2012年5月も終わりに近づいた。
今日の日経新聞経済コラム『大機小機』が、
とても重要なことを書いている。
タイトルは「3つの視点で本流つかむ」
3つの視点とは、
①本質的
②中長期的
③多面的
「いかなる事案も本質的なところから掘り返し、
中長期的な視点に立って結論を導く必要がある。
より多面的な視点から検討を加えることも重要だ」
しかし、逆の見方の方が多い。
「枝葉末節のことや重箱の隅のことが気になるし、
先のことよりも、いま現在や明日のことが気になってしまう。
多面的に見れば視野が広がるのに、
過去の体験から得た一面的な知識からしか
考えられないことが思いのほか多い」
①本質的
②中長期的
③多面的
ただしこれはモノの見方。
行動やアクションは、
短期的に選択と集中が必要だと思う。
同じく、日経新聞の「戦略を聞く」。
イオン社長の岡田元也さん、登場。
2013年2月期の連結営業利益の見込み。
2100億~2200億円。
これは前期比7~12%増。
2期連続で過去最高を更新する。
「構造改革を進めたことが収益力の底上げにつながっている。
とりわけ主力の総合スーパーが高コスト体質から脱却したことが大きい。
店舗の作業効率を見直して人件費を圧縮したのをはじめ、
3年間で約700億円の経費を削減した」
総合スーパーは今期の営業利益640億円を見込む。
岡田さんは「稼ぎ頭だ」という。
私は、総合スーパーを衰退業態と見てきた。
果たしてその衰退傾向を脱したのか。
さらに米国の衣料子会社『タルボット』を2010年に売却。
イオン銀行も前期に黒字転換。
イオンにとっての「3つの課題の克服」が業績をけん引した。
これは、まさしく、
①本質的
②中長期的
③多面的
モノの見方で、展開してきたこと。
「『WAON』ブランドの電子マネーは
グループ店舗での取り扱いが大幅に増えて
前期の決済額は1兆円を突破し、
電子マネーとして日本一になっている」
海外事業に関しては、
「小売りに金融を加えた海外の営業利益は、
2016年2月期に400億~500億円に引き上げたい」
さらにM&Aに関して、
「買収はケース・バイ・ケースで考える」
「日本だけ小規模の企業が多数ある状態が
いつまでも続くわけではない」
岡田さんの視野は、
いつもグローバル。
そのためには、
①本質的
②中長期的
③多面的
これは必須。
さてその本質的、中長期的、多面的視野をも学ぶセミナー。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
略してMM研修会。
その2日目。
早朝の都庁の景色。
今日もいい天気、いい日になりそうだ。
今日も会場は、ベルサール西新宿第一ホール。
今日は、朝8時半から、昨日の講義の理解力テストを行う。
だから8時には、ほとんどの受講生が席に着き、
テキストを開いてテストの準備。
皆、真剣にテキストに目を通す。
直前の勉強。
そしてテスト開始。
一斉に鉛筆の音が鳴る。
皆、鉛筆を走らせる。
真剣勝負。
30分10問の記述式テスト。
残り10分。
最後まで、粘る。
頑張ってほしい。
期待したい。
30分のテストが終了。
ため息や喘ぎやつぶやきが漏れる。
これが大事。
学んだことを自らがどれだけ理解しているかを、
テストを通して客観視できる。
もちろん、点数をつけSABCDの評価を与える。
朝の挨拶代わりに、そんなまとめの話をしつつ、
明朝の第2回テストも頑張るよう、激励。
ミドルマネジメント研修会2日目のこの日の第1講義は、
鈴木哲男先生のご担当。
「52週マーチャンダイジング」
(株)リテイル・エンジニアリング・アソシエイツ代表取締役社長、
日本経営診断学会会員。
52週マーチャンダイジングの第一人者。
流通業を中心とした企業コンサルティングで大活躍。
鈴木さんには、4講座を受け持ってもらった。
テキストタイトルは、
「[要約]マーチャンダイジング、プロモーション、
そしてストアコンパリゾンの基本知識」
「実践52週マーチャンダイジング」
「重点商品と販促計画との連動について」
「競合店対策の実際」
これに豊富な資料がつく。
「ふつうは3日かけて話すこと」を、
4時間でレクチャーしてもらう、ぜいたくな講義。
だから受講生たちも真剣。
午前の3講義を終え、
1時45分から遅めの昼食を1時間。
お弁当も、おいしい。
伊藤園から差し入れてもらったお茶もよかった。
江島祥仁副社長には、心から感謝。
昼食後は、ストアコンパリゾンの講義。
受講生にとっても、鈴木先生にとっても、
あっという間の4時間だった。
この秋、第2回MM研修会への出講もご快諾いただいた。
感謝と決意を込めて握手。
そして第5講座は、
高野保男先生による「作業システムとL.S.P.」。
作業改善の具体的取組み事例の動画や、
レイバースケジューリング立案の数表などを交えながら、
わかりやすく説明してくれた。
動画に見入る受講生たち。
なぜ、作業システムの改善が必要か。
良い売り場を構築するのが目的であり、
作業システム改善には、ゴールがない。
それが髙野先生のまとめ。
髙野先生にも、
秋のミドルマネジメント研修会講師をお願いして、
握手。
この日、最後の講義は私が担当。
お二人の先生方の講義に、
蛇足ながら、補足し、
大事な点を確認すると、
持ち時間の3分の1をが過ぎていく。
でも52週を13週に分け、その基本はウイークリィであることを、
トランプのカードを例にとりながら丁寧に解説。
さらに、最新の流通経営戦略論と、
「ミドルマネジメントの方法」を講義した。
これはすなわち明日の理解力テストに必要な点の強調となっている。
そろそろ受講生も、そのあたり理解してきた。
私の講義が終わるころ、明日の講師の白部和孝先生が到着。
福岡から、多忙な中、やってきてくれた。
白部先生とは、久しぶりの対面で、話が弾んだ。
そして受講生たちと一緒に夕食。
一日が終わって夕食の時間になると、笑顔がこぼれる。
会話も弾む。
1人で参加した人たちも、
2日目となるとみんなと馴染んでくる。
それが缶詰合宿の良さ。
どんどん、コミュニケーションしてほしい。
本当にいい笑顔でしょ。
私も、うれしくなるし、
今回の研修で、閃いたこともある。
来年のアメリカbasicコースで、
それを実施する。
お腹がいっぱいになったあと、
事務局が集まり、
今朝行った理解力テストの採点。
そのころ、自習室では受講生が復習。
この採点で、
私には愕然とすることが判明した。
教える側も、
学ぶ側も、
真剣勝負。
そして私は思う。
教えることは、学ぶこと。
学ぶことは、
また教えることによって、
本質的、中長期的、多面的に展開する。
ミドルマネジメントは、
会社に帰ると、
すぐさま教える側、
リードする側になる。
そしてすぐさま成果が試される。
真剣勝負が待っている。
それが、なにより、いい。
明日のテスト、
みんな頑張れ!
全員が100点を目指せ!
そう思うと、胸が熱くなってくる。
<結城義晴>