Everybody! Good Monday!
[2012vol7]
とは言っても、私は今、
サンフランシスコのヒルトンホテル。
日本とは17時間の時差で、
夜と昼が逆転しているにも関わらず、
こちらの私自身の生活も、
若干の昼夜逆転現象。
体は疲れ切っているものの、
気力は充実。
動き回っている。
その中で昨日は、
4000字ほどの機関誌連載原稿を書き下ろした。
タイトルは、
「ナゲットマーケットのディレンマ」
面白いですよ。
ブログ公開も、
日本時間のギリギリが連続。
このスリリングさは、自分自身、
全く問題にはならないのだけれど、
書かねばならないテーマや書きたい材料が、
手元に満載しているのに、
それを書けない。
こちらの方が、ストレスは大きい。
「毎日ブログ」仲間の佐藤勝人さんがかつて、
自戒を込めて書いていた。
㈱サトーカメラ専務にして、
超売れっ子コンサルタント。
「毎日ブログがマンネリになってくると、
自己宣伝とコピペが増える」
私にはそれがない。
今の私は、書きたいのにかけないディレンマ。
紹介したいのに、それができないストレス。
時間との闘い。
などと書いている間に、
書けばいいのに。
そんな言葉を自分に投げかける。
月曜日から愚痴ですみません。
一昨日の土曜日2月11日は、
サクラメントからサンフランシスコに移動しつつ、
ウォルマート環境対策店スーパーセンターを訪問。
それからウォルマートのライバルのターゲット。
この2社はフィリップ・コトラーいうところの、
マーケット・リーダーとチャレンジャーの役割を、
見事に果たしている。
それからホールフーズの既存店、
ナゲットマーケットのエルクグローブ店、
レイリーズのエルクグローブ店など視察。
レイリーズではジャッキー副店長にインタビュー。
そしてサンフランシスコに到着。
昨日は、レインボー・グロサリー、
コストコ、ホールフーズ、セーフウェイのコンベンショナル型、
そしてサンタナ・ローのライフスタイルセンター、
さらにダウンタウンに戻ってきて、
小型店の秀逸店舗を二つ。
ホールフーズとフレッシュ&イージー。
小型店にはほぼ決着がつきそうな気配。
これも本当に定点観測してきてよかった。
さて、今週は2012年第7週、
2月第3週。
明日は、セント・バレンタインデー。
こちらでも、バレンタイン売り場百花繚乱。
St.Valentine’s dayの始まりはローマ時代にさかのぼる。
西暦269年、ローマ皇帝はキリスト教を迫害していた。
このとき殉教した聖ウァレンティヌスに由来して、
バレンタインデーが設けられた。
こちらでは、女性から男性へ、というわけではない。
男性からも女性からも。
つまりは「愛の交換」の日。
だから日本よりも盛大な売り場となる。
チョコレートを贈るというだけでもない。
まず花、そしてカード、さらにケーキ。
花とカードが重要となる。
日本でもそちらの方向に誘導してもいい。
というとチョコレートメーカーの皆さんに叱られるかもしれないが。
そのチョコレートは、
イギリスのキャドバリー社の仕掛けで始まった。
小売業は品目を広げていくのがいい。
顧客は贈り物の「差異」を出したい。
だからチョコレートを中心にして、
花やカードから菓子、酒、惣菜、食品全般に拡大していく。
バレンタイン商品を提供する店のユニークさ、
店の広がりが喜ばれる。
どこまで広げるの?
