光は春の真ん中あたり、
空気は冬の終わりごろ。
そんな日が続く。
今日は、朝から東京タワーを眺め、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱(略称CCL)の定例役員会。
午前中の決議事項の審議と報告事項の質疑を終わらせて、
役員、関係者で昼食。
一番右が西川明宏CCL社長。
私の隣は玉生弘昌CCL相談役・㈱プラネット社長。
井上美智雄CCL非常勤取締役・㈱プラネット副社長。
米倉裕之CCL取締役。
そして三菱商事㈱の高木朋行さん、元CCL取締役。
3月決算のCCL。
ビジネスモデルの転換を図りつつ、
今期の見通しをつけ、来期を展望する。
みんな、明るい笑顔。
西川さん、米倉さんは決意新た。
この気分に似たニュース。
日経新聞スポーツ欄のコラム『クールダウン』。
私は日経のスポーツや文化欄を評価している。
姿勢が一貫していて、
この分野では業界迎合がない。
コラムのタイトルは「まぶしい柔道の黄金律」。
日本オリンピック委員会の上村春樹・選手強化本部長の叫びの言葉。
「もっと黄金の光を」
ロンドン・オリンピックの金メダルの数のこと。
国別5位以上のためには15~18個が必要。
しかし「日本の力はまだ10~12個程度」。
上村さんは全日本柔道連盟会長でもあるが、
「よそ様に負担を求める以上は
自分たちが一等重い年貢を納めねば」と考えている。
コラムニストは、柔道の祖・嘉納治五郎を引く。
治五郎は「自他共栄」という互助の精神を説いて、
「生ぬるい“連帯無責任”とは懸け隔たった厳しさ」を求めた。
「自他共栄」の意は、
「他人に望む行いはまず自分が実践すべし」。
「隗より始めよ」に通ずる。
コラムニストは語る。
「柔道界にはまだ
『俺は勝つ。おまえも勝て』と言える人がいる。
この黄金律がまぶしい」
俺は勝つ、
おまえも勝て。
会社も仕事も、
それが一番、いい。
日経新聞に、
「セブンイレブン、チケット取扱高4割増」の記事。
セブン-イレブンは2009年度にぴあに出資。
チケット事業を強化してきたものの、
取扱高は2010年度443億円、
2011年度651億円。
2012年度は前年度比4割増の920億円を目指す。
一方、ローソンは2年前の2009年度段階で、
取扱高817億円。
完全にセブン-イレブンは先行されている。
ちなみに国内のチケット市場規模は、
1兆1000億円前後と推計されている。
セブン-イレブンの施策は二つ。
第1はマーチャンダイジングと売り方。
「各地域の商品開発部門と連携」。
取り扱うイベント数を増やし、
独占・先行販売チケットも獲得。
今期は関東地方以外で開かれる地域イベントを拡大。
美術展や花火大会の入場券まで販売する。
当然ながら「プロ野球・Jリーグのチケット販売も強化」。
「重点取り組みチーム」を2011年度の8チームから20チームに増加。
弁当の共同開発、店員の球団ユニホーム姿での接客などを展開する。
第2は店舗オペレーションの改革。
7月末までに全1万4000店で、
レジ奥の発券チケットプリンターを刷新。
レジで料金を払い込むと、
その場でチケットを印刷するが、
「従来は1枚印刷するのに17秒、2枚で計29秒かかっていた。
新型機ではそれぞれ5秒、8秒にし、
購入客の待ち時間を短縮する」
問題は、店がチケットを売る気になること。
それぞれの店舗に売上高として計上されるのは、
チケット額面の3~4%程度の手数料。
これでは1000円のチケットで、30円から40円の売上げ。
3000円のチケットで100円くらい。
「チケットのために来店した客の5~6割が
他の商品も一緒に購入しており、売上げ増につながる」と、
記事には書かれている。
セブン-イレブンにとっての一番の問題は、
この加盟店での売り込み姿勢だと思う。
ここでも必要だ。
俺は勝つ、
おまえも勝て。
チェーンストアには、
嘉納治五郎の「自他共栄」がよく似合う。
<結城義晴>