結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年01月31日(火曜日)

セブン‐イレブン3兆円とドコモ・ローソン・らでぃっしゅぼーやの合体

明日から早くも2月。
明日、明後日、つまり2月の1日から2日頃、
「この冬最大級の非常に強い寒気が流れ込む」
人気ブログ「常盤勝美の2週間天気予報」より。

心して、かかろう。

今日は朝から、東京・芝の大門。
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大門のうしろに見える細いネズミ色の寺田ビル6階が、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱
略称CCL。Customer Communications,Limited.の略。

今日はそのCCLの月1回の定例役員会。
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決議事項の議論や決済、報告事項の質疑などが終わって、
役員で和やかに写真。

左から玉生弘昌相談役(㈱プラネット社長)
米倉裕之CCL取締役、
西川明宏CCL社長、
島崎尚子総括マネジャー、
井上美智雄CCL取締役(㈱プラネット副社長)。

顧客ID付POSデータを駆使して、
マーケティングを展開する会社。

カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)
フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)

CRMは、この情報システムを活用して、
顧客との間に永続的な関係を構築するマネジメント手法。

FSPは、同じくこの情報システムを活用して、
段階的にサービスを付加しつつ、
ロイヤルカスタマーの維持拡大を図るプログラム。

CCLは、いわば、CRMとFSPの申し子のような会社で、
最先端のロイヤルティ・マーケティングを展開するが、
昨年、米倉さんが取締役として入社して、
西川さんと二人三脚で、そして全社員を巻き込んで、
さらに有用なビジネスモデルへの変換を試みている。

私はこの会社の非常勤取締役を、
2008年11月から務めているが、
今回の戦略転換には大賛成で、
消費財産業全体に大いに貢献できると考えている。

CCL役員会が終了して、
午後、横浜の商人舎に帰社。
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明日からはこの冬一番の寒さのはずだが、
今日の空は青いし、雲は白い。
空気も少しだけ、なごんでいる。

昨日は立教大学院サービスマーケティングの最終講義。
2時間半ほど、ぶっ続けで、立ち講義。
その後、有志が残ってくれて、一献。
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ほんとうに気分が良かった。

これで今年度は、試験や修了式を残すのみ。
寂しいけれど、オメデトウ。

さて、日経新聞の記事。
「セブンイレブン、売上高3兆円を突破」

「2012年2月期の国内のチェーン全店売上高が、
28日現在で3兆円を超えたと発表」。
2月末の2011年度通期では、
3兆2490億円の見通し。

「単一チェーンで売上高が3兆円を突破するのは
日本の小売業で初めて」

私は日本の近代小売業の転換を、
二つの節目でとらえている。

第1は、1972年(昭和47年)。
百貨店の王者・三越を総合スーパー・ダイエーが追い越した。

第2は、2000年。
今度はコンビニのセブン‐イレブンが、ダイエーを抜いた。

その後、単一企業として、
セブン-イレブンの独走が続き、
とうとう3兆円。

今期の出店は1200店で、
来期は1350店の計画。
これは2期連続過去最高。

まだまだ独走は続きそうだ。
コンビニ第2位のローソンは今期1兆8080億円、
第3位のファミリーマートは1兆5370億円の見込み。

最大面積の百貨店から、
次に大きな店舗の総合スーパーへ。
この時代は山本直純ではないが、
「大きいことはいいことだ」の時代だった。

それから小型店のコンビニの時代へ。
しかしこの時代は業態の多様化と、
それが戦略ごとに分化したフォーマットの出現が見られた。

そしてセブン-イレブンの3兆円。

もし、これを超える存在の出現を見て、
第3の節目があるとすれば、
インターネット・ビジネスだろうか。
こちらは小型店よりもさらに小さなネットやスマホの世界。

ただし、小型店の時代に、
業態とフォーマットの多様化が見られたように、
次の時代は「リアルとネットの融合」現象が、
風景の中核になる。

これが私の大予測。

さてさて、もう一つのニュース。
これも日経新聞。
「ドコモ、野菜宅配らでぃっしゅぼーやを買収」

買収額は約69億円の予定。
1月31日から3月12日の間に、
TOB(株式公開買い付け)を実施して、
完全子会社にする。

さらにその全株式の中の約2割を、
ローソンに譲渡。

らでぃっしゅぼーやは、主に、
有機野菜などを集荷し、パッケージ化して、
「契約者に定期的に届ける事業」を展開している。
現在の契約者数は10万6000世帯。

ドコモとらでぃっしゅは、
スマートフォンやタブレット端末を使った注文システムを構築し、
農作物の受発注と、宅配のサービスを始める。

この際、ドコモの約6000万件の顧客基盤が活かされる。
代金回収は携帯電話料金と一緒にする。
ドコモの顧客情報に対して、商品推奨機能も設ける。

一方、ローソンとらでぃっしゅはすでに、
共同ネット通販サイトを運営している。

「らでぃっしゅの野菜を使った飲料や食品を
ローソン店頭で売ることも検討」。

ローソンのネット事業全体の売上げは、
2010年度、約440億円。
それを5年後には、3000億円に引き上げる構想。

一方、ドコモは新規事業の売上高を、
2015年度までに1兆円の大台に乗せる方針。
これは今年度と比べて、2.5倍。

結城義晴の大予測。
「ネットとリアルの融合」。
その構想の一端はもう、すでに現出している。

<結城義晴>

2012年01月30日(月曜日)

