結城義晴『メッセージ』(㈱商業界刊)より。
「何のために」
あなたは何のために生きるのか。
何のために働くのか。
あなたは何を売るのか。
何をつくるのか。
あなたは何故、微笑むのか。
何故、喜べるのか。
客のためか。 社会のためか。
店のためか。 会社のためか。
自分のためか。家族のためか。
あなたはいったい何のために稼ぐのか。
何のために儲けるのか。
あなたは何を祈るのか。
何を願うのか。
あなたは何故、悲しむのか。
何故、泣くのか。
客のためか。 社会のためか。
店のためか。 会社のためか。
それとも自分のためか。 家族のためか。
この時代に、あなたは何のために生きるのか。
あなたは何のために働くのか。
〈第9章「使命」より〉
第1回商人舎ミドルマネジメント研修会。
2泊3日で行われた、その最終日。
5月最後の日。
朝7時には皆、
元気に食事会場に集まってきた。
1日の活力は朝食から。
目の前の新宿中央公園の緑がさわやか。
いい季節です。
次々に受講生がやってくる。
朝の光もまぶしい。
食事を終えると、受講生は早速、
講義会場へ。
なぜなら、第2回目の理解力テストを控えているから。
皆、朝から集中している。
会場は私語が聞こえないほど。
ギリギリまで復習。
いよいよ8時半に30分間の理解度テストがスタート。
昨日と同様、いっせいに鉛筆の音がコダマする。
昨日の第1回テストより記述式が多い。
だからだろうか、誰一人として、時間前にペンを置かない。
最後まで粘る。
その姿勢が、とてもいい。
2日目のテスト終了後、
昨日の第1回のテストの採点結果を報告。
100点満点が3名いた。
素晴らしい。
報告すると会場がどよめいた。
90点以上は13人。
平均点も69.5だった。
みな、よく頑張った、
理解したこと、学び足りないことを自分自身が自覚し、
客観的に自分自身を分析することが大事だ。
それがこのテストの目的でもある。
休憩をはさみ、最終日第1講座、第2講座は白部和孝先生。
「計数の基本と応用」
白部先生は、藪下雅治先生が引退された後、
売り場の計数の第一人者。
エクセル帳票を使ったわかりやすい解説で、
在庫コントロールと人時コントロールの考え方を話してくれた。
これは、昨日の鈴木哲男先生の52週マーチャンダイジングと、
高野保男先生の作業システム問題に、
見事に、ぴたりと、連動していた。
そして第3講座はスペシャルゲスト。
上田惇生先生の特別記念講演。
上田先生は、ドラッカー翻訳の第一人者にして、
ドラッカーの分身といわれるほど、
ドラッカー先生に信頼されていた。
ドラッカーのマネジメントの真髄を、
特にミドルマネジメント向けに講義してくださった。
主題は、ピーター・ドラッカー「目標管理」の7つの領域。
第1にマーケティング。
第2にイノベーション。
第3に生産性。
ここには、3つの問題がある。
フィジカル労働の生産性、
サービス労働の生産性、
ナレッジ労働の生産性。
第4は、人、労働資源。
第5は物的資源。
第6は資金、とりわけて「たちのいいお金」。
第7に社会的責任。
そして付け加えるならば、
第8に「必要条件」としての利益。
これは未来のための費用、事業を続けるための費用である。
上田先生は、久々の講演だったにもかかわらず、
60分の予定を大幅にオーバーして100分。
受講生は、引き込まれるように身を乗り出して聴講。
皆、真剣に聞き、
あるいは手早くメモをとる。
ぜいたくな時間だった。
予定時間をはるかにオーバーするほど、
上田先生も、乗りに乗って話してくださった。
会場が一体となった不思議な時間だった。
最後に、ひとつだけ質問を受けた。
手を挙げたのは㈱ロピアの高木勇輔さん。
先生はその質問に、実に丁寧に答えてくださった。
講義を終えた上田先生に、
スタンディングオベーションで感謝。
これも、すばらしい瞬間だった。
そして最終総括講義は、
結城義晴の「ミドルマネジメントが日本を救う」。
全ての講義の関係性に触れつつ、
ミドルマネジメントがどれだけ面白い仕事か、
やりがいのある立場にいるか。
知識商人として、
ミドルマネジメントに必要とされるブレインズとハンズ。
この研修会ではブレインズを学んでもらうことが目的。
そんなメッセージを総括して話した。
私自身、充実した3日間だった。
ご清聴に、心から感謝したい。
盛大な拍手にも、大いに感謝したい。
午後4時、すべての講義が終わり、
事務局一同で、受講生を見送った。
本にサインもした。
そうして、初めてのミドルマネジメント研修会は、
大成功裡に閉会。
事務局みんなでベルナール西新宿の前で記念撮影。
第2回商人舎ミドルマネジメント研修会は、
11月中旬開催予定。
もう、口頭で、各社から、
お申し込みをいただいた。
ありがたい。
そして近くの居酒屋で打ち上げ会。
飛び入りで大高愛一郎さんも加わった。
コーネル大学ジャパンの初代事務局長。
充実した時を過ごしたあとのビールは美味しかった。
会話も弾んだ。
受講生に、派遣してくださった企業のトップ、担当者の皆さんに、
そして事務局に、心より感謝。
5月最後の日。
商人舎の5月の標語は、
「生きよ、学べ。」
この標語の通り、
一生懸命に生きた。
必死で学んだ。
そんな5月だった。
<結城義晴>