結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月24日(土曜日)

東急ストア社長・木下雄治さんのご逝去と寺岡表彰式での特別講演

1週間前の3月17日、
木下雄治さん逝去。
東急ストア社長にして東京急行電鉄専務。
享年60。
私より一つ上。

今年1月20日に、
日本チェーンストア協会のパネルディスカッションで、
木下さんがパネラー、
私がコーディネーターを務めることになっていた。

直前にご病気とのことで欠席されたが、
そのまま療養、このたび、
心不全で惜しくも早世された。

心から、ご冥福を祈りたい。

代わって東急ストア社長には、
現会長の鈴木克久さんが就任。

木下さんの改革は継続される。

昨日のブログで、ちょっとお詫び。
慶応義塾大学は「塾長」と呼ぶ。
昨日は清家篤さんを「学長」と記した。
訂正し、お詫びしたい。

ちなみに我が早稲田大学は「総長」といい、
立教大学も東京大学も総長。

学習院大学は「院長」と病院のようだが、
それはそれで伝統とこだわりを持っている。

その慶応義塾大学塾長の清家さんの話をもうひとつ。
福沢諭吉の「公知」、あるいは「公智」。
公知とは、
「人事の軽重大小を分別し
時と場合によって、
その軽小・重大の前後を洞察する働き」

これを分かりやすく言えば、
「重いものを先に、
軽いものを後に」。
清家さんのわかりやすい説明。

さて昨日は、午後から、
東京會舘。
皇居前のお堀端の由緒ある会館。

寺岡メーカー賞表彰授与式。
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私は最後に、特別講演。

講演が始まる前に、
㈱寺岡精工社長の寺岡和治さんと写真。
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私はもう、この表彰式で、
10数年、講演をしている。
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初めから清聴の姿勢。ありがたい。
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司会は、営業企画室長の三木桂さん。
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講演テーマは、
「日米欧流通サービス業のTide of Time」
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私はこの〝Tide of Time”という言葉、
気にいっている。

昭和52年、1977年、
私は大学を卒業して㈱商業界に入社した。
そしてチェーンストア専門雑誌『販売革新』に配属された。

この雑誌は昭和38年に創刊し、
日本のチェーンストア産業を応援し、啓蒙し、
成長の原動力となった。

その『販売革新』創刊の頃のコラムの名称が、
〝Tide of Time”だった。

Tideは潮流、
Timeは時代。

すなわち時代の潮流。
頭韻を踏んで頭に「Ti」が使われている。

この会での特別講演は、90分。
表彰される人々68人。
それだけのことはある。

実に熱心に聞いてくれた。

私も上着を脱いで、
熱が入った。
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最後の言葉は、「祈り」。
ラインホールド・ニーバー。

卒業式の季節でもあり、
最近は一番気に入っている。
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変わるものを変えられる勇気を、
変わらぬものを受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を、
お与えください。

盛大な拍手とご清聴、
心から感謝したい。
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特別講演のあとは、
記念写真。
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三木さんの音頭で、並んで・・・・。

「ピース」
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いい写真です。

その後、懇親会。
㈱寺岡精工専務取締役をめでたく退任、
相談役にご就任の高野公幸さん。
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商人舎エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦とはさんで、
「ご苦労様」と言ったら、
まだまだ㈱テラオカの社長など、
このグループでの高野さんのお役目は、つづく。
ほとんど変わらない。

業界の皆様、よろしく。

今日は、立教大学大学院の学位授与式。
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375名に修士号を授与。
立教大学総長・吉岡知哉さんの言葉は、
その口調に比べて、
辛辣でハードパンチだった。

「東日本大震災以降、
大学や大学院、アカデミズムの『考える役割』が、
喪失されている観があります。

立教は『リベラルアーツ』を標榜してきました。

『考える営み』とは、
本質的に反社会的な行為です。
しかしみなさんは、
徹底的に考える行為を続けてください」

意志のこもったスピーチに、
私はちょっと感動した。
今日の修了式も、昨日の卒業式も、
ひとつの区切り。

しかし、すべて例外なく、
何かの終わりは、
何かの始まり。

めでたいけれど、
心は前を向いていなければならない。

今週も、このブログ、
このホームページを、
ご愛読くださって、
感謝しています。

良い週末を。

<結城義晴>

2012年03月23日(金曜日)

慶応大卒業式の福沢諭吉と知識商人、小売り業態別2月の販売統計

高知から伝わった桜の開花。
これから日本列島を、桜が覆っていく。

しかし、こんな桜もある。
みちのくの山河慟哭
(どうこく)初桜
読売新聞夕刊の『よみうり寸評』。
長谷川櫂の震災句集から、一句とりあげた。

慶応義塾大学塾長の清家篤さん。
6489名を送り出した卒業式の式辞で、
穏やかに語った。
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「まず持続可能性が問われています。
例えば高齢化社会。
2035年には3人にひとりが高齢者、
2050年には5分の2が高齢者となります。