「恵方巻き・十人十色」か? そして製配販のライフライン事業の鍵

Everybody! Good Monday!
[2012 vol5]

2012年も第5週、
1月があっという間に、
終わろうとしています。

寒さは一番厳しい時。

足の先から冷え切ってきて、
つま先が痛くなるくらい。

母よりも子の白息の大きかり
[仙台市・長沼敏夫 朝日俳壇より] 

寒い朝、吐く息は白い。
母子が連れ立って歩いている。
その吐く息の白さは子の方が大きく見える。
その元気さが頼もしい。

今月の、そして今年の標語。
朝に希望・昼に努力・夕に感謝

今朝も、明朝も、その次の朝も。

さて今週は、1月が終わり、
2月につなぐ1週間。

今週金曜日の3日が節分、
土曜日の4日が立春。

今週は頭から、
「節分・立春」「節分・立春」へ、
まっしぐら。

しかし忘れてはいけない。
「春を待ち望む心」が、
その底辺を流れている。

1年を大きく4等分すると、
春分・夏至・秋分・冬至となる。

立春は、冬至と春分の真ん中。
しかし現実的には、1年で一番寒いころ。
暦の上でも立春が「寒さのピーク」。

立春の翌日からの寒さを、
特に「余寒」といったり、「残寒」といったり。

しかしこの言葉、いまや堅苦しい手紙でしか使われない。

「余寒」「残寒」「晩寒」「残冬」「晩冬」、
さらに「向春」を使って、
「余寒の候」とか、
「残寒厳しき折」とか、
言い表す。

これをEメールやフェイスブックの挨拶に用いたら、
逆に新味が出るから面白い。

立春の前日の節分は、
極寒の中の豆まき。
これがいいんですね。

最近では「恵方巻き」に、
節分の主役の座を奪われた感じもするが、
私は豆の能動的・行動的な風習を好む。

先週金曜日の日経新聞「消費欄」に、
「恵方巻き、十本十色」の記事。

節分の過ごし方が様変わりして、
「太巻きを食べる人が、
西日本だけでなく全国的に増えている」

スーパーマーケットやコンビニ、百貨店だけでなく、
あらゆるサービス業でも「恵方巻き」はテーマ資源となる。

イオングループは今週の木曜2日、金曜3日に、
「1200店舗で恵方巻きを発売。
取扱店舗数は前年を2割上回る」と記事にあるが、
取り扱わない店があることの方が不思議。

商品の特徴は、アイデアとバラエティ。
例えば「『ドラえもん』をパッケージにデザインした恵方巻き。
当日店頭価格で698円、事前予約で650円。
恵方巻き関連の「売上高は前年比15%増を見込」む。

カッパ・クリエイトは2月に入った初日の1日・2日・3日、
ハーフサイズの恵方巻き商品を新発売する。
約100グラムで通常サイズの半分程度。
ターゲットは女性や子供。
「かっぱ寿司」全約390店舗で発売。

恵方巻きは通常、
具だくさんで大型商材が、いい。

女性・子供をターゲティングしたハーフサイズ恵方巻き。
カッパ・クリエイトの仮説は、
さて、どちらに転ぶか。

興味深い。

小売業やサービス業は、
立てた仮説がすぐに検証できる。
面白い。

記事には電通の意識調査が引かれている。
昨年8月実施の400人回答リサーチ。
半数以上が「できるだけ家族と一緒に過ごしたい」

家族と一緒、あるいはカップルで、仲間で、友人たちと。
ならばわざわざ小型商品を提供する必要はないとも考えられる。

カッパ・クリエイトの仮説。
結果を知らせてほしい。
日経MJあたりで。

節分はもってこいの「絆消費」だ。
節分・立春と「絆」を強く動機づけ、
同時に春の到来をめでたいものだ。

さて今朝の日経MJ『底流を読む』。
消費産業部次長の白鳥和生さんが、
「官民で作るライフライン」と題して書いている。

野田政権の2012年度当初予算案に、8億円が計上された。
「ライフライン物資供給網強靭化実証事業」のため。

製配販のサプライチェーンにおける「デジタルインフラ」を整備する。
製造業・卸売業・小売業の生産から在庫・販売までの膨大な情報。
政府や自治体が「どこに何があるか」をこのシステムで把握する。
そして災害時に被災地への支援物資を円滑に供給したり、
一般への情報提供に使ったりする。

