Everybody! Good Monday!
[vol10]
2012年第10週。
3月第2週。
もう10週間も経ったのか。
そう感じる。
光陰矢のごとし。
今週末の日曜日は3月11日。
「もう10週間か」と感じると同時に、
「もう1年か」とも思う。
あれから1年、
何ができたのだろう。
だから今月の商人舎標語は、
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」
「何ができたのだろう」よりも、
「いっぽずつ進んできた」。
その方が気分がいい。
その方が明日に向かっている。
その方が絶対に成果が上がる。
急がば回れ。
さて今週は、
日曜日に向けて、
スピードを上げる。
11日には慰霊祭や追悼式が、
各地で行われる。
私たちも、
心から哀悼の意を表し、
ご冥福を祈ろう。
そしてそのために行動しよう。
ひな祭りが終わったら、
この3月11日を目指し、
さらに商売上は、
3月20日の春分の日に山が来る。
春分の日は彼岸の中日。
3日前の17日(土曜日)が彼岸の入り、
3日後の23日(金曜日)が彼岸の明け。
この1週間は、
まことに日本的だが、
ご先祖様の霊を供養する仏事が行われる。
東日本大震災後1年の今年は、
特にそれが強調される。
今週はその直前の準備期間。
世間がそのトレンドとなる。
これは十分に認識しておかねばならない。
今日は北海道・東北を除いて雨模様だが、
雨がなければ花粉が飛ぶ。
花粉症真っただ中。
「春は大好き。
花粉症さえなければ」
商人舎編集スタッフの鈴木綾子さんも、
そんなことをつぶやいている。
さてこのホームページの巻頭に二つのバナー。
①「商人舎ミドルマネジメント研修会」
②「商人舎USA視察研修会ベーシック・コース」
どちらも5月の開催。
まずアメリカ研修が、
5月10日から16日の5泊7日間。
ラスベガスに居座って、原理原則、基礎基本を学ぶ。
昨年は90名の参加があったが、
さらに内容充実、イノベーションを図って、
これ以上ない「自ら変われ!」を実現させる。
ミドルマネジメント研修会は、
5月29日から31日の2泊3日間。
こちらは東京での濃密な短期集中合宿。
会社の根幹を形成するミドルマネジメントを、
「自ら考えて動く知識商人」。
それを志向する人財の養成が目的。
先週、商人舎ファミリーの企業トップの皆さんを中心に、
ダイレクトメールをお送りした。
お申し込みはお早めに。
それから、3月1日に、
『月刊商人舎』を発送した。
毎月1回、1日に発行している。
この「結城義晴のブログ[毎日更新宣言]のレビュー版」だが、
たいへんご好評を博している。
さて、台湾旅行のご報告のつづき。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科は、
社会人大学院、いわゆるMBA。
Master of Business Administration。
経営学修士課程。
その結城ゼミには、
小売流通・サービス業の人間が入ってくる。
3年前の第1期生には、
イオン、マルエツ、日本マクドナルド、
さらに単独ドラッグストア。
その社員、幹部が名を連ねた。
第2期生は、IT関連ビジネス、メーカー、大学教育関係など。
しかし百貨店出身者が二人、サービス業経験者もいた。
第3期生は、小売業が3人(うちネット小売業1人)、
サービス業が3人、メーカーが1人。
その経営者、経営幹部、社員。
みな、激しく仕事をこなし、
そのうえでプライベートな時間を費やして、
2年間学び続ける。
その卒業旅行。
場所は台湾を選んだ。
したがってこの旅では、
観光もするし、交流もするし、
飛び切りうまいレストランで食事もするし、
足裏マッサージもするが、
視察や研修もする。
日勝生加賀屋は、
サービス業とホスピタリティの勉強。
もう一つは小売業の勉強。
私は急遽、
「台湾の小売業とフードサービス業」
〈立教大学大学院・結城ゼミ修了研修視察資料〉をつくった。
28ページとなった。