今年の卒業生は、
日本の人口がピラミッド型のときに生まれ、
逆ピラミッド型の時代に社会に出ていきます。

その社会の特徴は『多様性』にあります。

1970年代後半は、ホモジニアスな時代。
現在は、ペテロジニアスな社会。

仕事の上で、生活の上で、
海外や外国人との接点も増えていきます。

「以心伝心」とはいきません。
相手が何を考えているかを理解し、
自分が何を考えているかを相手に理解してもらう必要があります。

変化の大きな社会、多様性の社会。

そこで必要とされる能力は、
問題発見、問題分析、問題解決の力です。
これは学問の作法、学問の方法論そのものといえます。

自分の頭でものを考える。

さらにそのうえで、
福沢諭吉が提唱した『実学』は、
ますます大切な方法論となります」

清家さんの言う「実学」に関して、
福沢諭吉は『学問のすすめ』に記している。

「学問とは、ただむつかしき字を知り、
解し難き古文を読み、和歌を楽しみ、詩を作るなど、
世上に実のなき文学を言うにあらず」

「これらの文学も自ずから人の心を悦ばしめ
随分調法なるものなれども、
古来世間の儒者和学者などの申すよう、
さまであがめ貴むべきものにあらず。
古来漢学者に世帯持の上手なる者も少なく、
和歌をよくして商売に巧者なる町人も稀なり。

これがため心ある町人百姓は、
その子の学問に出精するを見て、
やがて身代を持ち崩すならんとて親心に心配する者あり。

無理ならぬことなり。
畢竟その学問の実に遠くして
日用の間に合わぬ証拠なり。

されば今かかる実なき学問は先ず次にし、
専ら勤むべきは人間普通日用に近き実学なり」

そして具体的に示す。
「譬えば、いろは四十七文字を習い、
手紙の文言、帳合の仕方、算盤の稽古、天秤の取扱い等を心得」

昨日も引用した『ポスト資本主義社会』。
ピーター・ドラッカー著。
「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。

しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」

これは福沢諭吉の「実学」そのもの。
そして「知識商人」とは、
「実学の人」である。

もちろん「実学」とは、
清家学長が強調する「問題発見、問題分析、問題解決」であり、
「学問の作法、学問の方法論そのもの」でもある。

福沢諭吉が学んだ「適塾」。
1838年に緒方洪庵が創設。
洪庵の著「扶氏医戒之略」の中にある言葉。
「医の世に生活するは
人の為のみ
ただ己を捨てて
人を救わんことを願うべし」

塾員代表祝辞で比企能樹さんが紹介した。

医の世に生活する者に限らない。
人の為のみ
ただ己を捨てて
人を救わんことを願うべし

さて、毎月恒例、
小売各業態の販売統計月報。
百貨店、コンビニ、総合スーパー、
そしてスーパーマーケット。
今月の明暗はいかに。

今月唯一、昨対マイナスという
結果になってしまったのは、百貨店。

日本百貨店協会発表。
2月の総売上高は4331億0811万円。
前年同月比は既存店ベースでマイナス0.4%。

マイナスの要因は全国的な強い寒気の影響で、
春物衣料に動きが見られなかったこと。
また、天候不順やインフルエンザの流行で
外出を控える人が多かったようだ。

バレンタイン商戦で、
菓子部門がプラス2.6%。
また高級商材部門がプラス3.3%。
これら一部部門は活況ではあったが、
悪戦苦闘の春物衣料が足を引っ張った結果となった。

一方、日本フランチャイズチェーン協会発表。
コンビニは既存店売上高が6155億1300万円で、
前年同月比はプラス4.8%。

コンビニでは寒くても来店客数に影響はなし。
むしろ、一時的な暖を取るために、
ふらっと立ち寄る人も多いだろう。
10億0480万人が来店し、
客数は2.5%のプラス。

ついでに客単価も612円でプラス2.3%。
今月も相変わらずの好調ぶりだ。

さて、次は日本チェーンストア協会のまとめ。
チェーンストア販売月報

主に総合スーパーのトレンドを示す2月の販売総額は、
9678億7537万円で既存店前年同月比はプラス0.3%。

閏年効果で前年同月比はプラスだった。
それでも他の月と比べれば、日数は少ない。
必然的に販売総額は下がり、
2月はほぼ毎年、1兆円を割る。

部門別にみると、
食料品が6329億9806万円でプラス0.4%、
衣料品が909億9141万円でプラス0.3%、
住関連は1851億3105万円でプラス0.2%と、
いずれも微増した。

最後に、食品スーパーマーケット3協会合同発表。
スーパーマーケット販売統計調査
今月の発表者は、
日本スーパーマーケット協会事務局長の江口法生さん。

2月のスーパーマーケットの総売上高は、
7365億6068万円で既存店前年同月比プラス0.9%。

食品合計が6503億4241万円でプラス0.8%。

生鮮3部門は2462億9551万円でプラス0.9%、
惣菜が649億2737万円でプラス1.5%、
日配が1381億2726万円でプラス1.6%、
一般食品が2009億9226万円でプラス・マイナス0%。

非食品が603億3056万円、プラス0.3%、
その他が258億8772万円で、プラス0.5%。
閏年の影響で軒並みプラス。

今月唯一マイナスだったのが、
生鮮3部門の中の水産
で、
679億5103万円の、マイナス1.0%。

青果は相場高の影響で、
1018億4737万円で、なんとプラス2.7%。
畜産は764億9712万円で、プラス0.3%だった。

自社・自店の数値と、比較してもらいたい。
江口事務局長の見解。
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「2月は形の上では、昨対をクリアしている。
しかし、今年は29日まであったため、
去年より1日多かった。
それを差し引きすると、
実質、昨対96~97%くらいだろう。
かなり厳しい状況だったと言える」