この事業の母体は、
「製・配・販連携協議会」。
昨年5月に発足し、43社が参加している。

この情報のやり取りの中核を担うのが、
このブログでも紹介し、支援している「流通BMS」。

白鳥さんのコラムでは、
「サプライチェーン全体の効率化は、
産業の競争力を高め、
消費者にその『果実』を還元するもの」と、
表現されている。

そして「インフラは共有し、
店頭では切磋琢磨する」
と、
一番重要なコンセプトが主張されている。

まさにこのことの実践躬行こそ、
生活消費財産業の製・配・販全体に問われている。

一番大きな2つの存在が、
このインフラ形成の面でがっちり握手することが、
何よりも「消費者に果実を還元する」ための、
鍵であるし、早道である。

さて今週のイベント。
私は今夕、立教キャンパス。
サービス・マーケティングの補講。

今年度最後の授業となる。

最後に強いメッセージを贈りたい。
気合が入っている。

18時30分から始めて、
21時前には終わるつもり。
補講だから時間は自由でいいでしょう。
軽く、極寒の一献を予定している。
時間のある人は、どうぞ。

明日1月31日は、非常勤取締役を務めているCCLの役員会。
カスタマーコミュニケーションズ㈱。
ID-POSを活用したFSPサービスの会社。
しかし現在はショッパーズ・マーケティング機能を強めている。

明後日の2月1日から3日までの3日間、
2012スーパーマーケットトレードショー。
東京ビッグサイト東館を全館借り切って開催される。

初日はコーネル大学エドワード・マクラフリン教授のセミナーがあるし、
2日目は何人かの人とアポイントがあり、
夜、レセプション・パーティがある。

私も、会場にいます。
連絡はモバイル・フォンやメールで。

お会いしましょう。

そして3日の夜は、
「FMCGを元気にする会」で講演。
立教・結城ゼミの山口毅さんからの依頼。
喜んで、「グローカル時代の流通業の課題と対策」を語る。
この会に所属しない人も参加可能のようで、
山口さんと知り合いの人は、
問い合わせてみるといい。
今からでも間に合うと思う。

私自身のスケジュールを見ると、
来週の木曜日から今年最初のアメリカ出張。
そのテキストをつくらねばならない。

忙しい日々は、
寒さが緩み始めても、
変わらない。

それでも、こんな心境。

今日といふ独楽を回して愉快なり
[神戸市・森木道典 同じく朝日俳壇より]

では、みなさん。
Good Monday!

<結城義晴>

2012年01月29日(日曜日)

ジジのお風呂好き[日曜版2012vol5]

ジジです。
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あれっ?
みつかっちゃった?
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ボクは、おふろ、
だいすきです。

おとうさんも、
しってますよね?
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べつに、おゆに、
つかったりするんじゃないんです。
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だから、
おふろがすきというんじゃあなくて、
おふろばがすきなんですね。
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なんでだろう。
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やっぱり、
あったかいから?
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それから、この、
しめりけというんでしょうか、
それがすきなんですね、
たぶん。
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冬は、さむくなる。
冬の夜は、とくに、さむい。
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だからボクは、
おふろばに、きます。
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このまえ、おとうさんは、
ヒロシマにいった。

かえりの空港には、
日がさしていた。
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とちゅうから、
雲がでてきた。
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日がさしているのに、
雲がある。
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くもが、だんだんおおきくなってきた。
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そして、ヒコーキは、
雲のなか。
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雲のしたは、
雪だった。

おとうさん、かえってきて、
おふろにはいりました。
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雪の日のおふろ。
いいもんです。

雪の朝にも、
おとうさんは、
おふろにはいった。
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ボクは、とても、
うらやましかった。

でも、どうしてボクは、
おふろにはいれないんだろう。
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おふろばは、
だいだいだーいすき、なんですが。
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なぞです。
ボクにとって。

それがナヤミのたね、
というわけでもないのですが。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年01月28日(土曜日)

「惣菜のわかる八百屋塾」講演テーマ「2012商人讃歌!雨ニモマケズ」

昨日、今日。忙しい。
私にとって、今日の立教大学大学院の論文審査会が、
ほんとうの正月明け。

結城ゼミの7人が卒業論文を提出した日が、
まずは年明けだったが、
今日、報告審査会が開催され、
一人ひとりがプレゼンテーションして、
論文が認められた。

1年間の肩の荷が下りた。

みんな、ほんとうに頑張った。

おめでとう。

私は、無性にうれしい。

こんなにうれしいことはない。

さて昨日は、朝、7時50分ののぞみに乗った。
席について、コートや上着を脱いでいるうちに、
丹沢が見えてくる。

高校時代に「ひこばえ」の仲間と登った。
神奈川県人にとっては、身近な山。
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それから小田原、熱海を過ぎると、
すぐに雄大な富士の姿。
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昨日はとりわけ、くっきりと雄姿を現してくれた。

