Everybody! Good Monday!
[vol9]
2012年第9週は、
2月最終週と3月第1週をまたぎます。
気分はもう、3月。
石巻在住の阿部恵昭さんがつくった唄。
「弥生三月は突然やってきます♪」
いつもこの時期に思い出しては口ずさむ。
しかし今日の2月27日は、
全国的に冬並みの寒さ。
すこしづつすこしづつ春けふの空
〈宇都宮市・小野寺七十六 朝日俳壇より〉
ちなみに「少しずつ」と書くときには、
現代仮名遣いでは「ずつ」と表記する。
ときおり「づつ」と綴ってある文書など見かけるが、
これは「古典仮名遣い」や「歴史的仮名遣い」で、
現代文の中に出てくると、間違い。
この俳句は古典仮名遣いで、
従って「すこしづつ」と「けふ」の表記が見られる。
「けふ」とは「きょう」すなわち「今日」のこと。
蛇足ながら。
さてこのホームページの巻頭に、
「商人舎ミドルマネジメント研修会」のバナー。
デザインが改まって、
正式に募集開始。
ドラッカー学会初代代表の上田惇生先生を筆頭に、
「52週MD」の鈴木哲男先生、
「レイバースケジューリング」の高野保男先生、
「計数」の白部和孝先生、
そして結城義晴。
5人で、ミドルマネジメントにとって必須の考え方を、
分かりやすく、Basicに徹して語り、研修とする。
小売流通業の会社の幹部を目指す人、
ミドルマネジメントそのものの店長やバイヤー、
部長、課長、係長、主任、
そしてそのミドルマネジメント予備軍。
そういった「ナレッジ・マーチャンツ」に、
「マネジメント」とは何か、
「人を活かす」とはどんなことか、
を学び取ってもらい、
小売流通業の「経営と運営」に関する知識と知恵を提供する。
次の時代を切り拓く人財、
他産業の人々と比べても遜色のない人財、
社会人大学院修了レベルに引けを取らない人財、
そんな人財開発にお役立ちする。
ご参加、ご派遣、
ご検討ください。
さて、今週は3月3日のひな祭りを目指して、
全力投球。
「女の子が健やかに成長することを祈る日」
それが3月3日のひな祭り。
今年はうるう年でもあって、
2月29日が加わり、
ひな祭りは土曜日になった。
いい日どり。
昨年は木曜日だった。
目いっぱい、ひな祭りで、
「女の子が健やかに」を愛でたい。
ひな祭りを過ぎると、
一気に春本番。
待ち遠しい。
しかし昨年3月11日のあの震災と津波。
あれから1年が過ぎようとしている。
フクシマ原発の問題はいまだ解決にほど遠い。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
この心構えで、
3月に臨みたい。
一人食う昼のおかずの鯖缶を
猫と分かてば春はそこまで
〈岡山市・佐藤茂広 朝日歌壇〉
昨日の第6回東京マラソン2012。
3万6000人が走った。
朝日新聞「天声人語」は予定稿らしき文章。
「陸上競技の競走で、電光石火の100メートルは、
走者が時間に向かって突き刺さっていくイメージがある。
片やマラソンは、時間を背後へ、背後へと捨て去って、
走り続ける競技のように思われる。
どこか人生に似ている。
そして人生はままならない」
コラムニストは埼玉県庁の公務員ランナー川内優輝選手を取り上げる。
日本人第1位でロンドン・オリンピック派遣がほぼ決まった藤原新選手ではなく。
「川内選手らの闘いの後には、
祝祭空間のようなコースを3万6千人が思い思いに続いた。
そして参加者の数だけの『人生』が、
ゆったりと、首都の道に一筆書きで描かれた」
さて日経新聞「スターバックス再生物語」
「どの組織にも存在する意義・目的であるミッションが存在し、
その目標を明確に示した『ミッション・ステートメント』が必要」
スターバックスのミッション・ステートメントは
「人々の心を豊かで活力あるものにするために
――ひとりのお客様、いっぱいのコーヒー、そして一つのコミュニティから」
例えばスターバックスはかつて、
「既存店の売上げを伸ばすために、
朝食メニューにホットサンドを加えました」
その結果は、ミッションからの逸脱。
「コーヒーの香りが
サンドイッチのチーズが焦げるにおいで打ち消されてしま」う。
そして、肝心の「スターバックス体験」の提供が困難になった。
スターバックス体験とは、
「店内に足を踏み入れた時にコーヒーの豊かな香りに包み込まれる」体験。
「たとえ経済的利益をもたらすものでも、
ミッション・ステートメントに反するものは排除するべきだった」
CEOハワード・シュルツの言葉。
私はこの物語を読んだとき、
関西スーパーの使命と品揃えを思い出した。
「今晩のおかず屋」を、
名誉会長の北野祐次さんが使命としてきた。
だから関西スーパーには、
「贈答用の果物カゴ盛り」は置かれなかった。