「節分の恵方巻などで売上げを確保したが、
全国的な寒気と大雪の影響が売上げに響いた」

「来月の発表は、昨年の震災後の買いだめの影響で、
さらに厳しい数字になるだろう」

ゲストスピーカーは、
㈱サンエーの中西淳専務取締役。
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サンエーは沖縄で圧倒的なシェアを誇るが、
食料品をはじめ、衣料、住関連、家電などの総合小売りから、
ホテル観光や外食の運営まで、幅広く展開している。

「昨年の震災直後は、
一番遠かった沖縄からも
物資を色々と送っ
た」

「在庫が二重にあるので、3月はそこそこ売れた。
しかし、4月に入ると、一変。
特に水は本土にも物がなく、
さらに一番遠く、物流コストのかかる沖縄には
全くこなかった。
置き去りにされてしまったような状況だった」

「サンエーはホテル業もやっているので、
震災以降、観光客やビジネス客が減り、
売上げが3~4割も落ちた。
ただ、下期は修学旅行などが増え、
それが売上げを引っ張ってくれた」

「沖縄は日本で唯一、
人口が増えている地域。

マーケットが浅いので、総額としては少ないが、
本土からの進出は増えている。
そこで、サンエーでは商品力の強化に取り組んでいる。
いかにリピート率の高い商品を入れていくか、
商品のグレードを上げていくかが重要」

「2012年度は大型のGMSを1店出店予定。
サンエーは衣料も家電もやっているので、
直営テナントの比率が高い。
また、小型スーパーマーケットでは、
『お客様の冷蔵庫代わり』をモットーに
ローコストオペレーションを展開していく」

「GMS、スーパーマーケット、専門店と、
大・中・小、3つの業態で、
マーケットでシェアを伸ばしていきたい」
サンエーこそ、沖縄という商勢圏を限定し、
その中でクリティカル・マスを達成し、
地域貢献する小売業・サービス業の典型だ。

そういった企業にこそ、
この適塾の考え方は必要だ。
「人の為のみ
ただ己を捨てて
人を救わんことを願うべし」

<結城義晴>

2012年03月22日(木曜日)

イオンとセブン&アイ2011年度決算比較と豊田泰光「麦踏み」の効用

日経新聞一面に、
「イオン、経常益5年ぶり最高」の記事。

先週金曜日の16日には、やはり一面に、
「セブン&アイ、営業最高益 前期5年ぶり」の記事。

これで、日本の小売業の二強が、
5年ぶりに過去最高利益を出すことになる。

どちらも日経のスクープといえばスクープ。
日経の特権となったリーク。
正式発表前だから、「らしい」という言い回しばかり。
私がまだ㈱商業界社長だったら、
広報にクレームをつけたいところ。

でも、商業界は月刊雑誌社で、
日刊紙ではないし、
私はもう商業界社長ではないから、
「まあ、いっか?」

「イオンの2012年2月期の連結経常利益は、
前の期比15%増の2100億円強」

対するセブン&アイは、
前の期に比べ2割増の2900億円強。

ずいぶん接近してきた。

イオンの連結営業収益(売上高)は5兆2000億円弱。
これは2%増。

セブン&アイの連結売上高は4兆8000億円前後、
6%減。

だからイオンがセブン&アイを抜いて、
国内最大売上高の小売業となる。

イオンは昨年11月1日にマルナカと山陽マルナカを完全子会社にしたが、
このマルナカグループの年商約3300億円がなくても、
ギリギリのトップだったか。

いずれにしても両雄が抜きつ抜かれつのデッドヒート。

ちなみに総合スーパー・イオンリテールの既存店売上高も、
かろうじて0.3%増。

しかしPB「トップバリュ」の売上高は2割増の5500億円弱で、
「総合スーパーの月次売上高に占めるPBの比率は足元で18%程度」
1年前と比べると5ポイントもアップした。

前年の2011年2月期決算は、以下。
セブン&アイ・ホールディングス
年商5兆1197億円 伸び率0.2% 経常利益2429億円 伸び率7.0%

イトーヨーカ堂 年商1兆3737億円 伸び率-1  経常利益5,124    23.9
セブン‐イレブン・ジャパン(本部)
年商5491億円 伸び率2.6%  経常利益1761億円 伸び率7.1%
セブン‐イレブン・ジャパン(全体)  総年商 2兆9476億円 伸び率5.8%
そごう・西武 年商8468億円 伸び率 -1.5%
ヨークベニマル 年商34334億円  伸び率  -1.5% 経常利益103億円 伸び率-5.5%
ヨークマート 年商1105億円 伸び率1.7% 経常利益31億円 伸び率-1.7%
ロフト 年商844億円  伸び率5.3%  経常利益30億円 伸び率5.5%
赤ちゃん本舗  年商783億円 伸び率-1.0%

