「無茶はアカン、無理はエエけど」
西端春枝先生の私への注意の言葉。
西端先生のご主人は西端行雄さん。
1916年生まれ、1982年没。
総合スーパーのニチイを合併によって誕生させ、
その後、会社の基礎を築いた歴史上の人物。
しかし惜しくも66歳で亡くなられた。
西端行雄さんが存命ならば、
マイカルは倒産することはなかった。
私は固く、そう信じている。
西端先生はご主人を、
66歳という若さで亡くした。
だから「無茶はアカン」というのだろう。
ストイックな経営者の激務をよく見ていたから、
「無理はエエけど」と付け加える。
私にも同じ言葉を、
ご主人に投げかけるように、
言ってくださった。
私はそれを、少し変えて、
2009年度の商人舎標語にした。
「無茶はせず、無理をする」
しかし無茶と無理の境目を見極めるのが、
ことさらに難しい。
結局、結果論にしかならないが、
病気になってしまったら、「無茶」。
会社が倒産してしまったら、「無茶」。
そんなところだろうか。
アメリカから帰ってきて、
今朝、起きたら、37.5℃の熱。
喉はカラカラだし、
体中の節々が痛い。
そしてひっきりなしにトイレに駆け込み、
水のような便が出る。
大量に水を飲んで、
ベッドに横になって、
眠る。
昼ごろ、熱は38.7℃に上がった。
今日、午後、1時30分から予定していた研究会を、
欠席することに決めた。
商業経営問題研究会。
通称、RMLC。
座長の私が欠席でも、
代表世話人の高木和成さんはじめ、
世話人の人々、事務局が研究会を回してくれる。
安心して、静養にあてることにした。
夕方には熱は38.0℃に下がった。
そして今、午後9時には、37.6℃に。
もうすこし、もう少し。
ポカリスウェットやエビアンを大量に飲みながら、
布団をかぶって寝ている。
よく眠ることができる。
アメリカでは毎日、2~3時間の睡眠だったから、
その分、熟睡することができる。
「無茶をせず、無理をする」
今回は無茶だったのだと、
大いに反省。
後は、明日、活動できること。
午前中に上田惇生先生にお会いする。
これは商人舎ミドルマネジメント研修会の打ち合わせ。
上田先生は、ご存知、ドラッカーの分身。
研修会では最終日にご登場くださって、
ドラッカーの真髄を語り、
丁寧に質疑応答してくださる。
<まだまだ最後の募集中です>
それから、午後は、
日本チェーンストア協会の総会。
ライフコーポレーションとヤオコーの業務提携など、
時代の節目のような事件が次々に起こっているが、
懇親会には、ちょっとだけ顔を出して、
そのことを多くの経営者と確認しあわねばならない。
そして夕方、目白の学習院大学。
学習院マネジメントスクール2012年度の、
最初の講義はいつも私が、
「潮目の変わる時代の流通概論」と題して、
2時間半くらい語る。
さて、これから明日まで、
この熱を下げられるか。
熱さえ下がったら、
何とかなる。
こんな発熱は、いつ以来だろう。
そう思った。
そこで、このブログを調べてみた。
昨2011年3月7日に風邪を引いている。
その前は2010年12月13日。
東日本大震災以降、
私は病気になっていなかった。
1年2カ月前も、
アメリカから帰ってきて、
翌週に発熱した。
私の風邪は、扁桃腺から来ることが多い。
しかしその時も、腹具合が悪くて、
今回と同じ状態だったと思う。
原因は疲れ。
ひどく疲れていても、
私は無理をする。
疲れがひどい時の「無理」は、
「無茶」となる。
これが教訓。
さて、余談だが、
このブログのページの右肩に
白抜きの小さなスぺースがある。
「サイト内検索」。
そこに「風邪」と打ち込むと、
いつ、この言葉を使ったか、
サイト全体からそのページのタイトルを抜き出してくれる。
それをクリックすると、
その言葉を使った日のブログに飛ぶことができる。
「風邪」で検索したら、まず1年2カ月前、
それから2010年12月中旬、
2010年9月末と出てきた。
ちなみに、このサイト内検索のところに、
例えば「ウォルマート」「ホールフーズ」「ドラッカー」などと打ち込むと、
私がブログに書いてきたことがわかる。
「風邪」までわかるのだから。
さて、商人舎USA研修会Basicコース。
大きな成果を上げて帰国。
しかし視察やインタビューや調査や講義ばかりではなかった。
毎朝2~3時間の講義はあったけれど。
ラスベガスという街を、
団員は満喫した。
ホテルフラミンゴ。
南の島のような中庭。
フラミンゴが一本足で立っている。
この庭を散策するのが好きだ。
朝食はバッフェ形式。
通常のアメリカのホテルの朝食とは、
全然違う。
毎日食べても飽きないし、
絶対に楽しめる。
ローストビーフを塊から切ってくれる。
オムレツをその場で焼いてくれる。
24時間カジノが楽しめる。
スロットマシンやテーブルゲームの真ん中に、
お立ち台があって、
そこで女性が踊っている。
時にはマイケル・ジャクソンの振り真似が、
見事なダンスを見せてくれる。
フラミンゴの隣は、バリース。
向こうにパリスのエッフェル塔が見える。
研修が終わった後は、
これらのホテルを巡る。
それだけでも楽しめる。
もちろん食事も。
ヴェネチアンは、
ラスベガスのストリップの一番はずれにあるホテルだが、
イタリアのベニスを再現しているし、
イタリア料理がすばらしい。
別の日には、居酒屋にも行った。
そして日曜日の夜は、
ベラージオへ。
有名な噴水ショー。
夕方から15分おきに公開される。
そのべラージオのショー。
シルク・ド・ソレイユ(Cirque du Soleil)
意味は「太陽のサーカス」。
火喰い芸の大道芸人、
ギー・ラリベルテが設立したエンターテイメント。
サーカスの伝統様式を取り入れるが、
演者としての人間を強調。
大道芸やサーカスに
オペラとロックの要素を盛り込んで、
高い芸術性を表現する。
私たちが訪れたのは「O(オー)」。
eau(オー)はフランス語の「水」。
シルク・ドゥ・ソレイユの名声を一気に高めた演目。
ステージが、何度も
一瞬のうちに巨大なプールに変わる。
そのプールで
シンクロナイズド・スイミングが展開され、
聴衆はまったく新しい体験と
世界観を味わうことができる。
幕は赤を基調とする。
天井はブルーで、
シルク・ド・ソレイユのマーク。
はじめに二人のピエロが出てきて、
観客を沸かせる。
このピエロが狂言回しの役目を演じつつ、
物語が展開される。
もちろん最高度のサーカス芸も、
次々に披露される。
私は毎年、一本ずつ、
シルク・ドゥ・ソレイユを見ることにしている。
昨年は「ズーマニティ」だった。
来年は、絶対にミラージュの「ラブ」。
全編、ビートルズ・ナンバーが流されるショー。
ラスベガスは、
流通視察でも最高のエリアである。
そして食事や、ショーも楽しめる。
もちろんカジノでも遊べる。
商人舎USA研修会Basicコースは、
ラスベガスなしには考えられない。
今回も、素晴らしい研修会だった。
帰国してからの発熱だけは、
ほんとうに余分だったけれど。
「無茶をせず、無理をする」
反省します。
<結城義晴>