今日は、東京・池袋の立教大学。
イチョウの木も、葉が青々と茂って、
新緑の季節。
そんなキャンパス・マキムホール5階で、
結城ゼミ。
午後1時から始めて、
みっちりと5時過ぎまで。
ゼミ生が一人ひとり、
自分のテーマを定めて、
そのうえで、この2週間に学んだこと、
研究したことを発表する。
これは教えられたことを覚える学習ではない。
自分で、調査し、読書し、考察したことを、
自分なりの表現で発表する。
つまりはミドルマネジメントのシゴトと同じ。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
5月29・30・31日の2泊3日完全合宿制度で、
行なわれる。
ここで教育するのは、
会社の中堅社員のためのマネジメント。
つまりは自分で考え、
自分で行動する人間の養成。
東日本大震災で私たちは、
学んだ。
いざという時には、
一人ひとりの現場の長が、
自分で判断し、自分で実行しなければならないことを。
そのための原理原則を提示し、
その能力を養成するための、
軌道を教える。
是非とも参加してもらいたいものだが、
立教ビジネスデザイン研究科で私がやっているのも、
この路線の教育だ。
研究者を育てるという先生もいる。
しかし私はビジネスクリエーターを養成するという立教の趣旨に賛同している。
これはクリエイティビティ豊かなマネジャーをつくることを志向している。
結城ゼミは、自分のテーマを自分で設定し、
自分で調査し、自分で研究し、自分で考察し、
それを発表する。
毎週。
教えられたことを、覚えるなんて、
小学生のようなことは、
大人の実務の世界では、
まったくありえないし、
大学院教育でも皆無。
そして結城ゼミが終れば、
そのOB懇親会。
場所は、池袋キャンパスの橋のセントポール・ハウス。
ウェルカムボード。
2階の懇親ルームへ。
たっぷりと懇親して、
もう8時。
結城ゼミ第3期生有志と第4期生が参集。
今年のゼミは、充実している。
私は例年以上に気合を込めて指導している。
きっと、大きな成果が上がると思う。
私なりの大学院教育は、
まったくもって社会人のミドルマネジメントに対して、
トップマネジメントを展望しつつ教育することだ。
それが社会人MBAの役割だと思う。
商人舎ミドルマネジメント研修会と、
コンセプトは同じ。
だから商人舎ミドルマネジメント研修会に参加することは、
大げさなようだが、小売業・サービス業にとって、
2泊3日で、社会人大学院に入れて、
集中的に修士課程の一部を修了させることに似ている。
小売りサービス業における大学院レベル。
その最低ギリギリの教育をする。
それは「覚える教育」では断じてない。
脱グライダー・ミドルマネジメントを、
養成するためだからである。
グライダーはエンジンを持たない飛行機。
だから自力では離陸できない。
そのため、「ウインチ曳航、飛行機曳航」によって、
空に舞い上がる。
離陸し、一定の高度を得ると、
ロープを切り話し、飛行する。
私はこんなグライダー・ビジネスマンを、
減らしていく必要があると考えている。
会社の言うこと、上司の言うことを素直に聞くだけの部下。
それを「グライダー人間」と呼ぶ。
グライダー人間は、ひどい時には法律を破ることさえいとわない。
会社や上司に引っ張られているからだ。
そんなグライダー人間養成の場合は、
「覚える教育」がもてはやされた。
しかし、それではだめなことは東日本大震災が、
むしろ明らかにしてくれた。
引っ張られなくても、
自分で判断できる「脱グライダー人間」。
立教大学院結城ゼミはそれを志向している。
自分でテーマを設定し、自分で調査し、
研究し、自分で考察する。
商人舎ミドルマネジメント研修会も、
同様に、自分で考え、
自分で行動するミドルマネジメントを養成する。
もちろんそうかといって、
勝手気ままに動く「自由人」をつくるのではない。
組織の使命を理解し、それと実現しつつ、
自ら仕事を切り拓く人間。
ピーター・ドラッカーは言う。
マネジメントの三つの役割。
① 自らの組織に特有の使命を果たす。
② 仕事を通じて働く人たちを生かす。
③ 自らが社会に与える影響を処理するとともに、
社会の問題について貢献する。
自らの組織に特有の使命を果たす。
しかし従来の上司の言いなりではない。
それがドラッカーの言うマネジャー。
あらゆるマネジャーに共通の仕事は五つである。
① 目標を設定する。
② 組織する。
③ 動機づけとコミュニケーションを図る。
④ 評価測定する。
⑤ 人材を開発する。
これはトップマネジメント、ミドルマネジメントに、
共通する役割と仕事である。
立教大学大学院日jネスデザイン研究科も、
商人舎ミドルマネジメント研修会も、
そんなマネジャーを養成することを目的としている。
私の仕事は、だから一貫している。
それが私の幸せ。
ありがたい。
<結城義晴>