それから、いつものようにニュースを拾っているうちに、
静岡、豊橋、名古屋を過ぎ、関ケ原付近。
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猛吹雪。

カラリと晴れた丹沢や富士。
一転、雪景色。
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彦根あたりを過ぎて、京都に近づくと、
吹雪はなくなったが、穏やかな雪景色。
これも、いい。
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日本の国が、ますます好きになる。
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京都で新幹線を降りて、
近鉄に乗り換える。

奈良県に入り、
平端で、出迎えてもらって、
フルックスグループへ
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いい会社です。
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もともとは青果仲卸会社。
いわゆる二次問屋。
しかし今は、日本有数の青果惣菜会社

工場はコンピュータ管理されている。
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そしてオペレーションは、
プロダクト・マネジメント。
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一流メーカーの工場やスーパー・チェーンのプロセスセンターを、
国内外含めてずいぶん訪れた。

しかしフルックスの工場はそれに引けをとらない。

青果仲卸が業態転換をして、
中食ビジネスに「蛻変」した。
それがフルックス。

そのフルックスが主催する「惣菜のわかる八百屋塾」。
私は特別講師。

始めに㈱三晃社長の黒田久一さんがご挨拶。
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それから私にとっては旧知の古田基さんが講演。
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古田さんはこの塾の常連講師。

その後、私が講演。
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大阪市内から、滋賀県から、もちろん奈良県からも、
130人を超える人々が集まってくれた。
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「2012商人讃歌! 雨ニモマケズ、風ニモマケズ」
それがテーマ。

私の講演が終わると、
試食会。
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黒田久一社長とかたい握手。
日本の中食業界にイノベーションを起こし続ける逸材。
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最後まで残ってくれたメンバーと写真。
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最後の最後は田中文夫さん。
関西在住27年組。
このブログの常連投稿者。
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いい勉強会だった。
奈良県平端での一日。

イノベーションは僻地より生まれる。
そんなことをつくづくと感じた。

奈良県平端を僻地と呼ぶのは大いに失礼だけれど。

私はこういった地方で講演するのが、大好きだ。
もちろん東京や大阪の超一流ホテルで、
1000人も集まったところでの講演も、いい。

しかし、地方講演には、何とも言えない感動がある。

昨日は、話している私が感動していた。

ご清聴を、心から感謝したい。

みなさん、良い週末を。

<結城義晴>

2012年01月27日(金曜日)

「内需の意外な『しぶとさ』」と企業・協会・行政三位一体「流通BMS」

朝日新聞全面を買い取って、
オーケー㈱の思いきった政策広告。
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「オネスト・カード」のことを広報し、
野菜の高騰への対策を丁寧に綴る。

いい広告だ。

朝から気分が良くなった。

日経新聞のコラム『大機小機』もいい。
コラムニスト希氏が、
「内需の意外な『しぶとさ』」と題して書く。

「年明けの国内景気は、足踏み感を強めている」と、
しながらも、「ただ、筆者の実感は、むしろ
『内需が意外にしぶとく踏ん張っている』という印象である」。

そうそう、その通り。

「日本の景気は基本的に輸出次第だった」。

どんな現象が起こったかと言えば、
「景気回復局面でも内需に弾みがつかず、
輸出が頭打ちになれば簡単に失速した」。

逆に、景気後退局面でも、
「ストック調整圧力をため込んでいないため、
輸出さえ伸びれば景気は比較的速やかに上向いた」。

先月の日銀の企業短期経済観測調査(短観)。
「大企業製造業の景況感悪化に注目する見方」が多数派。
しかし「非製造業や中小企業の踏ん張りで、
全規模全産業の景況感は僅かながら改善」。

コラムニストは「内需のしぶとさ」の背景を三つあげる。
第1は「復興需要の存在」。
「足元の経済指標は東北での改善が顕著」。

第2に、「円高のプラス効果
が薄く広く波及している」と予測。
昨日の新聞でも日本の「貿易赤字」が喧伝された。
輸出額より輸入額の方が多い。

だから輸入企業はご利益を得ているはず。
「この解釈は、短観結果とも整合的」とコラムニスト。

第3は、消費者の間に芽生えた「心機一転気分」

9.11後のアメリカでも、
テロに屈しないという「愛国消費が予想外の景気回復」をもたらした。
今年の日本では「絆消費」が「震災からの復興につながってほしい」。
コラムニストに私も賛成。

「絆消費」に対して、いつでも、どこでも、
応える心構えをし、態勢を整えておかねばならない。
それが小売流通業・サービス業の役目だ。

さてさて、一昨日の1月25日、
東京・外苑前のSCSK青山ビルで、
「第1回 流通BMS普及推進説明会」が開催された。
主催は流通4団体。
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ここでいう「流通4団体」とは、
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
一般社団法人新日本スーパーマーケット協会、
一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会。

小売業・卸売業各社の情報システム担当者が、
100名以上も集まった。
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商人舎取材スタッフも駆け付けた。
現在、日本の流通業界の一部では、
1980年に開発された初期のEDIシステムが
いまだに利用されている。

