ジジです。
あれっ?
みつかっちゃった?
ボクは、おふろ、
だいすきです。
おとうさんも、
しってますよね?
べつに、おゆに、
つかったりするんじゃないんです。
だから、
おふろがすきというんじゃあなくて、
おふろばがすきなんですね。
なんでだろう。
やっぱり、
あったかいから?
それから、この、
しめりけというんでしょうか、
それがすきなんですね、
たぶん。
冬は、さむくなる。
冬の夜は、とくに、さむい。
だからボクは、
おふろばに、きます。
このまえ、おとうさんは、
ヒロシマにいった。
かえりの空港には、
日がさしていた。
とちゅうから、
雲がでてきた。
日がさしているのに、
雲がある。
くもが、だんだんおおきくなってきた。
そして、ヒコーキは、
雲のなか。
雲のしたは、
雪だった。
おとうさん、かえってきて、
おふろにはいりました。
雪の日のおふろ。
いいもんです。
雪の朝にも、
おとうさんは、
おふろにはいった。
ボクは、とても、
うらやましかった。
でも、どうしてボクは、
おふろにはいれないんだろう。
おふろばは、
だいだいだーいすき、なんですが。
なぞです。
ボクにとって。
それがナヤミのたね、
というわけでもないのですが。
<『ジジの気分』(未刊)より>