イオン
年商5兆0966億円 伸び率0.8%  経常利益1821億円 伸び率39.8%

イオンリテール 年商1兆7114億円 伸び率-7.5% 経常利益308億円 伸び率77.1%
イオン九州  年商2547億円 伸び率-1.6%  経常28億円 伸び率537.3%
マックスバリュ西日本 年商2444億円 伸び率9.4%  経常利益77億円 伸び率6.8%
イオン北海道   1662億円  0.0%  42億円 109.3%
マックスバリュ東海  1564億円 8.9%  43億円 19.7%
マックスバリュ九州  1189億円 5.1%  26億円 42.5%
マックスバリュ中部   1184億円 1.2%   23億円 13.7%
マックスバリュ東北   909憶円 1.0%  4億6900万円 77.0%
マックスバリュ北海道  775億円 1.2% 4億7700万円 9.7%
ミニストップ  1139億円 4.6%  86億円 74.0%
ウェルシア関東  1470億円 10.4%   64億円 19.8%
CFSコーポレーション   1220億円 -15.5% 23億円 -7.3%

どちらもすごいグループになってきた。

同じ日経新聞に「ドラッグストア、国内販売伸び最低に」の記事。
日本チェーンドラッグストア協会提供の情報。

2011年度の国内ドラッグストアの総売上高は
5兆8026億円、

2010年度比3.1%増。

2000年度の調査開始以来、拡大の一途だが、
2011年度の伸びは過去最低。
「ドラッグストアの成長にも陰り?」

記事には、「09年の改正薬事法施行を受け、
コンビニやスーパーなどが医薬品販売に参入。
ドラッグストア側は客を奪われている格好だ」とあるが、
ドラッグストア側も食品を強化して、
逆に売上げを奪取しているから、
それだけではない。

日本の経済の成長率、消費の拡大率、
それらにやっとドラッグストアがフィットしてきた。

一方、アジアのドラッグストア市場は成長著しい。
富士経済調査によると、
11年の中国のドラッグストア市場
10年比13.3%増の1700億元(約2兆2000億円)
2ケタ成長を続けている。

だから日本のドラッグストアもアジア進出。
日経が好みそうな話題。

まずは住友商事の「トモズ」
台湾1号店を今夏に開業。
トモズはスタートの頃、
私も少し、お世話した。

中国進出は何とも言えないが、
台湾の三商行(台北市)と今夏、
現地に合弁会社を設立する。
これは正解だと思う。
早期に「50店舗体制50億円規模」を目指す。

このブログでも取り上げたが、
台湾では香港系のワトソンズと現地・統一のコスメドの2強体制。
そこにジャパン・テクノロジーを旗印に食い込む。

ツルハはタイ1号店を出す。
こちらも現地の流通大手「サハグループ」と提携。
2年後、バンコク中心に10店舗。

グローウェルホールディングスは、
中国企業と合弁で、上海に海外1号店を開業。
5年間で120店舗を展開する計画。

まだまだ、緒に就いたばかり。
日本のドラッグストアのマネジメントが、
海外進出で成功をもたらすかどうかは、
大きな疑問だが、
まずは海外に出ようという意欲は買える。

もうひとつのニュースは、
「東急電鉄、駅売店をローソンに全店切り替え」

私は東横線の妙蓮寺を使っている。
だからいつも東急電鉄のキオスク「toks」を利用している。
それが全店、「ローソン」になる。

記事では「知名度が高いローソンに替えることで顧客を取り込む」とあるが、
これは間違い。

そんなことで顧客は取り込めない。
さらに「ローソン側は駅構内の集客力が高い立地を確保できるメリットがある」
これは確かだろう。

「今回の切り替えで売店の売上高を2割程度引き上げる計画」

ん~ん、
売上げは上がるかもしれないが、
利益は確保できるか。

これまでの電鉄社内の漠としたマネジメントの方が、
安全だったかもしれない。

売店は65店舗ある。
それを順次、ローソンに転換。
店舗面積は10~17㎡。
おにぎり、スイーツ、東急の鉄道グッズなど、
1000~1500SKUの品揃え。

「1店舗あたりの改装費用は数百万円程度で、
両社で負担する」

「東急の子会社がローソンに加盟し店舗を運営する」
フランチャイズ方式にすると、
厳密な利益が要求される。

果たしてしっかりと利益が出るビジネスモデルなのか。

電鉄の子会社だから、
そこそこに赤字は出していなかった。
それがこれまでの真相ではないのか。

前例は、京浜急行のセブン-イレブン。
外から見ると、よいコラボレーションかもしれないが、
小型コンビニで利益を出すのは至難の業。

岡目八目の評論をさせてもらったうえで、
高みの見物を決め込もう。

最後に日経スポーツ欄のコラム『チェンジアップ』
豊田泰光が切る。
今日のテーマは「試練がチームの根を強く」

事例はソフトバンクとジャイアンツの対比だが、
アナロジーが面白い。

ソフトバンクの今年のチーム事情に、
「そのたくましさに、
踏まれて伸びる麦の強さを思った」

「農作業の『麦踏み』
麦の芽が出て少し伸びたところで、踏む。
なんだかいじめているようだけれど、
踏まれた麦は軟らかな土で伸び放題にしておくより、
強い根を張るようになる」

