今日は立教大学。
東京・池袋のキャンパスは、
緑一色。
銀杏の木も、
校舎に絡まる蔦も、
緑の葉々が、
ブワッと膨れ上がっている。
キャンパスには、
Yoshikafeの立て看板。
「立教大学の総長と学生が、
お互いの意見を交換できる場」
吉岡知哉総長が学生と語らう。
吉岡さんも頑張っている。
午後1時から、結城ゼミ。
私が2週間、空けたので、
その間は、結城ゼミのOB・OGが、
指導役をかって出てくれて、
白熱教室が展開された。
その報告を聞きながら、
一人ひとりの書いてきた「はじめに」を、
添削しつつ、評価する。
4時過ぎに、少し早く終わらせて、
今日は懇親会。
緑の中を、みんなで歩いてゆく。
そしてたどり着いたのは、
池袋北口の中華料理店「永利」。
安くて、旨くて、
ほぼ満席。
中国人のお客がたくさん来ていることが、
この店の味と価格の良さを示している。
前菜の人参で彫られた鳥。
良く語り、よく食べ、良く飲んで、
写真。
左から、
武藤麻代さん、
香川耕太郎さん、
内田憲一郎さん、
松井亮一さん、
そして大塚英里さん。
今日の日経新聞の『私の履歴書』。
落語家の桂三枝が、
桂文枝を襲名する前に、
1カ月、来し方を書く。
三枝とのお別れの手記。
「落語家は一生涯が人間修養の場」。
「応援してくれるファンをどれだけ増やせるか、
最終的には本人の人間性が左右する」。
「お客様に『嫌なヤツ』と思われたら最後、
いくら芸がうまくても、
ひいき筋は広がらないからだ」。
昨日のブログの俳人荻原井泉水の言葉を思い起こさせる。
「『俳句』を作るよりも
『人間』をつくる方が第一である」
画家中川一政は言う。
「芸術家は作品を作るが、
一方においておのずから
その顔をつくってゆくものである」
三枝はこうも書いている。
「市井の笑いを扱う大衆芸能の演者が、
生活者の日常感覚から遠ざかってはまずい」。
この言葉、日本マクドナルドの創始者藤田田さんと同じ。
「ビジネスマンなら庶民に会え、
庶民の視点で考えろ」
これは、『成功はゴミ箱の中に』(ダイヤモンド社刊)の中で、
解説文を書いている柳井正さんのところに出てくる。
桂三枝、藤田田に通ずる。
ただ者ではない。
この本は、マクドナルドの創始者レイ・クロックの自伝。
その本にソフトバンクの孫正義さんと、
ファーストリテイリングの柳井正さんが、
対談しつつ、それぞれ小文を寄せている。
「競争相手のすべてを知りたければ、
ゴミ箱の中を調べればいい。
知りたいものは全部転がっている」
「私が深夜2時にゴミ箱を漁って、
前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したのかを調べたことは
一度や二度ではない」
このクロックのコメントが、
本のタイトルになった。
柳井さんはそのレイ・クロックと、
日本マクドナルドの藤田田に心酔する。
だから、こう書く。
「ファーストリテイリングの『ファースト』は、
ファーストフードから取ったものなんです」
レイ・クロックは語る。
「私は、職権というのは
いちばん下のレベルにいる人の手にあるべきだと
常に考えていた。(中略)
それが人々を企業とともに成長させる唯一の方法なのだ」
そして柳井さんは、続ける。
「僕は座右の銘を教えてくれと頼まれたとき、
こんなことを書きます」
《店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅ぶ。》
これ、誰の言葉かは言うまでもない。
ご存知、商業界主幹・故倉本長治。
結城義晴が発掘して、よく使っている。
この言葉は結果的に、最後には、
ピーター・ドラッカーにつながる。
曰く「責任の組織化」
これこそ、経営の真髄だと思う。
週の最後に、
桂三枝からレイ・クロック、藤田田、
そして柳井正からドラッカーへと、
言葉と考え方のシリトリ。
あ~あ、面白かった。
皆さん、良い週末を。
<結城義晴>