ユニクロの新聞一面広告。
私の自宅で撮った写真はこれ。
㈱ファーストリテイリングが、
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と、
パートナーシップを締結した。
その要請を受けて、今月から8月末までに、
300万着の同社古着を回収し、
秋から冬にかけてアフリカの難民キャンプに届ける。
店舗は「ユニクロ」と「ジーユー(gu)」。
今月中に全店に専用の回収ボックスを設置。
冬の難民キャンプでは特に子供服が不足している。
その子供たちに、ヒートテックやフリース、
子供用のシャツやズボンを送る。
ユニクロの顧客は、
ボランティア活動に参画することの満足感を味わう。
そのうえ、これはユニクロ、guにとって、
来客動機にもなるし、
買い替え需要も引き起こす。
凄い企画だ。
来店動機や買い替え需要のために行うから凄いのではない。
難民キャンプを支援すると同時に、
それがビジネスにつながっているから、
凄い企画なのだ。
私が最近、主張していることのひとつは、
「インディペンデント・カンパニーの優位性」。
しかしファーストリテイリングの柳井正さんの行動を見ていると、
上場企業でありながら、「非上場企業の強み」を併せ持つ。
株式市場で、株主に、
文句を言わせない収益性や成長性をもてば、
上場企業も本当のインディペンデント性を、
有することができる。
そんな感慨を抱いた。
一方、昨日の東横線白楽の駅には、こんなポスター。
ACジャパンの「Hood is Hope」
国連世界食糧計画WFPへの支援を呼びかける。
これもよし。
街中に、こういった主張があふれ、
メディアをこういった活動が引っ張る。
日本は、いい国だ。
その横で、こんな広告。
クイズ。「この絵画の題名は?」
「C.新宿の宝石店の少女」
フェルメールが泣いている。
さて昨日の朝は、横浜市立白幡小学校へ。
横浜では名門の市立小学校のひとつで、
ここの校長を務めて退任という先生が多い。
私がPTA会長を務めたのは、
児童数が900人に迫り、
ピークの頃だった。
一転、今日は、東京・池袋の立教大学で、
結城ゼミ。
古い古い第一食堂。
今日は、キャンパス・ツアーをやっていた。
一周20分の案内付ツアー。
当日参加も可で、
思案するご夫婦。
参加者は学生が案内してくれる。
のんびりして、いいもんです。
これも日本の良さでしょう。
クチナシがキャンパス中に匂いを振りまいていた。
さて昨日、このブログで、
経済コラムが面白くないと書いたら、
今日の日経新聞『大機小機』は良かった。
コラムニスト手毬氏が、
「『とりあえず増税』の功罪」を書く。
イントロは「とりあえずビール」。
「外国人が『とりあえずビール』を
日本のビールの人気銘柄と勘違いした、という話」
それから今国会の消費増税の「とりあえず増税」。
「年々の税収を借金(国債発行額)が上回る現状は異常だ。
増税せずに、
経済成長による増収と歳出削減でつくろえる限度を超えている」
実際に国際通貨基金(IMF)やOECDまで、
「日本に消費税引き上げを勧告」している
ここで、財政運営の心得を披歴。
「入るをはかりて出づるを制す」
これ、経営の極意でもある。
「3党合意は『入るをはかる』に偏重し
『出づるを制す』がおろそか」
コラムニストの指摘、まっとう。
「OECDの調べでも財政再建の成功事例は、
増税より歳出削減に重点を置いたケースが多い」
しかしそのための猶予期間がある。
小沢一郎一派が脱党しようが、
法案は通る。
しかしすぐに消費税率は上がらない。
「現行5%」、
「2014年4月に8%、
15年10月に10%」。
「8%まで2年弱、10%まで3年あまり」
手毬氏は言う。
「この期間を大切にしたい」
そしてこの期間は、
小売流通業、サービス業、消費産業にとって、
国民の価格意識が、
飛び切り厳しい時となる。
しかしそれは、
企業という法人の体力、精神力を図る時期となる。
そのための企業の考え方も、これ。
「入るをはかりて出づるを制す」
皆さん、良い週末を。
<結城義晴>