しかし、これは電話回線のため通信速度が遅く、
漢字や画像も送れない。
しかも専用機器の製造が、
打ち切られてしまうこともある。

時代の流れに、まったく対応できていない。

この問題を改善すべく、
2007年に経済産業省が、
流通システム標準化事業を立ち上げた。

そして開発されたのが、
国際基準にも準じた次世代標準EDI「流通BMS」である。

「BMS」はビジネス・メッセージ・スタンダードの略で、
標準電子データ交換システムのこと。

流通4団体が推奨する流通BMSは、
SCSK社の開発した「スーパーマーケットクラウドEDIサービス」。
通称、「スマクラ」というサービス。
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製・配・販が共同で使える受発注システムで、
システム導入時とランニングコストの低減が可能となっている。
中小企業や新規参入企業にとっては、
自社でのシステム開発は難しい。
だからこのサービスの開始は大きなメリットとなる。

冒頭講演は、
日本スーパーマーケット協会の大塚明専務理事。
『流通BMS普及促進事業について』
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「これからの時代、100店舗が100店舗、
同じ商売をしていてはだめ。
客の変化に対応していかなければならないし、
“グローバル”も意識していかなければならない。
つまり、小売りにとって負担が増えている」

「そこで、小売り同士、
共有できるものは共有してコストを下げ、
商品やサービスに経営資源を投入して、
ここで勝負をする」

「1社、2社だけが導入しても価値がない。
導入企業が増えなければメリットもでない。
参加企業が増えることを目指して、
よりよいシステムをつくりあげていきたい」

次は、(財)流通システム開発センター研究開発部・坂本尚登部長の講演。
『流通BMSの概要と普及状況』
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「流通BMS協議会が昨年9月~10月に、
アンケート調査を実施した。
その結果、『導入済』が16%、
『導入予定』が15%、
『時期未定だか、導入したい』が42%。
4分の3が導入に意欲を示している」

「各企業が導入理由として一番期待しているのは、
伝票レス。
次にデータ送信時間の短縮。
アンケート結果によると、
導入効果としてあげられているのも、
伝票レスと時間短縮。
ニーズはマッチしている」

「現在、流通BMSを導入している小売企業は85社。
イオンやイトーヨーカ堂など、大手小売業は導入済み。
それに比べて、百貨店、ドラッグストア、ホームセンターなどで、
導入している企業はまだまだ少ない。
これからも導入・普及拡大につとめたい」

サミット㈱情報システム部マネジャーの長尾建さんは、
同社での導入事例について、講演。
『事業基盤の強化と流通BMSの導入について』
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「外部の開発システム・エンジニア4名と、
サミットの2名でチームをつくり、
流通BMS導入プロジェクトを開始した。
開始から本番稼働までは約4カ月」

「流通BMSは卸、メーカーにとっては
フォーマットが同じになるので、
目に見えてメリットがある。
小売りも取引先との協業関係において、
Win-Winの大きなメリットとなる」

つづいて日本スーパーマーケット協会流通推進部の篠原豊さんが、
業界推奨の流通BMS「スマクラ」の選定経緯や基本機能などについて、
説明した。
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休憩をはさみ、登壇したのは、
株式会社ヤオコー営業企画部システム管理担当部長の神藤信弘さん。
『流通BMS導入メリットと将来の活用戦略』
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「ヤオコーではシステムの自社構築はしていない。
よって、受発注システムは残すところなく、
すべて流通BMSに移行する」

「1人で導入に向けての準備をした。
つまり、たくさん人員がいないと導入できないわけではない。
震災の影響でずれ込んでしまったが、
導入スケジュールとしては、半年くらい」

「短期メリットとして、
導入したらすぐに効果がでる。
大手小売業がすでに組み込み済みで、
ノウハウもある。
長期メリットとしては、
システムが標準化すればするほど、
『楽・良・早・安』になる。
その分、営業に注力し、差別化をはかれる」

農林水産省からも特別講演。
食糧産業局食品小売サービス課齋藤勇一課長補佐。
『流通BMSの意義』
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そして最後に、
経済産業省からの特別講演。
こちらは商務流通グループ流通政策課・妹尾善多課長補佐。
『消費財サプライチェーンに関する
大規模災害時の課題と今後の取り組み』
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「今後の大規模災害を想定し、
デジタル・インフラの整備が緊急の課題。
そのために、
流通BMSなどの基盤システム構築費用の一部補助、
システム改変費用の一部補助を行う」

業界団体、企業、行政。
三位一体となって展開される『流通BMS』。

商人舎はこれに大いに賛同し、
普及に協力するつもり。

多くの企業の参加を呼び掛けたい。

「内需のしぶとさ」は、
業界を挙げたインフラ整備によっても、
支えられてくる。

このことを自ら知り、
業界外にも知らしめねばならない。

<結城義晴>

2012年01月26日(木曜日)

