日本も「肩車型」になる。
その先は一人が多数を背負い込む。
「左門豊作型」か。
これは、私のたとえ。
「いまのままでは将来の世代は負担に耐えられない。
改革の先送りは許されない」
これは、よくわかる。
そのために今、何をするか。
ピーター・ドラッカー先生は言い残している。
「イノベーションは、現在のために、
行われなければならない」
それが未来のためにもなっているという形。
知恵を絞って、この形に持っていかねばならない。
そうしなければ与野党合意も勝ち取れない。
野田演説の中の言葉。
「がんばっぺ、福島。
まげねど、宮城。
がんばっぺし、岩手。
そして、がんばろう、日本」
大震災直後から全国に響くエール。
方言であるところが、いい。
忘れてはいけない。
「復興を通じた日本再生」。
さて日経新聞には景気のいい見出しが三つ踊る。
まず「ヤオコー、4~12月営業益最高に」
この記事では、鮮魚部門の強化が実を結んだとある。
「早朝に水揚げされたサンマやイカなどの生魚を、
その日のうちに店舗で販売する取り組みを強化。
エビやカニなどの取り扱いも増強」。
さらに日経の見出し。
「ファストリ株価、1年9カ月ぶり高値」
昨日段階で、1株1万5100円。
これは「2010年4月以来、約1年9カ月ぶりの高値」。
「気温が急速に低下したことで、ヒートテックをはじめ、
冬物衣料の販売が伸びるとの期待が高まって株価高騰」。
三番目は「味の素、4~12月営業益最高」
理由は、「消費者の内食化志向」。
「ほんだし」など採算の良い定番調味料が堅調に推移、
家畜のエサに混ぜる飼料用アミノ酸「リジン」も高値で推移。
ヤオコー、ユニクロ、味の素。
強い企業が好調。
そんな時節。
ローソン社長の新浪剛史さんが、
日本記者クラブで会見。
これも日経の記事だが、小売業者の「雄弁は金」の話。
「TPPに参加すると米国産の安いコメが日本市場を席巻する」
こんな見方に新浪さんが実例をもって反論。
実例とは「おにぎりや弁当の試作結果」。
「(米国産は)国産に比べ水分量が少なく時間を置くと劣化する」
だから米国が日本で売れるコメを作るには、
「大規模なインフラ投資が必要で米国にとっても非合理的」
「農家と産業界が対立するのではなく、
協力して農業を進化させるきっかけにすべきだ」
ローソン・ファームを運営している経験もあって、
強い発言は、実効性に裏打ちされている。
ここが野田首相との違い。
いま、ほんとうに実務家が強い。
口先だけではないから。
「実践躬行」の強さを思い知る日々だ。
さて、昨日の晩のテレビ東京の番組。
サトーカメラ専務の佐藤勝人さん登場。
「戦士の逸品」。
佐藤勝人さんは、毎日ブログ仲間。
「一刀両断」という人気ブログを書いている。
番組も、とても面白かった。
闘う経営者が、
自分のこの「逸品」を紹介するという短い番組。
サトカメ専務で超売れっ子実践派コンサルタントの佐藤勝人。
その「逸品」は、
「Hooper」のオリジナル・ジーンズだった。
毎年正月にサトカメ本店に隣接する店で購入して、
一本を穿き潰す。
愛用のキャップもHooper製。
佐藤勝人的逸品で、
「らしさ」が出ていた。
ドコモiモード限定全国配信「てれともばいる」で、
見ることができる。
ちなみにローソンの新浪さんも、
第9回目のこの番組に出ていて、
その逸品は「筆ペン」だった。
これも「らしさ」が出ていて、
面白い。
さて私、今日は朝から、
東京・池尻の東邦大学付属大橋病院の眼科。
このところほんとうに忙しくて、
昨年10月の検診を土壇場キャンセルしたまま、
ないがしろにしていた。
私の弱点は右目。
その右目のメンテナンスは、
きちんとしておかねばならない。
すぐに帰社して、横浜の商人舎オフィスに、
三井物産㈱のお二人を迎える。
堀田安紀さん(食料・リテール本部食品流通部部長補佐営業統括、右)と、
中野真樹さん(同食料営業部マネジャー)。
夏から秋にかけての研修企画の相談。
今年も本当に忙しくなりそう。
しかしまだまだ元気いっぱいで疾走、疾駆できる。
できる間は、やり抜く。
「実践躬行」あるのみ。
<結城義晴>