この麦踏み、
経営者を育てるのに、
必須のプロセス。

私はそう、確信している。

「他を寄せ付けない強さで日本一になったソフトバンク。
さあ常勝球団へ、というところで
遊撃手の川崎宗則を含め主力がごそっとぬけた。
これはきつい。球団として望んだ試練ではない」

「けれども、これが麦踏み的な効果をもたらし、
チームの足腰が一段と強くなりつつあるのかもしれない」
豊田はソフトバンクの試練を評価する。

「かたやソフトバンクから杉内、ホールトンを獲得した巨人。
こちらは麦踏みなどという面倒なことはあまりせず、
実を収穫するばかりの株を求めて移植するというやり方が得意だ」
巨人には辛口。
私と同じ九州の西鉄フリークだから。

「『4番松井秀喜』の時代以来、生え抜きで4番を打った選手は
高橋由伸、二岡智宏、阿部慎之助、長野久義の4人で、
試合数でみると圧倒的に外様が多い」
麦踏みの経験のない読売巨人軍。

「強化の根の細さをうかがわせる。
主力をごっそり抜かれるという経験をなかなかできないのが、
このチームの不幸といえば不幸か」

豊田泰光の「麦踏み」の比喩。
これをこそ、ナレッジという。

豊田は水戸商業出身。
高卒だ。

しかし豊田のナレッジは、
野球界で際立つ。

私の提唱する「知識商人」も同じ。
学歴ではない。

ピーター・ドラッカー『ポスト資本主義社会』から。
「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。

しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」

イオンにもセブン&アイにも、
ツルハやフローウェルやトモズにも、
そしてローソンや東急にも、
「ナレッジ・マーチャント」が増えてほしいと願う。

本当にそう思う。

<結城義晴>

2012年03月21日(水曜日)

センバツ石巻工主将の選手宣誓と大和ハウス樋口会長「サナギと蝶」

今日から第84回選抜高等学校野球大会。
最近は「センバツ」と略す。

所は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場。
夏の大会が朝日新聞主催なのに対して、
春の主催は毎日新聞社と財団法人日本高等学校野球連盟。

夏が深紅の優勝旗を目指すのに対して、
春は紫紺の優勝旗。

このセンバツの開会式で、
本当に「球春」がやって来たと感じる。

プロ野球の開幕は球春第二弾。

でき過ぎた話だが、
今春の開会式選手宣誓は、
石巻工業高校の阿部翔人主将。

1週間前の先週木曜日の15日、
試合組み合わせ抽選会があった。
その決定後、主将全員によって再度、抽選が行われた。

その結果、被災した石巻工の阿部主将が、
この役を引き当てた。

阿部君には「予感があった」という。

「自分がメッセージを伝えなければならない使命」
そんなことを思った。

宿舎でチームメートの意見を聞き、
宣誓の言葉に「笑顔、勇気」などを使った。

2001年から21世紀枠の出場校制度が設けられた。
石巻工は東日本大震災で学校もグラウンドも被災した。
部員のほとんども被害に遭った。
阿部主将自身も自宅が全壊した。

しかし昨年の秋季大会で準優勝。

そこで21世紀枠に入った。
「野球の神様っているんだな」

それでもグランドに立ったら、
相手は容赦しない。
それがまた、いい。

私にも思い出がある。
今からちょうど10年前の2002年のセンバツ。
大谷智久投手を擁した報徳学園が優勝。

その大谷は、センバツ大会の5年前、
少年ソフトボール横浜港北リーグ「荏田ブランチーズ」に属していた。

私は白幡小学校をベースにした「竹の子」の監督をしていた。
大谷とはいい勝負をした。
いつも負けた。

その大谷が中学から神戸に引っ越し、
やがて高校生になってNHKのテレビに映り、
にこにこしながら投げ切り、
なんだか、あっという間に、
優勝投手となった。

考えてみると大谷智久は17歳だった。

そう、センバツに出る選手は、
高校3年生といっても、
まだ本物の高3ではなく、
高2と高3の間。
17歳の子供なのだ。

だからこそ、センバツの新鮮な魅力は、
「球春」と呼ぶにふさわしい。

ことしも、17歳、16歳の少年たち、
思う存分に、投げ、打ち、走ってほしい。

球春はやって来たが、
春一番は吹かない。

関東地方では2000年以来、12年ぶりに、
「春一番」の観測がなかった。

春一番の定義。
「立春から春分の日までの間に吹く強い南風」
昨日の春分の日まで、
風速8メートル以上の強い南風が吹かず、
とうとう今年の春一番は記録されず。

しかし、それもまた、よし。

世の中、でき過ぎたことばかりではない。

さて、日経新聞の『私の履歴書』。
今月は大和ハウス工業会長の樋口武男さんの番。
型破りの事業家ぶりを、
毎朝、楽しませてくれる。

その樋口さんの、
大和ハウスの子会社「大和団地」社長時代の話。

全国の事業所回りをしていて、
「覇気がない」と感じた。
そこで自分なりに対策を列記。
これがいい。

I=いい訳をせず
G=ごまかさずに
A=諦めずに
N=逃げずに
A=明るく
S=スピーディーに

「頭文字を下から読むとサナギ。
新生・大和団地の標語として『サナギからのスタート』を掲げ、
美しいチョウに生まれ変わろうと呼びかけた」

樋口さんとサナギやチョウとは、
どうも結びつきにくいが、
それがまた、いい。

センバツの阿部君や大谷君なら、
サナギがチョウになる瞬間を、
私たちが目撃できるに違いないが。

「春一番」は吹かなくても、
「いい訳をせず、ごまかさず、
諦めず、逃げず、
明るく、スピーディーに」

これなら甲子園で優勝もできそうだ。

<結城義晴>

2012年03月20日(火曜日)