百貨店、総合スーパー、SM、コンビニ、外食の12月と2011年実績

今日は、「この冬一番の寒さ」。
いわゆる常套句。
全国の9割方の観測地点で氷点下を記録。
日本海側は大雪。

大雪は困るけれど、
寒さは商売繁盛に結び付く。

小売業・サービス業とは、
不思議ななりわい、
不思議な商い。

人々が困るほどに、
人々が苦しむほどに、
人々が退屈するほどに、
繁盛する。

政治も行政も、
人々が困るほどに、
人々が苦しむほどに、
活躍し貢献しなければいけない。

人々の退屈しのぎで、
面白がらせ、楽しませる政治であってほしくはない。

今日は朝から新宿・清水橋の㈱伊藤園本社で、
2011年秋の陳列コンクール審査会。

地下1階にある審査会場に、
いつもより早めに到着して、着席。

テーブルには、すでに、
審査資料が整然と並べられている。
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全員が集合し、9時に審査会がスタート。
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毎年毎年、陳列技術が向上していて、
審査委員長としてはうれしい限り。
20120126151706.jpg
そして無事に各賞が決まった。
企業賞大賞は賞金100万円。
おめでとう。

その後、恒例の記念写真。
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伊藤園からは、
私の隣が本庄大介社長、
江島祥仁副社長、
本庄周介副社長(右)。

私の左が、
松井康彦商人舎エグゼクティブプロデューサー、
アドパイン代表。
その隣が三浦美浩㈱商業界取締役・月刊『食品商業』編集長。
いつものメンバー。

その後、江島副社長の部屋で、
お茶をいただきながら情報交換。
これも恒例。
20120126151726.jpg
飲料メーカーとしての伊藤園の春の戦略を、
聞かせてもらって、納得。

私も今年のトレンドや大手チェーンストアの動向など語って、
あっという間に時間がきた。

さて、昨年のクリスマス・年末商戦、
各業態はどのような業績結果だったのか。

まず、1月19日に発表された、
全国百貨店売上高概況。

売上高総額は7318億3610万円で
既存店昨対はプラス0.8%だった。
6カ月ぶりにプラスに転じた。

全国的に寒気が強まり、
天候のよい日が続いたことなどが追い風となり、
冬物衣料やファッション商材が好調だった。
衣料品の昨対はプラス3.9%、
身のまわり品もプラス1.2%。

クリスマス・年末商戦も売上げに貢献した。
クリスマスケーキなどの菓子部門はプラス1.4%、
おせちなどの惣菜部門はプラス5.9%。
高級時計や輸入雑貨などの宝飾部門も、
クリスマスプレゼントとして購入されて、
プラス0.3%と好調だった。

2011年全体の売上高は、
昨対マイナス2.0%。

総売上高は6兆1525億6569万円。

過去10年の年間売上高の前年対比の数値を見比べてみる。
2011年 マイナス2.0%
2010年 マイナス3.1%
2009年 マイナス10.1%
2008年 マイナス4.3%
2007年 マイナス0.5%
2006年 マイナス0.7%
2005年 マイナス0.2%
2004年 マイナス2.8%
2003年 マイナス2.8%
2002年 マイナス2.3%
2001年 マイナス0.4%

10年間ずっと、マイナスで推移しているし、
2009年のリーマン・ショック直後は二ケタ減だった。
10年後の百貨店はどうなっているのだろうか。

次は、コンビニエンスストア。
1月20日に発表された、
JFAコンビニエンスストア統計調査月報。

既存店売上高は7072億0200万円で、
前年同月比プラス4.1%。

店舗数はプラス2.4%、
来客数プラス0.9%、
平均客単価が630円でプラス3.3%。

12月の寒さは、
カウンター商材の売上げに大きく寄与した。
いわゆるおでんや中華まんなど。

たばこの売上げも引き続き好調。

そしてコンビニの2011年年間売上高は、
8兆6769億円で前年比プラス8.2%。

2004年~2011年の年間データを見ると、
百貨店とは対照的に、ずっとプラス成長している。

続いて、総合スーパー。
1月23日発表の
チェーンストア販売統計月報。

総合スーパーを中心としたチェーンストアの12月、
総販売額は1兆2574億1530万円、
前年同月比はマイナス0.6。

総合スーパーの年末商戦は
思うようにいかなかったようだ。

冬物衣料の動きはよく、
衣料部門はプラス5.7%だったものの、
食料品はマイナス1.8%、
住関連はマイナス1.3%と、
動きが鈍かった。

チェーンストアの年間売上高も見ておこう。
2011年は12兆7024億4300万円で、
既存店前年比はマイナス0.8%。
前年と比較してマイナス幅は改善されたが、
やはり震災後の流通不順、自粛ムード、節電対応などの
影響は大きかった。