今晩のおかず屋としての「関西スーパー体験」が崩れるから。
ミッション・ステートメントも時代とともに変わる。
変わってよろしいし、変わるのが当然。
だから贈答用カゴ盛りを品揃えするか否かの問題ではない。
「社会的使命」が明確で、
その使命と行動とに矛盾がないか。
それが問題である。
もうひとつ日経新聞のコラム『景気指標』。
「震災1年の消費の実像」
編集委員の田中陽さんが書く。
結論から先に紹介すると、
「不確実性が消費社会を揺さぶる」
つまり、「震災後の消費の実像は
今まで以上に読みづらくなっている」
なぜか。
「震災だけでなく、
いろいろな社会現象や制度変更が
複層的に絡み合った結果」
それに「加えて消費税率引き上げの行方が
消費行動にどんな影響を及ぼすのか」
この不確実性の事例があげられている。
「20代のパスポート取得が増えている。
30~70代はすべて落ち込んだ」
「所得や雇用環境が好転していない若者が、
海外に目を向け始めたのはなぜか」
慶応大学のパネル調査(4150世帯)。
「労働時間の長い人や高賃金の人ほど
ボランティア活動に積極的に参加する姿が確認された」
「経済学ではボランティア活動は
逸失所得になるため参加率が低くなるとみられていたが
逆だった」
分からないこと、
これまでのセオリーが、
逆転していると、
田中さんは指摘する。
「株価と正の相関があるとされる宝飾品」
「百貨店では宝飾品など高額品の売れ行きが好調」
「地震や津波で一瞬のうちに生命や財産が奪われ、
不要不急な商品を新たに所有することに
二の足を踏むという意見もあったが、
実際は違った」
そこで第一生命経済研究所・熊野英生首席エコノミストの見立て。
「インフレに備えた実物資産への投資、
家電エコポイント終了による薄型テレビからのシフト、
団塊世代の年金受け取りの本格化」
だから「社会現象や制度変更が複層的に絡み合った結果」となる。
私の結論は、それでも震災後を読み取るためには、
「消費をマスで捉えてはならない」ということ。
震災後、それがますます顕著になった。
例えばID付きPOS システムがある。
顧客データごとに商品販売データをつかむ。
しかし、ワン・トゥ・ワン・マーケティングでは、
効率は上がりにくい。
だから、マス・カスタマイゼーションが要求される。
マス・マーケティングとカスタマイズの両立。
このホームページの中のブログ「流通仙人日記」。
やがてこのブログは単行本になる予定だが、
その中の「マス・カスタマイゼーションを実現」のページに、
次の記述がある。
「マス・カスタマイゼーションを実現するために、
これからのコモディティ商品のマーチャンダイジングのあり方、
および固定客づくりの手法の骨格を分けて考えてきた。
これからのコモディティ商品のマーチャンダイジングのあり方、
および固定客づくりの手法の骨格を分けて考えてきた」
「これは、不特定多数客をターゲットとするマスと
固定客づくりを最重視すべきとする
相互に相いれない2つの概念の両立を試みるためであった」
そして言い切る。
「対立概念の両立は可能であり、
しかもシナジーを生み出す」
さて昨日の日曜日。
夕方から、27歳の若者たちと懇親。
横浜は白楽の海鮮居酒屋はなの舞。
夕方の5時から始めて、9時半くらいまで。
楽しすぎて、したたか飲んだ。
そして二日酔い。
私は、1993年から10年ほど、
ジュニアソフトボール・チーム「竹の子」の監督をやっていた。
小学生の男女20人ほどがチームメンバーで、
毎週日曜日と祭日には横浜市立白幡小学校に集まって、
練習に明け暮れる。
私自身『食品商業』編集長から㈱商業界取締役となり、
専務、代表取締役社長と、目まぐるしく立場が変わりつつ、
ほんとうに忙しい日々だった。
その私の監督3年目のメンバーが彼ら。
「竹の子」の第一期黄金期をつくった選手たち。
左からキャプテンでキャッチャーの柳楽誠、
ショートとピッチャーの小泉直樹、
そしてピッチャーと内野手の結城晴。
小泉君は5年前に、
㈱シジシージャパンに新入社員として入社し、
元気よく働いているとか。
そんなこともあって、
再び気持ちはグランドに舞い降りて、
したたかに飲んだ。
「球春」を迎えようとしている今、
ブリューワーズに入団した青木宣親は、
「ニンジャ」とニックネームをつけられて躍動し始めた。
「竹の子」の3人と同級生で、
港北ジュニアソフトボールリーグでしのぎを削った大谷智久は、
2009年に千葉ロッテ・マリーンズに入団して、
今年、先発投手の枠に入る。
昔の教え子たちも、
それぞれの人生を歩き始めている。
「参加者の数だけの人生が、
一筆書きで描かれる」
何とも言えない心地よい夜だった。
そして元気が出てきた。
みなさんも、元気を出して。
Good Monday!
<結城義晴>