糸井重里の「おばあちゃんのように読む」と「黒字亡国から赤字興国へ」

晴れやかな春分の日です。

祝日法第2条の趣旨。
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」。

だから花粉が飛んでいようが、
外に出よう。

木々、草花、虫、鳥、魚、
ついでに犬、猫をいつくしもう。

わが家のジジは、
「箱入り息子」だけれど。
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いつくしむ。

そして今日は彼岸の中日。

今朝の讀賣新聞『編集手帳』だけが、
春分の日の「彼岸の中日」をモチーフにした。

「人の世は悲しいことばかりではないけれど、
楽しいことがあればあったで周囲にあれこれと気を使い、
生きている以上は、せわしさが身を離れることはない」
コラムニスト、ちょっくら厭世的。

そして矢島渚男さんの一句を上げる。
〈亡き母に享(う)けし体温冬の星〉

「冬の名残の寒気のなかで生きてある身の体温を実感し、
その体温を授けてくれた人を偲(しの)ぶ」

「生まれてこの方、
ずいぶんたくさんの言葉を習い覚えてきたつもりだが、
墓前に立つといつも、
『ありがとう』と『ごめんなさい』のほかは浮かんでこない」

「ありがとう」と「ごめんなさい」の日。
それが今日なのかもしれない。

糸井重里さんの『ほぼ日』の巻頭言、
「今日のダーリン」の昨日の文章。
「ぼくの祖母は、新聞などを読むときに、
小さな声を出していました。
つまり、小声の音読をしていたわけです」

しかし糸井さんは黙読する修練をした。

「黙読になってから、本を読む速度はあがります。
音読しているときの、何倍にもなるかもしれません」

「読むべき本、読みたい本はいくらでもあるから、
のろのろ読んでいるよりも、
速く読んだほうがいっぱい読めていいようにも思えます」

この後が糸井流。
「しかし、ずっと思っていたのです。
そんなにいっぱい読まなくてもいいんじゃないか、と」

「本を読むといいこともあるでしょう。
でも、本を読むこと自体は、目的じゃない」

ここでドラッカー先生登場。
「利益は、手段であって目的ではない」
「読書も、手段であったり愉しみであって、目的ではない」

「このところ、ぼくの読書の速度は遅くなっています。
どうも音読の速度に近づいているような気がするんです」

「つまらない部分は、すっ飛ばしたりしていますが、
読みごたえのある部分については、
ナレーターが読むような速度で黙読をしています」

「おかげで、読む本は少なくなっていますし、
読まないことに決めてしまう本も多くなりました。
だけど、とても快適なんですよ」
本当に糸井流。
「『音読』の速さで本を読むというのは、
よく噛んで食事をするというのに似てます」

私の著書『メッセージ』から、
「良く噛んで食べる」

人間ドックに入って出てきたら、
金属疲労のごとく、いっせいにチェックが入れられた。
全身疲労の四十九歳。
要は、体重を減らせ、痩せろ、節制せよ。

そこで、考えた。
「良く噛んで食べる」
これだけに徹しよう。
そうすればすべて上手くいく。

まず消化がよくなる。
胃腸の負担が軽くなる。
歯が丈夫になる。
顎も発達する。

食べ物の味が分かるようになる。
食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。
量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。
その分、美味しいものを食べようと努力する。

うん、すべてよくなる。
健康になるはずだ。
しかし困った。
「良く噛んで食べる」とは、いったいどうすることなのか。

そこで再び、考えた。
「心の中で数えながら噛む」
最低四〇回、あるいは四十八回。
この習慣をつける。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「に、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「さん、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「し、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」…………

このくらいで、たいていのものは、
心地よく口の中から消えていく。
きちんと噛むために、適当なかたまりを、
順序よく口の中に入れるようになる。

食物の堅さにも関心を払うようになる。
すべてよくなる。
ときどき、
舌や唇を噛んでしまうこともあるが。

しかしみたび、考えた。
この私の「食べるマニュアル」は、
果たして、
食事時だけのものなのか。

実は、これが何にでも使える。
事実も、問題も、「良く噛んで食べる」
苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」
目がさめている限り、何でも。