そして、1月24日に発表された、
スーパーマーケット販売統計調査。

昨年12月の販売総売上高は9035億3157万円で、
既存店前年同月比はマイナス0.8%と割り込んだ。
食品の合計が7804億2382万円でマイナス1.0%。
生鮮3部門は2970億7127万円、マイナス1.6%。

そのうち、青果が1093億6834万円で、マイナス2.6%、
水産が933億3875万円で、マイナス0.7%、
そして畜産が943億6418万円、マイナス1.2%。

惣菜は788億3909万円で、プラマイ0。
日配は1578億0266万円で、マイナス1.2%、
一般食品は2467億1079万円で、マイナス0.3%。
非食品が858億1112万円で、こちらもマイナス0.6%。

最後にその他が、345億9664万円で、
今月唯一のプラス1.8%だった。

オール日本スーパーマーケット協会の松本光雄専務理事。
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「12月の天候は、月始めから末にかけて、
どんどん寒くなっていった。
商売にとってはプラスに働いた」

「苦戦したのは相場に左右されやすい青果部門。
前半の相場安が尾をひいていた企業が多く、
後半少しは回復したものの、
全体として持ち直すことが難しかった」

「クリスマス直前に降った雪は、
そんなに影響はなかった。
曜日のめぐり合わせがよく、
さらに震災後加速している内食傾向も後押しして、
多くの企業でクリスマス商戦はプラスであった」

「正月商戦は31日が好調だった。
ポイント増や割引などの販促策や仕掛けを、
しっかりできた企業がよかった。
年末の総仕上げとしての提案が重要だ。
ただし、震災の影響もあり、
消費者の正月行動に変化がみられた。
例年に比べたら消極的だったようだ」

今月のゲストスピーカーは、
山口県防府市に本社を置くスーパーマーケット、
㈱丸久の田中康男社長と、
佐伯和彦執行役員経営企画室長
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丸久は「丸く久しく」商売をするという理念を掲げ、
1954年に設立されたリージョナル・スーパーマーケット。
今年57周年を迎える丸久は、
紆余曲折を経て、ここまできた。

バブルの頃に多角化路線へ移行するもうまくいかず、
スーパーマーケットに特化することで、立ち直ってきた。

さらに、2005年には、
同じくリージョナル・チェーンのイズミと、
業務資本提携を結んだ。

田中社長は言う。
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「本格的なスーパーマーケットづくりに、
必要なことは4つある。それは、
店づくり、
商品づくり、
人づくり、

そして、ファンづくりである。
これらを極めることが重要」

「本格的なスーパーマーケットづくりを進めるなか、
雑貨の売り場スペースを縮小している。
そのため、ホームセンターやディスカウントストアとの
競合は厳しい。
さらには、イオングループの店舗と、
丸久を含む、地元スーパーマーケットが、
ほぼ100%ぶつかっている状態。
お客さまが少しでも安いと感じてくれるような
売り場づくりをしていきたい」

最後に、日本フードサービス協会発表の
外食産業データ。
216社、総店舗数31410店の集計結果。

12月の売上高前年比は、プラス1.8%、
3カ月連続で前年を上回った。

冬休み、クリスマス、年末など、
イベント時に外食する人は多い。
それがそのまま数字に表れている。

ファーストフードはプラス4.0%、
ファミリーレストランがプラマイ0%、
ディナーレストランがプラス0.3%。

しかし、忘年会シーズンにもかかわらず、
パブ/居酒屋はマイナス1.6%とふるわない。

それでも震災後に記録した過去最大のマイナスから、
外食産業は確実に回復してきている。

外食産業のピークは1997年だった。
2010年の市場は23兆6450億円で、
1997年比マイナス2割近い。

それに対して、中食市場は6兆2342億円で、
同期間にプラス45.0%。

中長期では、中食分野が伸び続け、
それはコンビニやスーパーマーケットが担う。
フードサービスでは唯一、ファストフードが健闘。
これもテイク・アウト商品は中食。

丸久の田中社長の言葉。
「店づくり、商品づくり、
人づくり、ファンづくり」

これは業種業態・フォーマット、
内食・外食・中食を問わない。

<結城義晴>

2012年01月25日(水曜日)

通常国会・野田首相施政方針演説とローソン新浪剛史の「実践躬行」

日本国憲法第52条に定められた通常国会、
その第180回が始まった。

150日間の期間中に、わが日本国にとって、
最も重要なことが論議され、決議される。

その冒頭の施政方針演説。
野田佳彦首相が行った。
新聞各紙に全文が掲載されている。

朝日新聞は社説で、
「気合十分、説得力不足」と直球の評価。

野田演説の3割が、「社会保障と消費税の一体改革」、
および、その前提となる「政治・行政改革」。

実行あるのみ。
しかし説得力がなければ、
組織や人は動かない。

「気持ちと気合と根性で、
何でもやり遂げられる」。

そう諭したり、檄を飛ばしたりが許されるのは、
せいぜい中学・高校の運動部までのこと。

大人の世界では、
何よりも「実践躬行」が問われることになる。
「実践躬行」とは「身をもって実際に行うこと」、
「口に出したことをやり遂げること」。

野田演説の中の面白いたとえ。
日本の人口構成を、
「胴上げ型」から「騎馬戦型」へ、
そして「肩車型」へ。

「胴上げ型」は、多数の現役世代が1人の高齢者を高々と持ち上げる。
「騎馬戦型」は3人で1人を担ぐ。
「肩車型」は、もう1対1で背負う。
このままでは、やがて日本も「肩車型」になる。