そのくらいの自由奔放さはあっていい。
要は「自分が贈る」つも利で仕事に臨むことが大切。
それを売場や商品に表現する。
小売業は楽しいな。
明日に先立って、
アメリカの聖バレンタインデー売場をご紹介しよう。
まずは王者ウォルマート・スーパーセンター。
ご存知、世界最大の企業にして、
世界最大の小売業。
2011年1月期国内年商4189億ドル。
こちらはいたるところでバレンタインを訴求。
主通路でのプロモーション。
グロサリー売り場のゴンドラアイル2列を使った展開。
衣料品売り場でもバルーンをあげてプロモーション。
ギフトカードの展開もピンク一色でド派手。
アクセサリー売り場では、
カップルが指輪を選んでいる。
ウォルマートは、全開で楽しんでいる。
その総合性をいかんなく発揮している。
バレンタインデーには、
その店、その会社のマネジメントレベルが現れてしまう。
そしてウォルマートの対抗企業ターゲット。
全米小売業第3位で、年商658億ドル、1750店。
ゴディバのチョコなどを品ぞろえする祭事コーナー。
ギフトカード・コーナーは上品に仕上げられている。
ド迫力と上品さが、ウォルマートとターゲットの違い。
メンバーシップ・ホールセールクラブのコストコ。
全米小売業第6位。
国内年商590億ドル、412店。
世界年商では、784億ドルで、
これはウォルマートに次いで第2位。
こちらは入り口にフラワーギフトの大展開。
一つ一つがボリューム感のある花束。
そして 酒とチョコレートの商品訴求。
余計な飾り付けは一切しないが、
迫力がコストコの「差異性」を物語る。
ここまでが総合品揃えの大型店。
次にスーパーマーケット。
ホールフーズはもう、
アメリカのスーパーマーケットの代表といってよい。
特殊なオーガニック・スーパーマーケットではない。
ホールフーズがメインストリームになってしまった。
何しろ1ドル100円換算で1兆円を超えたのだから。
年商101億ドル、311店舗。
そのホールフーズ3店三様。
第1はサクラメントのホールフーズ。
既存店の1500坪中型店。
地域になじんでいる。
朝8時過ぎの訪問のため、 ディスプレーの作業中。
チューリップを円形の平台に並べ、
台の下はホールフーズのオリジナルエコバッグで飾り付け。
第2に、このサンノゼのホールフーズは、
ショッピングセンターの中の大繁盛店。
コストコ、トレーダー・ジョーなどが入ったパワーセンターに隣接。
これがバレンタイン島陳列の出来上がりの姿。
こちらは鉢のみでデコレート。
もう一つ、第3に、ダウンタウンにあるホールフーズ1万平方フィート小型店。
入り口にディスプレイ。
店内に入ると正面に小さくプロモーション。
全米第2位のスーパーマーケットセーフウェイ。
年商411億ドル、1694店。
古いタイプの店、すなわちコンベンショナル型だが、
意外に華やかな展開。
新しい店も古い店も、
バレンタインデーには関係ない。
古女房も新しい恋人も、
関係ないのと同じ。
地元のローカルスーパーマーケットレイリーズ。
サクラメントではシェアナンバー1のローカルチェーンの雄。
132店で年商31億ドル(100円換算で3100億円)。
この店の展開はすごい。
天蓋にプレゼンされたピンクの鉢植え。
青果売り場ではバルーンが上げられ、華やか。
見てください、この徹底ぶり。
チョコレートのコーナー。
車を使ったディスプレイ。目を引く。
ローカルチェーンでも、ナショナルチェーンでも、
インディペンデントでも、
そんなことは関係ない。
要は自分で楽しむこと、
そして自分の顧客を楽しませること。
ナゲットマーケット・エルグローブ店。
ナゲットは12店舗で、年商3億0100万ドル。
入ってすぐにバレンタイン・プロモーション。
左手の花売り場との連動。
意外にシンプルというか、
この店は楽しんでいない感じ。
ナゲット、全体に元気がない。
最後は、フレッシュ&イージー。
サンフランシスコダウンタウンの店。
イギリスのテスコがアメリカに進出してきた1万平方フィートの小型店。
この店はフレッシュ&イージーが、
今後、成功を収めるだろうことを予感させる。
入り口にフラワーギフトでバレンタインをアピール。
こちらは小型店なりのバレンタイン展開。
楽しそうですね。
みんな、自分がパートナーや恋人に贈る気持ちで、
売場をつくっている。
それがいいのです。
みなさんも、同じ。
では、Good Monday!
<結城義晴>