糸井さんも、同じ。
「もう、『おばあちゃんのように読む』。
ぼくは、これで行こうと、決めました」

さて日経新聞コラム『一目均衡』。
特別編集委員の末村篤さん。、

「日本の貿易収支は昨年、
通関ベースで31年ぶりの赤字となり、
今年1月は経常収支も赤字化した

歴史を紐解く。

第1次世界大戦で急増した輸出の反動減と関東大震災が重なり、
貿易赤字が急拡大した1924年。

国家滅亡の悲観論の中で、
石橋湛山「輸入超過興国論」を唱え、言い切る。
「日本経済の発展と震災復興に外国資本と物資の輸入は不可欠で、
入超は亡国どころか興国」

翻って現在。
「企業中心の生産力増強から、
家計中心の国民生活の充実へ、
日本の国益も時代とともに変わった」

「高齢化社会への対応、震災復興、
エネルギー転換などの諸課題は
豊富な国内潜在需要を物語る」
国内の潜在需要に応える役目の一端を、
小売流通業・サービス業が担っている。

「設備投資と輸出から、
住環境整備とサービス消費へ、
エンジンを切り替え、
生産(労働)で得た所得の購買力を実現し、
流動性の海外流出を抑える」
広い目で見たサービス消費。
末村さんの結論。
「国際収支の変調を嘆くのでなく、
『黒字亡国』から『赤字興国』に踏み出す歴史的構造転換こそ、
日本経済を長期停滞から救い出す道ではないか」
小売流通業・サービス業にかかわる者にとって、
身の引き締まる主張である。

<結城義晴>

2012年03月19日(月曜日)

セブン&アイ新メッセージ「新しい今日」と’13年新卒採用数イオン首位

Everybody! Good Monday!
[vol12]

2012年第12週。
3月も第4週となります。

しかし今年は桜の開花が遅い、
らしい・・・。

梅は満開。
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桜はまだかい?
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東京・横浜は、
光は春真っ只中。
空気はまだ冬の終わり。

そんな2012年第12週。
明日の火曜日が春分の日。
「昼と夜の長さが同じになる日」と、
思われているようだが、
それは間違い。
昼の方が長い。

どんどん昼が長くなって、
その節目として春分がある。

先週土曜日が彼岸の入り、
明日が中日、
今週金曜日が彼岸の明け。

西洋でできた1週間と、
東洋で生まれた彼岸の思想。
どちらも7日間というのは面白い。

「彼岸」(ひがん)とは「煩悩を脱した悟りの境地」。
逆に「煩悩に満ちた現世」を「此岸」(しがん)という。

向こう側の岸「彼岸」と、
こちら側の岸「此岸」。

その接点が彼岸の中日。

東日本大震災で亡くなられた人々の魂に、
ご冥福を祈りたい。

今週はそんな毎日だ。
そして3月20日、米国ワシントンでは、
「全米桜祭り」が始まる。
日本から桜の苗木が寄贈されて、
ポトマック河畔は桜の名所となった。
それからちょうど100周年。

これは喜ばしいことだ。

さて、日経新聞一面トップで、
「大卒採用計画、来春12%増」の記事。
記事を辿っていくと、
27面に「2013年春採用計画調査」特集。

採用数、増加数ともに首位となったのがイオン
新卒全体で約2000人の採用を計画、
2012年春に比べ、5割強の増。

イオンは3本社体制を敷いて、「アジア出店拡大」戦略を採る。
3本社は①日本、②中国、③マレーシア。
海外勤務できる「グローバル人材」を積極的に採用する。

第2位は、三菱電機の1410人、
第3位は、三菱東京UFJ銀行の1350人。

三菱グループが並ぶ。

第4位が、東日本旅客鉄道約1100人、
第5位は、トヨタ自動車約1080人、
第6位、大和ハウスグループ1030人、
第7位、ソフトバンクグループ1000人。

ここまでが1000人以上の採用企業。

小売りサービス業では、
27位にAOKIホールディングスの約500人、
34位に、ゼンショーグループの約450人
が入る。

50位までを見ると、
36位にノジマグループ、コメリ、コスモス薬品、スギ薬局が、
400人の採用で並び、
アイングループ、サンドラッグ、ワタミグループが44位、
ニトリが49位。

好調企業がこの就職氷河期に、
大量の人材採用を試みる。

非製造業の主要24業種のうち、
8割にあたる19業種が大卒採用を拡大。

採用が活発になれば、
やがて経済の回転は好転する。

日経新聞コラム『人こと』に、
セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長登場。

新しいブランドメッセージを策定した。
「新しい今日がある」

グループ各社が販促やイベントなど様々な場面で、
今後、この言葉を使う。

「新しい」と「今日」。
このあたりオクシモロン的ではあるが、
ピーター・ドラッカー先生の「イノベーションのタブー」を思い起こす。
「イノベーションは、
現在のために行わなければならない」

「現在のためのイノベーション」は「新しい今日」につながる。

鈴木さんは語る。
「100社以上のグループとして、
連携や絆が今まで以上に重要になる」
東日本大震災で被災したヨークベニマルを、
グループ各社が人員を派遣して店舗再開に尽力。
「本当の意味でのグループ力を意識した」。

イオンもそうだが、
「グループ力」の活用こそがポイントになってきた。

もう一人、日経新聞『月曜経済観測』に、
しまむら社長の野中正人さんが登場。
聞き手は編集委員の田中陽さん。

「今年1月の既存店売上高が前年実績を4%上回り、
消費が強いことに確信が持てるようになった」

なぜか。

「消費者がプラス思考になっている。
政治や経済情勢など、世の中の悪いことを
批判的にみていた空気が薄らいだように思える。
そんな不満をぶつける場合ではなく、
一人ひとりが元気に行動を起こそうとしている」