その先は一人が多数を背負い込む。
「左門豊作型」か。
これは、私のたとえ。

「いまのままでは将来の世代は負担に耐えられない。
改革の先送りは許されない」

これは、よくわかる。
そのために今、何をするか。

ピーター・ドラッカー先生は言い残している。
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「イノベーションは、現在のために、
行われなければならない」

それが未来のためにもなっているという形。
知恵を絞って、この形に持っていかねばならない。

そうしなければ与野党合意も勝ち取れない。

野田演説の中の言葉。
「がんばっぺ、福島。
まげねど、宮城。
がんばっぺし、岩手。

そして、がんばろう、日本」

大震災直後から全国に響くエール。
方言であるところが、いい。

忘れてはいけない。
「復興を通じた日本再生」。

さて日経新聞には景気のいい見出しが三つ踊る。
まず「ヤオコー、4~12月営業益最高に」
この記事では、鮮魚部門の強化が実を結んだとある。
「早朝に水揚げされたサンマやイカなどの生魚を、
その日のうちに店舗で販売する取り組みを強化。
エビやカニなどの取り扱いも増強」。

さらに日経の見出し。
「ファストリ株価、1年9カ月ぶり高値」
昨日段階で、1株1万5100円。
これは「2010年4月以来、約1年9カ月ぶりの高値」。

「気温が急速に低下したことで、ヒートテックをはじめ、
冬物衣料の販売が伸びるとの期待が高まって株価高騰」。

三番目は「味の素、4~12月営業益最高」
理由は、「消費者の内食化志向」。
「ほんだし」など採算の良い定番調味料が堅調に推移、
家畜のエサに混ぜる飼料用アミノ酸「リジン」も高値で推移。

ヤオコー、ユニクロ、味の素。
強い企業が好調。
そんな時節。

ローソン社長の新浪剛史さんが、
日本記者クラブで会見。
これも日経の記事だが、小売業者の「雄弁は金」の話。
「TPPに参加すると米国産の安いコメが日本市場を席巻する」
こんな見方に新浪さんが実例をもって反論。

実例とは「おにぎりや弁当の試作結果」。

「(米国産は)国産に比べ水分量が少なく時間を置くと劣化する」
だから米国が日本で売れるコメを作るには、
「大規模なインフラ投資が必要で米国にとっても非合理的」

「農家と産業界が対立するのではなく、
協力して農業を進化させるきっかけにすべきだ」
ローソン・ファームを運営している経験もあって、
強い発言は、実効性に裏打ちされている。

ここが野田首相との違い。

いま、ほんとうに実務家が強い。
口先だけではないから。

「実践躬行」の強さを思い知る日々だ。

さて、昨日の晩のテレビ東京の番組。
サトーカメラ専務の佐藤勝人さん登場。
「戦士の逸品」
佐藤勝人さんは、毎日ブログ仲間。
「一刀両断」という人気ブログを書いている。

番組も、とても面白かった。

闘う経営者が、
自分のこの「逸品」を紹介するという短い番組。
サトカメ専務で超売れっ子実践派コンサルタントの佐藤勝人。
その「逸品」は、
「Hooper」のオリジナル・ジーンズだった。

毎年正月にサトカメ本店に隣接する店で購入して、
一本を穿き潰す。
愛用のキャップもHooper製。

佐藤勝人的逸品で、
「らしさ」が出ていた。

ドコモiモード限定全国配信「てれともばいる」で、
見ることができる。

ちなみにローソンの新浪さんも、
第9回目のこの番組に出ていて、
その逸品は「筆ペン」だった。

これも「らしさ」が出ていて、
面白い。

さて私、今日は朝から、
東京・池尻の東邦大学付属大橋病院の眼科。
このところほんとうに忙しくて、
昨年10月の検診を土壇場キャンセルしたまま、
ないがしろにしていた。

私の弱点は右目。
その右目のメンテナンスは、
きちんとしておかねばならない。

すぐに帰社して、横浜の商人舎オフィスに、
三井物産㈱のお二人を迎える。
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堀田安紀さん(食料・リテール本部食品流通部部長補佐営業統括、右)と、
中野真樹さん(同食料営業部マネジャー)。

夏から秋にかけての研修企画の相談。

今年も本当に忙しくなりそう。
しかしまだまだ元気いっぱいで疾走、疾駆できる。
できる間は、やり抜く。

「実践躬行」あるのみ。

<結城義晴>

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