百貨店は新光三越と太平洋そごう、
それに遠東百貨の「三占」。
三越18店、そごう8店、遠東が9店。
もちろん三越とそごうは日本の企業との合弁。
ハイパーマーケットは、
カルフールとRTマート。
こちらは「複占」。
カルフールは60店、RTマートは23店。
それにコストコの6店。
メンバーシップホールセールクラブは「独占」。
スーパーマーケットは、
全聯福利中心とWellcome。
こちらも「複占」。
全聯は2011年2月期段階で572店、現在608店。
Wellcomeは286店。
コンビニはセブン-イレブン(4750店)、
ファミリーマート(2401店)、
それにハイライフ(1245店)と、
OK便利商店(サークルK、837店)。
いまのところ「寡占」。
ドラッグストアはワトソンズ(422店)とCOSMED(346店)。
チェーンストアは「複占」。
しかし単独店など多数乱立。
<以上の店数はいずれもジェトロの2011年2月の調査>
これらを全員で訪れ、あるいは自由に視察した。
詳細は明日、報告の予定。
ただし、最初に語っておかねばならないことがある。
全聯福利中心というスーパーマーケット企業のこと。
現在、台湾で断トツ一番のスーパーマーケット。
ここでは、特別助理の初貴民さんに会って、
ずっと視察をご案内いただいた。
初さんは、早稲田大学大学院に席を置いて、
3年間、日本で勉強した。
その後、台湾の百貨店に就職し、
その百貨店が合弁で台湾サミットをつくった時に出向。
その後、ずっと台湾で、
スーパーマーケット経営の段階的革新を経験してきた。
台湾サミット8店が全聯福利中心の傘下に入って、
特別助理の役目を果たす。
総事長が社長とすれば、
その補佐官的な副社長といったところか。
初さんが日本、台湾はもちろん、
中国や韓国の流通業のことをよく知っていて、
私たちはすぐに意気投合した。
「台湾ほど日本のことが好きな国はありません。
私たちは日本から学んでここまで来ました」
初さんはそう言いながら、付け加える。
「今、台湾の単体企業で一番はセブン‐イレブンです。
全聯福利中心はやがて
セブン‐イレブンを抜きます」
現在608店のスーパーマーケットを持つ。
年間の伸び率は15%。
大半が200坪ほどのグロサリーストアだったが、
今は、350店に生鮮食品売り場を導入して、
大改革中。
そしてこの生鮮のイノベーションに、
二人の日本人顧問が一役買っている。
元サミットの浅見三夫さん(私の右)と、
元ライフコーポレーションの石橋敬三さん(私の左)。
浅見さんはサミット精肉部門一筋の専門家。
もちろん店長の経験もある。
私はサミット時代にも何度もお会いしていて、
本当に懐かしかった。
石橋さんは、ライフコーポレーションで活躍し、
1987年、ファミリーレストランの華屋与兵衛を、
故山本次郎専務とともに立ち上げた。
山本さんの名前が出てきて、
私は本当に懐かしかった。
石橋さんは、全聯福利中心の惣菜部門を、
立ち上げようと懸命だ。
お二人のイノベーションにかける熱意を聞いて、
私はとてもうれしかった。
「日本のことを一番好きな国」。
その台湾の小売業を日本の「知識商人」が助っ人する。
浅見さんや石橋さんの経験やキャリアこそ、
「知識商人」のナレッジそのものだ。
私も心からの支援を誓った。
昨年の12月の中国上海流通報告の中で、
私は台湾系の小売業のマネジメントに注目した。
その代表がハイパーマーケットのRTマート。
ウォルマートよりもテスコよりも、
もちろんカルフールよりもはるかに高い売り場レベル。
その理由は何かを考え続けた。
そして台湾にやってきて、
初さんに会い、浅見さん、石橋さんに会った。
日勝生加賀屋の徳光重人さんにも会った。
理由がはっきりしてきた。
元気も出てきた。
台湾の人々が中国で成功する。
日本の企業が世界で活躍するヒントがある。
それがちょっと、わかり始めたからだ。<この話、明日に続く>
では、皆さん。
Good Monday!
<結城義晴>