ファッション・チェーンとして面白い話。
「淡いピンクやグリーンの商品がよく動いている」

ピンクやグリーンは、
「景気拡大期にみられる現象」だという。

「売り場の見栄えをよくするために
もっと目立つ色彩の衣料品を陳列すると、
その商品が先に売れている」

野中さんは述懐する。
「リーマン・ショック後の消費風景とは全く違う」

価格コンシャスに関するコメント。
「客単価や1品単価は前年比で2~3%の上昇だ」

「絶対的な価格の安さを求める消費者もいるが、
価格と商品価値のバランスを考える消費者は多い。
明確な価値が分かると値下げしなくても売れる」

ユニクロのヒートテックに対抗する「機能性を打ち出した肌着」。
「男性で1枚980円、女性は780円が売れ筋」

「少し前までは機能性のない男性肌着は2枚1280円、
女性は980円が売れていた。
特売品ならば480円。

それが、「品質を上げて580円にしても
販売数量は変わらなかった」

「明確な価値の違い」こそが、
重要になってきた。

チャールズ・フランクリン・ケタリングは、
戦前に活躍した科学者、発明家、社会哲学家。
自ら率いるゼネラル・モーターズ研究所の壁に掲げていた。
「解決されてしまえば、
どんな問題もシンプルだ」

震災後の不確実な消費も、
シンプルに見え始めた気がする。

最後に、アメリカ視察研修会Basicコースと、
商人舎ミドルマネジメント研修会の呼びかけ。

今朝も朝から、お申し込み、お問い合わせが、相次いだ。
USA研修会Basicコースの開催は5月10日~16日。
申し込み締め切りは今週末。
ご検討はお早めに。

毎朝、私の講義がある。
「鳥の目、虫の目、魚の目」で、
米国流通業を見通す。
さらに価格・フェーシング調査も実施し、
全員がPFグラフをつくる。
ただし調査はチーム方式。
最短時間で最大効果。

新機軸満載。

あと20名分くらいしか枠がありません。

もう一つは国内セミナーですが、
ミドルマネジメント研修会
開催は5月29日~31日。
こちらは4月末が締切。
じっくり検討してください。

はじめての開催でもあるので、できるだけ、
トップマネジメントに近い方々のご参加を募ります。
内容のオーソドックスさや斬新さを、
会社全体で確認していただきたいと思うからです。

では、今週も、元気を出して、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2012年03月18日(日曜日)

ジジとIKB6[日曜版2012vol12]

ボク、3月7日に、
7才になりました。
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ジジです。

震災から1年だったので、
じぶんの誕生日を、
いいだせなかった。

でも、7才になりました。
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きのうは、
いつものように、
ねてました。

ピアノのうえ。

目がさめると、
ユウキヨシハルのおとうさんは、
でかけていました。
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東京・メジロの椿山荘。
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rikkyoの謝恩会。
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ボクはまた、
ねました。
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さいしょに、ぜんいんで、
記念写真。
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カメラマンは、
きゃたつのうえにのって、
うつしました。
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ボクも目がさめた。
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司会は、
ユウキ・ゼミのヤマグチさん。
もうひとりの司会は、オオツさん。
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さいしょのごあいさつは、
カメカワ先生。
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カンパイのごあいさつは、
ヤマナカ先生。
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それから、食事とお酒。

ボクもおきてきて、
ごはん。
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そしてドリンク。
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おとうさんは、
カメカワ先生とワインでカンパイ。
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そしてユウキ・ゼミの写真。
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サトウさんとエンドウさんがケッセキなので、
4人のゼミ生のみなさんと写真。
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うしろはムラカミさん、トヤマさん、アサカワさん。
まえは、オカモトさんと司会のヤマグチさん。

それから、たのしいアトラクション。
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ボクもたのしみ。

司会のオオツさんのマジック。
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それから、この夜、
最大のショー。
ボクも、おどりたくなった。
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IKB6。
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カメラマンも、いそがしい。

衣装はドンキホーテ。
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全員がMBAマスター・ホールダーのIKB6。
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rikkyoがいけぶくろにあるから、IKB。
6人だからIKB6。

すばらしかった。
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拍手、カッサイ。

おとうさんも、
いっしょに写真。
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ユウキ・ゼミのオカモトさんと。
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名誉ユウキ・ゼミ生のムラセさんと。
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それから教授の先生たちに、
卒業生からお礼がありました。
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先生たちが壇上にならんだ。
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ひとりひとりに贈られたのは、
これ。
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USBメモリー。

ありがとうございました。
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そして今年で退任する先生からのごあいさつ。
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オークボ先生とニシデ先生、
そしてタカヤマ先生。

さいごは、お礼のごあいさつと校歌斉唱。
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代表のミスター2011、
ニッサトさん。
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謝恩会はおわった。
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おとうさんは、
ユウキ・ゼミの人たちと二次会。
ユウキ・ゼミがふくらんで、
15人くらいになった。

三次会はラーメン。

夜中の3時半にかえってきた。
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ボクは、また、
ねてましたが、
おとうさんも、
マスターをおくりだして、
おめでとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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結城義晴・著


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